バラク・オバマの勝利演説(http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7710079.stm)を見た方にお伺いします。

一体この人の何が、こうまで人をひきつけるのだと思いますか?

ベルリンで彼を見て以来、一体この人の何がこうも多くの人をひきつけるのかとずっと気になっています。

思うところはいくつかあるのですが、色々な視点からの感想、考えを知りたく、質問する次第です。

*字数制限にひっかかったので、補足はコメント欄に書きます。一読頂ければありがたいです。
*「~人以上拒否されてる人は回答できない」という設定はしていませんが、回答歴が目に余る様な方の場合は開かない可能性もあります。
*質問、コメント等は下のコメント欄へお願いします。

回答の条件
  • 1人2回まで
  • 登録:2008/11/05 23:07:25
  • 終了:2008/11/12 23:10:02

回答(7件)

id:yo-net No.1

yo-net回答回数266ベストアンサー獲得回数212008/11/06 00:02:55

ポイント13pt

とても有意義なBBSサイトをご紹介頂、感謝いたします。

さて、ご質問の意味が、勝利演説を訳してほしいと言う意味で有れば、

私の回答は却下して頂いてかまいません。

私の回答は以下です。

アメリカは一つです、黒人や白人、共和党も民主党もすべてが一つのアメリカです。

自由が保証されているアメリカでは貧富の差が自由という名前の元で広がっています。

自由競争の中でも最低保証が保証された中で行わなければなりません。

つまり、自由は無差別な殺人を容認してるのでは無く、ルールある自由競争があるべきです。

戦争でアメリカ人が亡くなっています、しかしアメリカはアメリカの為に戦うべきで、

他国の為に犠牲になってはいません。つまりイラクやアフガンは自立すべく、

米国は米国の為に自立すべです。

私がここにいる事が証明しています。

それは皆さんがやれば出来る事を、変革出来る事を今証明しました。

私たちは、自身とアメリカの為に力をつくしましよう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000122-mai-int

民主党なので、保護主義に走るのは仕方ないでしよう。

id:shimarakkyo

質問の意味、分かりづらかったでしょうか?

「バラク・オバマの何が、こうまで多くの人をひきつけるのだと思うか?見解を述べてください」です(「英訳して下さい」とは、書いてもいませんし、聞いてもいません)。

色々と書いて頂いたのに申し訳ありませんが、「私の質問に対する回答」を答えて頂きたかったです。

2008/11/06 00:18:12
id:pahoo No.2

pahoo回答回数5960ベストアンサー獲得回数6332008/11/06 00:43:40

ポイント19pt

かの国の国民が真面目なリーダーを求めたからだと思います。

もう少し景気が良かったら、マケインさんみたいに、小太りで、ちょい悪なオヤジがウケたんでしょうが‥‥。


オバマ次期大統領――演説は巧いですね。ネタも国民向けでよろしいかと。

でも、どことなく、小泉純一郎・元総理に似てませんか? 抑揚の付け方といい、間の取り方といい。「Change=改革」ですしね。

加えて二人とも痩せ形で、何となくストイックで説教師みたいな印象を受けます。


勝利宣言で、106歳の老女の話題がありましたね。

106年前といえば、小泉さんの祖父、又次郎氏が板垣退助の演説に心酔し、政治家を志した頃です。又次郎氏の父親(純一郎さんの曾祖父)はとび職で、本人も入れ墨をしていたとのこと。1929年に逓信大臣になったとき、付いたあだ名が「入れ墨大臣」――すごい時代ですよね。

それに比べ、オバマさんが紹介したアメリカの100年は、なんとマジメなことか。ユーモアの欠片もありません。

説教師のノリで演説を進めるオバマさん――いままでバブルに浮かれていたんだから、少しはマジメになろうよ――このメッセージが、アメリカ国民に響いたのではないでしょうか。


最後に気になったことですが、演説中のオバマさんの周囲には防弾ガラスが展開されていましたね。

まあ、あの国では当たり前の舞台装置なのかもしれませんが‥‥惹きつけられる人が多ければ多いほど、反感を持つ勢力も大きくなるものです。カリスマが登場すると、どっちでもいいやという中間層がいなくなる――ある意味、怖い状態なんですが。

どうするオバマ?失せろブッシュ!

