物語の構造研究については「物語論」という研究分野があります。これはウラジーミル・プロップ という学者がロシアの民話研究の過程で創始したもので、上記URLの本が入門書として最適だと思います。
また、言語や状況の流れや組み合わせが真理にどのような影響を及ぼすのかを研究する学問は「言語心理学」、「認知科学」、「分析哲学」、「構造主義」などが該当すると思います。
言語哲学の領域に属する物語論、という分野と思います。バフチンの著作が有名ですが、適用領域は広がっています。
勉強になります。
http://www.hatena.ne.jp/1103408263#
物語の構造の研究、また、言語や状況の流れや組み合わせが心理にどのような影響を及ぼすのかを研究する分野は何というジャンルで調べればいいのでしょうか? 何々学のよう.. - 人力検索はてな
おとぎ話における影
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4409330152/hatena-q-22
Amazon.co.jp: おとぎ話における影: M.L.フォン・フランツ, 氏原 寛: 本
物語研究時に、たしか、参考になった覚えがあります。図書館でお見掛けになったら、ちらりと見てみては?
ありがとうございます。
上のURLはカルチャラルスタディーズの説明になるのですが、
お探しのは、いわゆるカルチャラル・スタディーズとは違うだろうと察し、
以下のURLには、関連する私の好きな学者を挙げます。
(基本的には哲学、社会学、民俗学、精神分析学の各分野でそうした
物語の分析を通じて何か考察する学者がいる、と考えて良いのではないでしょうか。)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4393331788/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 恋愛の不可能性について: 大澤 真幸: 本
恋愛の指南でもしてそうなタイトルですが、著者は中世哲学(神学)分析
でも知られた社会学の学者です。
紹介した本もそうした中世哲学分析を踏まえたメロドラマの構造分析を行っています。
で、「言葉の構造」そのものが、宿命的ドラマの行く末をすでに宿命付けていると。
こうした思索は、ほかも多くの哲学者が取組んできたものです。
少し前説が必要なのですが、
中世哲学の主な取り組みの一つに、「偶像崇拝禁止原則をいかに構築するか」でした。
偶像崇拝禁止とはつまり、現人神をたてたり、特定の物を信仰の拠り所にしてはならないということですが、
これは他の世界宗教でも「世界宗教たる」共通な条件であります。(仏教でもそもそもは禁じているのですが)
さてここで、なぜ「偶像崇拝禁止」が「恋愛の不可能性」と関係してくるのか。
「偶像崇拝をすること」そのものは、「言葉の世界・構造」を形作る不可欠の要素です。
リンゴの実体があって「リンゴ」という音や文字があてられている。ただし、
「これがリンゴである」と認知するには、(人間の認知そのものがもはや言葉から逃れることは出来ません)
「これはミカンではなくモモではなくてリンゴである」というふうに、
何か他の存在や概念を経由してしか「リンゴ」は「リンゴ」たりえないわけです。
神学で、唯一神で創造神であるキリスト教の神を偶像にしてはならないとしたのは、
つまり「神は何か他の存在を経由せずとも神は神である」としなくては、
唯一神にはなりえず、「創造神」ともたりえなくなるのです。
…分かりますでしょうか?
やっとここで恋愛メロドラマの話に至るのですが、
本でまず、あるドラマでヒロインが愛情不安を抱く、いかにも平凡な場面が引用されます。
「あなたは私を本当に愛しているの?」
そこで相手の恋人が「愛してる」ことを証明するために、優しさや美しさや賢さなどを列挙しだすと、
どうでしょう、もしあなたがヒロインの立場なら、それで納得出来ますか?
それでヒロインの愛情不安が決して解消されないのは、
理由が「優しさ」というなら優しいというカテゴリーの中の1人として彼女を扱うことになるわけであり、
結果的に彼女が「唯一の人である」ことを表現してないからです。つまり
積極的に愛を証明しようとすればするほど、その愛は絶対的ではなく
「だれだれとは違って君はこうだから」という相対的な愛になっていくわけです。
ここでさらに哲学の思考実験ともいえる「可能世界」という概念をとりあげています。
「もし、恋人が彼女でなかったら」という別の「可能世界」を想定するということはどういうことなのか。
そこから、パットナムの思考実験「双生地球」の解説もまた興味深いところです。
興味深いです
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Amazon.co.jp: 昔話の形態学 (叢書 記号学的実践): ウラジミール・Я. プロップ, 北岡 誠司, 福田 美智代: 本
プロップは『昔話の形態学』において、おもに魔法が介在する物語の構造分析を行っています。
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Amazon.co.jp: 意味について (叢書 記号学的実践): アルジルダス・ジュリアン グレマス, Algirdas Julien Greimas, 赤羽 研三: 本
グレマスは『意味について』で、神話の意味構造を記号学的に分析しています。
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Amazon.co.jp: 物語の構造分析: ロラン・バルト, 花輪 光: 本
バルトの『物語の構造分析』は、短めの論文を集めてあり、読みやすいです。
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Amazon.co.jp: 小説から遠く離れて (河出文庫): 蓮實 重彦: 本
学術書より一般書寄りでは、こちらの蓮實重彦の『小説から遠く離れて』のほかに、瀬田貞二の『行きて帰りし物語』また、大塚英志の『物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン』も、構造主義的に文学(物語)が解析されています。
ありがとうございます。
全部読むのは歯ごたえありそうですね。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0577.html
松岡正剛の千夜千冊 『物語論辞典』ジェラルド・プリンス
前者にはこのような本や、プロップのものが有名ですね。
ありがとうございます。
どうもです。
ズバリ知りたいことを答えてくださってありがとうございます。ご紹介の本も読んで見ます。