私は大学で地理学を専攻していました。あまりいない専攻のためか、いろいろな人に「地理ってどんなことを勉強してたの?」とよく聞かれます。大学で学んだことは個人的に楽しい内容が多かったので、地理の楽しさが伝わればよいなと思いながら話をするのですが、「なんか面白そう」と言ってくれる人がいる一方、イマイチ内容が伝わらないことも多いです。
そこで今後の参考のために、是非あなたの地理学に対するイメージを、どんなことでもよいので教えてください。地理学科の学生に対する疑問もありましたら、是非お願いします。
もしも大学で地理学を専攻していた方・現在専攻している方がいらしゃいましたら、あなたの考える地理学の魅力や、ご自身の専攻を説明する時どういう風に説明するか教えてください。
参考までに、どんなことをしていたか?ということに対しては、高校までの地理とは違い暗記モノはほとんど無いということ、フィールドワーク(現地調査)の話を「調査ついでに旅行にいけるんだよ!」と冗談交じりに話すことが多いです。
確かに高校までの地理は覚えるばっかりでした。
大学では、教養で「人文地理学」をとったような気がしますが、あんまり…。確か、地元の交通関係のことをまとめてレポートにしたような…。うーん、確かに印象薄いです。
最近の地理との関係は、GISでしょうか。
仕事の関連で、GISデータを利用することが多いです。
また、子どもの安全の面からでも、GISが脚光を浴びているんじゃないかな…と思います。そんな世の中になってしまったのは、残念ですが。
やはり「地理」と聞くと暗記とか白地図とか…途中から社会科と記憶がごっちゃになっている謎の教科です。
あと、薄ボンヤリと「柳田国男」という名前が思い浮かびましたが、何をやっている人なのかいまいち分かりません。
地理学というよりフィールドワーク(現地調査)のイメージかもしれません。
社会人になってから、公共工事や土地開発(リゾートではなく、危険箇所とかを調べている?らしい)の関係の方々と知り合いました。
工事をする前に下調べをする方がおられ「地理学」を学んだ方だと聞きました。
その人の話はとても面白かったのを覚えています。
「川沿いの地蔵を調べると、その川が昔どんな流れをして、どんな大きさだったかがわかる」
「『金川』という地名はその近辺に鉄が採れる場所があった可能性が高い」
……こんな感じの話をしてくれました。これって地理学に関係してるんでしょうか??
私は上記のようなことを知るのが大好きなので、ものすごく興味のある仕事&学問だという印象があります。
Aprikoseさんもこういったことなども勉強されたりしたんでしょうか。
回答ありがとうございます。やはり「地理=暗記」はかかせない感じですね。
柳田国男は、講義でちょろっとだけ名前が出ていました。確か地域の成り立ちかなにかの講義だったような。
「川沿いの地蔵を調べると、その川が昔どんな流れをして、どんな大きさだったかがわかる」
「『金川』という地名はその近辺に鉄が採れる場所があった可能性が高い」
……こんな感じの話をしてくれました。これって地理学に関係してるんでしょうか??
これはまさに地理学だと思います。こういう講義ありましたよ。歴史地理とか自然地理といった分野にあたるのかな?どちらも私のメインの研究ではないのでちょっと自信有りませんが…。
僕は小学校まで地理が得意でした、しかし高校の地理は嫌いでした。地学とも関係あったりしたからと思います。
まあ、日本史で受験して、大学の日本史の講義には失望しましたが・・。
地理学は地政学?や考古学のような分野と関係があるのかな?と思います。日本史研究も遺跡や仏像などの史的研究なので、フィールドワークもあるんでしょうし、研究
僕はマーケティングや社会調査を勉強してるんですが、
このような分野にも地理的な視点である、地理的条件や地域の風土的視点というのは必ず入ってきます。地域の文化や活性化を研究する上では地理的視点と言うのも必要なんじゃないでしょうか。
フィールドワークでどんな分析しているのかよろしかったら教えてください。
回答ありがとうございます。
中学や高校で地理が嫌いになる人って結構いると思います。何しろ暗記だらけですし…。
地理学を実際に勉強して一番思ったのは、非常にオールラウンドな学問だなという事でした。地政学、考古学、そして地学とも関係が深いと思います。
僕はマーケティングや社会調査を勉強してるんですが、
このような分野にも地理的な視点である、地理的条件や地域の風土的視点というのは必ず入ってきます。地域の文化や活性化を研究する上では地理的視点と言うのも必要なんじゃないでしょうか。
そうですね。何気ないことが結構地理学と結びついている事が多いので、地理的視点は大切だと思います。物事をちょっと違った角度から見る事も出来るので、面白いですしね。
私は地理の中でも「都市地理学」というのをやっていました。読んで字の如く、都市について研究する地理学です。
環境保護の運動に興味があったので、都市内の緑地の変遷や利用方法、緑地保護のための活動の変遷などを研究していました。
とある観光地でフィールドワークをしたことがあるのですが、上記のような研究だったため、1回も観光スポットに行かずに過ごしたことがあります(苦笑)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/nyumon/episode/stamp/asia/...
