そこで「ベクトル」と「方向性」の厳密な違いについて二点お尋ねしたいと思います。
①二つの違いは?
ベクトルには方向性だけでなく、度合い(大きさ、強さ)という要素もあるということでしょうか?
②どう使い分けるか?
「貴方とは目標が違う」という時にはどちらを使うのが良いのでしょうか?
①二つの違いは?
ベクトルには方向性だけでなく、度合い(大きさ、強さ)という要素もあるということでしょうか?
はい、そうです。
現在、高校の数学(数B)では、「平面上のベクトル」とは「向き」と「量」をもった値であると教えています。
②どう使い分けるか?
「貴方とは目標が違う」という時にはどちらを使うのが良いのでしょうか?
大辞泉によると
「目標」は、目ざす地点・数値・数量などに重点があり、
と記されています。そこで、「貴方とは目標が違う」ケースを論理的に場合分けすると、
の3種類に大別できます。
これらは、いずれも「ベクトル」で表すことができるので、「貴方とは目指すべきベクトルが違う」と表現することができそうです。
ところで、高校数学のベクトルで躓く人が多いことは衆知の事実です。理系の人ですら苦手な人は多いでしょう。
そこで私が「貴方とは目指すべきベクトルが違う」と言うときは、あえて相手の反感をかきたて、その人物との袂を分かつような場合に限ります。
そうでない場合は、相手に対し
――を提示することにしています。
具体的に何がどう違うのか明示しないことには、議論になりませんから。
ベクトルは方向+長さなんで、
「俺の専門に近い『ベクトル』って言葉を変に使うな。お前らは純粋に方向性って言っとけばいいだろ」
ということなんだと思います。
勉強ガリガリやってる人が毎日家でgdgdゲームしてる人を「ベクトルが違う」って言うのはおkなんでしょうね。
ベクトルは向きと大きさで定義されるので、方向性が同じだが情熱の度合いが違う場合にはたしかにベクトルは違うのかもせれません。しかし、それは一般会話においては屁理屈かな。と。それは単にベクトルという言葉を借りてるだけで、もとのベクトルの定義で話してるわけではないからだと思います。それは間違っているとはいいません。
目標は最後のワンポイントです。そこにいたるまでにはいろいろな経路があると思います。現時点の、すなわち最初の方向は、同じ目標でもケースバイケースで異なると思います。
私の私見ですが、「ベクトルをあわせる」といった場合は、短期的な目標にたいして、みんなでそこを目指すという感じがします。「いろいろ主義主張はあるだろうが、まずは○○を実現するために力をあわせよう」って感じです。あと、ベクトルには主体性がない。場の流れってやつ。
方向性という単語には、ポリシーというか生き方を感じます。そうそう簡単に変わるものではないイメージです。多様性をみとめる感じ。
会話においては、方向性・ベクトル・目標。同じ場合もあるし違う場合もあるかと思います。ただ、目標が違うといいたい場合には、言い換えずに目標が違うといえばよいかと思います。
①二つの違いは?
ベクトルには方向性だけでなく、度合い(大きさ、強さ)という要素もあるということでしょうか?
そのとおり。
厳密に「ベクトル」という言葉の定義から言うと「方向と大きさの成分を持ったもの」になります。
「力をあわせる」ためには単に力の大きさだけでなく向きも合わさなければ効果的ではありません。その効果の度合いを数値で表すために必要な概念がベクトルです。
②どう使い分けるか?
「貴方とは目標が違う」という時にはどちらを使うのが良いのでしょうか?
「ベクトルが違う」と言う場合の多くは「手段が違う」というニュアンスに近い場合がほとんどです。
目標が同じでもベクトルが違う場合もあります。だから「目標が違う」ということを言いたい場合に「ベクトルが違う」というのはあまり使い勝手のよい表現ではありません。
それにしても「ベクトル」という言葉を厳密な言葉の定義でのみ会話に使うのはもはや無理があると思います。
使い分けなくても聞く人は言っていることが分かるし分かった上で使い方がおかしいという人は重箱の隅をつっついている感が否めませんね。
ベクトルとスカラーの違い
ベクトルは、本来は幾何学的なものですが、これに座標系を導入して、成分表示にすると計算が簡単になります。
ここで問題は、まず初めにベクトルがあって、座標系はあとから導入されるということです。しかも、座標系の取り方については特に決まった方法はありません。
例えば、移動する自動車について考えます。自動車の位置や速度はベクトルで表されます。
このとき
Aさんは東をX軸の正の方向、北をY軸の正の方向
Bさんは北をX軸の正の方向、西をY軸の正の方向
としても、どちらも正しいです。
この状況を考えるとわかりますが、AさんとBさんの求めたベクトルの成分表示は違うものになります。
しかし、これではあまりに混沌としてしまうので、Aさんのとった座標系とBさんのとった座標系がどういう関係になっているかを考えて、Bさんの成分表示をAさん成分表示に直す換算式を考えます。
これを座標変換と言っています。
スカラーとは「座標変換をしても変わらない量」のことです。
あるいは「違う座標系でも常に同じ値になる量」のことです。
一方ベクトルの成分は「座標変換で値が変わる量」です。
あるいは「座標系のとりかたで、いろいろな値になってしまう量」です。
たとえば、速度ベクトルV=(Vx,Vy)のX成分、Vxに注目すると、これは一つの数なので、スカラーでしょうか?
これは上の例で見たように、座標系の取り方でいろいろ変わってしまう量なので、スカラーではありません。
ベクトルの成分です。
逆に、りんごの値段50円とみかんの値段80円をペアにした(50,80)はベクトルでしょうか?
この50と80は座標変換をしてもかわりませんから、これはベクトルではありません。
単なるスカラーのペアです。
一次元ベクトルでも、Aさんは右を正とし、Bさんは左を正とするかもしれません。
そのとき、ベクトルの成分表示は一個の数であっても、AさんとBさんの座標系では値が変わります。だからスカラーではなく、ベクトルの成分です。
①二つの違いは?
ベクトルには方向性だけでなく、度合い(大きさ、強さ)という要素もあるということでしょうか?
はい、そうです。
現在、高校の数学(数B)では、「平面上のベクトル」とは「向き」と「量」をもった値であると教えています。
②どう使い分けるか?
「貴方とは目標が違う」という時にはどちらを使うのが良いのでしょうか?
大辞泉によると
「目標」は、目ざす地点・数値・数量などに重点があり、
と記されています。そこで、「貴方とは目標が違う」ケースを論理的に場合分けすると、
の3種類に大別できます。
これらは、いずれも「ベクトル」で表すことができるので、「貴方とは目指すべきベクトルが違う」と表現することができそうです。
ところで、高校数学のベクトルで躓く人が多いことは衆知の事実です。理系の人ですら苦手な人は多いでしょう。
そこで私が「貴方とは目指すべきベクトルが違う」と言うときは、あえて相手の反感をかきたて、その人物との袂を分かつような場合に限ります。
そうでない場合は、相手に対し
――を提示することにしています。
具体的に何がどう違うのか明示しないことには、議論になりませんから。
コメント(3件)
その理系の方とやらが頭が固くて一般用語と専門用語の使い分けが出来ないだけなんでは。
ベクトルだと単純な現状の数字ですね。
日本語の方向性とドイツ語のベクトルの違いですけどね。
面白そうだったので、回答受付が回数制限で終了してるからコメントにて。
多くの、かつ分かりやすい解答をありがとうございました。
解答のクオリティの高さに驚きました。