先日、このコーナーに質問をすることによって、次のことが分かりました。

しかし確認のため、下記の回答とは異なる意見があれば知らせてください。


【質問】
赤、橙、黄、緑、青などの顔料は、単一の波長帯(ひとつ繋がりの波長帯)
を反射させることによって作ることが出来ます。
しかしマゼンタの場合は、途中の波長帯(緑)をカットさせる必要が
あります。そしてそれと同じように、紫の顔料の場合も、
途中の波長帯(黄緑)がカットされています。
そこで質問ですが、紫の波長帯だけを選択的に反射させる
顔料を作ることは出来ないのでしょうか?


【回答の要約】

①紫の波長帯(415-430nm)だけを反射させる顔料を作ったとしても、
その波長帯だけの反射光では明度が低くなり、黒っぽい色になってしまう。
したがって、そのような顔料は作られていない。

②さらに、紫色の波長帯だけを選択的に反射させる顔料を
作ることは、技術的にも困難である。


(とくに、上記の②に関して教えてください)

回答の条件
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  • 登録:
  • 終了:2006/08/31 22:10:03
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回答2件)

id:NAPORIN No.1

回答回数4892ベストアンサー獲得回数909

ポイント35pt

ええと、415-430nmのみに反射のある化学物質が欲しいというご注文ですね。


化学物質というのは、普通、結晶にすると透明なものが多いです。

全部の波長域を華麗にスルーしちゃうんです。

あるいは、炭とか鉄は真っ黒。全部の波長域をカットします。


で、有機顔料(今合成されているやつ)は、

ほぼ透明な原料を、がちゃんがちゃんってつなげて、

一部を輪というかネット状にします。しかもネットにつまみをつけます。

酸とかアルカリがキーになって、つまみをぐいっとひっぱって

ぴーんと張らせておくのです。

そこに太陽からの幅の広い白色光がくると、

光をぴーんと張ったラケットで打ち返すのですが、

律儀に大体同じような波長に変えて打ち返します。

これが顔料のはたらき。


で、人間の目にも顔料みたいなのが何種類か入ってて、

赤の光に反応する顔料と黄色のに反応する顔料が反応したから、

これはオレンジ、と脳内で合成しているらしい。


じゃあ、目が勝手に合成してくれるんだから、

赤を返すラケットと青を返すラケットをわざわざ

壊さないようにそのままつなげてやるなんて面倒なことしなくて、

混ぜて塗れば手間がかからなくていいんじゃないの?

というのが2の答えです。

なにしろ、ぴーんと引っ張るガットの張り具合が、

赤と青とで全く違うのですから、

手間をかけず安く一体化した顔料つくれ・・なんて無理というものです。



それに、あまりに狭くて可視領域きわきわの波長だと

人によっては人間側のラケットが合わなくて

うまく拾えない玉もある、と(ネット際狙ったサーブか)。

紫に近い方の色は、紫外線に近くてエネルギーも高くて、

万が一、○1の光量不足を解消できたとしたら

却って目によくないかも、というのが1の答えじゃないでしょうか。

素人考えですので、間違っていたらごめんなさい。



でもまあ、結局は職人技の官能テストで製品化されるか

決まるようですから、

これから偶然、使いやすいいい色味の顔料が

できないとも限らないですね。

id:septcolor

説明を有難う御座います。しかし、下記の説明は誤りだと思います。

>赤を返すラケットと青を返すラケットを

>わざわざ壊さないようにそのままつなげて

>やるなんて面倒なことしなくて、混ぜて

>塗れば手間がかからなくていいんじゃないの?

>というのが2の答えです。

物理的に考えて、

赤の波長帯と青の波長帯を繋げるには、

その中間の波長帯である緑の波長帯が

必要になります。したがって、緑の波長帯を

使わずに赤の波長帯と青の波長帯を

繋げる事は不可能です。

ですから、私が聞きたかったのは、

赤の波長帯を使わずに、紫の波長帯だけを

反射させる顔料を作るのは技術的に困難ですか?

