「街を見渡せば、100通りの家族に100通りの家。家をのぞいてみれば、それぞれの暮らし振りが面白い!」と展開してきたイエルポタージュ・コーナー“イエ・ルポ”の続編。
“イエ・ルポ 2”では、特にマチとイエ、人と家族のドラマやものがたりを語らっていきませんか?愛するマチ、好きな風景、家族のエピソード、イエでの思い出…。あったかい、ユニークな、心に残っているお話、みなさんのマチやイエならではのお話が集まって、「イエ・ルポ」本が実現するとうれしい!毎回のテーマに沿って、あなたのイエとマチのルポ、お待ちしています!
イエ・ルポ 2 #009 THEME「あなたのイエや地方ならではのイベント・季節行事」を教えて下さい
ルポ例はコチラ
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20080321
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※今回の「いわし」ご投稿は3月27日(木)正午で終了とさせて頂きます。
なんだか日本の原風景を見るような季節の行事ですね。
お稲荷さんというとキツネが頭に浮かびますが、あれは稲荷神社の御祭神のお名前が「御饌津神」(みけつのかみ)であるところから、キツネの古語である「けつ」(キツネをケツネと呼ぶ地域があるのはここからですね)と、後世になって関連づけられたものと聞いています。元々は稲の字が入っていることからもわかる通り、農耕、穀物の神様ですね。
だからきっと、その吉浜稲荷神社の縁日も、農耕がお休みになる冬の始まりに合わせて行われてきたのでしょう。「抜き柿」というのも、いかにも庶民が庭に実った柿の実を家庭で渋抜きして並べて売っていたころの様子を感じさせてくれますね。
東京だとお稲荷さんは商売繁盛の神様で、キツネの置物を置いて祭ってあるものという印象がありますが、元は穀物の神様なんですね。すると農村とゆかりが深いということでしょうか。
湯河原なら東京から電車でも1時間半くらいですね。温泉に行こうなどと考えると大がかりなことになってしまいますが、立ち寄るだけならぶらりと行ける範囲です。そのお稲荷様の縁日を見てみたくなりました。
志賀直哉の『小僧の神様』を思い出します。私の中では、小僧にお寿司を奢ってくれる神様・・・と一時ちょっとした誤解をしていました(笑)。
湯河原のお話も、YuzuPONさんの解説も、東京の商売繁盛のお稲荷さんも、初耳ばかり。お稲荷さん=キツネと油揚げ、としか知りませんでした。
あれ?お稲荷さん=キツネまでは分かりましたが、どうして油揚げも出てくるんでしょう・・・?稲荷寿司は油揚げでくるんでるけど、お稲荷狐がくわえているイメージは、三角形の油揚げなんですが・・・(謎)。
神奈川県湯河原町に、吉浜稲荷神社という小さな神社があります。
毎年秋に、「お稲荷さん」と呼ばれる大きな縁日があります。
http://yugawara.blog119.fc2.com/blog-entry-90.html
夜店が並び、参道には提灯。昔ながらのお祭りという感じがします。
神社に近付くと、だんだん祝詞の声が聞こえてきます。(スピーカーで流している。)
境内では、参拝者には無料で甘酒を振る舞ってくれます。(夜だけかもしれません。)
今は普通の「お祭り」に見えますが、まだ物流が発達していなかった頃は、この縁日の日に立つ市が町内の「大きな買い物」をする貴重な機会で、今のお年寄りが子供だった頃は、着物などはこの縁日で買って貰ったりしたそうです。
また、この縁日で販売される名物に「抜き柿」というものがあり、お湯につけて渋を抜いた柿が袋に詰めて売り出されます。
一見すると普通のお祭りですが、細かく観察してみると、地方色の残るお祭りです。
また、このお祭りと前後して強い季節風が吹き、これを「稲荷風」と呼びます。
「稲荷風」が吹くと、湯河原一帯は、もうすぐ冬です。