この様な赤字を増やしていく国家運営というのは、方向性として危うくはないのでしょうか。「破綻はしない」と考えている方のご回答を募集します。出来るだけ理由を明確に示していただきたく思います。
(人口が減り税収やGDPがマイナスになっていくという前提で質問をしています。長いスパンでこの様な国家予算運営が持続可能であるかという視点で考察をお願いします。)
(インフレで借金を目減りさせればいいとかいう最終的に国民に負担させる後ろ向きな発想も今回はご遠慮します。政府は本来、新たな需要や産業・雇用を創出させる政策・法案作成に力を注ぐべきであり、給付金で景気の下支えを狙うことが、国の借金を増やしていくデメリットに比べ、それでも行うだけのメリットがあるのか、なぜ通せ通せと必死になるのだろうという素朴な疑問です。)
確かに、危ういです。
日本がつぶれれば、一番困るのはアメリカ。故意に、円高にして、アメリカの負債を圧縮させています。もし、日本とアメリカが地続きだったら、日本はドルだったのではないでしょうか。その恩恵で、私たちが、ハワイでトンカツ定食を食べても、東京と同じくらいの購買力ですんでしまいます。安いものもいっぱいありますから、なんか漠然とした割安感があるのではないでしょうか。
しかしながら、いま円高だから海外旅行がチャンスというのはあまりにものうてんき。実体経済は悪化しています。たまにも海外より、毎日の生活の改善に目を向けるべきです。
日本がつぶれないのは、借金している人と同じ原理です。多重債務者でも、返し続けているかぎり、潰されることはないですよね。借金をしていても、現金という現物があるかぎり、お金は信用の名もとに何べんでも、人と人の間を行き来します。
大借金の日本ですが、日本から利益なり、お金を受け取っている人は、日本がつぶれると困るから生かしている。そういう、だましあいもいつまで、もつかはわかりません。しかしながら、だれかが「日本倒産!」という事態さえなければ、日本は永遠に破綻しないのです。
もうひとつの理由は、日本人が勤勉で、小さなものを、コツコツと正確に積み上げていく力をDNAとしてもっているからです。日本人の勤勉性が、いまの日本をなんとかしようと社会全体を支えているかぎり、国家の倒産はないと考えています。さすれば、いまの格差社会は、非常によろしくない状態なのです。日本人の頑張ろうという意欲を削ぐからです。
赤字の増え幅が増えているのは借金の仕様ですから仕方ありません。
赤字の額が増えれば、その増えた額の利子も翌年に支払わなければいけないわけです。
そしてその利子を返すためにまた赤字の額が増えるわけですから、増え幅のグラフは常に上昇し続けるのが当然です。
そして十数年前の時点ですでに「返すことは不可能な金額」になっているのです。
今やっているのは延命措置であって、借金を無くそうとしているわけではありません。
しかしながら、延命しながらの投資開発により、例えば宇宙開発など大成功して数十兆円単位の莫大な利益を生み出す可能性もまったくゼロというわけではありません。
しかしその投資を成功させるためにはまず今の産業の維持が絶対に必要です。
産業には相互関係がありますから、衰退していってしまえば成功の確率も減ります。
だから近い将来に向けた景気対策をするしかないのです。
もちろん給付金に全額投入するというのなら問題だと思いますが、たかだか2兆円程度です。
それ以外にも宇宙開発を始め、教育投資や他国での資源開発など様々な部分で投資は行われています。
例えば、余命3年の人間がいるとして、放置すれば半年で死んでしまう。
使える金は1億円。
さてどうするのが一番良いか?
