THEME:「物語のついた愛しいモノたち!我が家の思い出の品」を教えて下さい
「街を見渡せば、100通りの家族に100通りの家。家をのぞいてみれば、それぞれの暮らし振りが面白い!」と展開してきた“イエ・ルポ”の続編コーナーです。“イエ・ルポ 2”では、特にマチとイエ、人と家族のドラマやものがたりを語らっていきませんか?毎回のテーマに沿って、あなたのルポをご投稿下さいね!
豊かな暮らしを創っていく〈イエはてな〉のマインドで、みなさまのご参加をお待ちしています!
*回答条件* 下記のページをご覧になってご投稿下さいね!
「Welcome to イエはてな」
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テーマ詳細とルポ例
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プレゼント変更ご案内
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※〈イエはてな〉では、はてなスターを「おすすめメッセージ」として活用しています。ご回答頂く時にもご参考下さい。また投稿期間中はできるだけはてなスターのご利用を控えて頂けますようお願いいたします。
※質問は11月27日(木)正午で終了させて頂きます。
実家にあるお客さん専用の座布団。お客さん用といっても何枚もあるわけではなく、たった1畳きり。
あ、ちなみに座布団の数え方ってご存知ですか。1枚2枚でもいいんでしょうが、関西では1畳、2畳と数えます。
1条きりのうちの座布団、誰が座るかといったら月に一度来てくれるお寺さん。お坊さんが読経のときにだけ座られる座布団なのでした。
ものすごく分厚くて、金糸で刺繍がほどこされている豪華な座布団。こどものころはこれに座りたくて座りたくて、何度もお願いしても絶対に子供には座らせてもらえませんでした。お寺さんが帰られると母親がさっさと片付けてしまい、ろくに触らせてもくれませんでした。
高校生になったぼくは部活で落語研究部というのに入りました。
落語の舞台装置といえば主に座布団です(関西では見台やひざ隠しというものもあるんですが)。
この落語の発表会のときに実家の座布団を借り出すことに成功しました。
実にそのときまでぼくはその座布団に座ったことなかったんですよ。
落語会では5人ほどの出演者がかわるがわる落語をするのですが、前の演者が終わると、お茶子と呼ばれる世話係が座布団をひっくり返します。前の人の体温の生暖かさを感じないですむようにです。
そのひっくり返すときもなるべくゆっくりひっくり返して、座布団の豪華さが客席に十分伝わるようにしてくれ、と、ぼくは変な注文を出したこともありました。
高校生にしてはじめて座ったその座布団ですが、たしかに座り心地良かったですよ。分厚いだけあって視点が高くなる感じ。大型トラックの運転席から見下ろすと、普通乗用車がかわいそうなほど小さく見える、あんな感じです。
その座布団、今でも実家で現役で働いています。今でも月に1度のお寺さんの日に、満を持しての登場をしているんです。あれはまだまだ長持ちしますわ、きっと。