しかし、この20種類のアミノ酸の中、ヒトの場合、9種類の必須アミノ酸は、自分では合成できないそうです。だから穀物や豆類や、その他の食品から取り込むしかない。
質問は
1) DNAの4つの塩基の組み合わせとしては、9つの必須アミノ酸を表現できるのに、どうして合成はできないのでしょうか。
2) DNA情報としては、必須アミノ酸の指示を出しているのですか。そして、それを細胞内でタンパク質に合成するときに、必須アミノ酸を血管あるいはリンパ管から補給を受けて、組み合わせるのでしょうか。
3) 必須アミノ酸は、植物では作れるのに、動物では作れない理由は何ですか。
4)動物、たとえば乳から、取り込む必須アミノ酸は、その動物が植物を食べることによって吸収したものでしょうか。
ちょっといい参考文献が見当たらないので10年以上前受けた教育からお答えする事をお許しください。
http://www.genome.ad.jp/Japanese/tutorial/01-04.html
1)
DNAとは、生物を構成するタンパク質をコードしているもので、これはアミノ酸合成系そのものをコードしている訳ではありません。(これはもうご存知ですよね?)
人間が必須アミノ酸を合成できないのは、その合成系を持っていない≒それに必要なタンパク質(酵素)を作り出せない=その遺伝情報を持っていない(もしくは遺伝情報に欠損を有している)という事です。
ですので、表現できる事と合成できる事は無関係です。
また、これは質問3)にも関連するのですが、外部より栄養を摂取する事の出来る動物(従属栄養生物)は基本的に自前で栄養分をそろえる必要が無いので、アミノ酸合成経路などに致命的な問題が生じてもその生存が脅かされる事はありません。>地球上の生物の体は20種のアミノ酸を基本骨格として出来上がっているので、これを捕食・消化できればいくらでも補充が出来るという事になります。
2)
http://yoshibero.at.webry.info/200704/article_4.html
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/text/Sick/buhin2_3text.html
巨視的に見ればその通りです。口から摂取されたタンパク質は消化液の作用でアミノ酸ないしペプチドに分解され、これが腸で吸収、肝臓でタンパク質へ再合成され全身へと送られていきます。もちろん、細胞自身も血漿>組織液からアミノ酸・タンパク質を取り込みこれを自身が必要なタンパク質へと再合成します。
3)
植物は、外部より栄養を摂る事の出来ない生物です。(いや、食虫植物や寄生植物があるじゃないかというのはここではスルーしてください。)これを独立栄養生物といいます。
彼らは根やそれに相当する器官より水・ミネラル(養分ですね)を取り込み、光合成植物であれば大気の二酸化炭素を取り込んで糖を生み出します。この場合、その体を作る全ての栄養分は自前でそろえる必要があり、もしその合成経路に支障が起きればその個体は生きていくことが出来なくなります。>つまりは、その遺伝情報は後世に残らないと言う事です。ですから、外部から栄養を取り込まなければならない植物というのは、特別な種類をのぞいてこの世に存在し得ない、という事になります。
一方、動物は前にも述べた通り外部より栄養分を取り込むので内部でそれが生産できようが出来まいがその生残には関与しません。そのため、必須アミノ酸というものが生まれてくるわけです。
4)
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/agr/syllabus/a226.html
その通りです。
学問上は元素単位で考える事が多いので一瞬ドキッとしたのですが、牛が草喰って~式で言えばまったくその通りだと思います。牛が持つ彼らの必須アミノ酸は植物由来と言えましょう。
ちょっといい参考文献が見当たらないので10年以上前受けた教育からお答えする事をお許しください。
http://www.genome.ad.jp/Japanese/tutorial/01-04.html
1)
DNAとは、生物を構成するタンパク質をコードしているもので、これはアミノ酸合成系そのものをコードしている訳ではありません。(これはもうご存知ですよね?)
