1184667938  同掲する画像の花が何という種類のものであるか、ご存知の方はお教え下さい。


 ラフカディオ・ハーン或いは小泉八雲著の短編集「KWAIDAN(怪談)」の表紙に用いられているもので、米国のHoughton Mifflin社から出た初版本がこれを採用しているようです。
 一見した所、虞美人草ではないか…とも思ったのですが、当方花の名なぞにはとんと疎いもので今二つも三つも自信がありません。あくまで絵画の事で必ずしも正解があるとは限りませんが、お心当たりの方宜しくお願いします。

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  • 1人2回まで
  • 登録:2007/07/17 19:25:41
  • 終了:2007/07/24 19:30:04

回答(2件)

id:pons No.1

pons回答回数366ベストアンサー獲得回数82007/07/17 20:17:34

ポイント35pt

沢瀉(おもだか)をもとにした図案ではないかと思います。

http://www.ymg.urban.ne.jp/home/kenf/zassou/hagihantosihan.htm

こちらにある、長門沢瀉(ながとおもだか)の紋と見比べると大変よく似ているように思いますが、いかがでしょうか。

ただ、オモダカは実際は白い花のようなので、花の色は違いますが。

http://www.sunfield.ne.jp/~oshima/ccd/natu16.html

id:boojum

 ああ。これはそのものずばり、といった感じですね。挿絵を担当された方はこの紋のみを…例えば染抜きの羽織か何かで知って、仮に赤で彩色したのでしょうか。

 つい書き漏らしましたが、上述の初版本は1904、八雲没年の刊行になるごく古いもので…当時の日本、明治社会では家紋もまだまだ盛んに用いられていた事がWikipediaに見えます。まずまずの裏付けになるでしょうか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B6%E7%B4%8B

 現に実在しないのはちょっと残念ですが、ささやかな誤解が生んだ本来有り得ない色の花…というのも取りようでは却って床しいものかもしれませんね。有難う御座いました。

2007/07/17 20:43:47
id:nofrills No.2

nofrills回答回数874ベストアンサー獲得回数1592007/07/19 06:23:22

ポイント35pt

花弁と葉の特徴から見て、オモダカに間違いなさそうですね。英語で資料を探すには、AlismataceaeとSagittariaで検索するのがとりあえずはよさそうです。

http://en.wikipedia.org/wiki/Alismataceae

http://en.wikipedia.org/wiki/Sagittaria


下記は20世紀初頭の植物図鑑の絵。欧州のものです。

http://caliban.mpiz-koeln.mpg.de/~stueber/lindman/485.jpg


オモダカは北米にも自生しているようです。(URLがあまりに長いので短縮しましたが、plants.usda.govの図鑑式ページです。)

http://symy.jp/6GC_sagittaria

ここで英語での名称を見つけて、さらによく探せば、カラフルなオモダカが見つかるかもしれません。(白黒の線画が半分くらいあるので、それらの色がわかりません。)


Houghton Mifflinは米東海岸ボストンの会社で、Kwaidanの初版は1904年ですから(確かハーンが亡くなってすぐに出たんですよね)、Kwaidanの表紙は、アールヌーヴォーの有機的デザインです。


下記ページの11番もアールヌーヴォーのデザインで、オモダカですね。

http://www.ohiocenterforthebook.org/LiteraryTreasures.aspx?p=2&a...

↑このページの14~16はハーンの著書の装丁です。下のコメントで質問者さんがあげておられる写真にある書籍が含まれています。


なお、Kwaidanの初版は、ブルース・ロジャースというデザイナー/タイポグラファーの装丁です。下記のようにたどって見つけました。

http://en.wikipedia.org/wiki/Lafcadio_Hearn

http://www.trussel.com/f_hearn.htm

http://www.rareorientalbooks.com/index.jsp

http://www.rareorientalbooks.com/jsp/detail.jsp?id=3404&sku=...