例えばバングラディシュの大河は流れ方が変わるので、下手すると数年たつと川じゃない場所のムダな橋になっちゃうので、どこに橋をかけたらちゃんと橋の役割を果たすか、それを調べるのが地理のひとつの仕事だと、これは大学での講義で知りました。
その教授はスライドを多用する世界ふしぎ発見的な面白い講義で、現地の女性がにっこり笑った写真とかを唐突に挟むのが定番で、そんなんばっか記憶に残って、おかげで試験は苦労しましたが(笑)
回答ありがとうございます。
バングラディシュの川の話は初めて聞きました!川が氾濫して流れが変わってしまうのですかね?
私は直接習っていないのですが、私の高校にいた地理の先生が、cappinさんの習った教授と同じような授業だったそうです。授業を習っていた友人がcappinさんと同じ悩みを持っていたような(笑)面白い授業だと内容を覚える/覚えないに限らず、興味が湧きそうでいいですね。
http://directory.rakuten.co.jp/rms/sd/directory/vc?s=1&tz=20...
地理と聞いて思い出すのは地図帳で遊んだことです。様々な様相を見せる地形と、陸塊に海洋プレート、海峡部の等高線が込み合っていたこと。その割には実際の傾斜はそれほどでもないと図面に画いてみて理解したことなどなど。実は私は地理は半分捨ててまして、授業を離れて興味の赴くまま遊びまくりました。巻末の統計資料なども面白く、遊ぶにはもって来いでした。試験勉強は大変でしたけど。
回答ありがとうございます。
地図帳は私も大好きで、授業中習っている範囲外のページばかり見ていました(笑)その時に見たものをずっと覚えていたりして不思議です。案外地理というのは興味赴くまま勉強した方がよいのかも。
等高線を実際の傾斜に起こすようなものは、大学の地図の講義でやりました。調査したり文献を読んだりする以外に、手を動かす作業も結構ありましたね。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/
「地理学」については、はっきり言って門外漢です。
中学受験で一生懸命「地理」を暗記した程度のわたしですが「飛地」の存在を知ってから「地理」に対する見方が変わりました。
「飛地」といっても、上記サイト「世界飛び地領土研究会」の視点が面白く、世界情勢や歴史を知る上で、「地理」の知識は必須であるとがよくわかります。
特に「地図に載っていない非公認飛地」や「非公認の国々」といった内容は、「地理学」の本質を考える契機になるテーマだと素人ながら考えます。
回答ありがとうございます。飛び地とはまた面白いものに興味をお持ちですね。
私の考える地理の面白いところは、政治も歴史も自然も全部「地理学」の1つの分野として勉強できることです。飛び地はその成り立ちからして、まさに地理学の代表的な研究対象だと思います。
参考URLのサイトを拝見しました。色々な観点から事細かに書いてあって興味深いです。このあとじっくり読みたいと思います。
高校の時、地理選択でした。センター試験のために結構勉強しましたが、とっても楽しかったのを覚えています。
基本的に地図に全て書いてあるといってもいいくらいの学問だなぁとその時思いました。
数学なんかに疲れると地図帳見てましたよ、いっぱいマーキングして覚えるのは不思議と苦にならなかったです。
ヨーロッパの地図を見ながらいつか行きたいなと思ったり…。私にとっては、地理=地図を読むこと=楽しいこと です。
回答ありがとうございます。「地理=地図を読むこと=楽しいこと」という言葉よいですね。地理を楽しんでくれている人がいてとても嬉しいです!
