2^∞(0)=∞(1)
これについては問題ないと思えるのですが、以下のような疑問があります。
1.上の式を変形した、Log2 ∞(1)=∞(0)は成り立つのか? 成り立たない場合は、Log2 ∞(1)はいくつになるのか?
2.Log2 ∞(0)はいくつになるのか?
3.∞(0)を2進数で表記した場合に桁数はいくつになるのか?
アレフはヘブライ語のアルファベットを使うのが一般的ですが、ここでは書けないため∞の記号を使い、∞(0)のように表記しました。Log2は2を底とする対数と考えて下さい。
はてなダイアリーでは、数式や記号の表記に対応しているので、わかりにくければ下のリンク先を見て下さい。問題の補足説明もあります。
http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20051102
数学に全く詳しくない者ですが、ちょっと面白そうだったので回答させて下さい。
まず、僕にとっては
2^∞(0)=∞(1)
自体見慣れなかったのですが(^^ゞ
これは実数を2進法で表記したとき、
……00000.000……
と∞(0)桁の数字が並ぶところから、実数の個数を
2^∞(0)と計算したと判断しました。
とすると、もし実数を3進法表示するなら3^∞(0) 10進法表示するなら10^∞(0)と計算されます。従って、
2^∞(0)=3^∞(0)=4^∞(0)=…=∞(1)
となります。従って、ここでいうべき乗の概念は高校で習うような実数に対して行うべき乗演算とは異なるものといえそうです。あるいは=(等しい)の概念が異なるのかもしれません。無限に関する計算ではこのような不思議なことが起こります。他の例では、
∞(0)+∞(0)=∞(0)
ですよね。この式は∞(0)に対して加算演算を行っているのではなく、左辺と右辺の意味を考慮した結果等しいから等号で結んだだけです。
結局、無限に関する議論では、加算やべき乗といった演算が定義されているわけではなく、意味を考えて適宜等号(=)で結んでいるだけだと思います。従って
2^∞(0)=∞(1)
だからといって、勝手に両辺のlog2をとって
Log2 ∞(1)=∞(0)
としてはいけないのではないでしょうか。Log2という関数の定義域には∞(1)や∞(0)は含まれないからです。
従って1.の回答は「成り立ちません」
Log2は定義されていないからです。べき乗(^)も同様、∞に対しては定義されません。
よって2.の答えもありません。
3.は∞(0)桁です。前半の説明の通り、何進数で表しても、∞(0)桁です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E9%99%90
無限 - Wikipedia
ちなみに、無限は数ではありません。実数の拡張として+∞、-∞が定義されますが、その場合1つの数を表すわけではありません。
以下、上記URLから転載します。
無限大 :∞ (アーベルなどはこれを 1 / 0のように表記していた) いかなる数よりも(その絶対値が)大きな数と取られることもある記号、もしくは拡張された数。数と捉えるならば、これは一つの数を表すものではないと考える。また、実数の拡張としての無限大には + と - がある。
http://encyclopedie-ja.snyke.com/articles/連続体仮説.html:detail]
ご承知の上での質問だと思いますが、無限濃度に対してのlogの意味が定義されていません。2^∞
(0)に対しては、数字が定義されているのではなく、写像全体の濃度が定義されているのですから、その逆演算は未定義だと思います。
回答ありがとうごさいます。
Logの意味を具体的にイメージできるものとして2進数での桁数というのを質問しました。一般にm桁のn進数で表せる数は、nのm乗になりますから、逆にある数が何桁で表せるのかを考えることで、nを底とした対数、少なくとも対数の整数部がわかるはずです。
引き続き、回答を募集します。
再度回答させて下さい。
まず、ご存知と思いますが、
∞(0)(アレフ0)は加算無限集合の濃度を表します。{自然数}と1対1対応させることが可能です。
∞(1)(アレフ1)は実数の濃度を表します。
>3.の回答が∞(0)桁だとすると、それで表すことのできる数は2^∞(0)なので、∞(1)になってしまいます。それが、疑問な点です。
とのことですが、
∞(0)桁の数値そのもの … ∞(0)
∞(0)桁の数が表現しうる数値の場合の数 … 2^∞(0) = ∞(1) 通り
ですのでとくに疑問はないと思います。
また、Log2という演算は定義されません。
ROYGBさんは「当該の数を2進表示した時の桁数」と定義したいようですが、それだとLog2 ∞(1) というのはおかしな表示です。なぜなら∞(1)は数直線の延長上に定義されないからです(∞(0)は実数の拡張として定義されているので、数直線の延長上にあるといえます)