もし仮に、特効薬を作ろうとして特効薬の開発に1億円かけるとします。
半年のうちに成功すればその人は助かります。
しかし半年の間に特効薬が出来る可能性は限りなく低いです。
かといって、1億円を全額医療費にあてたとしても、3年後には確実に死亡します。
一番賢いやり方は、2000万円を治療費にあてて、残り8000万円で特効薬の開発をすること。
3年近く生きることが出来て、なおかつ完治する可能性も出てくるわけですから。
給付金もこれと同じです。
給付金で治療をしながら、投資開発で特効薬を作ろうとしているわけです。
死ぬことがわかっている日本はそうするしかないのです。
ありがとうございました。返すことは不可能な金額になっている←本当ですか?確かに永続的な経済成長が前提のバランスシートとしか思えない所はありましたが・・・ただ一方で、国民の貯蓄と差し引きするとまだプラスではあるようなのです・・・
(ふろむだ先生のエントリにありました。http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061007/1160214492)
特効薬(経済を牽引する意味での)開発のための政府支出はすべきだと思います。しかし、同時にバランスシートの見直しは不可能なのでしょうか。もしくは意味がない?
赤字国債を出さずにやってきた時代も、特に戦後まもなくのころはあったはずです。なぜ今はそれが出来ないのでしょうか。ご回答から推測するに、利払いと治療費が収入を越えてしまうということなのでしょうね・・・絶句。
>政府は本来、新たな需要や産業・雇用を創出させる政策・法案作成に力を注ぐべきであり
これはやっていることがあまり知られていないだけではないでしょうか?
例えば石油・天然ガスの開発権など、出るかどうかもわからない将来の資源に対して何千億円も投資していますし、宇宙開発もまだ商用打ち上げに成功したことすらないのに前年10%増の3488億円が来年度予算に組み込まれていますし、
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081224dde007010069000c.ht...
いろいろやってることはやってるんですよ。
そのうえで、それらとは違って即効性のある給付金制度を実施するというだけのことです。
何をやるのにも金がかかるのは仕方ないことですし、いくら財政を絞っても800兆円の利子を払ったうえで黒字にすることは出来ない状況ですから、それなら今現在の赤字を増やしてでも近い将来、遠い将来に向けた利益を見込もうとするのは自然な方向性なのではないかと思います。
ありがとうございました。この様な視点でのご回答をお待ちしておりました。確かに知らないことはたくさんあると思うので、意義深い政策はがんばって行ってもらいたいし、それを伝えることで国民の信頼を得て欲しいと思います。
ただ一方で、若い世代の雇用環境が悪化していたり、介護業界が雇用のニーズ・潜在的需要はありながら産業として未発達であったりするところに政策のいびつさを感じるのです。もちろん増税が出来ないという事情もありますが、それは国民が政府(の予算編成)に不信感を持っていることと表裏一体でもあるのではないでしょうか。
根拠を示すのは難しいですが、実はニーズがない産業を延命させることに税金を投入したり、不必要で不合理な規制を設け中間マージンを取る、そのような利権を守るだけの目的でつくられた政策があるのではないだろうかという疑念があります。(これは補正予算や給付金というより、一般会計や特会の話かも知れませんが。)
国民の貯蓄と差し引きするとまだプラスではあるようなのですが・・・
数字上では可能って話であって、現実的には不可能です。
たしかに、みんなが生活費以外のすべてを国に寄付すれば余裕で借金は返せます。
しかしそんなことをするわけがありませんよね。
家庭の感覚で「1350万円が350万円になるだけ」と言うのは簡単です。
家庭なら350万円で十分やっていけるでしょう。
しかし現実には貧富の差があり、すべての国民の資産が4分の1になるか、もしくは共産主義のように金持ちから徴収して再分配を行う必要が出てきます。
資産が4分の1になれば潰れる企業や生活できなくなる人は山ほど出てきますし、全員の持ち金を均一にすれば労働意欲や企業競争力が無くなり、さらなる経済悪化を招くことになります。
しかし、同時にバランスシートの見直しは不可能なのでしょうか。もしくは意味がない?
