ターゲットの温度を上昇させてゆくと、光電効果や光反応を生じさせるのに必要な入射線のエネルギーが低エネルギー側にシフトするような現象は起こりうるのでしょうか?
起こりうるとしたら、具体的にどのような現象になりますでしょうか?
基本的には起こりません。
気体の光電効果である、星の観測時の輝線や吸収線を例にしますと
星の温度が3000度でも10000度でも大きくシフトしないため
ドップラー効果で星との相対速度を決定することができます。
エネルギーシフトはもっと量子的な状態、ゼーマン効果
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B...
やシュタルク効果
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%A...
が主な原因になると思います。
ご回答ありがとうございます。
観測時の輝線が温度によりシフトしないのは、
1.原子中の電子準位が温度に依らない
2.観測されるスペクトルは励起された電子がしたの準位に落ちる前と後での準位の差により定まる。
よって、(ドップラーシフトを考慮しなければ)星の表面温度に依らず、観測される吸収線の周波数は一定のはずである。
という認識でよろしいでしょうか?
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すると光が原子中の電子を励起する際にどれくらいのエネルギーを用いたかとの情報は
吸収線の幅の揺らぎから考察する必要性がありますね。
例えば仮に600~601nmの波長域に吸収線が発生していたとすると、だいたい3.4x10^-3 eVぐらいの幅で揺らいでいることになります。
温度揺らぎに換算するとボルツマン定数が大体8x10^-5[eV/T]ぐらいでしょうから、3.4/0.08で約43℃の幅がある事になりませんかね?
実際にフラウンフォーファー線のjpeg画像"http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Fraunhofer_lines.jpg"を観察してみると、1nm幅のスペクトルが欠損は液晶画面から判断するとよく、
励起時に必要なエネルギーの温度依存性が存在しないということを、以上の情報だけから判断するのは難しい気がするのですが、どうなんでしょうか?
また、自分もいろいろ調べていたのですが、金属の仕事関数に関しては温度が高くなると、逆に大きくなるという変化が有るようです。(光電子分光装置での調査)
↓
http://www.nissan-arc.co.jp/service/012_tech_p93.html
もうちょっと回答を募集したいと思います。