"The First Edition covers were designed and decorated by Bruce Rogers."

http://www.rareorientalbooks.com/books/img/842800/cover.jpg


Kwaidanの表紙のデザインと、家紋との直接の関係はわかりませんが、デザイナーが「日本の意匠」として家紋を見ていた可能性もあるし、あるいはアールヌーヴォーそのものがジャポニズムなのでそちらからの影響があったのかもしれません。


また、下のコメントで質問者さんが挙げておられる装丁で梅がデザインされたもの、下記で大きめの画像を見られます(ただし画像転用防止のハンコつき)。

http://www.rareorientalbooks.com/jsp/detail.jsp?id=3089&sku=...

http://www.rareorientalbooks.com/books/img/842216/cover.jpg

id:boojum

 つい先頃、近在の美術館でクロード・モネゆかりの睡蓮が開花し始めたという報に接した事を思い出します。ハーン訪日の直接的な切っ掛けが1884年のニューオーリンズ万博、その会場で当時の帝国外務省員服部一三に出会った事にある…との話もあるようで、確かに八雲先生の生きた時代とジャポニズム流行→アールヌーヴォー勃興から衰微の流れはぴったり重なっているのですね。してみると、この意匠も選ばれるべくして選ばれた所があったのだな、と思えてきます。

 殊に、ブルース・ロジャースの名前を見付けて頂いたのは望外の収穫でした。有難う御座います。

2007/07/20 06:54:32
  • id:boojum
     追記。長門沢瀉は毛利元就に始まる長州武家の紋で、本拠である長門は今の山口県北西部…八雲の住まった出雲が島根県東部なのでちょいと離れてますが、山陰山陽十ヶ国を領した大武将の膝元とは言って言えない事もないのですね。
     流石に「きっと晩年のヘルン先生がたっての希望でこの図案を…」とまでは空想を広げませんが、それでもちょっとしたゆかりのある意匠が用いられている事、何とはなし嬉しく思います。
  • id:pons
    特徴のある葉の形状から、家紋のおもだかではないかと検索したのです。この本の表紙は、家紋の図案がアールヌーボー風に味付けされた装丁になっていて、すばらしく美しいなあと拝見しました。 色合いも、オフホワイト地にグレーの混じった緑色と相性のよい落ち着いたオレンジ 文字の銀色と 本当に美しいですね。
     
     私もなにかつながりらしきものが検索できればと思ったのですが、それらしきものにヒットしませんでした。残念です。
  • id:boojum
     いかにも卓見でした。並の見識ではなかなか「家紋」は出てきませんね。
     内幕を明かしますと、画像の本はつい8時間ばかり前に観ていたNHK総合の録画、ウィークエンド・ジャパノロジー「小泉八雲と日本の心」で紹介されていたものです。仕事の片手間に流してちらちらと脇見していたのですけれど、私もはたと手を休めて見惚れました。内に蔵する物語に劣らない、美しい装丁だと思います。…つい欲しくなってしまいますね。(英語教養はからっきしだのに!)
     慥か、昔の中国人が「蕉雪」…雪中の芭蕉と云う洒落た言葉を遺していたと思いますが、もしも写実的、或いは即物的に白い沢瀉が描かれていたとしたら、この表紙もまた変わった色合いになっていたのではないでしょうか。それもまた楽しい空想かと。

