判例をまとめて本が出版されています。
勝手に撮るな!肖像権がある!
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/478723255X.html
第1部 刑事法廷で生まれたルール
第1章 警察官による撮影から始まった
1 撮影を違法とした最初の判決
2 練り上げられていった写真への視点
3 最高裁が「みだりに撮影されない自由」を承認
第2章 無断で撮影できる場合がある
1 警察官が無断撮影できる条件を模索
2 警察官による無断撮影の条件が確定
3 一般私人への拡張も十年で完了
第3章 撮影の目的と撮影の必要性・緊急性
1 労務対策のための撮影
2 訴訟準備のための撮影
3 特殊な目的での撮影
4 アマチュア写真家の事件現場の撮影
5 報道目的での撮影
第4章 相当の方法での撮影が要求される
1 法令に違反しての撮影
2 拒否を無視しての強引な撮影
3 至近距離からの撮影、フラッシュ撮影
4 身をひそめての撮影
第5章 撮影行為が刑事事件になるとき
1 警察・検察による証拠写真の押収
2 肖像の公表が名誉毀損罪になる場合
3 自救行為はどこまで認められるか
4 刑事事件判決が新聞界に大きく影響
5 刑事事件が写真週刊誌全体に影響
6 関係各界は判決にきわめて敏感
7 刑事裁判では明らかにされなかった点
8 刑事法廷で生まれたルールの概要
第2部 民事法廷で生まれたルール
第1章 肖像は無断撮影・公表から守られる
1 撮影・公表とも承諾を得るのが原則
2 確認された「承諾が必要」の原則
3 私有地での撮影も承諾が必要
4 私有財産の無断撮影・公表も権利侵害
5 写真が名誉を傷つけるとされていた
6 撮影がプライバシーを侵害することがあった
7 写し取る手段は写真だけではない
8 保護されるのは肖像だけではない
9 肖像の営業的利用には承諾が不可欠
第2章 撮影・公表の承諾に必要とされる条件
1 撮影・公表への承諾のあり方が明らかに
2 撮影・公表への承諾は被撮影者を拘束する
3 明らかな拒絶がなければ承諾とみなされる
4 撮影への承諾が公表も承諾したとはかぎらない
5 契約内容を超えれば承諾のない公表
6 撮影時の承諾は第三者にも有効
7 ヌード・水着写真の公表は改めて承諾が必要
第3章 無断で撮影・公表できる場合がある
1 民事の肖像権侵害事件に初の最高裁判決
2 模索の続いた無断撮影の判断基準
3 下級審の基準の中心は刑法二三〇条の二
4 刑法基準だけでは足りなかった
5 公益目的での肖像の無断利用は可能だった
6 公共性・公益目的を欠けば承諾は不可欠だった
7 明らかになった最高裁の肖像権像
第4章 受忍限度内の方法での撮影・公表が必要
1 受忍限度内と思われる撮影・公表方法
2 受忍限度を超すと思われる撮影・公表方法
第5章 写真の撮影・公表と民事事件
1 民事でも目立つ警察関連の事件
2 敗訴はしたが警察の提供写真を改変
3 公共性の認められる人物の肖像
4 法廷の撮影要求が訴訟対象に
5 判決への出版業界の反応は例外的
6 テレビも無風地帯ではなくなった
7 著名人の肖像をめぐるトラブルが続発
8 民事法廷で生まれたルールのあらまし
第3部 法廷の外で生まれたルール
1 「お貸し下げ写真」から代表取材へ
2 公人のプライバシーにかかわる写真
3 犯罪少年の写真は掲載しないルール
4 残虐写真は掲載しないルール
5 解禁になったヘアヌード写真
6 人命が危機にある場面の撮影
7 犯罪・事故などの被害者の写真
8 刑事法廷の代表撮影
9 人物写真をめぐるそのほかのルール
写真・肖像権関係判決一覧
テレビ局にいた人間として回答しますので、一部偏った見方があるかもしれませんが御容赦を。
基本的にワンショットなど、明確に特定の人を撮ったと思われる映像は本人の承諾無しには放送できません。アメリカに限らず日本でも肖像権の問題があるからで、刑法で取り締まる以前の問題として憲法で保障された基本的人権の一部として厳然と存在します。従って、本人の承諾無しに放送された場合には、裁判を起こせば放送局側は負けます。
但し、街の雑観などを撮影した中に「その他大勢の一部として映っている場合」には本人の承諾無しに放送できます。アメリカでも同様ですが、その他大勢の一部の場合には肖像権の問題は発生しません。これは特定の人物を撮影したものではないので肖像権は発生しないものと解釈されています。
