その後、双方の債権の弁済期がきた。
相殺と差押さえに関する無制限説によればABそれぞれの債権の弁済期の前後に関係なく、Bは相殺できるが、制限説によれば、Bの債権の弁済期がAの債権の弁済期より遅い場合にのみ、Bは相殺できる。
これはあってますか?間違ってますか?
民法だと何条にあたるんでしょうか。
そんなに長くなくてもいいので、簡単に説明していただけるとありがたいです。
お願いします。
結論を言えば合っています
民法511条の解釈になります
民法511条は差押え後に取得した債権を自働債権としては相殺をすることは出来ないと規定しています。では差押え前にこの自働債権が取得された場合は無制限に出来るのか、それとも出来ないのかがここでの問題となります。
判例は無制限説を採用したのですが、その理由として①511条の反対解釈②相殺の担保機能への強い期待を保護することにあります。
これで分かっていただけると良いのですが・・・。
まず、相殺の原則です。
相殺適状(相殺に適した状態)
①同一当事者間での有効な債権の対立的存在(505条1項本文)
②両債権が同種の目的を有すること(505条1項本文)
③両債権が弁済期にあること(505条1項本文)
④債権の性質が相殺を許すものであること(505条1項本文)
本問について、
無制限説だと、CがAの債権を差押さえた時点でBの債権の期限(=Aの支払い期)が来ると考えるので、相殺適状になります。
制限説の場合は、Bの債権の弁済期がAの債権の弁済期より先に到来するならBの債権の弁済期が未到来であってもよい。相殺の期待が合理的であるため、相殺適状になります。
つまり、Bの支払いよりAの支払いが先だとBは相殺する気でいるかもしれません。期待ですね。
そういう場合は、差押さえてもBは期待通り相殺できますよってことです。
**補足**
Bの債権の弁済期が遅い、つまり、Aの支払が後だと、Bの支払が先に来ますよね。その時にAが期限の利益を放棄して相殺を希望しない限り、相殺にはならず、Bは支払わなければいけません。
条文はこちらです。民法505条からです。
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