THEME:「美味しい鍋レシピと工夫を熱く語る!鍋奉行コンテスト」
日々の暮らしとイエの中で、こんな時どうしてますか? “イエコト・ミシュラン” は、暮らしに楽しいサプライズアイデアを語らい、★(一ツ星)~★★★(三ツ星)のミシュラン評価をしていくコーナーです。ハウスキーピング、ハンドメイド、エコロジー、ヘルスライフ…毎回の質問に、あなたのアイデアをご投稿下さいね!
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※質問は1月13日(火)正午で終了させて頂きます。
これは料亭で供されるボタン鍋などの作り方に近い感じですね。豚骨で取った出汁で仕立てるなど、すごく本格的な作り方です。味付けは味噌なんですね。たしか落語(『二番煎じ』ですよね?)でも味噌で味付けをしているシーンがあったと思います。江戸で味噌仕立ての鍋というのは珍しいと思いますが、獣肉そのものが江戸を離れた山間部の食べ物でしたから、そちらの流儀に従っていたのでしょうね。
地域奉仕が隠し味というのがすばらしいです。ここのところ太平洋側を中心に乾燥した日が続き、連日のように尊い命が失われる火災のニュースが続いています。火の用心の一言で防げる火災はたくさんありますよね。この時期の夜回りで、どれだけの人の安全が守られるかわかりません。その活動を応援するこの鍋は、街の幸せの味と言えそうですね。
私も落語でしし鍋が出てくるのを聞いたことがあります。私が聞いたのには、しし鍋はどんなに熱くても舌をやけどしないから寒い夜にはこれが最高に温まる、みたいなせりふがありました。だから冬の火の用心の夜回りの後にはしし鍋なんですね。
今年の冬は本当に火災のニュースが多いです。それも、小さな子供やお年を召した方が犠牲になられる火災が多いようで、本当に心が痛みます。うちの方でも町内会の人や自主防災会の人たちが夜回りをしてくれています。そうだ、この豚肉を使ったしし鍋での炊き出しを提案してみようかなぁ。お酒を使って煮込むとのことですから、これなら作る段階でも火の用心の心構えが学べます。回る人にもそれを支える人にも防火の心構えが育つ火の用心鍋として、地域でもいかしていきたいお鍋だと感じました。
いやー、YuzuPONさんのしし鍋は、ナンチャッテ鍋といいながら、本当に本格的ですね。これなら料亭で出してもおかしくない料理です。
落語のしし鍋は、二番煎じでは、夜回りの合間に大急ぎで作りますから、具は猪肉とネギだけ。それを湯で煮て、ただ味噌を溶かしただけの鍋だったようです。でも本当に温まって美味しそうですよね。
上方落語の「池田の猪買い」に出てくる会話を聞いていても、猪肉の他は根深ネギと醤油と砂糖だけで作るようなことを言っています。もっともこれは、猪の肉を大阪まで持って帰るのがもどかしい、猟師の家で鍋と必要最低限の材料を借りて帰りしなにちょっと作って食べたったろ、みたいな話なんですけどね。
こんなふうに落語に出てくるしし鍋は、江戸も上方も大急ぎで作って食べるバージョンばかりなんですが、それだけ焦って食べたいほど、しし鍋はうまいという事なんだと思います。それをYuzuPONさん流にこんなに丁寧に作ったら、もう最高ですね。
ところで火災ですが、本当に今年はいつにも増して大きな被害の出るものが多い気がしますね。
天気予報で「乾燥注意報」と言ったら、それは空気の乾燥によって火災の危険が大きいと予想される、という意味ですから、風邪に気を付けなきゃ、お肌の保湿をしなくっちゃ、だけじゃダメなんです。この気象警報の本来の意味は火災に注意ということですから、注意報が出ていたら、みんなで声を掛け合って、火災予防の心構えを再確認していきましょう。
落語に、冬の夜回りの寒さを、しし鍋でねぎらう話があります。落語では番屋で酒盛りになってハメを外している所にお役人がやってきて大騒ぎになりますが、全てが終わって帰宅した後ならいくら飲んでも大丈夫ですから、わが家では特に父が町内の夜回りで出かけた日は、温かなナンチャッテしし鍋を作って帰りを待つのが恒例になっています。普通の夜回りはちょっと町内を回ってくるだけですが、父の場合は自治会の役員なので、何かと時間がかかるのです。
さて、わが家のナンチャッテしし鍋は、イノシシの肉など当然手に入りませんから、豚肉を使います。そのかわり量はたっぷりです。男をねぎらう料理ですから、量で勝負です。部位は背ロースが適しています。薄切りを使います。
その他の材料は、ゴボウ(粗めの笹掻きにして水にさらしてアクを抜く)、白菜、春菊、下仁田ネギ、シイタケあるいはシメジやエノキ、そして焼き豆腐などです。このうち最も大切なのはネギです。関東人は鍋といったら下仁田のネギが欠かせません。
以下、作り方です。
まず適当な鍋に、土鍋一杯に相当する日本酒をなみなみと注ぎます。しし鍋の日は、飲む分を含めて一升空けるつもりになります。
底に出し昆布を敷き、よく洗って付着物を落とした豚骨を、ラーメンのスープを取る時のように叩き割り、10cm程度物を2本くらい、1時間ほど土鍋の酒の中に漬けておきます。
鍋を火にかけ、弱火で1時間ほど煮出します。出し昆布は鍋が煮立ったら取りだしてください。大量のアルコールが飛びますので、この作業は食卓ではなく台所で行います。換気を良くして、グラグラ煮立てると鍋に火が入るので、火は強くしないように注意して出し汁を取ります。鍋に火が入ったら、まずコンロの火を止め、続いて蓋を被せて消火してください。
1時間ほど煮込んだら出し汁を漉して土鍋に移し、味噌を溶いて味付けをして、食卓の卓上コンロに運びます。肉と野菜を適宜入れ、火が通ったら食べられます。
タレというか、付けて食べる物は、わが家では手作り柚子果汁を使ったポン酢醤油に紅葉おろしと刻みアサツキを散らしたものを使っています。まったりとした味噌味に爽やかさが加わり、とてもおいしくいただけます。
よく空腹は最高のスパイスであるなどと言いますが、このしし鍋の場合は、地域のために寒空の下で頑張ってくるのが最高の隠し味になります。父もたまに私が夜回りに出る晩にこれの用意をして待っていてくれますが、冷え切った体には最高のご馳走です。