どうするオバマ?失せろブッシュ!

  • 作者: マイケル ムーア
  • 出版社/メーカー: 青志社
  • メディア: 単行本

id:shimarakkyo

おお、ご高名はかねがね。詳細な回答をありがとうございます!

>かの国の国民が真面目なリーダーを求めたからだと思います。

ああ、なるほど。彼個人の資質もさることながら、彼が提示した資質が「かの国の国民」の現在のニーズに合っていたから。という感じでしょうか?それともかの国に限らず、それが今の時代のニーズ、なんでしょうか?

>もう少し景気が良かったら、マケインさんみたいに、小太りで、ちょい悪なオヤジがウケたんでしょうが‥‥。

そう考えると恐ろしいです。私はマケインさんに対してはニュートラルな印象を抱いていますが、あのrunning mateは大嫌い(超私見)。ブッシュが前回再選を果たした時に「How can 59 million people be so dumb?」というちょっと笑えない(笑うしかない?)画像が出回りましたけれど、もしマケインさんが当選して彼に万が一があった場合、世界は更にひどい地獄を見たような気がしてなりません。


>オバマ次期大統領――演説は巧いですね。ネタも国民向けでよろしいかと。

巧いと私も思います。それも演技をするのが上手いのではなく、腹の底から自分の言葉で話している、という印象を人に与えるという点で非常に演説に長けていると感じました。


>ネタも国民向けでよろしいかと。

私は、彼がベルリンに来た際に「国内向けと国外向けのバランスをどうやって取るのかひとつ見てやろう」というちょっと意地の悪い態度で演説を聴きに言ったのですが、ネタのバランスもさる事ながら彼本人の発する「説得力」みたいなものにあてられたんですよ。それと米国民じゃない、普段なら「えーアメリカー、ここはOld Europeだよ」と言っているような人たちまでが熱心に支持している事にすごく興味を憶えました。


>でも、どことなく、小泉純一郎・元総理に似てませんか?抑揚の付け方といい、間の取り方といい。「Change=改革」ですしね。

それは思いもつきませんでした!実は小泉ブームの時に日本におらず、その人気振りを目の当たりにしたことがないんです(セミヌード写真集を出したってのをBBCで見てお茶吹いて崩れ落ちたぐらいで)。


>説教師のノリで演説を進める。。。響いたのではないでしょうか。

なるほどなるほど。やはり時勢が味方した、ということなのでしょうか。しかしあのカリスマ性は時勢だけではない様な気がしてならないのですが。


防弾ガラスは私も気が付きました。初の黒人大統領候補という事で暗殺のリスクも今まで以上に高く、その可能性がずっと付きまとった為に、負けが込んできてもヒラリーが指名レースを降りなかったと、やはりBBCで見ました。今後も更に「怖い状態」が続くのでしょうね。その辺も気にしてニュースを読もうと思います。

回答、本当にありがとうございました。また何か思いつきましたらお願いいたします。


追記:「入れ墨大臣」、ウケました。

2008/11/06 01:35:25
id:markII No.3

markII回答回数744ベストアンサー獲得回数232008/11/06 02:47:17

ポイント19pt

政党や主義思想にとらわれず、物事の本質だけをついたような考え方が支持されているのではないかと思います。


過去の演説についても抽象的な内容が多いものの、考え方としてはまさに理想的。

それも理想論ではなく現実論としての理想的な内容なので反論のしようもありません。


資本主義には賛成していても、そこに政府の介入が必要で貧困を出来るだけ和らげる必要性も説いていたり、

イラク戦争には反対していても、他国の治安悪化地域についてはむしろ軍の派遣を推進していたり。


また、他者の考え方に対して批判することが少ないことも魅力の一つだと思います。

「イラク戦争を支持した人も支持してない人もアメリカを愛する一人の国民だ」と、イラク戦争そのものを悪だと批判することは無かったですし、『保守的でありながら、保守主義には捕らわれない思想』って感じですかね。