可能ですし、意味もあります。
ただ、その正解がまったくわからないからこういう状態なのです。
私が例に挙げた「治療費2000万円 特効薬開発に8000万円」というのも正しいかどうかはわからないわけですからね。
両方に金を使うことが賢いやり方だというだけで、そのバランスや比重をどの程度置くべきかというのは常に検討していく必要があります。
それに対しての国民と政府の認識の違いが批判となって現れているのでしょう。
赤字国債を出さずにやってきた時代も、特に戦後まもなくのころはあったはずです。なぜ今はそれが出来ないのでしょうか。
これはもう間違いなく高齢化社会のせいです。
年金制度というのは、「労働者が年金を国に支払い、国はその利子で高齢者に年金を支払う」というもの。
しかし労働者が減って年金受給者が増え続けたため、利子を上回る金額が必要になってしまった。
当然、その上回る金額は国が出さなければいけません。これが国の負担分です。
さらに平均寿命が延びればそれだけ医者に行く回数も多くなります。
医者にかかれば国は医療費を負担しなければいけません。
国の予算の大半は医療と年金ですからね。
そして、昔の政府が「予算足りなくなってきたぞ」となった時に、国民からの批判を恐れて増税しなかったから、どうにもならないぐらいの莫大な借金になってしまったのです。
追加のご回答ありがとうございました。質問をする前に比べて大分理解を深めることができました。読ませていただいて感じたことは、高齢化社会の影響が甚大であるのなら、ざっと50年後には人口の世代別構成が変わっていくと同時に国の財政支出の内訳も変わっていくのだろうなということと、その年年の新生児数というのはかなり重要なファクターでありえるということでした。若者が活力や希望を持てる雰囲気というのは大切なのですね。
日本国民の貯蓄の平均が約1500万円らしいです。
人口約1億人として単純計算しても1500兆円の貯蓄があります。
日本の国債(借金)の信用力としては、この1500兆円を超えないうちは
まだなんとか大丈夫ではないでしょうか。
日本では過去に例はありませんが、
徳政令(借金帳消し)として、国民の財産没収するという荒業があるからです。
つまり、すべての財産を国有化するのです。
そうすれば、一応その財産から借金の返済のめどが立ちます。
(中国や北朝鮮なんかは簡単にやりそう。。。)
日本国民の財産は、日本政府によって守られているので
日本政府がちゃぶだいひっくり返したらどうしようもありません。
銀行閉鎖、土地の権利没収、なんでもありです。
まぁ、そうならないように、早めに借金返済がのぞまれます。
ありがとうございました。字数制限のため具体的には書けなかったのですが、「インフレで借金を目減りさせればいい」という文は、ハイパーインフレで円の価値を下げることにより実質国の借金を棒引きする、徳政令的なものというイメージで書いたものでした。分かりにくくてすみませんでした。
>若い世代の雇用環境が悪化していたり、介護業界が雇用のニーズ・潜在的需要はありながら産業として未発達であったりするところに政策のいびつさを感じるのです。
この辺も伝わってないだけだと思うんですよね。
まず、若い世代の雇用環境については、これだけの大不況だと言われつつもちゃんと職はたくさん存在しています。
有効求人倍率を見るとわかりますが、事務が0.27倍、製造業が0.55倍と非常に低いのに対し、販売なら2倍近く、飲食なら5倍、警備なら6倍です。
(0.55倍=求職者1人に対して0.55個の職があるということ 2倍であれば1人に2個の仕事がある)
大半の人は「製造業や事務で働きたい」から職が見つけられないんであって、飲食や警備なら今でも引く手あまたな状態なんですよ。
つまり失業者がこれだけ出ているのは雇用環境の問題ではなく、現代人の生活や教育環境の問題ですから、失業者を介護にまわす必要なんてほとんど無いんです。
ただ、介護は医療なんかと一緒で国民にとって絶対に必要な職業ですから、そういう意味で最低限の人材を保たなければいけません。
そのために、最近でも失業者を狙って介護への人材支援を行ったりはしています。
利権があるのは確かですが、実際ちゃんと調べてみると「意外とまともなんだな」って思うことのほうが多いですよ。
疑うことは大切なことだと思いますが、多くの人は「国が悪いという一方向だけ」に疑ってるから問題なんだと思います。