無限濃度を扱う時の基本は既知の集合との「対応付け」ですので、べき乗や対数を(実数に対して定義されていたイメージそのままで)持ち出すことはできないと思います。ちなみに、∞(0)は無限濃度の中で最小の濃度です(上記URLでも触れられています)。
とりあえず、3.の答えは∞(0)です。明らかに加算無限ですから。
2.の答えは、Log2の定義によりますが、「当該の数を2進表示した時の桁数」とするなら、∞(0)でしょう。だって、数字として表記できる時点で桁数は可算ですもんね。
その定義でいくと、1.はLog2は∞(1)に対して定義されていないので、こたえはない(不定?)です。上述の通り、∞(1)はいわゆる「数値」の形式では表現できません。できるとすれば加算無限になり、それは∞(0)です。
個人的には、2進法にしても10進法にしても、数値表現した時点で、強力な序列のもとに置かれてしまう(=数直線上あるいはその延長上に配置されてしまう)、というイメージです。釈迦に説法とは思いますが、一言。無限を想像する時に、「大きい実数である」というやり方で想像してしまうと、いつも実数の拡張としての(=数直線上の延長にある)無限を想像することになります。しかしそれは∞(0)を想像しているにすぎないわけです。実数の濃度を表す∞(1)はもっとメタな概念になるのだと思います。
面白いテーマでした。どうもです(^^
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AA%E9%9B%86%E5%90%88
冪集合 - Wikipedia
ちなみにSのべき集合(冪集合)とは、ある集合Sの部分集合全体のつくる集合のことです。2^Sと表記するのは、S の要素数が n の場合、各要素数の有無の組み合わせによりべき集合の要素数が 2n 個になることによります。
再度の回答ありがとうございます。
3.の答えは∞(0)だと、矛盾が出てしまいます。n桁の2進数で表せる数が2^n通りになるだけでなく、n桁の数は、少なくとも2^(n-1)になります。10進数なら10^(n-1)で、例えば10進数で3桁なら100以上になるというのは計算しなくてもわかりますね。
∞(0)桁の2進数の場合は、少なくとも2^(∞(0)-1)になるわけです。困った事に∞(0)-1を計算すると∞(0)になってしまうので、結局2^∞(0)というわけです。
また、自然数を表記するのに無限の桁をみとめると、自然数と実数が一対一対応させることが出来てしまいます。
自然数と実数は、一対一対応させることが出来ないのですが、それを証明する方法として対角線論法というのがあります。この時、説明のしやすさから0から1の間の実数を使い、無限小数、つまり小数点以下の桁数が無限にある少数を使って実数を表すことがあります。
この無限小数に対して、小数点でひっくり返した無限の桁の自然数を対応させます。具体的には0.123456…という無限小数に、…654321という自然数を対応させるわけです。そうすると一対一対応させることが出来てしまいます。不思議ですね。
べき集合の説明をいただいたので、それを使った形でも疑問を書いてみます。
Xという集合を考えて、そのべき集合が自然数の集合と同じ濃度になる場合のXは、どういった集合と考えられるのか?
この疑問も含めて、引き続き回答を募集します。
すでに述べられていますが濃度のlogは定義されていません。
もし定義するなら、2^y=x の時に y=log x とするのが自然です。
この場合、log ∞(1)=∞(0) となります。
しかし、 log ∞(0) は定義できません。
log ∞(0)=x としてみます。
これは ∞(0)=2^x ということになります。
このような x は存在しません。
もし x が有限なら 2^x < ∞(0) です。
もし x が無限なら ∞(0) < 2^∞(0) <= 2^x となるからです。
どうしても定義したければ有限と無限の間という新しい濃度を導入する必要があります。
回答ありがとうございます。
定義出来ないとすると矛盾が出ませんが、なぜ定義出来ないのかという疑問が出てきます。∞(0)の桁数も定義できないのでしょうか?
アレフゼロは、最も濃度の薄い無限とされていますが、新しい濃度を導入した場合に問題は無いのでしょうか。
また、Log ∞(0)のさらに対数を求めることで、さらに新しい濃度を導入する必要があり、無限に新しい濃度を導入しないといけなくなりそうな気がします。
http://www.math.h.kyoto-u.ac.jp/~takasaki/edu/logic/logic2.html
Introduction to Mathematical Logic
貴方は、2^ という「表現法」・「記法」にまどわされているだけです。
回答URLの 1.4.5 べき集合 から引用します。
集合 X の部分集合を全部集めた集合を X のべき集合 と呼び,2^X あるいは P(X) であらわす.べき集合の要素はそれ自体が集合であることに注意.