「地図に全て書いてあるといってもいいくらいの学問」というのはまさにその通りだと思います。地図からいろいろな事がわかるようになると、地理も楽しいと思えるのかもしれません。
「マーキングして覚えるのは不思議と苦にならなかった」とのことですが、地理学は雑学的・トリビア的なところもあるので、私も楽しんで勉強していました。
地理学といわれると、地図帳ばかりが思い浮かびます
あとは地形だったり・・・
ただ、地理はなんとなく思い浮かんでも、地理学とは何か?といわれると、なんだろう・・・と考え込んでしまいます。
この地理と地理学とは別ものなのでしょうか?
そこも曖昧になってしまっています・・・
以上私のイメージです
回答ありがとうございます。存在自体がわかりづらいですよね、地理(苦笑)
peach-i さんが「地理」をどのようなものとお考えかが頂いた回答からはわからないので、私の推測になってしまいますけれども、「地理」も「地理学」も基本的には同じだと思います。両方とも地図帳を見るし、地形も見ます。
地理学は「中東では石油が取れる」と覚えるのではなく、「なんで中東では石油が取れるのか」を追求する学問だと思います。
なので、高校まで地理が苦手だったとか、どうしても暗記できなかったという人でも、案外すんなりはいれていけちゃう学問です。
地理学というのは、社会科学と自然科学の両面にまたがる、すごく興味深い分野だと思います。
たとえば、自然を守るための基礎が自然地理学の中にあります。平和を作り出すための基礎も人文地理学の中に存在します。それが学際的に連携していった時、本当の意味での地球の命の守り方が見えてきます。
また、たとえば経済地理学を、重箱のすみをつつくように細かく緻密に突き詰めていく。するとそれがいつの間にか動物地理学や植生地理学と結びついて、でっかく自然科学の中にまで広がっていくわけですよね。
そういう社会科学、自然科学両面からの正確な評価が活かされてこそ、人と自然の共生における矛盾、対立を解決しつつ展開される、理想を限りなく現実に近づけていく自然保護活動が可能となってきます。つまり地理学的視野から見たら、たとえば野生動物保護活動などは、人文地理学と自然地理学を橋渡ししていく存在とも言えてくる、というわけです。
地球全体を研究対象としていくでっかい学問。私はとりわけ自然環境保護の見地から、地理学というのは、非常に興味深い分野であると思います。
回答ありがとうございます。私が感じている地理の魅力を、そのままきれいにまとめてくださっていて、非常にありがたいです。
他の方のところでちょっと書きましたが、私は元々環境保護活動に興味があり、そちらの勉強をしようと思っていました。ただ環境系の学部というのは実験・調査をするものがほとんどで、どれも「環境保護」というものを総括的に見られなかったのですが、そこで出逢ったのが地理学でした。
地理学は、はじまりは全く関係なくても、いつか違う分野の地理学や他の学問と繋がる楽しさが、一番の魅力だと思います。
高校のときに地理の授業がありましたが、主に天気のこと(モンスーンとか、ハリケーンとか、サイクロンとか季節風とかエルニーニョとか海流とか)とか火山のこととかが記憶に残ってます。
http://www.museum.kyushu-u.ac.jp/PLANET/04/04-3.html
今他人にどうこう教えられるほどの記憶ではないんですが、ニュースなんかで南米やアフリカの気候のことを見たり聞いたりすると、ちょっと思いを馳せたりします。
あと、海外旅行に行くときなんかも「どこそこは山が多いと聞いた覚えがある」とか「確か、雨が多いはず」とか、なんとなくですけど下地がある分、具体的に考えられるような気がします。
回答ありがとうございます。
curibowさんは気候のことが印象的なのですね。確かにケッペンの気候区分など覚えさせられました。curibowさんもお書きになっているように、海外旅行にいくときなどは、現地の気候を知っておくと何気に役立ちそうです。
「旅行地理検定」や「観光地理」があるぐらいですから、旅行と地理が結びつくというのは確かにありますね。現に旅行が好きだから地理が好き、という方も多いように思いますし、同じゼミに観光についての研究をしている子も何人かいました。
空気のようにありふれていて、地味な存在だけど、どんな場所でも、そこに関わるテーマがある、どんな場所でも欠かせない、という所でしょうか?
