2作とも、1998年下半期から2000年1月までの間に代ゼミの現代文のテキスト(酒井敏行という講師)で起用されていたものです。
以下に小説中のワンシーンを書きます。
(1)第二次大戦中、村の若い男女(恋仲)が主人公。
男の出征が近い夜、二人は村はずれの橋の上で立ち話。
男は二人の将来?などについてノーテンキな話をしているが、女は戦時の辛い別れをしなくて済む様、出征前の別れを思いつめている。
ノーテンキな男にとうとう痺れを切らした女が、「○○さん、私達もう会わないほうがいいと思うの」と言って走り去る。男ボーゼン。
(2)これも確か第二次大戦中。若いキリスト教徒の男女が主人公(恋仲)。
二人は部屋の中で会話。徴兵を控えた男は、この先戦場に出て人と殺し合うのが怖い。キリストの教えにも背いてしまう。と言っても、自分が戦場でどう変わってしまうかも分からない。
男が自分の書いた詩を読む。「満天の星空から少女に星が降り注ぐ…」と言った感じの詩。読みながら二人は本の上で手を重ね合せ、涙を流す。(これは何となく遠藤周作?)
後者は福永武彦の「草の花」かもしれません。この文庫だとたぶん210ページ前後のあたり。
主人公(男の方)は、すでに棄教していて、女性(友人の妹)に何故棄てたのかと問われてこたえる、という場面。
男が書いていたのは小説で、原稿用紙に書かれていた最後の部分を女が読む、という感じ。
「……少女は永遠を待っていた。この大きな掌のような夜が一切の星座を統べながら次第にそのひろがりを閉じ、やがては暁の爽やかな薄明が東の空に星々のまどろみを消し去っていくその時に、……」
ありがとうございます。
「少女は永遠を待っていた」のくだり、思い出しました。早速本屋へ行ってみましたが、その通りでした。
前者の方も気長に待ってますので宜しくお願いします。