2^集合 という表記をした場合には、その2^の記号は、2のべき乗「ではありません」。「べき集合」すなわち「部分集合の集合」を表す記号になります。
数のべき乗に対応して対数の概念があるように、べき集合にも対応する対数の「様な」概念があるのでは? と先走っていませんか?
あるいは、2^集合 という表記をした時にそれがべき集合の記号であることを全くご存じなかったのではありませんか?
回答URLの例を再び引用します。
集合Aを{1,2,3}とした時、2^Aは {φ,{1},{2},{3},{1,2},{1,3},{2,3},{1,2,3}}
です。
2^A → A を指し示す対数にあたる概念もありそうな気もしますが、そういう概念は(少なくとも、カントールやゲーデルあたりの解説書のレベルでは)出てきません。
ついでなので、回答URLからもう1つ引用。
有限集合 X の要素の個数を |X| であらわすことにすると,一般に |2^X| = 2^|X| という関係がある.
とあります。
左辺の2^はべき集合の記号で、(Xのべき集合)の要素の個数、と解釈します。
右辺の2^は通常の数に対するべき乗の記号で、 2の(Xの要素の個数)乗、と解釈します。
この違いが判っていないと、質問のような間違った方向に思考が発散してしまいます。
質問に立ち返りますが、
2^∞(0)=∞(1)
は、「アレフ0の濃度を持つ無限集合の、部分集合を全部集めた集合は、アレフ1の濃度を持つ」と読むのです。
この点を理解していましたか?
回答ありがとうございます。
集合Aの要素が3個の場合、Aのべき集合の要素は8個になる。それは、2^3=8だからで、要素の数が2のべき乗になるから「べき集合」と呼ばれるのではありませんか?
引用されている”有限集合 X の要素の個数を |X| であらわすことにすると,|2^X| = 2^|X| という関係がある”でも説明されていますが、それに疑問はありません。
しかし、有限集合ではなく無限集合の場合に、この関係が成り立つのか、というのが知りたいところです。
回答3のコメントにも書きましたが、集合を使った形で疑問を書くとこうなります。
Xという集合を考えて、そのべき集合が自然数の集合と同じ濃度になる場合のXは、どういった集合と考えられるのか?
引き続き回答を募集しますが、回答をオープンするのに時間がかかるかもしれません。
pdfです。
18ページ最終行から19ページにかけて、
「B を無限集合とすると、B はかならず可算部分集合 A を含む」
の証明がでてきます。
これにより、「Xという集合を考えて、そのべき集合が自然数の集合と同じ濃度になる」Xは存在しないことが判ります。
Xが有限集合ならべき集合もまた有限集合であり、Xが無限集合ならその部分集合として可算無限集合があるからです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E7%90%86%E7%9A%84%E9%9B%8...
公理的集合論 - Wikipedia
この証明はZF公理系(ツェルメロ=フレンケルの公理系)ではなくて、ZFC公理系(ZF公理系に選択公理を加えたもの)が前提……だと思います。
参考まで。
再度の回答ありがとうございます。
ある集合をべき集合と考えて、元の集合を求めることは出来ないのでしょうか。
例えば、自然数を「2のべき乗」の和で表します。1=2^0で、2=2^1、3=(2^0)+(2^1)、4=2^2、5=(2^2)+(2^0)、6=(2^2)+(2^1)のような形です。
そして、自然数を表すのに使った「2のべき乗」を要素にもつ集合を考えると、そのべき集合は自然数の集合になると考えられます。
別の言い方をすると、自然数を2進数表記にした場合に、2進数の各桁の値を要素に持つ集合の部分集合と、自然数は一対一対応させることが出来るということです。つまり自然数を2進数表記した場合に、1の桁は要素にもち、0の桁は要素に持たないと考えるわけです。
回答ありがとうございます。
2^∞(0)=3^∞(0)=4^∞(0)=…=∞(1)というのはその通りだと思います。∞(0)^∞(0)=∞(1)も成り立ちます。
3.の回答が∞(0)桁だとすると、それで表すことのできる数は2^∞(0)なので、∞(1)になってしまいます。それが、疑問な点です。
ちなみに、∞(0)進数というのを考えれば、1桁で∞(0)を表せますね。