生命の単位を細胞とするのが一般的ですので、「知る」主体は細胞である、とするのが正しいかと思います。それから、DNAは物質名であり、塩基の繋がりのことを指しますが、「遺伝子」は、DNAの中に書かれている「タンパク質」の設計図になります。従って、タンパク質は「遺伝子」の配列を元に作られる、というのが正しいと思います。
「細胞」が細胞外からの刺激(ホルモン等の刺激物質から物理的刺激、化学物質による刺激など様々な刺激)を、その信号を受け取る為の「アンテナ」(受容体と言われる細胞器官など)で受け取ることで、その刺激を細胞内にとりこみます。
受容体で「受信」した刺激は、また別の形(細胞内にあるタンパク質など)を解して、「遺伝子のスイッチ」を押すのです。結果的に、どこの遺伝子のスイッチをONにするかは、それがどの受容体からのシグナルなのか、その時の細胞の置かれている状況や、同時に受信する他の刺激等、様々な要因で変化します。その時の刺激に応じてONにする遺伝子の組み合わせを変化させ、刺激に対して「応答」するのです。
遺伝子の ONとは 「プロモーター」と呼ばれる領域に、遺伝子からmRNAを作る「RNAポリメラーゼ」という酵素がくっつき、mRNAの合成を始めることです。RNAポリメラーゼは常に細胞内にあるのに、すべての遺伝子がONにならないのは何故でしょうか。
プロモーター領域の近くには「オペレーター」という領域があります。ここに別のタンパク質(リプレッサーなど)がくっつくことで、近くにあるプロモーターにRNAポリメラーゼがくっつくのを邪魔したり、促進したりするのです。
たとえば、ある酵素「F」を合成するまでの刺激の伝達を模式してみます。
刺激A → 受容体B → (細胞内へ)→タンパク質C →タンパク質Dを変化させる →タンパク質DがリプレッサーEを活性化 → 活性化したリプレッサーEが酵素Fの遺伝子のオペレーターに結合する → 酵素FのプロモータにRNAが結合しやすくなり、酵素Fの遺伝子の転写(mRNAの合成)が始まる・・・
こんな流れになります。
細胞は常に刺激に晒されていて、無数の遺伝子のスイッチのON / OFFが繰り返され、多様な細胞の活動が生み出されるのです。そんな細胞が更に集合体を作って組織となり、組織同士が連携し合って個体の「生命」を支えています。
では、何もないところから、どのようにして「細胞が刺激を感じ取れる」ようになるのでしょうか。
それは「受精卵」からはじまります。
卵子も精子も、自ら刺激を関知し、活動することは出来ません。精子が動くのは、ゼンマイ仕掛けのおもちゃと同じで、精子の中に含まれるATPという動力源を使ってひたすら前に泳ぎ続けるだけなのです。(卵子に到達すると精子の先端にあるタンパク質分解酵素が詰まった部分が破れ、卵子のタンパク質を溶かしながら更に前進していきます)
そうやって「受精」が成立すると、一気にいろんな種類の遺伝子が「ON」になります。これが生命の始まりです。
生命の単位を細胞とするのが一般的ですので、「知る」主体は細胞である、とするのが正しいかと思います。それから、DNAは物質名であり、塩基の繋がりのことを指しますが、「遺伝子」は、DNAの中に書かれている「タンパク質」の設計図になります。従って、タンパク質は「遺伝子」の配列を元に作られる、というのが正しいと思います。
「細胞」が細胞外からの刺激(ホルモン等の刺激物質から物理的刺激、化学物質による刺激など様々な刺激)を、その信号を受け取る為の「アンテナ」(受容体と言われる細胞器官など)で受け取ることで、その刺激を細胞内にとりこみます。
受容体で「受信」した刺激は、また別の形(細胞内にあるタンパク質など)を解して、「遺伝子のスイッチ」を押すのです。結果的に、どこの遺伝子のスイッチをONにするかは、それがどの受容体からのシグナルなのか、その時の細胞の置かれている状況や、同時に受信する他の刺激等、様々な要因で変化します。その時の刺激に応じてONにする遺伝子の組み合わせを変化させ、刺激に対して「応答」するのです。
遺伝子の ONとは 「プロモーター」と呼ばれる領域に、遺伝子からmRNAを作る「RNAポリメラーゼ」という酵素がくっつき、mRNAの合成を始めることです。RNAポリメラーゼは常に細胞内にあるのに、すべての遺伝子がONにならないのは何故でしょうか。
プロモーター領域の近くには「オペレーター」という領域があります。ここに別のタンパク質(リプレッサーなど)がくっつくことで、近くにあるプロモーターにRNAポリメラーゼがくっつくのを邪魔したり、促進したりするのです。
たとえば、ある酵素「F」を合成するまでの刺激の伝達を模式してみます。
刺激A → 受容体B → (細胞内へ)→タンパク質C →タンパク質Dを変化させる →タンパク質DがリプレッサーEを活性化 → 活性化したリプレッサーEが酵素Fの遺伝子のオペレーターに結合する → 酵素FのプロモータにRNAが結合しやすくなり、酵素Fの遺伝子の転写(mRNAの合成)が始まる・・・
こんな流れになります。
細胞は常に刺激に晒されていて、無数の遺伝子のスイッチのON / OFFが繰り返され、多様な細胞の活動が生み出されるのです。そんな細胞が更に集合体を作って組織となり、組織同士が連携し合って個体の「生命」を支えています。
では、何もないところから、どのようにして「細胞が刺激を感じ取れる」ようになるのでしょうか。
それは「受精卵」からはじまります。
卵子も精子も、自ら刺激を関知し、活動することは出来ません。精子が動くのは、ゼンマイ仕掛けのおもちゃと同じで、精子の中に含まれるATPという動力源を使ってひたすら前に泳ぎ続けるだけなのです。(卵子に到達すると精子の先端にあるタンパク質分解酵素が詰まった部分が破れ、卵子のタンパク質を溶かしながら更に前進していきます)
そうやって「受精」が成立すると、一気にいろんな種類の遺伝子が「ON」になります。これが生命の始まりです。