多くの人は「疑い」じゃなくて「決めつけ」をしちゃってるんじゃないかと。
疑うのなら国のすべてと、自分の持つ疑惑すら疑うべきだと思います。
質問者さんはこの質問を立てて知ろうとしたわけですから、正しい疑い方だと思います。
追加のご回答ありがとうございました。なるほど。雇用問題についても世論はミスリードされている面も少なからずあるということですね。この辺も、非正規雇用者の解雇問題がニュースで大きく報じられ、不景気時に思うように就職できなかったロスジェネ問題、NHKで特集されたワープア問題などがメディアを通じてクローズアップされた事が私の認識に大きく影響していると思います。
でも雇用のミスマッチがあるということは、「がんばれば夢は叶う」と信じて大学まで進学した人たちの中で社会に失望する人も多く出てしまっている可能性はありそうですね。そしてそのルサンチマンが社会不安をひき起こしメディアが報道する。あまり良い流れではないですね。
「利権」の話で私が想定したのは、たとえば公共工事でした。限られた国家予算の中で、道路のようなインフラ整備を後回しにすることで福祉に税金を回すことに意味はあるのか、それともそれほど大きな意味はないのかが疑問でした。もちろん、歳出における福祉の割合は財政を圧迫させており、公的福祉へのフリーライド問題など法整備も重要であると思います。
もちろん仕事の数が足りてるからいいってものではなく、雇用のミスマッチも出来るだけ改善させるのが国の役目ですからね。
実際、「接客をやるぐらいなら生活出来ないほうがマシ」って思ってる人がたくさんいるから派遣村のような集団が出来てしまってるわけですし、多くの人にとってはそういう人達が生活苦になろうと死のうと知ったことじゃないと思いますが、国家レベルで考えると無駄に労働力を失ってるわけですから大きなマイナス要素です。
しかし国が製造や事務の仕事を増やすというのは難しいですから、やはり一時的にでも企業の景気を良くして求人募集を増やさないといけない。
そのために考えられた案が給付金ということです。
個人的には、現代人はコミュニケーション能力が低下してきているというのが一番の原因だと思いますけどね。
先ほど挙げた有効求人倍率でも、明らかにコミュニケーション能力の必要無い業種が人気です。
同じ飲食業でも、調理は2倍なのにウェイターは5倍だったり。
雇用対策として長期的な投資をするのであれば、職を増やす方向ではなく、対人スキルを上げるような育成システムを学校教育の段階で取り入れるのが一番いいのではないかと思います。
利権というとやっぱり道路事業が思い浮かびますよね。
これについてはやはり利権が絡んでいて、必要度の薄い公共工事が行われているのも事実だと思いますし、これらの金を福祉に回すことは私も理想だと思います。
ただ、利権が100%害悪かというとそういうわけでもなくて、例えば雇用に関してだけ言えば、必要の無い公共工事でもそのおかげで職が発生しているという事実もありますから、公共工事という無駄を無くすよりも、求人数の少ない職種と組んでくれればむしろ「利権の有効活用」になると思います。
今で言えば、製造の仕事が増えるような公共工事や公共事業を無駄にガンガン発注してくれれば、利権ありきで雇用問題が改善されるわけですからね。
逆に、利権だからといって不景気のときにまとめて道路事業の発注を半分カットしたりしたら、職を失う人が大量に出てきますし、その人達に支払われる失業手当や生活保護費は税金から支払うことになるわけですから、いたずらに失業者を増やすような方法は良いとは思えません。
景気がある程度良ければ一気に切り離して福祉に使って欲しいと思いますけどね。
ですから利権については無くすとしてもほんの少しずつ景気の状況を見て減らしていくか、もしくは無くす方向よりも利権を雇用対策にそのまま使ってしまうような体制が作れたらいいのではないかと思います。
三度のご回答ありがとうございます。理解が深まっていきとても有難いです。「政策の転換は好況期に」という発想は私にはありませんでした。大切なことですね。
