日々の暮らし、こんな時どうしてますか?○○できるいいアイデアありませんか?イエで○○するとしたらどんなプランにしますか?“イエコト・ミシュラン” は、暮らしに楽しくオドロキ!なアイデアを語らい、★(一ツ星)~★★★(三ツ星)のミシュラン評価をしていく質問&トークコーナー。ハウスキーピング、キッチン、ガーデンインテリア、ハンドメイド、パーティ、ヘルス、ペット、ホビー、AV、キッズ、エコロジー、リラックスタイム…さまざまなイエのコト、暮らしのシーンをひろげるサプライズアイデアを!毎回の質問にあなたのアイデアをご投稿下さいね!
#005 THEME:「麺料理、我が家秘伝の味とアイデアレシピ」を教えて下さい
アイデア例はコチラ
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※今回の「いわし」ご投稿は1月28日(月)正午で終了とさせて頂きます。
すいとんの話しをしてました、戦後食べ物が無くすいとんが最高の食べ物とずっと思っていた。それが、ある日。数十年後同じ材料で作ったすいとんを食べてみたらちっとも美味しくない。そう、人間の味覚はドンドン贅沢になり、ありがたさを忘れると言うようなことだったかな?
文化、芸術、スポーツ等々にもいえますがやっぱり世の中進歩していると言う事でしょうね。
美味しんぼでそんな話があったのですね。
すいとん、食べたことがないので作ってみようかなと思いました。
詳しい作り方を書いてくださってありがとうございます^^
水でゆでてきなこをつけるのも美味しそうですね、砂糖を少し足してちょっと甘めにしたいです。
体の温まる、平和な時代のすいとん、食べたいです。
すばらしいレシピですね。
いつも適当に作ってしまう自分が恥ずかしくなりました。
信州では「ひんのべ団子」と呼んでいます。
うちでもときどき作り、日本の田舎の味わいを思い出しています。
この時期食べたくなります。すいとん。
あのもちもちとした食感が好きです。
昔どこかのおじいちゃんが、戦時中は毎日のようにすいとんを食べていたから、今はもう食べたくない。って言っていました。
当時は「えーこんなに美味しいものが毎日食べられていいなぁ」
って思っていたけど、今思えば、戦時中にダシなんてないですもんね。
ググると地元では「ひっつみ」って言うらしいですけど、ウチでは「すいとん」って呼んでましたよ。
具なんか見るとTomCat様のレシピと殆ど同じだったと思います。
思い出されるのは、私が「今日の晩ご飯何?」と聞いた時の「今日はすいとん」と返す言葉に、多少の申し訳無さというか、今日は粗末なものですまないね、とでも言うようなニュアンスがあったことです。
ウチの母もすいとんばっかり食べてたって言ってましたから。
そういう食べ物だったんでしょうねぇ。
鶏とキノコと根菜と…。東京モノの私から見るとなんておいしそうなご馳走!と感嘆してしまいますが、Beiriiさんの地元ではきっと、どこにでもある物を寄せ集めて作るエコノミーな日常食だったのでしょうね。でもそれだけに、豊かな山の幸のキノコなどをふんだんに使えた自然に恵まれた日本はすばらしいなぁと思います。
東京には自然もありませんし、郷土料理の伝統もありませんから、私は体験学習とかで食べさせられた、実にまずいすいとんしか知りません。「粗末な物ですまないね」と言いながらおいしいすいとんの出てくる郷土の味のある地域は、本当にすばらしいと思います。平和な時代のすいとん、私も作って味わってみたいと思います。
たしか、粉のねり方が二種類出てきませんでしたっけ。戦時中の粗末な食べ物だって言ってる人は、水分多めのどろっとした生地をスプーンかお玉ですくって汁に流しこんでませんでしたっけ。一方、すいとん料理で商売している人は、固めに捏ねたものをひっつんで汁に入れてたような気がするんですけど、違ったかな。
にぼうと を作ってたおばあちゃんが、すいとんも作ってたような気がします。おばあちゃんが作ってたのはドロドロの生地を流し込むやつでした。戦争中に小麦粉さえまともに手に入らなくなって、どんどん水の量を増やしていった結果うまれた食べ物じゃないかな、と想像してます。
でも、ドロドロ版もそれなりに美味しいんですよ。汁を吸いながら固まるから。TomCat さんみたいに出汁にこだわって作ったら、ドロドロ版もご馳走として通用するかもしれません。
往年のグルメまんが「美味しんぼ」に、すいとんを扱った回がありました。戦中戦後の物のない時代の救難食としてのすいとんと、岩手の郷土料理「ひっつみ」をベースとした究極のすいとんを比べ、すいとんは本当は郷土の食材を豊かに活かしたご馳走だったんだ、美味い物を不味くしか作れなかった時代、それが戦争という時代だったんだと結論づけていく趣向です。不味いすいとんを食べさせて戦時体験をさせるやり方に対して、逆方向からのアプローチで、平和の尊さを考えさせるストーリーでした。
さて、私流の究極のすいとんを作ってみます。
【材料(およそ4人分)】
◆小麦粉(薄力粉でOK) 300g
◆だし汁 8カップくらい
◆具
・鶏もも肉(皮付き、2枚)
・人参 1本
・ごぼう 半本
・長ネギ 1~2本
・きのこ類(シメジ・マイタケ・シイタケなど) 適宜
・三つ葉、あるいはセリ 適宜
