ボクシングのストレート，アッパー，フックはどの順で，体力を消耗するのでしょうか？

お尋ねの「体力の消耗」ということを単純に「消費エネルギー」つまり「運動量」と考えますと。もっとも燃費が低いのがストレートでしょう。次がフック、アッパーという順になるわけですが、ボクシングの場合、これらはコンビネーションといってひとつの連続した流れの中で出すことになるので実際には話はそうは簡単にはいきません。

つまり、俗に言う「ワンツー」というのは（オーソドックス、つまり右利きのボクサーの場合）、左のジャブ（ジャブはストレートに分類されます）から右のストレートをいい、その右ストレートを出すことで右にねじれた体を元に戻す（これを「返し」といいますが）動きを利用して左フックを打ちます、このときワンツースリーのコンビネーションが成立することになります。

つまり、右ストレートを打った反動で左フックを打つわけですから、その際の燃費はいきなり打つ右フックに比べればはるかによいと考えられます。つまり、軽い左のジャブ（左ストレート）につなげた強い右ストレート、その反動の返しの強い左フック、さらにそのまた返しの右フック、左アッパーという具合に一連の流れの中で出るパンチなので単純には比較できないというのが実際のところです。

基本的にパンチの威力というのは両脚にかかった体重のシフトウェート（つまり体重の移動）であるわけです。左足を前に出した前傾姿勢で、後ろ足となる右足のかかとを浮かせて前足の膝に体重がかかっている状態から後ろ足のつま先の（後方への）蹴りとともに右のストレートが真っ直ぐに前方に出るわけで、そのときにその蹴った力と右膝に乗っていた体重が合成されて腰のひねりとなり、それが上半身の肩のから肘を経て手首さｒないはナックル部分へと力が伝わるわけです。最終的にパンチのインパクトの瞬間に拳を肘のところからねじるかたちでドリルのようにひねるようにして打ち込みます。そのストレートが身体運動としてはもっとも自然な効率のよい動きなので体重もよく乗り、力の漏洩も少なく、もっとも威力があり効率のよいパンチとされています。

それに対してフックは肘を鉤形に曲げた腰の回転で打つ左右の回転するパンチで、アッパーはその上下斜め上下の運動だと思ってください、いずれもストレートに比べて不自然なものですが、先に述べたとおり右ストレートと連携した左フックはごく自然な体の動きを応用したもので威力もあり、ＫＯパンチとなることも多いです。

（あ、もしお尋ねの「体力の消耗」がパンチの威力ということでしたら、それは相手のどこに当たるかによって異なりますので答えは出ません。顎への強打は脳震盪を起こさせるもので一発でＫＯすることもありますが、ボディブローは肝臓への一撃を除けば、まず鍛えたボクサーを一撃で倒すことは困難です。

単純に物理的な計測でいえば、やはりストレートがもっとも強力だという数字が出ています。

以上の件につき、もっとも適切ななサイトを探したのですがちょっと見つかりませんでした。