THEME:「あなたのイエのスペシャルなお祝い行事」を教えて下さい
「街を見渡せば、100通りの家族に100通りの家。家をのぞいてみれば、それぞれの暮らし振りが面白い!」と展開してきたイエ・ルポルタージュ“イエ・ルポ”の続編コーナーです。“イエ・ルポ 2”では、特にマチとイエ、人と家族のドラマやものがたりを語らっていきませんか? 愛するマチ、好きな風景、家族とのエピソード、イエでの思い出…。あったかい、ユニークな、心に残っているお話、みなさんのマチやイエならではのミニストーリーが集まって、「イエ・ルポ」本が実現するとうれしい! 毎回のテーマに沿って、あなたのイエとマチのルポ、お待ちしています!
ルポ例はコチラ
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20080523
プレゼントはコチラ
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20071028#Repo2
※今回の「いわし」ご投稿は5月29日(木)正午で終了とさせて頂きます。
ご両親の頃から、立春や旧暦(雑節)を取り入れた暮らしをされていたのですね。それにお正月を二回行う、簡単な会話だけれど毎年決まったコトをする。こういった習慣が身について、今のTomCatさんがいらっしゃるのだろうなぁと、ご両親の素晴らしさを感じました。
それと、今でも行事として続けてらっしゃるTomCatさんも、イエはてなで見てきたTomCatさんらしいなぁ(ちょっと変?)って思いました(^^) 旧暦の本を以前紹介されていましたが、色々な事に興味をもたれるベースも、きっとご両親の影響があるのでしょうね。
ちなみにうちは、ご先祖様が武士だったということで、ちょっとした家訓があります。質素倹約みたいな文句ではあるのですが、子供の頃からの影響というのはスゴイ物で、今では自分の常識感覚にもなってたりします。
今の地元に移って、毎日が日曜日のような暮らしになった両親は、私が子供のころに比べたら随分と丸くなりました。今では八十八夜や二百十日(コレは雨漏りが怖い日ということで)が良く話題に出ますし、新茶を必ず買い求めに家族で出かける楽しみも増えました(^^;>
立春と立志をかけて、春の初めにその年の目標を定めるなんて、すばらしいならわしですね。昔はこういう習慣が、けっこう広く行われていたのでしょうか。今でも年の初めに一年の目標を立てるという人は少なくありませんが、春立つ日に志を立てるなどと言われると、とても真剣味が増してくる感じがします。
挨拶など決めるところは折り目正しく決めながらも、家族らしく肩肘張らず和やかに志を立てていく様子がとてもすばらしいと思いました。こういう習慣が多くの家庭に復活して、行われるようになったらいいですね。
わが家では、節分の翌日の立春こそを真の年始めとするという伝統があります。1月1日はもちろん元旦として祝いますから、わが家はお正月が2回ある大変お得な家、ってわけですね(笑)
立春の朝は、正月と同じように家族揃って正座をし、一同神妙な面持ちで「おはようございます、春立つ真の年始め、おめでとうございます」と声を合わせて挨拶を行います。そして立春を言祝ぐ和歌を唱和し、続いて「立志の儀」が行われます。「立春」と「立志」を掛けているわけです。
ま、これはそんなに難しいことはありません。とりあえず各自予め考えておいた今年の目標を、完結に述べればいいんです。ここは家族ですから、儀式と言っても堅苦しくない普通の会話になります。
「お父さんは今年は勉強するぞ」
「え? 大人なのに?」
「そうさ、大人だから勉強するんだよ、仕事には勉強が大切なんだ」
「ぼくは去年は風邪ばかりひいていたから、今年は健康に気を付ける年にするよ」
「あら、それ簡単だと思って選んだ目標でしょう。でも健康を気遣うって難しいのよ。好き嫌いしない。お菓子ばかり欲しがらない。早寝早起きする。できるの?」
「あはははは・・・・」
「お母さんは今年はお花の先生の資格を取るわよ」
「へー、すごいんだ」
「はい、各自今年一年、自分の決めた目標を忘れずに過ごしましょう。終わります」
ってなもんです。だいたい毎年平日の朝ですから、ゆっくり時間がある元旦に比べれば簡潔なものです。でも、こんなふうにして立春を迎えていたおかげで、「春一番」も「八十八夜」も、とても実感をもって受け止めていくことが出来ました。
立春の夜は、ちょっと何か春を感じさせるメニューが出ます。ちらし寿司が多かったですね。春色の装いを凝らした、母の手作りちらし寿司です。そして食後は、父母は春を感じさせるような和菓子を、子供の私には、本来は春が旬のイチゴなどが出てきます。こういうのも、ちょっと特別な立春のお楽しみでした。
今はもう父母はいませんが、やはり立春の朝には、父母が目の前にいると思って正座をして挨拶をし、和歌を詠み上げ、そして迎える年の目標を声に出して立志の儀を行います。こうして立春、春の始まりの日をを祝いつつ、正月に立てた目標をさらに再確認して志を固めていくのが、わが家のスペシャルな季節のお祝い行事です。