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- 登録:2005-03-21 19:13:39
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書籍・音楽・映画
(淡路町だよりVol.9 出版不況について)
出版点数は今も増加の傾向(1973年 20138点 →1983年 33617点 →1993年 45799点 →1998年 65513点)にあるようですが、書籍の売上げは96年の1兆900億円をピークに漸減しているとのこと。
単純に売り上げ高が最高の1996年を「最も書籍が読まれた年」としてもよさそうですが、そう単純な話ではないかもしれません。
読書以外の娯楽が増えている現在、相対的に読書の価値は下がっています。実際、戦後ほどなく中央公論社から『世界の名著』シリーズが出た時には、一冊書いた(訳した)先生は別荘が一軒買えたと伺ったこともあり(今では普通の大学の先生で数冊本を出していても到底無理な話です)、戦後すぐの頃などは本に飢えていた人々がどんどん書籍に飛びついた時期だったのではないかと思います。
また書籍を読むにしても、図書館から借りたり、友人とまわし読みをする等のことが普通になされていた時代などがあり、読書量と出版量は単純な比例関係にはないように思われます。
そこでちょっと視点を変えてみます。確かに絶対量的には現在に読書量が匹敵することはないと思いますが、「日本人が一番本を読んでいた」というのを「諸外国に比べ…」と考えると、それは案外江戸期ではなかったでしょうか?
世間的な認知度の高まった黄表紙や合巻などの大衆小説的な出版物は、拡大形成された市場と流通ルートにのることで、出版界の主流のみならず、化政文化と称される文化(1804−1817)・文政(1818−1829)年間における文化の中心的存在となったのである。(略)
この時期に出版された山東京伝の作品はコンスタントに7,000部以上が売れ、柳亭種彦の合巻などは最高15,000部を売り上げたほどである。当時のわが国の人口は3000万人足らずであるから、これは現在の約5万部に相当する。
http://homepage3.nifty.com/katodb/doc/text/1076.html
KATOHDB: {̕E`Ƌ
十九世紀のおわりには寺小屋の数は二万にちかかったというから、日本人の識字率は世界最高であったと断定してさしつかえあるまい
つい先日のNHK『ものしり一夜づけ』(最終回)でも、黄表紙に善玉と悪玉が登場したことによって日本人の識字率が一挙に高まったなどという話をしていました。
1576年〜1640年の間 イギリスで毎年200点発行される。
1671年 日本の蔵書目録で入手可能なものは3974点
1815年〜1842年 柳亭種彦 「にせ紫田舎源氏」10000〜15000部
1885年 フランス ゾラの「居酒屋」10000部、「ナナ」150000部
19世紀前半の日本は、世界で一番本を読んでいた国だったんじゃないでしょうか…
(あ、これは『聖書』とか『コーラン』を勘定に入れない本のお話ということですが)
なるほど、力作回答ありがとうございます。
2
回答者:
morningrain
2005-03-21 20:12:59
満足!
180ポイント
参考URLの8ページにある読書率の推移のグラフを見るかぎり、2000年が読書率の最も高くなっている年です。
ただ、11ページの資料を見ると、高校生の読書不読率の上昇が目立ち、今まで一番本を読むとされてきた高校生、大学生に本離れの傾向があるのは否めません。
また
の表1などを見ても、学生の読書量は必ずしも増えているとは言えません。
出版点数などで見ると、現在も出版点数自体は増えています。ただ、いわゆる学生などが定番として読む古典的な小説などを読まないそうが増えているというのはデータからも読みとれるかもしれません。
上記のデータを見るかぎり、「今が一番本を読んでいる」と言えそうな気もしますが、「教養としての読書」のようなことを考えると、何となく実感とは違いますね。
これは統計的なデータではありませんが
で筑摩書房の歴史を見ると、50年代後半から70年代前半が「教養としての読書」の黄金時代のような気もします。
参考文書はよくまとまっていますね。祖父母の感覚をよく裏付ける資料。70年代まで読書率は上昇し続け、頭打ちになったのである、と。
ではなぜ読書離れといわれるのか、についても触れられていますし、アメリカの成功例も紹介されている。満足しました。
また、「教養としての読書」についてですが、それもまた納得というか、一度そういう時代を通ってきたから、いまだに読書が趣味というとちょっと(ほんの少しですけれども)ハイソな感じがあるのでしょうね。
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この質問・回答へのコメント
http://www.dynic.co.jp/company/80/chno1/ch01-4.html
昭和のはじめ「円本」と呼ばれる廉価版の文学全集が企画され、それまで1000部、2000部単位が当然だった出版業界において、数十万部という単位での売り上げを初めて達成しました。これが日本における「書物の大衆化」の始まりだったと考えて良いでしょう。
その後、円本ブームが去り、紙の配給が始まる昭和10年代から終戦までの間を別として、おおむね日本人は良く本を読んだようです。質問者さんの御祖父・母様がおっしゃる「若い頃」は丁度その谷間にあたっているのではないでしょうか。戦後すぐ出版事情が回復するとともに、再び様々な全集が企画され、そしてそれが低下してくるのは