日本の支持されてない「悪い例」の人達はこれらとはまったく逆のことばかりしてますし、やはり世界中どこの国でも物事の本質を見て主義や思想に捕らわれない考え方が支持されるのではないかと思います。

http://q.hatena.ne.jp/

id:shimarakkyo

なるほどなるほどなるほど面白い!ありがとうございます。

現実的な理想論者、今までの政治家が語らなかったけど誰の目にも明らかだった本質をちゃんと語った、他者に対する包容力、フレームワークに囚われない柔軟性、と言ったところでしょうか。

おっしゃる様な「物事の本質だけをついたような考え方」を何故今までの政治家が提示しなかったのか、と考えた時に、これまでの政治家の政治資金の主な母体が大企業(ハリバートンとか!)だったのに対し、オバマは小口の献金をする個人だったという事にあるのかな、とふと思いました。そこにしがらみを(比較的)感じず発言できるというか。数字は失念したのですが、BBCの「オバマは史上最大の支持者メーリングリストを持っている」というコメントを思い出しました。

2008/11/06 03:31:07
id:albertus No.4

albertus回答回数80ベストアンサー獲得回数82008/11/06 03:31:16

ポイント13pt

関心をもってBBCの演説の映像拝見いたしました。感想をいくつか。

さすが弁護士、演説は見事という他はありません。彼(だけではありませんが、英米系の政治家)の演説を聴くと、ギリシャローマから続く「弁論術」の伝統を見せつけられる気がします。これが英語という言葉の特質なのかどうかは、私は結論づけることはできませんが、技術(art)としての演説を、ここでもまた見せつけられた気がします。言葉の使い方、Yes we canという短くかつ印象的なフレーズをうまく利用し、クライマックスに向けて構成していく手法、きっちりと声を出すという発声方法---いづれも決して日本の政治家には期待できないものばかりでしょう。pahooさんは「説教師」と表現されていますが、むしろ私は、ローマの政治家であるキケロやカエサルの演説、というものを連想しました。

オバマの演説は、当初から「希望」と「自信」を指向するものだなとの印象が強いです。なんとなく、バラバラで、自信喪失な時期のアメリカ人に、アメリカ人はできるのだ、アメリカ人としての誇りを持ってほしい、という未来志向的な言葉を繰り返し投げかけたのではないでしょうか。この二つは極めてアメリカ人好みではないかと思います。

そして、その方向性を要約するフレーズがYes we canというものではないかと思います。

彼の若さも重要な要素ではないでしょうか。同じことをマケインが言っても、あまり説得力がありません。

なお、URLは朝日コムによる全訳です。

http://www.asahi.com/international/update/1106/TKY200811050346.h...

pahooさんの指摘していた「まじめさ」は、なるほど、と思いましたね。もう少し彼の素敵な笑顔もこれから見たいものです。

id:shimarakkyo

回答ありがとうございます!

他の人が彼を見てどんな感想を持ったかはすごく興味がありましたので、ありがたいです。

すると、未来志向、オプティミスト、そしてそれを体現できる若さ、といったところが鍵でしょうか。

キケロとカエサルですか、面白いですね。塩野七生と高校生の時に読んだ弁論集でしかこの二人を知らないのですが、両者共に古典ラテン語(散文の完成者?でしたっけ?)、思想、政治舞台の雄ですが、かたや慎重、勤勉(ある意味まじめ?)、かたや豪胆、ともすると傲慢、という印象を持っています。どっちにせよ「説教師」よりももっと野望を持った人物像、という感じでしょうか。

2008/11/06 03:52:41
id:NON_NON No.5

NON_NON回答回数197ベストアンサー獲得回数162008/11/06 14:01:25

ポイント19pt

演説をテレビで見ていました。なかなか感動的で、若い民主党の大統領という連想からか、ケネ

ディーを思い出しました。

実は、あの演説(そしてそれ以外の彼の多くの演説も)意外と具体的な内容は無かったのではない

かと思います。

しかし、それでも彼の演説が多くの人を引きつけたのは、アメリカ国民の多くがが心に抱いている

「希望」を説いたからではないでしょうか。

イラク政策や対イスラム原理主義者に対する政策が世界の多くの人々から反感を買ってるのでは?

