これじゃだめですか?
googleのキャッシュで参照できます。
http://www.sf-fantasy.com/magazine/bookreview/030301.shtml
ブックレビュー:《ライラの冒険シリーズ》
大学時代、児童文学を専門にしていました、今も昔も、ファンタジーの王道は「行きて帰りし物語」ですね。
上記のURLはその中でも特に現世界に「帰る」とい意味を強く出している素晴らしい作品だと思います。3部作ですが、読む価値はありますよ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101001340/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫): 村上 春樹: 本
村上春樹さんの小説は異世界と現実の境目がとても曖昧ですが、これもやはりそうだと思います。初期作品より、中期以降がお勧めです。しかし全ての主人公が「帰った」かどうかは謎です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122039053/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 神様 (中公文庫): 川上 弘美: 本
川上弘美さんの「神様」です。
大人の書く、現代のファンタジーですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480803556/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 沈黙博物館: 小川 洋子: 本
小川洋子と聞くと、わりあい女性らしい文体や少し幻想の入ったイメージを持つ方も
いるかもしれませんがこの人の”グロな世界”と”現実世界”の合わせ方はファンタジーに通じるモノがあると思います。世界に飲み込まれず逃げ切る事もまた「行きて
帰る」意味ではないでしょうか。
他の作品もアマゾンなどで見てみてくださいね。
もし検討はずれな回答でしたらすみません。
児童文学はまったく知らないのでとても参考になります。
「世界の終りと…」が挙げられるであろうことは予想していましたが、「神様」は気づきませんでした。
たくさんのご紹介ありがとうございます。
伊坂幸太郎のデビュー作「オーデュポンの祈り」
主人公は気が付くと仙台から船で渡った小島に連れられていた。そこは日本国内とは閉ざされた場所にありながら同じように発展してきた島。しかしそこには未来を見、話す案山子、優午が立っている不思議な島だった・・・。
自分の紹介文なので拙いですが。一応ミステリなのでネタばれ無しの方向で。紹介URLもネタばれ無しのサイトです。
沢木耕太郎のノンフィクション「深夜特急」
ドラマ化もされた有名な本。既読かもしれませんね。一応紹介しておくと、主人公沢木耕太郎は友人と「乗り合いバスだけでロンドンまでたどり着けるか」という賭けをし、ありったけのお金を集めて香港に渡ります。そこから乗り合いバスだけで国々を越えてロンドンを目指す・・・。異世界、というわけではないので「いきて帰りし・・・」とはちと違うかもしれませんが日常から離れた主人公が別世界で自分を取り戻す、という構造から挙げときます。あとやっぱ好きなんで・・・。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4043405065/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 八月の博物館 (角川文庫): 瀬名 秀明: 本
瀬名秀明の「八月の博物館」
主人公とトオルが学校帰りに立ち寄った博物館。そこで出会った少女美宇とともにミュージアムのミュージアムを通して冒険に旅立つ。
「深夜特急」は私もお気に入りですよ。
ご紹介文とても参考になります。
ありがとうございます。
芥川龍之介の『魔術』です(URLは青空文庫のものです)。
魔術を習おうとした青年が、習う資格があるかどうか試される話です。現代、というか近代ですね…。当てはまってなかったらすみません。
それから、ミヒャエル・エンデの『果てしない物語』。落ちこぼれ気味の少年バスチアンが、『はてしない物語』という本を通して別世界ファンタージエンと関わり、成長していく話です。映画にもなっています。
ご紹介ありがとうございます。
でも、芥川龍之介の作品を現代小説と呼ぶのはちょっと苦しいような気がします。
すいません、現代小説では思いあたらなかったのですが、
挙げたい作品があります。趣旨が異なると思われたらポイントはいりません。
「LAST SAMRAI」主演:トム・クルーズ
映画です…。有名作品です…。しかし間違いなく「生きて帰りし物語」の構造を持っています。
あの戦略的なハリウッドのことだから恐らく意識的に神話的構造を利用しているのだと思いますが、
「行く先=異界」が日本であるということは、日本人からしてみると違和感があって面白いと思います。
主人公が「異界=武士の世界?」に魅せられて還っていき、最終的には消えて失われてしまう、という結末もまた神話的です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003231155/hatena-q-22
Amazon.co.jp: ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫): マーク トウェイン, Mark Twain, 西田 実: 本
「ハックルベリィ・フィンの冒険」著:マーク・トウェイン
これも現代ではなく近代小説です…。
「トム・ソーヤの冒険」の続編に当たります。
筏でミシシッピ川を下っていくハックと逃亡奴隷のジムが様々な事件に遭遇するのですが、
それらはどこか非日常的で、違和感があって、
まるでケルト神話を読んでいる様な感覚になります。
ありがとうございます。
質問の趣旨とはそぐいませんでしたが、「ラスト・サムライ」のご紹介文は興味深かったです。こんど観てみます。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3efd49787c2830...