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478210268/250-6784548-9925816
「最近の学生は本を読まなくなった」と言われ始めた昭和40年代頃ということになっております。
というわけで、昭和のはじめ〜昭和10年頃までと、昭和20年代〜昭和30年代まで、が、「日本人が一番本を読んでいた時代」と言って良いのではないでしょうか。
参考URLは「人は、なぜ本を読まなくなったのか?」という本です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4924956686/250-6784548-9925816
> taknt さん
一応、今回はそういう定義で。
> jo_30 さん
2番目の回答にある資料と比較対照しますと、「「最近の学生は本を読まなくなった」と言われ始めた昭和40年代頃」にようやく読書率はピークになるのです。つまり、読書率の上昇が頭打ちになった時期ですね。日本で IT バブルといわれた時期よりも現在の方が IT 産業の規模は大きかったりするし、それはあらゆる統計が示しているわけです。そもそもバブル期よりも日本経済は拡大しているけれど、失われた10年とか15年とかいっているわけですよね。
そこで私がどう考えるのかというと、「昭和のはじめ〜昭和10年頃までと、昭和20年代〜昭和30年代」というのは、読書率がグンと上昇した時期なんだと思うわけです。だって、祖父母はそもそも「家に本がなかった」「集落に本屋がなかった」ことを証言してもいるのです。不況といっても、実態としては頭打ちに過ぎない。ピーク時と大差ない水準を維持しているわけです。円本ブームは4年で終息した由ですが、その後、読書率は低下したのか。してないだろうと思うんですね。出版点数が増加して1点あたりの部数がばらけていく形でブームが去ったのだと予想します。
あとですね、「人とコンピュータ」は昨年末、読書週間に関するまとめ号を出しています。で、読んでみたんですけど、全然、データが載っていないんですね。これで「まとめ」というのは詐欺じゃないのか、と思ったり思わなかったり。
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31465327
>> jo_30 さん
>
>2番目の回答にある資料と比較対照しますと、「「最近の学生は本を読まなくなった」と言われ始めた昭和40年代頃」にようやく読書率はピークになるのです。つまり、読書率の上昇が頭打ちになった時期ですね。日本で IT バブルといわれた時期よりも現在の方が IT 産業の規模は大きかったりするし、それはあらゆる統計が示しているわけです。そもそもバブル期よりも日本経済は拡大しているけれど、失われた10年とか15年とかいっているわけですよね。
>
おっしゃることはよく分かります。
今回の回答をするに際し、一番厳しかったのは「人々が本を読んでいる」という状況をどう定義するか、ということでした。「読書率」は、読書の質を示しませんが、「最近の学生は本を読まない」とか「日本人は本を良く読む」という言い方をする時は、普通その「質」を言外に含めていると私は思います。それは、2番目の回答者さんの資料が「読書率の上昇だけでは語れない」と言って、そのあとに続けておられる論考に書いてある通りだと思うのですね。
そこで私は、物凄く大雑把ですが、人々が(1)「読書することは常識である」と一番考えていた時代(経済事情など環境が好転した時代)、(2)「読書したい」と一番思っていた時代(読書への飢えがあった時代)(この辺でhkt_oさんの仰る「読書率がグンと上昇した時代」と重なる部分があるんだろうと思うわけですが)(3)競合する他メディアと比較し読書が優位性を保っていた時代、という三つの観点で考えることにしました。これは、以前全集ブームについてSo-SHiroさんがなさった質問への自分の回答を(下記URL)踏まえたものです。そちらもいくらか参考になるのではないかと思います。これはおそらくデータ化不可能だと思いますが、それでもその観点から見れば、たとえば2番目の回答にある「高校生不読率が30年にわたって上昇し続け、現在過去最悪の状況」というデータは興味深いのではないでしょうか。高校生といえば、大人の読むものを読み始める時期なわけで、その年代で読書を「全くしない率」が上昇しているということは、明らかに、高校生に強い影響を与える大人の中で、上記の三観点が崩れてきていることを示していると思います。
http://www.hatena.ne.jp/1107684203
そうですね。昭和40年代以降の読書というのは、家電でいうところの、あって当たり前の家電と同じ地位になってしまったのでしょう。
いつも騒がれるのは新しい家電ばかり。いくら市場規模を維持していても、伸びないジャンルは斜陽産業化してしまう。冷蔵庫とかですね。エアコンもそろそろその仲間入り。今、話題なのはデジタル家電ばっかりですからね。実際、儲けを稼ぐのもそれらであって、旧来の商品は利幅がドンドン落ちている。
読書もラジオも(一時期の?)映画も、ひょっとするとこれからのテレビも、みんなまとめて古い情報娯楽産業にカテゴライズされていくのかもしれません。
>> taknt さん
>
>一応、今回はそういう定義で。
時代の流れで、読む対象が 本から ITなどに変わっただけで、読む作業としては、けっこう多いのでは ないのかと思う。
ま、定義というのは 難しいもんだが。