サブプライムローンに象徴されるように自由主義経済(正確には新自由主義)は間違っていたので

は?などなどで多くのアメリカ人が自信が喪失し、方向を見失っていました。そのような人々にオ

バマは「アメリカは山を乗り越えていける」(Yes We Can)という希望に満ちたメッセージを送り

ました。そして、それは実は多くの人が心のどこかに持っていた想いではないでしょうか。

基本的に、希望を与えてくれる政治指導者は国民から熱狂的に支持されます。(レベルは違うで

しょうが、最近の日本では小泉さんもそうじゃないでしょうか)

ただ、意地の悪い見方をすると、希望は必ずしも現実性をともなうとはかぎらないということです。

その意味では、”つかみ”はOK、あとはそれをどう生かすかという作業が始まるのでしょうね。

(Url必須ということなのでキング牧師の"I have a Dream"の演説を紹介します。あれからもう半

世紀たつのですね)

http://dreamer1.hp.infoseek.co.jp/dream.html

id:shimarakkyo

的確な解説をありがとうございます!

今きちんと返信を書く時間が取れないので、後ほどちゃんと書かせて頂きます。

追記:

ケネディーを思い出す、という人は私の周りにも結構いますね。若い、民主党、不況のただ中で選ばれる、など、共通するキーワードは確かに多そうです(読もうと思いつつもまだ手に取っていなかった" The Making of the President 1960 "を今度こそ頑張って読むか。。。)。


「希望」というのも間違いなくキーワードですね。部外者の私でさえアメリカの原点を見せられた様な気になりましたから、本国の人達の気持ちの高揚はすごいものだったろう事は想像に難くありません。アメリカとはやはり民衆が作る国なのだなーという印象を受けました。id:NON_NONさんの回答を読んで思ったのは、ブッシュの8年で、民衆から取り上げられていた政治と「この国の当事者」たる気持ちを彼がまた皆に返した、という事なのかな、と。


>”つかみ”はOK

本当にそうですね。それはオバマ本人が一番良く分かっているんでしょう。勝利演説の時にも色々言っていましたし。


面白い指摘をありがとうございます!また何か思いつきましたら回答をお願い致します。


ps:URL、わざわざすみません。こちらの設定間違いです。この演説も色あせずにひどく心をつかむものですね。

pss:しかし、そんなに小泉さんも「希望」を与えていたんですか。。。その発想は今まで全くなかったのでまた改めて別の質問を立ち上げてみようかな。

2008/11/08 12:41:24
id:powdersnow No.6

powdersnow回答回数1301ベストアンサー獲得回数652008/11/07 03:40:07

ポイント19pt

やはり、第一に「若さ」があるのだと思います。

現在の世界的な金融危機において、古い、守りのイメージより、若い大統領、現状を打破できそうな勢いを求めて。

経験のなさなどを指摘されることも多かったですが、

最終的には、それすら今後の可能性や斬新なものを求める人から、支持を集める要因になったと思います。

世界的な金融危機は、打破や一新といったものを求める人から支持を得る、オバマ氏にとっては、大きな追い風になったと感じました。

昨夜、ニュースでオバマ氏について、「調整型の指導者」という言葉がありました。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00143649.htm...

引っ張っていく指導者ではなく、新しいタイプの指導者をアメリカ国民が求めた結果ではないでしょうか。

id:shimarakkyo

回答ありがとうございます。

若さと勢い、ですね。

壊滅的な経済状況になって初めて、彼の国の人達が「もうここまで来たらとにかく変えないと」と思ったのかもしれません。リーマンの破産以前だったらマケインだったかもしれない、という解説は所々で見ますが、やはりそれだけ国内に「このままでは絶対にダメだ」という切実な危機感があったのかもしれませんね。

「調整型の指導者」というのも確かに外国において彼が指示される大きな要因なのは間違いないと思います。イラン大統領すら歓迎していたと今日のニュースにもありましたし。

2008/11/08 01:45:41
id:nofrills No.7

nofrills回答回数874ベストアンサー獲得回数1592008/11/07 06:28:16

ポイント18pt

こんにちは。私もBBCのLiveをオンラインで見ていました(東京で)。みなさまのご回答、特にid:pahooさん、id:markIIさん、id:albertusさんのご回答に付け加えるべき何かがあるかというと……という微妙な感じですが、長文で投稿します。


