最近、藤沢周平や司馬遼太郎などの時代小説の面白さにはまっています。しかし一方で(例えば)江戸時代の町のつくりや政治・役職のしくみなど、小説が描かれた時代背景、社会背景があまりわからず、知っていれば、もっと楽しめるのになあと感じています。

そういったことを比較的簡単に知ることができる書籍、ムック、HPなどありましたら、ぜひお教え下さい。これまで全く興味のないジャンルだったので、全くの初心者、知識はほぼゼロに等しいとお考え下さい。
どうぞよろしくお願いします。

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  • 1人2回まで
  • 登録:2007/09/03 07:09:19
  • 終了:2007/09/05 01:59:00

ベストアンサー

id:boojum No.5

boojum回答回数12ベストアンサー獲得回数22007/09/03 19:37:03

ポイント20pt

 社会人民文化百般の総括は他の方が挙げておられそうなので……ぐっと視点をミクロに落として、現に江戸元禄、天下泰平の世を生きた下級武士の「日記」なぞ如何でしょう。いかにも地味げに聞こえますが、これで案外ご存知の方はご存知な、その筋ではなかなか聞こえた名著です。


『元禄御畳奉行の日記』神坂次郎著

http://www.amazon.co.jp/%E5%85%83%E7%A6%84%E5%BE%A1%E7%95%B3%E5%...


 最後の大乱となった天草一揆さえ早50年の昔、長の平和にすっかり慣れきって最早「武士」とは名ばかり、ぐずぐずの骨抜きになってしまった「ひょぼくれ」――つまり尾張の方言で「兵法に暗い」と仇名されたお役人が主人公。この方がもう間抜けの野次馬の太平楽の……本当にどうしようもなく暢気な御仁なのですが、しかし一方では大変な筆まめでもあり。この本では18歳の夏から死の前年まで、26年余りにも渡って延々延々と綴り続けた日記を、著者神坂氏の解説を交えた摘要で流し読む事が出来ます。

 収録されたエピソードはどれも時代の世相をカーボンコピーでもしたようにくっきりと反映したもので、例えば標題にもなっている「御畳奉行」の勤務日程は9日に1回、一昼夜のみ。つまり月に3日ばかり出勤すれば後は遊んでいられた訳で……いかに武士が余り、仕事が不足していたかと云う事。また公方様のお膝元では「蚊を叩けば隠居、鳥を撃てば切腹」とまで徹底されていた筈の生類憐れみの令が、尾張名古屋にまで来ると専ら皮肉中傷の種になり、釣り好きの主人公に至っては毎日のように竿を担いで出掛ける始末であったと云う事。はたまた元禄と言えば謂わば日本のルネサンス、あらゆる文化芸能の発達した時代であった訳ですが、その中で井原西鶴の「曽根崎心中」が空前の大ヒット、一大情死ムーブメントを巻き起こしてしまい……元禄16年より翌宝永元年までの1年半で、京大阪に九百余名もの心中者が出たと云う事。いずれもなかなか教科書には出てこない、興味深い記録ばかりです。

 つい史料的な面ばかり取り上げてしまいましたが、他方ではこの主人公こと朝日文左衛門重章の行状記もなかなか読ませる内容で、芝居に行けば人混みで脇差しを盗まれ、火事が起きれば同僚達と松の木に登り……一念発起して居合いの道場に通い始め、死罪人の胴で試し斬りまでやってのけたかと思えば、その晩にはもう気分が悪くなってお膳の刺身を遠ざける体たらく……情けないような可笑しいような、何とも愛すべき人柄が浮かび上がってきます。

 読み物としてもお薦めできる一冊ですし、司馬先生に比べればぐっと気楽に読める程度の薄さです。お気が向かれましたらどうぞ。



参考:

Wikipedia『鸚鵡籠中記』文左衛門日記のオリジナル

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B8%9A%E9%B5%A1%E7%B1%A0%E4%B8%A...