     ついでの事に、同番組で写されていた先生の他の著書も画像にしてアップロードしておきます。これがまたどれも目を惹く出来でして。

    http://mooreeffoc.quu.cc/image/hearn_book01.jpg
    http://mooreeffoc.quu.cc/image/hearn_book02.jpg
    http://mooreeffoc.quu.cc/image/hearn_book03.jpg
    http://mooreeffoc.quu.cc/image/hearn_book04.jpg
  • id:boojum
     追記の追記。横で覗いていた兄から「その本は八雲記念館で見た覚えが」とのお言葉。島根県松江市、八雲旧邸の隣りに建てられたなかなか立派な建物で、諸々の遺品や直筆原稿に併せて著書及び関連図書約800点が収蔵されているとやら。実物が見られる予感です。
  • id:pons
    どれもすばらしい装丁ですね。画像のupありがとうございました。
    島根県はまだ行ったことがありません。 今度ぜひ訪れて八雲記念館へも行ってみたいと思いました。
  • id:nofrills
    boojumさん、楽しい質問をありがとうございます。
    ponsさん、オモダカについて教えていただきました。ありがとうございます。
    ウィークエンド・ジャパノロジー、この回を見逃してしまったのが悔しいです。けっこうよく見ているのに!

    なお、ハーン没後100年の2004年に、神戸松蔭女子学院大学で展示が行なわれたときの文章と写真が下記にあります。
    http://ksw.shoin.ac.jp/lib/tenji/20041108.html

    余談ですが、Kwaidanの装丁を手がけたアメリカ人デザイナーのブルース・ロジャーズのオンラインギャラリーが下記にあります。ロジャーズはタイポグラファーとして非常にすばらしい仕事をした人です。ギャラリーの最後のほう、By the Chistmas Fireのタイポグラフィーはすごいです。びっくりしました。
    http://mnbookarts.org/events/BRexhibit/BRexhibit.html

    ロジャーズがハーン(もしくは関係者)からデザインの参考資料を渡された、という記述が見つからないかと思って探してみたのですが、ネットではそもそも難しそうなお題で、ハーンの書簡集の索引を見てもRogersの名前はなく、行き詰まりました。
    http://books.google.co.jp/books?id=jxLuqfvQqiUC&dq=
    The+life+and+letters+of+Lafcadio+Hearn&as_brr=3

    また何かわかったらコメントに書きますね。
  • id:boojum
     いえいえこちらこそ、こんなに手を尽くして頂いて…どうにも浅学の人間で、英語サイトなぞは専ら理解.comと廉価版の翻訳ソフトに頼りながらかじりつく他ない所でした。慥かそちら様には以前にも一度ご回答頂いた事があったと思いますが、本当に助かります。(低頭。)
     ロジャースの仕事、どれも抑えた中に大変な細心さが伺えて良いですね…By the Christmas Fireの飾り縁、内枠の角が所々切り欠いたようにちょんと尖っている辺りなんて堪らない。略歴を見ると1870年の生で、アメリカ中部インディアナポリスの在。ハーンからは丁度二回り程年下になって…直接の面識はなかったとしても、互いに互いを知る機会は色々とありそうです。

     もしかもうご覧になったかもしれませんが、私もあちらこちらと検索して著書の画像を拾ってきました。突き合わせて補完すると、これで当時出版されたものについては一通り揃いそうです。

    http://themargins.net/bib/D/d09.html

     上でモネの睡蓮についてちょっと言及しましたが、こちらのShadowings(邦題:影)にまた蓮華があしらってあり…蓮は泥中に生じて白しと言いますが、仏教関連の著作もある先生にはちょっと思う所のある花だったかもしれません。Shadowingsが刊行された1900年には東京帝大の英語講師を勤めておられたので、不忍の池へ足を伸ばす事もあったろう、などと想像してしまいました。(今行ったらもう水面見えないくらい蓮っ葉だらけですけどね!)

    http://www.kufs.ac.jp/toshokan/hearn&moraes/heamortop.htm

     それから京都外国語大学付属図書館のサイトには特別展示のページがあって、画像はモノクロで残念ですがそれぞれの著作について簡単な解説が付されていました。記載によると先生はShadowingsを「蓮の本」、リトル・ブラウン社から出版された他3冊、

    Exotic and Retrospective(異国情調と回顧)
    In ghostly Japan(霊の日本にて)
    A Japanese miscellany(日本雑記)