第一には声にも言葉にも力のある演説で、言語的には英語の一人称複数の we の力にすっかりやられてしまいました。


全体的には「歴史の新たな1ページ」という感情というか感慨を盛り上げる「名演説」だった、という印象です。(GWBの演説は教材に使えるとは思えないけど、これは使える。)内容は私の苦手な「アメリカ」を濃縮したようなものだったにも関わらず(私もアレルギー持ち)、胸に迫ってくるものがありました。聞きながら、学生時代に「英語の教材」として接したマーティン・ルーサー・キングやJFKの演説の「型」が見えたんですが、これは「アメリカ人にとっての歴史」とは何か、という点で検討できると思います(リアルタイムで聞いてるときは、ただ引き込まれたのですが)。あと、BBCの開票速報で、マケイン演説とオバマ演説の間ほぼずっと「初の黒人大統領誕生に熱狂するアメリカ人の様子」を非常に詳しくレポートしていたので、よけいに「歴史的瞬間」な気分が盛り上がったのかもしれませんけど。


演説の内容は「アメリカはダメになってなんかいない!」で要約できるし(失礼)、オバマになったからって何かが変わるかという点では私は非常に懐疑的なのですが、それでも「ついに!」という感慨だけは非常に大きかったです。Out of proportionと言いたくなるくらいに大きかった。「ついにアフリカンが!」という感慨と、「ついにGWBの終焉が!」という感慨と……マケインだってGWBではないのだからかなり不合理なのですが、これが「演説」というものかなあ、と。テクスト化されたものを読むのとはちょっと違って、内容とか意見とか主張は別にして、単に「生の言葉」として引き込まれるものでした。


というふうに考えると、やはりここで1997年のトニー・ブレアの "Britain deserves better" を思い出さないわけにはいきませんよね。あれは東京でテレビで見ただけですが、私はひどく心動かされました――今となってはかなり「恥ずかしい」のですが。(^^;) あれも「停滞から変化へ、みなで力をあわせ、希望を持って」の演説です。こういう演説は「時代のニーズ」と言えるかもしれないし、「いつの世も歓迎される」と言えるかもしれない。そして、ある程度の能弁家なら「すばらしい演説」にすることができるのではないかと思います。


それから、pahooさんも述べておられますが、小泉純一郎の演説にも似たものがありました。私は小泉演説を生で聞いたことがありますが(2005年総選挙時)、聞き手の「共感の本能」みたいなもの(そんなものがあるのかどうかは知りませんが)に働きかけ、場の空気を動かすんです。内容がどうだという以前に、人々の「そうだ、そうだ」と言いたい気持ちが揺り動かされ、反対意見を持っている人にも途中で聞くのをやめさせない。むしろ「それも一理ある」と思わせる(テキストで読むとそうでもない)。「雄弁」とはこういうことなのだろうと思いました。


同様の印象を受けた演説に、2007年5月の北アイルランド議会再起動時のイアン・ペイズリーの演説があります。このときは、ブレアやバーティ・アハーン(アイルランド共和国首相)らも「ご挨拶」程度であるにせよ演説を行なったし、マーティン・マクギネスの非常に力強い、convincingな演説もあったのですが、ペイズリーの演説が最も胸に迫ってきました。私はイアン・ペイズリーという人物はまったく信頼できないと思っていたにもかかわらず、です。そして最後には「この人なら」という「希望」のようなものすら感じました(数秒後に「いや待て」となりましたが)。ちなみにペイズリーは政治家である以前に宗教家であり(ファンダメンタリストで、自分で教会を設立した人物です)、政治活動家でした(1960年代にカトリックに対する攻撃と、「カトリックに対する譲歩」への抵抗を、言葉で煽動していました)。


話をオバマに戻すと、私は日本時間13:00の「オバマが273人獲得」の1時間ほど前から開票速報を見ていて、オバマ演説のずっと前から「ブッシュの共和党の終わり」をひしひしと感じてました(スタジオにジョン・ボルトン)。結局のところ、人々はあれに飽き飽きしていたのではないかと思います。言葉を変えれば、ブッシュの共和党の言葉はもう人々に届かなくなっていた、彼らの言葉は人々が聞きたい言葉ではなかった、そして、オバマの言葉が人々の聞きたい言葉だった、ということではないかと。