宮部みゆき『ぼんくら』文左衛門とは無二の親友になれそうなぼんくら同心を描く時代小説。秀作です。

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BC%E3%82%93%E3%81%8F%E3%82%89-%E5...

id:hareo

こんな本があるんですね。驚きです!しかも新書というのがうれしいです。私のような時代小説初心者が江戸の雰囲気を知るには最適な本かもしれませんね。ご推薦、ありがとうございます。

宮部みゆきさんの時代小説もこれまで敬遠していました。今度読んでみたいと思います。きっとはまってしまいそうです。

2007/09/04 07:55:18

その他の回答(5件)

id:minkpa No.1

minkpa回答回数4178ベストアンサー獲得回数552007/09/03 08:32:12

id:hareo

ご回答、ありがとうございます。

衣食住から商売、教育、遊びと、幅広く生活事情がわかりそうな本ですね。しかも文庫というのがうれしいですね。主な読書空間が通勤電車の中なので、ありがたいです。今日の仕事帰りにでも本屋で探してみます。

2007/09/04 07:53:19
id:Yota No.2

Yota回答回数453ベストアンサー獲得回数282007/09/03 12:03:35

ポイント20pt

地名が出てきたとき、どのへんかわかるとすごくリアルな感じがするのではないでしょうか。

でも、藤沢は架空の地名でしたか?

id:hareo

そうなんですよね。地方生まれ、地方育ちの私には、江戸の地名が出てもなかなかピンとこないんです。こんな本をそばにおいて、江戸を舞台にした小説を読んだら・・・これは楽しいですね。ご推薦、ありがとうございます。

藤沢作品は確かに架空の地名のようですが、いろんな作家の作品も読んでみたいので、ありがたいです。

2007/09/04 07:54:48
id:mododemonandato No.3

mododemonandato回答回数757ベストアンサー獲得回数772007/09/03 13:42:25

ポイント20pt

 先日、逝去されましたが江戸評論家の杉浦日向子先生の著書を、オススメします。

 軽快な語り口とイラストで江戸の衣食住や、文化を紹介した本です。

 軽めの入門書と言えましょう。

 

一日江戸人 (新潮文庫)

一日江戸人 (新潮文庫)

  • 作者: 杉浦 日向子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

 こちらは本格的な古地図なども使った講義も収録された、決定版とでも言うべき本です。

 

お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)

お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)

  • 作者: 杉浦 日向子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • メディア: 文庫

 対談集も面白いです。

 

杉浦日向子の江戸塾 (PHP文庫)

杉浦日向子の江戸塾 (PHP文庫)

  • 作者: 杉浦 日向子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • メディア: 文庫


 他にも杉浦日向子先生の江戸関連の著書は多くありますので、探してみることをオススメします。

id:hareo

杉浦先生は、NHKでやっていた「お江戸でござる」にご出演されていましたよね。いつもへぇ〜と驚く意外な江戸の知識を教えていただきました。結構な量の著作が文庫で読めるとは知りませんでした。特に一冊目に紹介いただいた「一日江戸人」はなかなか面白そうですね。早速、本屋で手に取ってみます。

紹介していただき、ありがとうございました。

2007/09/04 07:54:55
id:I11 No.4

ラージアイ・イレブン回答回数732ベストアンサー獲得回数552007/09/03 14:58:22

ポイント20pt

http://d.hatena.ne.jp/asin/4480058516

江戸の役人事情―『よしの冊子』の世界 (ちくま新書)

江戸の役人事情―『よしの冊子』の世界 (ちくま新書)

  • 作者: 水谷 三公
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • メディア: 新書

http://d.hatena.ne.jp/asin/4886211399

江戸幕府の代官群像 (同成社江戸時代史叢書)

江戸幕府の代官群像 (同成社江戸時代史叢書)

  • 作者: 村上 直
  • 出版社/メーカー: 同成社
  • メディア:

http://d.hatena.ne.jp/asin/4062754428

大江戸開府四百年事情 (講談社文庫)

大江戸開府四百年事情 (講談社文庫)

  • 作者: 石川 英輔
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 文庫

http://d.hatena.ne.jp/asin/4490106475

江戸を知る事典

江戸を知る事典

  • 出版社/メーカー: 東京堂出版
  • メディア: 単行本

id:hareo

ご回答、ありがとうございます。

時代小説初心者にとっては、お役人の仕事がどういったものなのかわからず、モヤモヤしてしまうのですよね。1冊目に紹介いただいた新書は、その点を解決してくれそうで期待大です。