オンライン書店ビーケーワン:日の名残り ハヤカワepi文庫
カズオ・イシグロ『日の名残り』(ハヤカワepi文庫)
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
(第二次大戦後ですし、現代小説といえるでしょう。)
ありがとうございます。
これは積読中でした。こんど読んでみます。
ありがとうございます。
でも、できれば、たとえば「アリス」を下敷きとしたような現代小説をお教えいただきたいのです。
これが質問の趣意です。
山ん中の獅見朋成雄
千と千尋のパロディになってる、とレビューにもあるので多分そうじゃないですか?
ありがとうございます。
「山ん中……」はまったくその通りだと思います。
SFです。
「ノービットの冒険」そもそものホビットの冒険を下敷きにしています。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue4k-ngt/bnavi/asprin.html
ロバート・アスプリン『銀河おさわがせ中隊』
「マジカルランド」シリーズ
ユーモア・ファンタジーで、全作品を通して読んでみると「行きて帰りし」型になっています。
http://www.osawa-office.co.jp/
大極宮 -大沢オフィス公式ホームページ-
宮部作品の中にはいろいろと見受けられます。
「ブレイブ・ストーリー」が典型的ですが。
ご紹介ありがとうございます。
二番目のが面白そうです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022643005/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫): 大塚 英志: 本
大塚英志「物語の体操」第5講 『「行きて帰りし物語」に身を委ね「主題」の訪れを待つ』
で色々紹介されてました(既読?)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410135913X/hatena-q-22
Amazon.co.jp: キッチン (新潮文庫): 吉本 ばなな: 本
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122018838/hatena-q-22
Amazon.co.jp: TUGUMI(つぐみ) (中公文庫): 吉本 ばなな: 本
吉本ばななの2作品。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062731290/hatena-q-22
Amazon.co.jp: スプートニクの恋人 (講談社文庫): 村上 春樹: 本
村上春樹。紹介文はレビューを参考にして下さい。
大塚英志のは既に読んでいました。
しかし、ご回答ありがとうございます。
梨木香歩さんの「裏庭」です。
現代の児童文学の中では珍しいストレートな「生きて帰りし物語」です。
この人の作品は独特の風合いのものが多くて、肌に合う人にはすごくおもしろいです。
ちなみにぼくのおすすめは「りかさん」とその続編にあたる「からくりからくさ」です。
ありがとうございます。
「裏庭 」、面白そうです。
Rainmakerさん、のっかりはてなありがとうございます。
二番目の回答者の方が触れておられる村上春樹の小説、『スプートニクの恋人』は、帰ってくる登場人物、帰ってきた登場人物が三つ巴になっています。
1995年出版の『最後の巨人』は、行きて帰りしのち、再度かの地を訪れますが、すでにそこは失われた土地になっています。
体裁は絵本ですが、中身は小説めいていて読み応えがあります。
ありがとうございます。
「最後の巨人」には、たいへん惹かれました。読んでみます。
トルーマン・カポーティの「草の竪琴」です。
いわゆるファンタジーではありませんが、物語の構成としては「生きて帰りしものがたり」の構造に近いものがあります。
現実の世界の中で語られるストーリーですが、並のファンタジーよりもはるかに繊細で美しく、幻想的な作品です。
ありがとうございます。
参考にいたします。
「行きて帰りし物語」にそぐわなければ(論点をはずしていたら)もちろんポイントは頂かなくて結構です。