ドイツなどでオバマが受けているのも、おそらく根は同じだと思います。GWBが見せる「アメリカ」は、「アメリカってこんなふうだっけ?」みたいな感覚をもたらすものでした。一方でオバマは、そのルーツも、たどってきた道も、ほとんど典型的と言えるほどに「アメリカン・ドリーム」で、「アメリカってこうなんだよなぁ」というイメージに合う。別な言い方をすると「完璧なアメリカ人」。アメリカ人にとってはan American leader we can be proud ofになりうるし(その点ではマケインも個人としては互角かも)、外国人にとっては「私たちが見たい『アメリカ人』」なのだろうと思います――この人なら「french fryをfreedom fryに改称する」とかいった子供じみたことはやらないだろう、みたいな。あまりに理不尽なGWBの後でオバマの言う「私たちアメリカ」は、「だからドイツもアメリカになれ」ではなく、「しかしドイツはドイツだ」を意味する、という当たり前の安心感のようなものを与えているのかもしれません。(あまり根拠のない勝手な私見ですが。)それがchangeを実感させる。


っていうか、これは単に「前がひどすぎた」ってことかな……そういえば小泉純一郎の前は、支持率1桁の森喜朗でした。トニー・ブレアの前はとにかく「退屈な」(←英国では最低の評価)ジョン・メイジャーでした。(メイジャーは、あとから冷静に見ると、そこまで悪くはないと思うんですけど、個人的には。)


でもサラ・ペイリンを超える「ひどい」はなかなかいないですよね……アフリカって「国」じゃないのねとか、NAFTA加盟国が答えられないとか、選挙が終わって封印が解かれたみたいでいろいろ出てきています。


ふと思ったんですが、これがヒラリー・クリントンだったら……「米国初の女性大統領」ったって、欧州は女性が政治トップになるのはもはや珍しくないし(「鉄の女」から約30年、今はドイツも女性首相だし、フランスももうちょっとで女性大統領になりそうだった)、単に「アメリカ」の視野の狭さ(閉鎖性)が際立っただけだったかもしれませんね。特に根拠はない私見ですが。


というところで、無駄に長文で失礼! (……とウィンクでごまかす)

id:shimarakkyo

密かに「nofrillsさん、答えてくれるかな〜」と期待はしておりましたが、それ以上です!

回答有り難うございます!読みでがある、嬉しい〜。きっちり読んできっちり返信したいと思います。

追記1:読み終わりました。更に色々と考えを触発される、素晴らしい回答をありがとうございます。まとめるのにもうちょっと時間がいりますが、まずはペイリンの「アフリカって国じゃないの?」に腰を抜かしました。いくらなんでもそれはありえんっ。良かった、本当にこの人が副大統領にならなくて良かった。。。

2008/11/08 01:54:37
  • id:shimarakkyo
    <補足>

    米語嫌い、「いわゆるアメリカ的な押し付けがましさ」アレルギーの私でさえ、この勝利演説には心を動かされました。
    ベルリンでは公式発表で20万人の人が、まだ候補に過ぎなかった彼の言葉を聞きに集まりました。私もその場にいましたが、早い段階で入場規制がかかり、会場となった6月17日通りに入りきれないほどの人の入りと、聴衆の中の大統領選とは直接関係のない非アメリカ人の若者の多さに驚かされました。
    「ヨーロッパ人」がこれほどまで積極的にアメリカ大統領候補への支持を表立って表現したことは、私が知る限りありません。ドイツ人やフランス人(!)がオバマバッヂをつけているのを街で頻繁に見かけました。


    個人的にはこの選挙の空気は、1994年の南アフリカ初の全人種参加選挙とネルソン・マンデラ率いるANCの勝利や、より近いところでは1997年に労働党を率いたトニー・ブレアの「地すべり的勝利」の際のそれ(hype)を髣髴とさせます。
  • id:adlib
     