人間が必須アミノ酸を合成できないのは、その合成系を持っていない≒それに必要なタンパク質(酵素)を作り出せない=その遺伝情報を持っていない(もしくは遺伝情報に欠損を有している)という事です。
ですので、表現できる事と合成できる事は無関係です。
また、これは質問3)にも関連するのですが、外部より栄養を摂取する事の出来る動物(従属栄養生物)は基本的に自前で栄養分をそろえる必要が無いので、アミノ酸合成経路などに致命的な問題が生じてもその生存が脅かされる事はありません。>地球上の生物の体は20種のアミノ酸を基本骨格として出来上がっているので、これを捕食・消化できればいくらでも補充が出来るという事になります。
2)
http://yoshibero.at.webry.info/200704/article_4.html
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/text/Sick/buhin2_3text.html
巨視的に見ればその通りです。口から摂取されたタンパク質は消化液の作用でアミノ酸ないしペプチドに分解され、これが腸で吸収、肝臓でタンパク質へ再合成され全身へと送られていきます。もちろん、細胞自身も血漿>組織液からアミノ酸・タンパク質を取り込みこれを自身が必要なタンパク質へと再合成します。
3)
植物は、外部より栄養を摂る事の出来ない生物です。(いや、食虫植物や寄生植物があるじゃないかというのはここではスルーしてください。)これを独立栄養生物といいます。
彼らは根やそれに相当する器官より水・ミネラル(養分ですね)を取り込み、光合成植物であれば大気の二酸化炭素を取り込んで糖を生み出します。この場合、その体を作る全ての栄養分は自前でそろえる必要があり、もしその合成経路に支障が起きればその個体は生きていくことが出来なくなります。>つまりは、その遺伝情報は後世に残らないと言う事です。ですから、外部から栄養を取り込まなければならない植物というのは、特別な種類をのぞいてこの世に存在し得ない、という事になります。
一方、動物は前にも述べた通り外部より栄養分を取り込むので内部でそれが生産できようが出来まいがその生残には関与しません。そのため、必須アミノ酸というものが生まれてくるわけです。
4)
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/agr/syllabus/a226.html
その通りです。
学問上は元素単位で考える事が多いので一瞬ドキッとしたのですが、牛が草喰って~式で言えばまったくその通りだと思います。牛が持つ彼らの必須アミノ酸は植物由来と言えましょう。
すっきりとご説明ありがとうございます。
1) DNAの4つの塩基の組み合わせとしては、9つの必須アミノ酸を表現できるのに、どうして合成はできないのでしょうか。
合成する酵素を持たずに進化してきたからです。
なぜ、合成酵素をヒトが持っていないのかというと、
想像ですが、これらの必須アミノ酸の合成酵素を失った状態でも、
食物などからこれらのアミノ酸を摂取することが可能であったため、
その「合成遺伝子」が欠失した祖先が登場したときに、
何の問題も無く普通に子孫を残すことができたからではないかと思います。
2) DNA情報としては、必須アミノ酸の指示を出しているのですか。そして、それを細胞内でタンパク質に合成するときに、必須アミノ酸を血管あるいはリンパ管から補給を受けて、組み合わせるのでしょうか。
イメージで言うと、細胞質の中に全部のアミノ酸がぷかぷか浮かんでいます。(実際にはtRNAというものがくっついていますが)そして、コドンに対応するtRNA付アミノ酸が、タンパク質を合成するときにリボソームと呼ばれる合成酵素の中に取り込まれます。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~komeijim/hmemo02b.gif
じゃあ、そのtRNAにくっ付いてるアミノ酸はどこから来るのかというと、
細胞が自分のタンパク質を分解したときに出てきたものだったり、
血しょうなどを通じて、血液中から補給してきたりしますが、
「必要の応じて細胞の中に取り込む」というようなことは基本的にしません。
3) 必須アミノ酸は、植物では作れるのに、動物では作れない理由は何ですか。
合成酵素がないためです。
生物種により必須アミノ酸は異なります。
4)動物、たとえば乳から、取り込む必須アミノ酸は、その動物が植物を食べることによって吸収したものでしょうか。
植物に限らず、食物から取り込んだものです。
ありがとうございました
すっきりとご説明ありがとうございます。