ただ無駄な公共事業で雇用の下支えというのは本末転倒かなあと私には思えるのです。(←社会不安を薄めるという意味はありますが、攻めの政策と言うよりは守りの政策かなと。)インフラは維持費がかかる点で財政を圧迫させます。利用価値の大きいものは当に社会の資産・財産ですが、産業の発展とはおよそ関わり得ないだろう無駄に豪華な農道などは贅沢品かなと。素人考えでは、そのような方を(メーカーを含め)失業させ再就職までベーシックインカムを与えた方が、アスファルト代など原材料費の分だけ予算が浮き別の政策にお金を回せ合理的かなあと思えてしまいます。(←余剰気味の公共事業関連会社そのものを不良債権と見なす発想なので、あまり受け入れてもらえない意見かも知れません。)また産業振興の観点からは、田舎の(主幹道路ではない)村道整備より都市部の渋滞解消工事は優先されるべきかなあと。
現実的には政治問題も絡みますから難しいのでしょうね。だからこそ、好況時に政策転換をすべきというwinbdさんの意見は非常に大切なことだと思いました。好況時はどうしても浮かれてしまい「景気が良いときにそんな耳の痛い話するなよー。」と言いがち、楽観的になりがちですからね。
「GDPがマイナスになる」という前提で「破綻しない」とする意見は目にしたことがありません。「日本の財政は破綻しない」とする経済学者は大勢いますが、その前提は「人口は減少するがGDPは増大する」です。
東欧にはロシアやハンガリーをはじめ、人口減少が何年も続き反転の兆しがない状況にもかかわらず、GDPの増大が続いている国家がたくさんあります。日本の人口は将来的にも年率1%以下の減少ペースです。一方、OECD平均のGDP成長率は2.5%程度です。OECD加盟国の人口は年1%くらいずつ増えているので、人口増の影響を引き、さらに日本の人口減少を加味して、つまり2%引いても、まだプラスです。
近年の日本のGDPも平均で1%を超える実質成長となっており、1%削っても平均すればプラスになります。
さて、日本の税収には、名目GDPが増大するとき、名目GDPより高い割合で増加する特徴があります(逆も同様)。したがって、支出の増大をGDPの成長と同程度に抑制できるならば、税収の伸びが支出の伸びを上回ります。
しかし近年の日本では名目GDPがマイナスに陥り、税収が減ることが珍しくありません。デフレが続いているためです。これは日本だけの現象です。他の全ての先進国と同じように1~3%程度の緩やかなインフレさえ実現できるならば、名目GDPは人口減少下でも安定してプラスを維持できます。
前置きが長くなりましたが、緩やかなインフレを実現し、名目GDPの成長を維持できるなら、増税せずとも日本の財政は破綻しません。詳細は下記リンク先の試算結果をご覧ください。
以上を踏まえて。
自民党だけでなく、民主党も補正予算で国債を発行すること自体には反対していません。2008年は実質GDPもマイナス成長でした。こんな状態が何年も続くと日本の財政は本当に悲惨な状況となります。財政による景気下支えの意図は、とりあえずGDPの実質成長をプラスにしよう、ということです。
ただ、日本の場合、今年もデフレが続きそうです。諸外国では実質成長がゼロでも名目GDPはインフレ率の分だけプラスになるのに、日本は条件が悪いのですね。
たいていの先進国では財政赤字が当たり前になっていますが、日本だけがデフレから脱せず、GDP比の財政赤字が膨らむ結果となりました。平均では最低限の実質成長率を確保できているので、緩やかなインフレにより名目GDPを確実にプラスに保つことが何より大切です。
ちなみに石油価格高騰で2008中頃の消費者物価は+2.4%まで進みました。大騒ぎになり福田内閣の支持率が急落しましたね。「緩やか」といっても財政破綻を防ぐためには1~3%のインフレ率が必要です。諸外国のインフレ率は1~3%ですし、日本でも1980年代までは同様でしたが、21世紀の日本では許されないインフレ率かもしれません。
日本国民がインフレを許さないなら、日本銀行が大胆な金融緩和に踏み出すことはなく、日本のデフレは続き、名目GDPは増えず、いずれ大増税か財政破綻を迎えます。財政破綻の可能性は低くないと私は思います。
ありがとうございました。少し書籍を当たらせて頂いた上でコメントをさせて下さい。
日本人は(好況時に充分恩恵を受けてこられたという意味で)少なくともバブル前までは恵まれすぎていたことが分かりました。今の日本は好況時でも収入が上がりにくくなっており、インフレへの抵抗感が強すぎることがさらに問題を難しくさせていたのですね。昨年の原油や小麦の高騰であれだけ大騒ぎしたくらいですから、どちらかというとデフレを歓迎するところがあってそれが経済の足を引っ張っている面はあるのかも知れません。
