【イエはてな】リブ・ラブ・サプリ#024

シドニーオリンピックのちょっと前。ちょうど環境ホルモンってやつが世の中の話題になりはじめていたころのことです。地球環境問題のシンポジウムがあって、私もそれに参加しました。そこにフィリピンから来日した人の報告があって、いかにバナナ農園の農薬被害がひどいかという生の現状が発表されたんです。そして、こう言われました。日本は総輸入量の半分以上をフィリピン産によっている。もし日本の人たちが安全なバナナを食べたいと言ってくれれば、フィリピンの人たちが救われる、と。

農薬被害で人の体が深刻に蝕まれる。まるで私達が生まれる前の何とか鉱毒事件とか、水俣病被害とか、日本で言えばそんな過去の時代の話のようなことが、ほんの8年前のシンポジウムで涙ながらに報告されているんです。

それだけじゃありません。フィリピンのバナナ生産者の多くは、フィリピン国内に出荷するより安い値段で、大企業の買い付けに応じさせられてきたんです。そこにしか販路のない人たちは、安い値段でも売れなければ暮らせませんから、仕方なしにそれに応じさせられてきていました。

今やっと、安全なバナナを適正な価格で買い付けようという動きが育ち始めています。それでも中間マージンを省けば、つまり今までバナナで大儲けしてきた企業を間に入れなければ、私達日本人の金銭感覚からすれば、そんなに価格は上昇しません。

ここでもう一歩。供給体制は少しずつ整い始めています。あとは買う側。消費者の側が、これってフェアトレードバナナなの？それとも搾取バナナなの？　これってオーガニックバナナなの？それとも毒バナナ？　と、ちょっと買う前に確かめる習慣を持っていくこと。

それが私達の出来る国際貢献だと思うんですよね。少しずつ育ちつつあるオーガニック栽培とフェアトレード流通。私達の手で育てていきましょう。それが世界の安定と平和にもつながります。そして何より、命と地球を守ることにつながります。