ということです。

それから、顔料ではなく光源の場合は

紫の色彩を再現することが出来るようなので、

下記の説明も誤りではないでしょうか。

>却って目によくないかも、というのが1の答えじゃないでしょうか。

もっとも、紫の波長帯だけを出す光源を見ても、

一般的にイメージされているような紫色ではなく、やや紫がかった濃い青に見えるらしいですが。

ですが、回答を有難う御座います。

2006/08/25 17:23:46
id:NAPORIN No.2

回答回数4892ベストアンサー獲得回数909

ポイント35pt

物理的ではなく、むしろ化学的な説明です。

実際、色素は複素環や芳香族環をネット状に含み、しかも

スルホン酸基などで電子をピーンとひっぱっています。

化学合成の立場からいって、2個の混合物で足りるものを、

1個に合成する益がない、ということをいいたかったのです。

id:septcolor

有難うございます。

しかしそれは、今回の質問に対する答えにはなっていないように思われます。

2006/08/25 21:45:42
  • id:septcolor
    参考資料として、前回の、hkrhr1さんからのコメントを掲載させて頂きます。

    >紫色の波長帯(415-430nm)だけを
    >反射させる色素は存在しないのです。
    >化学物質はそれぞれ固有の波長の光を
    >吸収します(量子化されている。
    >遠紫外光:50-150nmも含めると全ての
    >化学物質はどこか波長の光を吸収します)。
    >もちろん、吸収光の波長は一つではなく、
    >複数の波長の光を吸収するのが一般的です
    >が、ある特定波長域だけを吸収しない
    >化学物質は不可能ではないにしろ
    >極めて特殊なケースです。そうした
    >化学物質を探すのは難しそうですね。
    >むしろ、septcolorさんが書かれた様に、
    >赤の反射光と青の反射光をもつ化学物質を
    >探す方が簡単でしょうが、単一物質で
    >探そうとした場合には、かなり難しい
    >でしょう。
    >紫の色素が手に入らない場合なら、
    >赤と青の色素を混合して紫にするのが
    >現実的です。
  • id:NAPORIN
    回答回数を使い切ったので、こちらで。
    2番「技術的にも困難である」が
    とくにわからないというご質問の趣旨なので、
    化学合成の立場からの困難性を示したつもりだったのですが、
    質問の答えにならなかったのでしょうか?

    ○1はもう異論がありません。狙いが狭すぎます。
    ○2は、同じ化学物質の中に赤以外吸収する基と、
    青以外を吸収する基を持つ1つの化学物質が合成できないか、
    という問いだと受け止めました。

    色素中の複素環は、ラケットもしくは反射鏡のようなものです。
    その反射性能は、周りにくっついている部品で精密に調整されています。
    2つの既存色素をむりやりくっつけて1種類の化合物にすることは
    現在の大学生レベルでも可能です。
    が、全体の形が異なるものになるので、
    精密度を保ったまま(赤が赤、青が青のまま)で、
    くっつけられるかは全く保障できませんよ、ということです。
    今までの色素も下手な鉄砲数打てば当たる式で合成されてきたので、開発費が高いです。

    コバルト塩など無機物質についてはまた別の問題があります。
    有機化合物よりも探索範囲が狭く、調べつくされていますし、
    それで見つかった重金属塩は今後はISO取得などの関連で
    民生には使用されなくなる方向でしょう。

    そういう意味で、困難だと申し上げました。
  • id:septcolor
    NAPORINさんへ


    > 「回答回数を使い切ったので、

    回答回数の設定を変更しておきます。




    > ○2は、同じ化学物質の中に赤以外吸収する基と、
    > 青以外を吸収する基を持つ1つの化学物質が合成できないか、
    > という問いだと受け止めました。

    それは、私の質問とは異なります。
    私が質問の中で書いた『ひとつ繋がりの波長帯』とは、
    波長帯が一つ繋がりになっているという意味であって、
    化合物質を繋げるということを意味していません。


    分光分布をグラフで表したときに、
    分光分布の山を2つではなく1つにしたい
    ということです。
    (ご存知だとは思いますが、マゼンタの場合は、
    分光分布の山を一つにすることは不可能です)

    ですから、私の質問は、分光分布の山を
    紫の領域だけにする顔料を作ることは
    可能ですか?という質問です。

    言い換えると、青領域以外の波長帯を全て
    吸収する顔料を作ることは可能ですか?
    という質問です。ですから、赤領域は吸収する必要があります。
  • id:hkrhr1
     NAPORINさんはとんでもない勘違いをしているようです。
    NAPORIN:
    >実際、色素は複素環や芳香族環をネット状に含み、しかもスルホン酸基などで電子をピーンとひっぱっています。
    >光をぴーんと張ったラケットで打ち返すのですが、律儀に大体同じような波長に変えて打ち返します。
     
     の2つの説明は化学物質の発光メカニズムの説明になっています。(しかし、厳密には光吸収過程(1電子励起過程)と蛍光発光過程(s'1→s0)、あるいはリン光発光過程(t1→s0)の波長は異なっているのですから、こうした発光過程は振動順位とも関係し系間交差などもあり、ピーンと打ち返ね帰すわけではないんですよね)。
     
     septcolorさん、下記のpdfファイルを見て下さい。
     
    www.sumitomo-chem.co.jp/chemtex/031senryo/04tech_pdf/04tech2souron.pdf
     
    の3ページと4ページをプリントアウトしてじっくりお読み下さい。さすが、化学大手の会社、間違いが無く&簡潔な説明がなされています。
     
     我々がみているのは余色(=補色)なんですよ!!!
     

  • id:hkrhr1
     septcolorさんの②について
     
    >②さらに、紫色の波長帯だけを選択的に反射させる顔料を作ることは、技術的にも困難である。

    答え>:
    「エネルギー準位の量子化」をご存知でしょうか?物質は色々なレベルでエネルギーを吸収するが、どのようなエネルギーでも吸収するわけではなく、その物質が持つ固有のエネルギー準位に対応した幾つかの複数のエネルギーだけを効率よく吸収すると言う事です。
    <Bohr-Sommerfeltの量子化>:
    http://www.phys.asa.hokkyodai.ac.jp/osamu/lectures/qm/node8.html
     
     つまり、可視光を吸収する物質は、可視光領域の光のうち、ひとつあるいは幾つかの領域の波長を吸収するが、全て領域に渡り連続的に吸収する事はあり得ないのですよ。鉄や石炭は黒いですけどね。

     これが、量子化と呼ばれてるものです。


    ps.うす紫とは、黄緑の光を少しだけ吸収する色素の色です。CMYKで表現すると、
    C= 75, M= 75, Y= 0
    暗い紫を表現すると、
    C=255, M=255, Y=100 (Kは省きました)

    といった感じだと思います。
  • id:septcolor
    hkrhr1さん

    コメントを有難う御座います。
    紹介していただいたHPも、読んでみます。

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