GDP成長率が常にプラスであることを常に前提としていけるのかどうかは私の知識では分かりません。東欧やロシアは日本に比べて経済成長する余地が残ってはいそうですが、果たして日本に(かぎったことではありませんが)フロンティアは永遠にあるのかという問題ですよね。難しい・・・
破綻するのかどうか分かりませんし、その種の専門家でもないので、何なのですが…。一番ヤバいのは「議席を確保するのは、結局お金をばらまくのが手っ取り早い」という考えですよね。家計が破綻しそうなので、単純な解決策を求めてギャンブルとか宝くじに駆け込むような友達を見たら「ああ、あいつヤバいなあ」と思いませんか?でも、借金よりヤバそうな兆候は他にもありそうな気配です。
Hatenaでは自己責任論とか、スキルとか、コミュニケーション能力とかいろいろ真剣に考えている人も多いと思うのですが、日本は四方を海で囲まれていますから、一人だけパソコンや英語ができるようになったからといって逃げ切れるものでもないと、私は思いますけどね。
ありがとうございました。今回は国の財政赤字について質問させていただいております。それでも話題が大きすぎて(自分で質問しておいて何ですが)、書籍で知識を補いながら回答欄を読ませていただいている状態です。その上ワークシェアリングや個人の生き方にまで話を広げてしまうと、内容が発散しすぎて私には対応しきれません。申し訳ないのですが、ご回答につきましては、国の借金についてのご見解を中心にお聞かせいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
給付金が国民の票の買収だという疑念は若干つきまといますね。それとこれは関係なく政策の有効性で政党を選びたいものですが、人間は現金なところがありますから、一つの甘い汁で自分の一票を渡してしまう人もいそうですね。そういう人が多数出てこないことを祈るばかりです。
個人の借金は、返済額が収入以上に増えてしまえば破綻するしかなくなるのですが、自国通貨建ての国の借金の場合は、金本位制なわけでもないので、中央銀行がそのぶん沢山お札を刷って国債を買ってあげれば破綻しないと思います。
その国債を返すためには、返すための金額の国債をまた発行して、それを中央銀行に引き受けてもらえばOKでは。
すっごく自転車操業風ですが、これを永遠に繰り返すのです。
この作戦は、お札を沢山刷りすぎて円の価値が下がりインフレになること及び為替レートが円安になり更にインフレを加速するという弊害がありますが、今日本はデフレ及び円高に苦しんでいるので、弊害でなく福音じゃないですか?
やりすぎると、円の信用がなくなり、円建てでの買い物ができなくなってドル建てで借金せざるを得なくなり、そうすると、刷って返す作戦が取れなくなるので破綻しますが、今は日本国債10年ものが1%台の金利でも売れていくので、当分円の信用は大丈夫なような。これは、国民がたくさん円建ての貯金があり、投資先に困っているからでもありますけど。
デフレと円高に決着をつければ、税収も増えて、返せる目処も付き始めるのではないでしょうか。
給付金がいいかどうかはわかりませんが、少なくともデフレと円高の今はバンバン刷ってバンバン使うのがいいような気がします。
ありがとうございました。綱渡り的ですが、一つの考え方ですね。ただおっしゃるようにやりすぎないように気をつけなければなりませんね。(戦前の二の舞になる可能性の懸念)
国債が信用されている背景は国民が抱える多額の貯蓄にあるのですね。ということは国債の発行総額が国民の貯蓄量を越えてしまうと、信用もなくなっていき価値が下がっていく可能性もあるということなのでしょうか。そうなると自転車操業もいつまでもできるわけではないのかなあ。
あと私が理解不足で混乱しているところなのですが、長期国債の金利が上がってしまうと国の赤字が拡大する(のかな?)し、かといって売れなくなって価値が暴落すると国債が発行できなくなるしで、現状維持以外は国にとってはしんどいんでしょうね。
私経済は素人なのであまり正確でないと思いますが、もともと円建ての預金を持った人が、円建ての国債を買う場合、やはり円建てでもどってくればいいので、その範囲内の発行額(もともとが円で国債が欲しい需要の範囲内)なら円自体の信用は気にされづらいということ?