この3部作は、保育園〜小学生のころ、文字通り、
ボロボロになるまで、繰り返し読んだ本です。
エルマーという主人公が、さまざまな動物と出会うファンタジーです。
特に、竜との友情が泣かせます。
私の解釈では、スノーマンも「帰りし」のカテゴリーに入るのですが、異論ある方も多いと思います。。。
ありがとうございます。
「エルマーのぼうけん」は、私も幼稚園のころのお気に入りでした。
ももいろのぼうつきキャンデー!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4001145316/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 時の旅人 (岩波少年文庫): アリソン アトリー, Alison Uttley, 松野 正子: 本
アリスン・アトリー作の児童文学です。似たような設定をもつものでは,フィリパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」の方がもう少し有名かも知れません。しかし,過去の人たちと心を通じ合わせながらも,その「時の流れ」を変えることはできない,あくまで来訪者でしかない主人公の切ない想いが,穏やかな展開のなかにもつたわってくる,ちょっと哀しくもやさしい物語です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101373221/hatena-q-22
Amazon.co.jp: ターン (新潮文庫): 北村 薫: 本
北村薫の「時と人」3部作の真ん中の作品です。「行きて帰りし」というよりは,ある1日間が繰り返す世界にたった一人はまりこんでしまった,という状態ですが,ある日かかってきた現実世界からの電話が,状況を決定的に変えていき,ある出会いを生みます。
ありがとうございます。
ご紹介文、とても参考になります。
タイムリーなところで、綿矢りさのデビュー作の「インストール」は典型的な「行きて帰りし物語」になってますよ。女子高生が学校に行くのをやめて、社会から逸脱して、再び社会に回帰するまでのお話です。
「インストール」、確かにそうです。
ご指摘をいただくまでまったく気付いていませんでした。
ありがとうございます。
面白そうだったので、私も思い出してみました。
まずはフィリップ・K・ディック。
「トータル・リコール」。K・ディック「追憶売ります」(新潮文庫版「マイノリティ・リポート」収録)が原作で、主人公は記憶を取り戻すための旅に出るというところから話がスタートします。映画版シナリオは確か、他のディック小説の話も合体しているはずです。
『流れよわが涙、と警官は言った』は、アリスみたいな話ですが、笑いはなくてひたすら迷宮の世界です。
精神的な異世界からの帰還という系統では、『暗闇のスキャナー』、ヴァリス三部作の最後の作品『ティモシー・アーチャーの転生』もたぶんそう。帰還したつもりが永久に帰還できないという怖い話でもあったりします。
またアメリカ文学。
K・ディックと並ぶ巨頭ヴォネガット、「スローターハウス5」をおします。前半期の作品に「行きて帰りし」の感じが強いです。
「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」も、精神的なユートピアから現実の世界へ戻ってくる話だと思っています。
ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」は、歴史上で隠された謎の痕跡に気づき始めてから、へんてこな世界に巻き込まれる話です。村上春樹の「羊をめぐる-」に似た設定です。こういう壮大なへんてこ話、ピンチョンとかジョン・バースもあったと思います。
映画だと「スタンド・バイ・ミー」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がそうなのかと思います。主人公が最初はごく普通の少年である、というところがポイント。私はスピルバーグのこのあたりの作品好きです。
日本では、まず矢作俊彦「スズキさんの休息と遍歴」、これも失った自分の過去を取り戻す旅に出る話。設定はフィリップ・K・ディック「追憶売ります」に似ていて、現代のドン・キホーテ話とも言われてます。
