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橋と人の暮らしがある風景
momokuri32008/08/05 23:11:293pt
わりと大きな橋があります。その橋のたもとに、なんとブルーのシートで覆われたバラック小屋が建っています。もちろん不法占拠でしょう。家の無い人が、どこからか廃材を集めてきて作った物に違いありません。しかしそれがなかなか立派なんです。橋の上から見ると小さな小屋が3つくらい連続しているように見えます。そして周囲にはちゃんと柵があり、庭に相当する部分には煮炊きの出来る窯がしつらえられています。ちょっとしたキャンプ場のロッジみたいです。さらに驚くべきことに、この小屋にはテレビのアンテナが立っています。電気なんか来ていないはずなのに、とりあえずアンテナだけは立っています。おそらく広さから考えて、数人が一緒に住んでいるのではないかと想像します。
河川敷の不法占拠というと眉をひそめる人が少なくないと思いますが、私はそこに人のたくましさを見ます。法的には色々と問題があるでしょうが、そこにはまぎれもない、生き生きとした人の暮らしの姿があります。家に足が付かず、ただ寝るだけにしか帰ってこないような人の家なんかよりも、数倍暮らしの香りがします。
柵の外側には、少し畑が出来ています。ここまでくるとキャンプ場のロッジにたとえるより、大草原の小さな家のような開拓民の家とでも表現した方がいいかもしれません。
私は散歩に行くと、よくその橋を通ります。そして川風に吹かれながら、向かいの鉄橋を通る電車を眺めたりして過ごします。ふと河原を見ると、河原の掃除をしている人たちがいました。しばらくするとその人たちが、例の小屋の周りに集まって談笑していました。きっとその輪の中に、この小屋の住人さんも混ざっているはずです。今の都会では失われてしまったご近所付き合いの温かさみたいなものも、ここにはあるようです。
台風にでもなれば川の水量が急増して危険にさらされる所です。しかしとにかく今は、そこに人の暮らしの営みがあります。世の中にはゼロから始めて、こんな暮らしを作り上げている人もいるんですね。もっと真剣に、毎日を一生懸命生きてみたいなと思いつつ、私は私の家に帰ります。
ある意味これは、今の日本社会の歪みを象徴する、とても悲惨な姿なのかもしれません。こういう人たちが放置されている社会は、すぐにでも変えていかなければいけないと思います。
でもそこには、力強い人の営みがあります。私はそこが好きなのです。
見た目よりも人としての中身
Lady_Cinnamon2008/08/06 10:27:232pt
おそらく橋の下の暮らしという光景を見た事が無い・・・という人は少ないんじゃないでしょうか。普通に見ていたら、目をそ向けがちな場所でもあると思います。
でもmomokuri3さんは、目をそむけずそこに暮らす人の存在を認めてらっしゃる。法やモラルには反する行為かもしれないけれど、世の中にはどんな形でも生きているという存在は認められるべきことだと思います。
そして、この光景で見られる『失われてしまったご近所付き合いの温かさ』が根付いている場所なのでしょうね。いざとなれば助け合ったり、誰がいるとかいないとか、そのコミュニティの中ではみんながみんなを知っている。
近年ときに聞かれるような、『お隣さん、よく知らない人なんですよ・・・』なんて風習が根付いている「普通のマチ」。向こう三軒両隣とは言いますが、節度は保ちつつも、自分の暮らすマチを知ることから大事にしていきたいと思いました。
素晴らしい視点です
TomCat2008/08/07 00:29:101pt
そうなんですよね。そういう所にこそ、本当に力強い、人の暮らしの息吹きがあるんですよね。行政はそう言う所を目の敵のように潰して回りますが、そこにはちゃんと人間の暮らしがあるんです。
定住する家を持たない人のことをホームレスだとか路上生活者だとか言いますが、それはそういう人たちの全体を正確に表現する言葉ではありません。こんなふうに自らの努力で暮らしの営みを生み出している人たちもいるんですよね。
もちろんそのままでいいはずはありません。全ての国民に健康で文化的な最低限度の生活くらいは行政責任で保証していかないと、国や自治体は憲法違反のそしりを免れないでしょう。でも、とにかく私たちとしては、今現在、そこに生き生きとした暮らしがあることを見つめていく視点が大切ですね。そして困ったときはお互い様とみんなで助け合っていく。そんな町を作りたいと心から思う書き込みでした。
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わりと大きな橋があります。その橋のたもとに、なんとブルーのシートで覆われたバラック小屋が建っています。もちろん不法占拠でしょう。家の無い人が、どこからか廃材を集めてきて作った物に違いありません。しかしそれがなかなか立派なんです。橋の上から見ると小さな小屋が3つくらい連続しているように見えます。そして周囲にはちゃんと柵があり、庭に相当する部分には煮炊きの出来る窯がしつらえられています。ちょっとしたキャンプ場のロッジみたいです。さらに驚くべきことに、この小屋にはテレビのアンテナが立っています。電気なんか来ていないはずなのに、とりあえずアンテナだけは立っています。おそらく広さから考えて、数人が一緒に住んでいるのではないかと想像します。
河川敷の不法占拠というと眉をひそめる人が少なくないと思いますが、私はそこに人のたくましさを見ます。法的には色々と問題があるでしょうが、そこにはまぎれもない、生き生きとした人の暮らしの姿があります。家に足が付かず、ただ寝るだけにしか帰ってこないような人の家なんかよりも、数倍暮らしの香りがします。
柵の外側には、少し畑が出来ています。ここまでくるとキャンプ場のロッジにたとえるより、大草原の小さな家のような開拓民の家とでも表現した方がいいかもしれません。
私は散歩に行くと、よくその橋を通ります。そして川風に吹かれながら、向かいの鉄橋を通る電車を眺めたりして過ごします。ふと河原を見ると、河原の掃除をしている人たちがいました。しばらくするとその人たちが、例の小屋の周りに集まって談笑していました。きっとその輪の中に、この小屋の住人さんも混ざっているはずです。今の都会では失われてしまったご近所付き合いの温かさみたいなものも、ここにはあるようです。
台風にでもなれば川の水量が急増して危険にさらされる所です。しかしとにかく今は、そこに人の暮らしの営みがあります。世の中にはゼロから始めて、こんな暮らしを作り上げている人もいるんですね。もっと真剣に、毎日を一生懸命生きてみたいなと思いつつ、私は私の家に帰ります。
ある意味これは、今の日本社会の歪みを象徴する、とても悲惨な姿なのかもしれません。こういう人たちが放置されている社会は、すぐにでも変えていかなければいけないと思います。
でもそこには、力強い人の営みがあります。私はそこが好きなのです。