しかし、国内の円マネーが枯渇すると、海外のマネーを当てにせざるを得なくなるので、円の信用がないと国債がさばけなくなるような気がします。もしくは外貨建て国債を発行するか。そうなれば破綻カウントダウンですか。
日銀引き受けまくり作戦なら、海外の金はアテにしなくていいのですが、やはり刷れば刷るだけ為替は円安に、物価はインフレに向かうでしょうね。
そして、円安になった時に、貯まった米国債/ドル準備を様子見ながら円に換えていくのですよ。で、その円で国債を償還すると共に円安になり過ぎないように制御する作戦です。相場師っぽく。
国債の金利が上がると既発債の償還には影響しませんが、新規に起債するとそれを返す額面コストは上昇します。でもインフレ率がバランスして上昇すれば実質的には平気です。金利が上がると既発債は値下がりするので金融機関はちと厳しいことになりますが。
インフレ政策は本当に人気がないですが、これは、選挙に行くのが団塊以上の老人ばかりだという影響もあると思います。退職金で貯金があるけどリタイヤして収入のない団塊にとってインフレは最悪、デフレは天国ですから。
住宅ローン抱えた3,40代はインフレ万歳でデフレは地獄のはずですがこれ位の年の人はイマイチ選挙行かないですからね。
石頭の日銀が国債引き受けしない、ということならもう一つ作戦があります。硬貨は中央銀行でなく政府が発行しますから、500円玉を作りまくるのです。で、公務員の給料や公共事業は全部500円玉で払ってしまう作戦です。給付金も500円玉沢山作って配れば財政的には無関係です(原料費除く)。この作戦なら国債を発行する必要もありません。これダメっすか?
申し訳ありませんが、最初の疑問文(私経済は~されづらいということ?)が私のどのコメントに対する疑問なのかが分からないので、書いていただいた内容を充分に読み込むことが出来ません。コメント欄で補足していただけると有難いのですが・・・
追加のご回答ありがとうございました。ローンを抱えた人にとってインフレが得というのは、長い年月を経ないと実感できないので分かっていない人も相応にいるのかも知れません。それに比べ、デフレは目の前の物価が下がって購買力が高まりますから、有り難がられてしまうかも・・・
はじめまして。
私は法務業務の仕事をしています。
父は皆さんの知っている有名国会議員の後援会長をしています。
お答えしましょう。
日本の負債は膨大ですが、日本の資産も膨大で、日本の負債ばかりに注目して 日本の資産の部分を見ないのは片手落ちです。日本の負債にだけ注目して増税について論じるのは愚の骨頂というものです。日本には480兆円の金融資産があって、本当の日本の債務超過は252兆円でこれは国際的にはユーロ地域並みの水準です。まず、日本の負債のみを見て考えている方が多いので困ります。与党が必死なのは、旨みがなくなると困る官僚たちの意見を取り上げているだけです。
もっと国民からお金をせびりたいのです。
2000年の日本国の『資産合計』は658兆円と計上されています。
日本国の資産の部の中の『有形固定資産』は およそ170兆円と計上させています。
日本の金融資産480兆円は単純にこの日本の『資産合計』658兆円から日本の『有形固定資産』170兆円を引き算した数値です。(658-170=488兆円です。)
この試算によると日本の資産の部には『有形固定資産』以外にも『有価証券』106兆円『貸付金』267兆円などが計上させています。この『有価証券』106兆円の内訳は 株式、地方債、政府関係機関債(財投債などの政府保証債のことか?)、特別法人債券(政府が保証していない機関債のことか?)、金融債、社債などです。
『貸付金』267兆円の内訳は、資金運用部特別会計などから地方公共団体や住宅金融公庫などの政府系金融機関や旧年金福祉事業団(現・年金資金運用基金)などの特殊法人への貸付の元本が計上されています。
ようするに実質的な負債は250兆円ほど。まぁそれでも大変な金額です。それでも国家破綻が起きない理由としては『特別会計』にあります。一般会計が私たちが良く耳にする国家予算ですが、特別会計は違います。各省庁の管轄です。要するに官僚たちはここから旨みを抜くわけです。
昨今の情勢で一般と特別を統合しようとする動きが出ましたね?