     これらをそれぞれ「糸瓜の本」「梅の本」「桜の本」と呼んでいたそうです。いずれもかなり見るべき所のある書籍ですが、分けても「霊の日本にて」所収の焼津の話…盆の精霊流しで、海へ放たれた灯籠を先生が泳いで追いかけてしまうくだりなぞは一読忘れ難いものがありました。…見ていると、つい欲しくな(略。)
  • id:boojum
     ついでに今ちょっと覗いてきたら、青空文庫には八雲作品がまだ「芳一」その他の3編しかないのですねえ。全くけしからん。
     手許の全集…は新訳なので訳された方の著作権があれですが。いっそ古本探してきて私が入れてやろうかしらん。
  • id:nofrills
    boojumさん、前のご質問では結局答えまでたどり着かず、失礼しました。

    2件のURL、ありがとうございます。表紙画像を見ていると欲しくなる、少なくとも触れてみたくなりますね。特に『影』の幽玄な空気。『日本雑記』は桜ですか。図案からは何の樹木か、はかりかねていました。

    漱石が「ヘルン先生の文章は贅沢な文章だ」と評していたとどこかで聞いて、うろ覚えになっていたものが、京都外語大図書館のサイトで見つかりました(「ハーン添削大谷正信英作文」の解説)。うれしいです。

    http://www.rareorientalbooks.com/jsp/detail.jsp?id=3461&sku=842834
    で見てみたところ、『影』もブルース・ロジャースのデザインだそうです。また、「梅の本(In Ghostly Japan)」も。「糸瓜」と「桜」については装丁をした人についての記載がなくわかりません。

    ロジャースとハーンのかかわりについて調べていて、下記画像を見つけましたので追記しておきます。稀購書販売のサイトなので、売れたら画像は消えてしまうかと思います。

    GLIMPSES OF UNFAMILIAR JAPANの装丁(背表紙も含む)
    http://www.oakknoll.com/detail.php?d_booknr=95202&d_currency=

    KOTTOの装丁(背表紙も含む)
    http://www.oakknoll.com/detail.php?d_booknr=93762&d_currency=

    JAPAN An Interpretationの装丁(かなり傷んでいますが、背表紙も)
    http://www.oakknoll.com/detail.php?d_booknr=94273&d_currency=

    A JAPANESE MISCELLANYの装丁(同上、しかもフラッシュが強くてハレーション)
    http://www.oakknoll.com/detail.php?d_booknr=94415&d_currency=

    これらのページが消えていたら、
    http://www.oakknoll.com/
    で「Hearn, Lafcadio」で検索してみてください。新たに入ったものが追加されているかもしれません。

    しかし今回のご質問では、「家紋のオモダカ」を導き出されたponsさんから、「梅」「桜」「糸瓜」と、ジャポニスムとアールヌーヴォーが結びついたあたりでの美しい仕事をモニタでこんなにたくさん見ることができて、眼福です。
  • id:boojum
     うわー。「知られぬ日本の面影(GLIMPSES OF UNFAMILIAR JAPAN)」は背表紙と合わせて見ると殊に素晴らしいですね。邦題を「日本瞥見記(恒文社刊)」とも言い、かれこれ8年ばかり以前の事、まだ中学生をやっていた時分に初めて小泉八雲を知った一冊でした。そちらもまた和綴本を模したような洒落た装丁であったと記憶していますが、所収「日本人の微笑」を読んだ時の胸がつかえるような嬉しさと居た堪らなさ、今でも忘れられません。

     これは初めて横浜の港に降り立った先生が本国へ宛てた手紙の抜粋ですが、曰く「私は今夢の国におります。異国の神々に囲まれ、この神秘的な民族の心のうちを理解しようと努めながら」――
     そうしてハーンとロジャースが作ったのは、日本が夢の国でいられた最後の時代を象徴するような装画と文章から成る書籍。そこまで言っても、敢えて言い過ぎとは思われません。
     何かこう、興奮しますね。(ばたばたと。)

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