私は気象学が専門なので、地理学は非常に身近な学問だったりします。そもそも、地理が好きで、その一分野として気象学を専攻した部分が大きいんですよね (^ ^)。
地理学というのは、ひじょうにバラエティに富む分野です。高校生の頃は、大学では、経済に近い部分を学ぶのかと思いきや、純地学的な学部もあったのが印象的です。(実際、そういう学部の気象学の専門家と議論したりもします。)
紹介するとすれば、「たとえばこんな事、たとえばこんな事」という事になるのでしょうかね~?
回答ありがとうございます。
「空気のようにありふれていて、地味な存在だけど、どんな場所でも、そこに関わるテーマがある、どんな場所でも欠かせない」、まさにそのとおりだと思います。それをうまく説明できればなぁといつも思っています。
yuckenさんは気象学がご専門なんですね。気象も人間の生産活動や地形にかなり影響を受けるものだと思いますし、逆に気象が人間生活や地形に影響を与えることもありますよね。理系も文系も関係なく総合的に物事を見るというのは、なかなか他の学問にはないものだと思います。
紹介するときは、例を挙げるのが一番良いかなと思います。身近な場所のトリビア的なことを話すと、結構みんな食いついてきますね。
こんにちは。
ぇと、私は地学とごっちゃですね。地学って理科なのに(汗)。
前に受けた授業で、こんなのがありました。
東南アジアには雨期と乾期とがあって、
現地の人々は、乾期には干ばつに悩み、雨期には洪水に悩んだりしています。
そこでダムを造って年間の川の推量を一定にしました。
ところがそうした結果、人々の暮らしは幸せにならなくなった面もあります。
例えば川の底には土砂がたまり、船が航行しにくくなりました。
それに雨期と乾期のある気候に慣れていた人々のライフスタイルが崩れてしまいました。
この問題は、事前に想定されていませんでした。
こういう風なトラブルを起こさないためには、モノゴトを数値で考える
エンジニア的思考のほかに、もっとそこにいるニンゲンを考える方法もとらなきゃいけません。
確かそんな内容の授業だったような気がします。
…地理学と聞いて、そういうのも射程範囲かな?と思いました。
いかがですか? 誤解かなぁ?
http://www.jica.go.jp/Index-j.html
URLはダミーです。
回答ありがとうございます。
地理学の分野の中に「自然地理」というのがあって、講義を受けて「これはまんま地学だなぁ」と思いました。逆に地理の授業で気候がどうとか地形がどうとかいうような地学っぽいことをやると思いますので、そういう意味でも地理も地学もほぼ同じような気がします。
sokyoさんがお聞きになった話は、十分地理の射程範囲内ですよ。環境が人間に及ぼす影響も、人間活動が環境にどう作用したのかも、どちらも地理学の研究対象です。
高校の「地理」は、やたらと地名その他の暗記が多くてとても苦手でしたが、その地理の先生が地理学出身者でした。
私は根っからの理系なので、プレート・テクトニクスや資源学や気象学の話には、とても関心を持てました。だから授業中は授業そっちのけで地図帳に見入っていましたが、自分の関心について、その地理の先生にはよくフォローしてもらっていました。
「地理」と「地学」をうまく結びつけたような新科目を作ったり、そういうアプローチからの教え方が検討されてもよいと思います。
地理と地学の両方で使うことを前提とした、教育用データの検討は行われているようですね。同じデータに、当然ながら両方からのニーズがあるわけですが。
http://www.ipa.go.jp/archive/NBP/ITX2001-1/result/PDF/venture/11...
回答ありがとうございます。理系の方からのご意見うれしいです。
地理と地学はかぶる部分が多いと思いますので、地学に興味のある理系の方なら地理は受け入れやすいかと思います。また、地理というと文系のイメージが大きいと思いますが、実際は理系も文系もどっちもやります。測量では測量数学が必須ですし、講義中科学の計算式が出てくることも結構ありました(私は数学が苦手なので苦戦しました…)。
他の方へのコメントでも書きましたが、「地理」と「地学」をうまく結びつけたような科目は、地理では「自然地理学」にあたると思います。ただやはり、「地理=文系」というイメージがあるせいか、地学をやりたくて地理学科に来たという方はあまりいませんね。
早速回答ありがとうございました。
やっぱり「暗記モノ」「あまりやらない授業」という印象強いですよね…。
GISは在学当時、大学がかなりプッシュしていました。
地理とは関係なく、いろいろな場面で使われていますよね。
これからの地理の印象は、GISということになるのでしょうか。