「おいおい!それはこまるよ~~~~~~」と官僚たちが言い出して特別会計に目を向けさせない手段として、「国の負債は800兆円!!!やばいぞ!!!」と国民に吹き込んだわけです。すると皆さんそれに乗せられていますね???そうなると増税しやすくなると言うしくみです。
更に特別会計は年間400兆円ほど。国家予算の5倍です!!!!!!!!!
5倍ですよ?
重複している数字もあるので完璧に400兆円ではないと思いますが、一般会計と特別会計を統一すると、評論家によって数字はばらばらですが、平均で年間50兆円が浮くと思われます。
250兆円の負債÷50兆円の過剰金=有利子分を含めても5年ちょっとで返せます。
そーんな裏技をいくらでも官僚はもっているので平気なんです。
ちなみに、「こんなに景気が悪いのにタクシー代をめちゃめちゃ使って!!!」
とマスコミに叩かれましたね?
思う壺なんです。景気の悪さを、負債の多さを刷り込みやすくしているんです。
あれ、誰がリークしたと思います?マスコミがスッパ抜いたわけじゃありませんよ。
ありがとうございました。国政に近しい方の意見をいただけるとは思いませんでした。大変参考になります。
国民の総貯蓄額については話題になることはたまにありますが、国の資産について話題に上がることはあまりありませんね。詳細についてはご回答で初めて知りました。これってかなり重要な指摘だと思われるのですが、官僚はともかく野党議員がだんまりは理解しかねます。それとも私のアンテナが低いだけかなあ。埋蔵金だってあるとかないとか人によって意見が変わっていて良く分かりません。
特別会計についてはいくつか疑問があります。まず欧米では特別会計システムがあるのかが疑問です。次に、国家予算の5倍もの金額の収入源。(どこから降ってわいてくるのか。)
なぜか疑問かというと、もし特別会計が日本独自のシステムで、かつ収入源の大部分が国民から徴収したものであるならば、国民が自分たちの収入に対してどの程度の負担を税として国に納めているのかを比較したデータにバイアスがかかっている可能性があると感じるからです。たとえば、http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/020.htm中の負担項目に酒税やガソリン税、自動車重量税などが含まれてないことに違和感があります。
ともあれ少しホッとしました。日本、大丈夫なのかな?
ありがとうございました。そうか、800兆借金が出来るというのは裏を返せばそれ相応の信用力や利用価値があるとも言えるわけですね。ただこれが、この方向性のままでいつまで続けられるのかが疑問でもあるのです。
※ブコメで指摘されたことについて訂正させて下さい。
1.GDPが減るという前提は取り消します。増えるか減るかは分からないとさせて下さい。
2.前提がおかしいという指摘がありました。補正予算を組まないとデフレ(スパイラル)になる怖れがあるという論理は私の勉強不足で分からないので説明して下さる方がいらっしゃれば有難いです。
3.財政出動すべきではないというメタファーはこの質問には含めていません。純粋に財政出動の意義についてのご回答をお待ちしています。