早速、探してみます。

2007/09/04 07:55:02
id:boojum No.5

boojum回答回数12ベストアンサー獲得回数22007/09/03 19:37:03ここでベストアンサー

ポイント20pt

 社会人民文化百般の総括は他の方が挙げておられそうなので……ぐっと視点をミクロに落として、現に江戸元禄、天下泰平の世を生きた下級武士の「日記」なぞ如何でしょう。いかにも地味げに聞こえますが、これで案外ご存知の方はご存知な、その筋ではなかなか聞こえた名著です。


『元禄御畳奉行の日記』神坂次郎著

http://www.amazon.co.jp/%E5%85%83%E7%A6%84%E5%BE%A1%E7%95%B3%E5%...


 最後の大乱となった天草一揆さえ早50年の昔、長の平和にすっかり慣れきって最早「武士」とは名ばかり、ぐずぐずの骨抜きになってしまった「ひょぼくれ」――つまり尾張の方言で「兵法に暗い」と仇名されたお役人が主人公。この方がもう間抜けの野次馬の太平楽の……本当にどうしようもなく暢気な御仁なのですが、しかし一方では大変な筆まめでもあり。この本では18歳の夏から死の前年まで、26年余りにも渡って延々延々と綴り続けた日記を、著者神坂氏の解説を交えた摘要で流し読む事が出来ます。

 収録されたエピソードはどれも時代の世相をカーボンコピーでもしたようにくっきりと反映したもので、例えば標題にもなっている「御畳奉行」の勤務日程は9日に1回、一昼夜のみ。つまり月に3日ばかり出勤すれば後は遊んでいられた訳で……いかに武士が余り、仕事が不足していたかと云う事。また公方様のお膝元では「蚊を叩けば隠居、鳥を撃てば切腹」とまで徹底されていた筈の生類憐れみの令が、尾張名古屋にまで来ると専ら皮肉中傷の種になり、釣り好きの主人公に至っては毎日のように竿を担いで出掛ける始末であったと云う事。はたまた元禄と言えば謂わば日本のルネサンス、あらゆる文化芸能の発達した時代であった訳ですが、その中で井原西鶴の「曽根崎心中」が空前の大ヒット、一大情死ムーブメントを巻き起こしてしまい……元禄16年より翌宝永元年までの1年半で、京大阪に九百余名もの心中者が出たと云う事。いずれもなかなか教科書には出てこない、興味深い記録ばかりです。

 つい史料的な面ばかり取り上げてしまいましたが、他方ではこの主人公こと朝日文左衛門重章の行状記もなかなか読ませる内容で、芝居に行けば人混みで脇差しを盗まれ、火事が起きれば同僚達と松の木に登り……一念発起して居合いの道場に通い始め、死罪人の胴で試し斬りまでやってのけたかと思えば、その晩にはもう気分が悪くなってお膳の刺身を遠ざける体たらく……情けないような可笑しいような、何とも愛すべき人柄が浮かび上がってきます。

 読み物としてもお薦めできる一冊ですし、司馬先生に比べればぐっと気楽に読める程度の薄さです。お気が向かれましたらどうぞ。



参考:

Wikipedia『鸚鵡籠中記』文左衛門日記のオリジナル

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B8%9A%E9%B5%A1%E7%B1%A0%E4%B8%A...

宮部みゆき『ぼんくら』文左衛門とは無二の親友になれそうなぼんくら同心を描く時代小説。秀作です。

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BC%E3%82%93%E3%81%8F%E3%82%89-%E5...

id:hareo

こんな本があるんですね。驚きです!しかも新書というのがうれしいです。私のような時代小説初心者が江戸の雰囲気を知るには最適な本かもしれませんね。ご推薦、ありがとうございます。

宮部みゆきさんの時代小説もこれまで敬遠していました。今度読んでみたいと思います。きっとはまってしまいそうです。

2007/09/04 07:55:18
id:curry_rice3 No.6

curry_rice3回答回数147ベストアンサー獲得回数02007/09/04 00:26:02

id:hareo

平成に生み出された時代小説に限って紹介しているムックなのですね。そういう意味で、時代小説初心者の私なんかは入りやすいかも、です。佐伯作品、山本作品も面白そうで、今から読むのが楽しみなんです。

ご推薦、ありがとうございます。

2007/09/04 07:52:58

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