カメラを向けられると自分が撮影されている気になるのは仕方のないところですが、実際にはワイドレンズで街の雑観を撮影している場合が殆どです。逆に言えば、本人と直接話をするインタビューの類以外では、肖像権の問題が発生するような映像は撮影されていないと思って良いでしょう。もちろん、インタビューを受けたときに「放送で使わないでくれ」と言えば「肖像権の問題に関して本人が承諾しなかった」という事になりますので、放送で使われることはありません。
ありがとうございます。
基本的にそうでしょう。しかし実際は、インタヴューアーがものを
言い始めるときには、いや実際はその前からカメラマンはカメラを
回し始めています。やはりこれはカメラマンの資質の問題かもしれませんが。
また実際問題として、「撮らないでくれ」という雰囲気でしょうか。
アメリカでの例で言えば、物事の順序は、取材側が「撮影していいですか」と
聞くのが先でしょう。と思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%96%E5%83%8F%E6%A8%A9
日本では、いわゆる肖像権というものは法律で定められていません。たとえば著作権は著作物を記したら自動的に発生する権利ですが、人の容姿そのものにそういった一律の権利が発生するといったことは日本ではありません。
もちろん民事で訴訟を起こすことは可能でしょうが、一般人がただ写真に撮られたというだけでは、それが誰にとっても明らかに不快であるとはいえないことや、報道や表現の自由と天秤にかければ、勝てる見込みはないでしょう。
撮影そのものでなく、テレビ放映などのメディアを通じて被害を被った場合は、放送と人権等権利に関する委員会(BRC) http://www.bpo.gr.jp/brc/ など救済のための機関があります。
ありがとうございます。ただ「誰にとっても不快とはいえない」
あるいは「報道の自由」というところに話が飛んでしまうということは解せません。
先にも言ったように「写真を撮らせていただいていいでしょうか」と聞ける資質
でしょう。また交差点での風景としての写真でも、特定の人を追わないとか、
顔はなるべく撮らない技術は必要で、これは「肖像権」があるなし以前の話だと
思います。
>無作法に街中でもどこでも人の顔を撮ります
出来るだけ顔が映らないように気をつけてるようですが・・。
映像に加工をして映像効果で分かりにくくしてるものも存在しています。
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カメラマンが無造作に取ったとしても、それを放送しなかったら
肖像権とかは生じないと思われます。
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肖像権は「財産権」「人格権」にわかれますが、「人格権」の侵害であると
言う路線で理論武装したほうがよさそうに思います。
ありがとうございます。仰るとおり子の国では、「人格権」という立場から
考えていかないとどうしようもならないようですね。
パパラッチまで行かないまでも、この国のカメラマンは、引いてはテレビ局は
精神は、または教養は「いやしいパパラッチ気分」のようですから。
日本でも、その人を写そうとして勝手にカメラで撮影すれば違法です。
肖像権の侵害として、撮影しないように指示することも出来ますし、それに従わなければ損害賠償も請求出来ます。
しかし町並みを写すなど別の目的で人間が写りこんだ場合には違法にはなりません。
公開時にモザイク等かける必要はありますが。
これらはすでに判例が出ています。
いくらメディアでも勝手に個人をメインとして撮影することはありません。
例えばタバコのポイ捨てをしてる人を撮影することは、「タバコのポイ捨て」を撮影しているのであり、その人を撮影しているわけではないのでその人が写ったとしても合法なのです。
ありがとうございます。参考にさせていただきます。
ただへそ曲がりとして一言。タバコのポイ捨てに人物が必要でしょうか。
もし必要として、カメラマンの親父でも撮りましょうか。
ありがとうございます。少し前ですが、あるテレビ局が、ある会合のあと、
その局の記者と話しをしているとき、カメラマンがいきなり撮影を始め
それこそ「勝手に撮るな」とカメラを払いのけイザコザなった経験があり、
以来、私は「勝手に撮るな。局名と名前を名乗れ」と書いた紙を
いつも持ち歩いています。
もう少し「理論武装」のために勉強しているところです。参考になります。