     名演説の条件 ~ 語れる十二人の男たち ~
     
     詩のように語り、書くように伝える。
     三段論法を遵守し「であるなら、でなければならぬ」で結ぶ。
     人心掌握の心理的条件を満たし、後世の分析に耐える。
     
     アントニウス《追悼演説 BC-44.0316 Rome》
     大石 内蔵助《討入宣告 17030130 赤穂》元禄15.1214
     マッカーサー《引退演説 19510419 America》
     
     リンカーン《人民演説 18631119 The Gettysburg Address》
     ルーズベルト《炉辺談話 19330312 VOA America》
     ケネディ《就任演説 19610120 America》
     
     ヒトラー《ドイツ国民への訴え 19320731 Germany》
     マルコムX《最後の演説 19650221 America》
     オバマ《勝利演説 20081105 America》
     
     美濃部 達吉《釈明演説 ~ 一身上の弁明 ~ 19350225 貴族院本会議》
     斎藤 隆夫《粛軍演説 19360507 帝国議会衆議院》
     昭和 天皇《玉音放送 19450815 NHK放送局》
     
    http://public-domain-archive.com/speech/speech.php?target=11
     歴史的演説
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081105
     黒白決着 ~ 暗馬が負印に勝った ~
     
  • id:pahoo
    shimarakkyo > それともかの国に限らず、それが今の時代のニーズ、なんでしょうか?

    もしかすると時代のニーズなのかもしれません。shimarakkyo さんの真摯なコメントを拝見して、そう感じます。

    日本がバブルの時、「腹の底から自分の言葉で話している」人がいても、だれも耳を傾けませんでした。おそらくアメリカでも同じでしょう。そして、中国やECでも同じような気がします。
    でも、いまは違います。
    こんな時代になってしまいましたが、shimarakkyo さんのように感じる人が多くなることで、世界はこれ以上悪くなることはないと信じます。

    ただ、あのオバマさんの名演説でさえ裏読みしてしまう不心得者(私のことです)が、少人数ながら存在していることを覚えていてやってください。
    別に彼を嫌っているわけではないですが、私の心を動かせるのは家族の笑顔だけ(なんちゃって)。
  • id:yo-net
    1で回答した者です。

    あまり空気読めてなくて申し訳ありません。

    オバマ氏は貧困層の心を読んだ事が熱狂的に受け入れられたのだと思います。オバマ氏が当選すると、貧困層がお金持ちになれるとと幻想させた事もあると思います。

    Yes We Can

    というスローガンの元、ヒットラーが若者を熱狂させたのと近いかもしれません。それがベルリンでも人気をよんだのでしよう。

    インタビューで「子供に努力すれば、大統領になれると教えるわ」と言う言葉が印象に残っていますが、みんなが大統領になれる事はありません。そこがオバマ氏の隠れた危うさではないでしようか。
  • id:nofrills
    shimarakkyoさん、
    たまたまIHTを見てみたら、「その点」についての映像レポートがありました。4分くらいです。

    A Change Beyond US Shores:
    http://link.brightcove.com/services/player/bcpid959009704?bclid=1350269312&bctid=1902498796

    IHTだからフランスなのですが、パリの米国大使館の朝食会、前文化相ジャック・ラング、
    ジャーナリストのクリスティーン・オクラン、パリで活動する法律家さん(中央アフリカ共和国出身)。
    全体的に、4年前のanybody but Bushの願いがようやくかなった、ということかなあ、と思います。
  • id:shimarakkyo
    す、すみません!!うっかり質問の締切りを逃してしまいました。ああ、大失態。

    取り急ぎ、お答え頂きましたid:pahooさん、id:markIIさん、id:albertusさん、id:NON_NONさん、id:powdersnowさん、id:nofrillsさんには再度ポイントの送信で対応させて頂きます。本当にすみませんでした!


  • id:nofrills
    shimarakkyoさん
    ポイントありがとうございます(御礼遅くなりましてすみません)。
    ご返信は、お考えがまとまったときに、いつでもかまいませんので。(^^)
    ここでは気づかないかもという場合は、ブログの記事(回答中の「BBCのLive」のリンク)に
    コメントかトラックバックをお寄せいただけると、確実です。

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