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青いラジカセ
MINT2008/11/21 21:23:444pt
古い古いラジカセがあります。父が若いころに愛用していた物らしいのです。それを弟が譲り受けて、ラジオとして使っていました。小さなラジカセですし、モノラルですし、音もいいとは言えません。でも、メタリックな深い青のボディがとてもいい感じで、私もそのラジカセが大好きでした。うちはけっこう姉弟仲が良かったので、よく弟の部屋に遊びに行って、それでラジオを聞いていました。
しかしある時、私と弟は口をきかなくなりました。弟が勝手に私の部屋から大切な本を持ち出して、こともあろうにそれを紛失してしまったのです。大切な本だったので、私は怒りまくって、見つけてくるまで帰ってくるなと、弟を家から追い出してしまいました。弟はその日立ち寄った場所をしらみつぶしに探したようですが、どうしてもみつからないと、しょんぼりと帰ってきました。その姿を見て、もういいよと言おうとしましたが、あんな本一冊誰も気に留めないから見つかるわけないよ、みたいなことを言われてまた腹が立ってしまって、結局それから三日間、私たちは口をきかなくなっていました。
でも、こんなんじゃいけない、もう本なんてどうでもいい、早く弟と仲直りしたいと思ってはいたんです。ところが、あれから弟はめちゃくちゃ帰りが遅く、仲直りしようにも時間が合わなくなってしまっていました。
深夜、部屋の外でコトリと音がしたのでドアを開けると、青いラジカセが置いてありました。しばらく何の意味だかわからずにいましたが、よく見ると、中にカセットが入っていました。今どきカセットなんて使ったことないですから、一体なんだろうと再生してみると、なんと弟の声で、お姉ちゃんごめん、がんばって探しているけど、どうしても見つからない、見つかるまで探すから待っててよ、みたいな内容が吹き込まれていたんです。毎日帰りが遅かったのは、まだ本を探し回っていたからなんだとわかり、私はラジカセを持って弟の部屋に飛び込みました。そして、本なんてもういいからと泣いてしまいました。弟も、姉ちゃんごめんと泣いてくれて、私たちはいつもの仲良し姉弟に戻りました。
ところが後日父にその話をすると、あれ、おかしいな、あのラジカセ、カセットの方は壊れていたはずなんだが、なんて言うんです。えぇーっ?と、弟と二人で試してみると、本当にモーターが動きません。でもあの晩は、たしかに使えていたんです。録音もできましたし、再生もできました。これって、どういうこと?もしかして、ラジカセさんが、私たち姉弟の仲直りに力を貸してくれたのでしょうか。とっても不思議な出来事でした。
それからもう、ずいぶん歳月が過ぎましたが、青いラジカセは今でも現役で、弟の部屋でラジオとして使われています。私も時々、弟の部屋に行って、そのラジカセでラジオを聞いて過ごします。二人何も言いませんが、きっと弟も、あの時のことを思い出していると思います。ラジオの何気ないおしゃべりに耳を傾けながら、家族って、姉弟っていいなぁ、なんて思います。そんな時間が、何とも言えず幸せです。
ラジカセとラテカセ
アトムアトム2008/11/22 07:06:173pt
ラジカセって長持ちするんですよね。
うちの実家のラジカセもカセットテープはさすがにもう聴かなくなりましたが、それでもラジオとしての機能はまだ十分に使えます。
家事をしながら母親が聴いていたりしますよ。
それから、ぼくは買ってもらえなかったんですが憧れていたものにラテカセっていうものがあります。
ラジオにテレビにカセットの3機能が付いた優れもの。まあテレビは小さいんですが。
あれ、欲しかったなあ。
不思議な体験!
