YKKが事業不調により繰延税金資産300億円を取り崩すこととなったとの記事がありましたが、

①何に対する繰延税金資産だったのか?
②なぜ取り崩さなければならなくなったのか
について、ご教示いただけないでしょうか?

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  • 登録:2009/03/05 06:28:21
  • 終了:2009/03/12 06:30:02

回答(2件)

id:mare_caldo No.1

mare_caldo回答回数205ベストアンサー獲得回数532009/03/05 10:39:08

ポイント35pt

①何に対する繰延税金資産だったのか?


http://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/financial/securities/pdf...

71ページに繰延税金資産の内訳が記載されています。これを見ると、主要な要因は退職給付引当金にあることが分かります。


一方、取り崩した額は、307億円とされていますので、

http://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/g_news/2009/20090303.htm...

やはり退職給付引当金がらみと推察されます。


②なぜ取り崩さなければならなくなったのか


これもプレスリリースの引用になりますが、

「YKK APの繰延税金資産の取り崩しは、今後数年間は非常に厳しい事業環境にあるとの認識の下、早期の利益回復は見込めないとの経営判断から、2009年度からの中期経営計画のスタート前に前倒しで処理することによります。」


要は、しばらくの間十分な利益が出そうもないので、繰延税金資産の回収可能性が低下し、資産計上をやめることにしたと読めます。繰延税金資産と回収可能性の関係については、以下が参考になります。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1414053...

id:doudemoiiyo

大変わかりやすい説明ありがとうございました。

YKKに限らず、昨今、繰延税金資産の取り崩しというキーワードが出てきて気になっておりました。

おかげ様で今後は、その背景を読めることができます。

それにしても、退職引当金に300億円も当てているというのは多すぎでは無いでしょうか?

ほぼすべての引当金を取り崩すというのも異常です。

これは来期以降のV字回復の演出準備ということなんでしょうか?

2009/03/05 23:09:57
id:cherry-pie No.2

cherry-pie回答回数182ベストアンサー獲得回数112009/03/05 11:31:17

ポイント35pt

繰延税金資産というのは、将来発生するであろう税金の前払い予測計上というものです。

厳密に話をすると、なかなか、経理をやっている人でもわからなくなるものですので、

概要だけ話すとこんな感じです。

利益がでると推測した上での計上ですので、その分、利益も増えている場合でないとできません。

ですが、YKKは利益がでないと判断し、その分減らすことになり、繰延税金資産を減らすということは、費用(税金)が減るという事になります。

繰延税金資産は何に対する・・・という質問がありますが、税金の調整に対して行う処理ですので、わかりやすく言えば将来発生する出あろう税金に対して、つまり、将来の利益に対してとなります。

なぜ取り崩すのかといわれれば、将来の利益確保が難しいと判断したため、となります。

十分な利益が見込まれる場合にのみ計上する科目です。

http://q.hatena.ne.jp/

  • id:mare_caldo
    1つ目の回答をしたmare_caldoです。


    退職給付引当金そのものの額を見ると、897億円です(有価証券報告書42ページ)。これは、繰延税金資産を取り崩したYKK AP以外のグループ会社の分も含んだ金額ですので、従業員比率を見てみると(有価証券報告書8ページ)、YKK APの事業である建材事業に従事する従業員はざっと4割といったところでしょうか。えいやっと、897億円の4割相当ということで計算してみると、およそ400億円。ちなみに、一人当たりの退職給付引当金を計算してみると、23百万円。ちょっと多い気もしますね。で、繰延税金資産は、400億円に(1-実効税率)を乗じることで計算します。実効税率は普通、40%強ですから、280億円程度になります。実際に取り崩した額は307億円ですから、まあまあ良い数字ではないでしょうか。


    会計上、この400億円の退職給付引当金は、毎期少しずつ計上してきた累計額ですが、税務上は、その計上時ではなく実際に退職金を払うまで費用(税法では損金といいますが)になりません。このため、会計と税務で費用の発生時期にずれが生じます。税務の方が後から費用が出てくることになります。それはとりもなおさず、将来、会計の利益よりも税務の利益(所得といいます)の方が少なくなり、ひいては税金が会計の利益に比べて少なくなることを意味します。その安くなる税金部分は、別に得をした訳でもなく退職給付引当金の繰り入れ時に多めに税金を払っている分を取り返しているだけです。そういう意味では、繰延税金資産は前払税金とも考えられます。ただし、問題が一つあって、税務上費用となる決算期に、そもそも利益ではなく損失が発生していると、その損失が増えるだけで、ゼロの税金はゼロのままです。マイナスの税金、つまり還付ということになりますが、これは日本の場合、今はありません。これが、繰延税金資産の回収可能性の意味です。税務上の費用発生時に十分な利益がないと前払した税金は返ってこないのです。


    プレスリリースでは、リストラについても言及されており、おそらく今後、1、2年の間にかなりの退職者を見込んでいるのではないでしょうか。そうすると税務上の費用となりますが、一方で、利益は出ない。つまり、前払した税金は戻ってこない。だから、繰延税金資産として計上されていた前払税金を取り崩す、という流れになります。


    こうした再建策がうまくいき、景気も回復してくれば、おっしゃるようにV字回復ということもあり得るでしょうね。ただ、それを狙って経営陣が積極的に取り崩したというよりは、この厳しい環境下では今後の経営計画を見直さざるを得ず、そのシナリオのもとでは繰延税金資産の回収可能性に疑問符がつき、監査法人から取り崩しを求められたというところではないでしょうか。

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