タイムスリップも入ってますけど小林信彦「ビートルズの優しい夜」「イエスタデイ・ワンス・モア」。ちょっと変わったところでは井上ひさしの「吉里吉里人」もこの範疇だと思う。岩手県が独立国になろうとする話です。
ディック、いっぱいありますね。こんど読んでみます。
ヴォネガットは大好きですが、「行きて帰りし」と考えたことはありませんでした。面白いです。
名前を見ていま思い出しましたが、そういえば、矢作俊彦の「ららら科學の子」は帰ってきたところから始まる物語でした。
ご紹介文、とても参考になります。
たくさんありがとうございました。
宮内勝典「僕は始祖鳥になりたい」
アマゾンの紹介文はSFみたいですが、純文学です。この構造は言われてみれば、「行きて帰りし物語」になってると僕は思うのですが。
ありがとうございます。
参考にいたします。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061882279/hatena-q-22
Amazon.co.jp: ムーミンパパ海へいく (ムーミン童話全集): トーベ・ヤンソン, Tove Jansson, 小野寺 百合子: 本
平和なムーミン谷を出て、岩だらけの島に移り住んだムーミン一家の話です。
パパは平和な生活からの脱出を夢見て島へ移り住む事を決意し、ママは不安定な島の生活からの精神的逃避の為に自分の世界に閉じこもってしまいます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061381164/hatena-q-22
Amazon.co.jp: ムーミン谷の十一月 (講談社文庫 や 16-8): トーベ・ヤンソン, Tove Jansson, 鈴木 徹郎: 本
ムーミン一家の暖かさを求めてやってきた者達が、不在のムーミン屋敷でそれぞれに自己を見つめ、自分の居場所を見出してゆく話です。
「ムーミンパパ海へいく」と「ムーミン谷の十一月」、それぞれが完結した物語ですが、
2冊続けて読むことで「行きて帰りし」感が強くなります。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152082828/hatena-q-22
Amazon.co.jp: タイムライン〈上〉 (Hayakawa novels): マイクル クライトン, Michael Crichton, 酒井 昭伸: 本
現代から中世フランスへのタイムトリップ。チームで「行きて帰りし」ですが、その中の2人が特に象徴的です。
1人は、現代社会では上手くやっているが精神的にも肉体的にも未熟な青年。中世フランスに適応できず、来たことを後悔ばかりしています。
もう一人は、中世の騎士のような志向を持ったタフな青年。自ら率先して中世フランスに行きますが、こちらは逆に、現代社会に適応できていない自分を発見します。
その他、物理的に「行きて帰りし物語」で良ければ、
『失われた黄金都市』(アフリカ・コンゴへの旅)
『スフィア』(海底、および精神世界)
『ジュラシック・パーク』
『ロスト・ワールド(ジュラシック・パーク2)』(恐竜の棲む無人島)
あたりもですね。上記はすべてマイクル・クライトン著です。
ありがとうございます。
ご紹介文、とても参考になります。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index%3Dbo...
Amazon.co.jp: : generic
アゴタ・クリストフの、悪童日記以下三部作は、結果的に「行きて帰りし物語」と言っていいのではないでしょうか。もしかしたら読んでいるかもしれませんが、第二次大戦末期のハンガリーと思われる田舎町で育つ双子の物語です。結果的に双子の片方は国を脱出し、一人は留まるのですが、何十年かたって、片方が国に帰ってきます。と、こう説明するよりも、もし読んでいなければ是非お勧めできる三部作です。
ありがとうございます。ご紹介文、とても参考になります。
「悪童日記」しか読んだことがありませんでした(面白かったです)。
「ふたりの証拠」「第三の嘘」、読んでみます。
そろそろ終了いたします。
みなさまありがとうございました。
ありがとうございます。
でも、Google 検索ではじめのほうに出てくるようなページは、既にチェック済みなのです……