vivisan2008/11/27 00:04:022pt
すごいです!本当に宝物ですね。さすがMINTさんならではの姉弟のほほえましいお話でした♪お父様が愛用されていたラジカセはきっと、姉と弟がケンカしたのをみていられなかったのでしょうね。それで二人に録音と再生の時間を与えてくれ、仲直りのきっかけのプレゼントをしてくれたのだと思います。
私の弟も苦しいときに力を貸してくれました。何度ケンカしたかわかりませんが、すぐに仲直りできてしまうんですよね。ほんとうに兄弟っていいなぁ・・ってしみじみ思いました。
ラジカセ
futanbo2008/11/27 08:20:131pt
不思議な体験も魅力的な話ですが、テープで謝る弟さんがかわいいですね。。
なんかセカチューみたいだなって思いました。
直接口で言いにくいことって今だったらメールだったりするだろうけど、
テープのメッセージもいいですよね。なんとなくトーンとかで、気持ちも
伝わりやすいし。。テープを入れてるときの相手の姿を想像すると、なんか
嬉しい気持ちになりますね。ほんとにいいご兄弟ですね^^
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古い古いラジカセがあります。父が若いころに愛用していた物らしいのです。それを弟が譲り受けて、ラジオとして使っていました。小さなラジカセですし、モノラルですし、音もいいとは言えません。でも、メタリックな深い青のボディがとてもいい感じで、私もそのラジカセが大好きでした。うちはけっこう姉弟仲が良かったので、よく弟の部屋に遊びに行って、それでラジオを聞いていました。
しかしある時、私と弟は口をきかなくなりました。弟が勝手に私の部屋から大切な本を持ち出して、こともあろうにそれを紛失してしまったのです。大切な本だったので、私は怒りまくって、見つけてくるまで帰ってくるなと、弟を家から追い出してしまいました。弟はその日立ち寄った場所をしらみつぶしに探したようですが、どうしてもみつからないと、しょんぼりと帰ってきました。その姿を見て、もういいよと言おうとしましたが、あんな本一冊誰も気に留めないから見つかるわけないよ、みたいなことを言われてまた腹が立ってしまって、結局それから三日間、私たちは口をきかなくなっていました。
でも、こんなんじゃいけない、もう本なんてどうでもいい、早く弟と仲直りしたいと思ってはいたんです。ところが、あれから弟はめちゃくちゃ帰りが遅く、仲直りしようにも時間が合わなくなってしまっていました。
深夜、部屋の外でコトリと音がしたのでドアを開けると、青いラジカセが置いてありました。しばらく何の意味だかわからずにいましたが、よく見ると、中にカセットが入っていました。今どきカセットなんて使ったことないですから、一体なんだろうと再生してみると、なんと弟の声で、お姉ちゃんごめん、がんばって探しているけど、どうしても見つからない、見つかるまで探すから待っててよ、みたいな内容が吹き込まれていたんです。毎日帰りが遅かったのは、まだ本を探し回っていたからなんだとわかり、私はラジカセを持って弟の部屋に飛び込みました。そして、本なんてもういいからと泣いてしまいました。弟も、姉ちゃんごめんと泣いてくれて、私たちはいつもの仲良し姉弟に戻りました。
ところが後日父にその話をすると、あれ、おかしいな、あのラジカセ、カセットの方は壊れていたはずなんだが、なんて言うんです。えぇーっ?と、弟と二人で試してみると、本当にモーターが動きません。でもあの晩は、たしかに使えていたんです。録音もできましたし、再生もできました。これって、どういうこと?もしかして、ラジカセさんが、私たち姉弟の仲直りに力を貸してくれたのでしょうか。とっても不思議な出来事でした。
それからもう、ずいぶん歳月が過ぎましたが、青いラジカセは今でも現役で、弟の部屋でラジオとして使われています。私も時々、弟の部屋に行って、そのラジカセでラジオを聞いて過ごします。二人何も言いませんが、きっと弟も、あの時のことを思い出していると思います。ラジオの何気ないおしゃべりに耳を傾けながら、家族って、姉弟っていいなぁ、なんて思います。そんな時間が、何とも言えず幸せです。