さて、まず小麦粉を練りましょう。4人前で約300g。これがうどんなら一人100g見当になる所ですが、すいとんは具がたっぷりの豪華な料理ですから、それでは量が多すぎます。そこでちょっと減らして300gでいってみましょう。水は、この分量なら1カップくらい使います。うどんに比べると多加水になります。
まず、使う水に食塩若干を加えます。自然塩がいいですね。これは小麦粉のグルテンを引き出すための塩です。塩分濃度は室温18度として10%を目安にしてください。つまり水300gなら食塩33g程度を加えるということです。
こね鉢(ボウルで可)に小麦粉をふるいながら入れ、塩水半量を振りかけて湿らせ、手のひらで混ぜていきます。この段階では粉が飛びやすいので注意して下さい。全体に湿り気が行き渡ると、ぼそぼそした顆粒のような状態になっていきます。均一に全体に湿りがいきわたるようにしてください。
さらに塩水1/4を加え、同じように混ぜていきます。少し粉がまとまってフレークのような感じになってきます。
全体が均一になってきたら、残り1/4の塩水を加えて指を立てて力強く練っていきます。ここでも全体が均一になるようにしていきます。全体が均一になってもまだ少しバラバラな感じですが、もういいかなと思ったら上から押さえつけてまとめていきます。そしてビニール袋に入れて密封して、約2時間寝かせましょう。
この寝かすことが究極のすいとんのポイントです。小麦粉を水で溶いて汁の中に落とすやり方では、中まで味が染みず不味いのです。しっかりとグルテンを引き出し、団子状の小麦粉だけでも美味いと感じさせることが、究極のすいとんの旨さにつながります。
さて、小麦粉を寝かせている間にだしを取ります。だしは、イワナを焼いた物などで取れると最高ですが、なかなかそういうわけにもいきませんので、ここでは鰹節と宗田節や鯖節で取っていくことにします。鰹節だけでは味が弱いので、必ず宗田節や鯖節などを混合して使います。
だし汁は4人前として8カップ使いますので、だしを取る時は1カップほど多めの水を煮立ててください。沸騰したら好みの分量に混合した削り節(市販の混合削り節でも可)を約40g入れ、煮立ったら弱火にして3~4分間静かに煮出します。アクが浮いてきますので、それはこまめに取り除いてください。時間が来たら火から下ろし、布巾などで濾しておきます。
煮物などに使うのとは違う、ある程度主張の強いだしを取っておくこと。これが究極のすいとんの第二のポイントです。濃いだしとは違います。主張の強いだしです。このために、宗田節や鯖節などを使うのです。
具の下ごしらえです。
鶏肉は、まず固く絞った濡れ布巾で拭いてください。だしを濁らせないためです。こういう心遣いが究極のすいとんにつながります。一口大に切り、皮の部分だけを油を敷かないフライパンで焼いてください。これがまた、つゆの旨さにつながります。しみ出た脂は拭き取っておきます。
ごぼうは大きめのささがき。水に晒してアク抜きをします。水は2~3回替えてください。
人参はたんざく切り。
きのこは食べやすい大きさに手で裂きます。ただし、しいたけは包丁でスライスしてください。厚みはお好みで。
長ネギは鍋物と同じように斜め切り。
三つ葉やセリなどは3~4cmにザクッと切っておきます。
さて、小麦粉の寝かせ時間が終わり、具の下ごしらえも完了したら、鍋にだし汁を張り、ごぼうを入れて火にかけます。
煮えてきたら、まず鶏肉を入れ、同時にニンジンも入れていきます。ニンジンは西洋料理のブーケガルニの役目をしますから、肉と同時に投入です。
一煮立ちしたら、清酒大さじ3、醤油大さじ3、塩少々(小さじ1程度)で味を付け、アクを取りながら煮ていきます。煮ながら味を見て、好みに応じて調節してください。
味が調ったら、きのこ類を入れてさらに煮ていきます。きのこが入ると、つゆが一層美味しくなっていきます。
さて、ここですいとんの主役、練った小麦粉の登場です。究極のすいとんの小麦粉は、細長くはありませんが、もはや立派な麺です。それそのものがもちっとして美味いのです。ちぎって、ただ水で茹でて、きな粉でも付けて食べたら、それだけでもお餅みたいで美味しいですよ。
ビニール袋から出した小麦粉は、すっかり馴染んでうどんの生地のようになっています。これをまな板の上などで数回伸ばして練ってください。うどんではありませんから、強く練る必要はありません。全体を均質にする仕上げだと思ってください。納得いく均質さになったら玉にまとめ、指で一口大に千切って、親指でちょっと平らに凹ませて、煮立っている鍋の中に入れていきます。一度沈みますが、火が通ると浮きあがってきます。
全体によく火が通ったら、最後に長葱を加えて火を通し、下ろし際に三つ葉やセリを入れて出来上がりです。
これは、すいとんと言っても、ほとんど岩手の郷土料理「ひっつみ」そのままです。日本では昔から、こんな豪華な汁物を食べていたんです。山の幸にも海の幸にも恵まれていた日本ですから、すいとんも、それは美味しいご馳走だったんですね。それを不味くしか作れなかった時代の食べ物が、よく戦時体験イベントなどに登場するすいとんです。
本当の美味いすいとんは、時間も材料も、とても贅沢に使って作られます。これが平和な時代のすいとんです。温まりますよ。寒い冬に是非どうぞ。