江戸時代に描かれた「性的な」浮世絵、いわゆる『春画』の中には、当時の結婚年齢から考えて18歳未満とおぼしき容姿を
呈するものもあるのではないかと推測します。同法が施行されると1年の猶予期間の内に法に該当する絵などは全て廃棄が
義務付けのようですが、『春画』は日本風俗史、特に明治以降のキリスト教的倫理観が持ち込まれる以前の"日本独自の性"を
語る上で、非常に重要な資料であると個人的に思っています。かかる学術資料まで廃棄、となるのは、国益に反するのでは?
以下各々方、ご意見をお願いします。
同人誌やイラストなんかも対象だとおもってた。
春画は該当しないですが、写真集は完全に対象となりますからね。
写真集がポルノかどうかっていうのも難しいところで、無修正ヌード写真集がポルノにあたらなかった判例もありますからね。
一応、有名な写真家が制作した写真集に関してはポルノに該当しないというのが現在の判例です。
その辺の無名な人が同じ物を作ると違法となる可能性が高いです。
1枚の絵に限らずイラスト集や漫画、アニメなどはすべて絵です。
逆に言えば対象となるのは写真と映像に限られてるわけですから、定義は割とはっきりしてると思います。
イラスト集だと絵に入るんかな?誰が判断するんだろ。
絵の定義とか、絵だけの根拠とか、おかしいところが。
写真集「Santa Fe」を破棄する必要があるか、という問題で、奥村徹弁護士が見解を出しています。
2009-06-29 - 奥村徹弁護士の見解(06-6363-2151 hp@okumura-tanaka-law.com)
与党案なら、ですが、児童ポルノかどうかの前に、そもそも「ポルノかどうか」という議論があり、その部分に変更が無ければ、一律、児童ポルノとはされないだろう、という話です。
つまり、まず、「ポルノかどうか」という判断があり、「ポルノでない」とされれば、モデルが 18 歳未満でも問題なし。「ポルノだ」とされれば、モデルが 18 歳未満(この時、実写だけを対象にするのか、絵も含めるのかは議論の余地あり)で有れば、単純所持罪を適用する、ということになるかと。
その線でいけば、春画を、当時はともかく、現在において「ポルノかどうか」となると、おそらくは、そうはならないでしょう。とすれば、「Santa Fe」と同じく、児童ポルノの対象外になると思います。
議論の対象になる可能性はありますが、与党でもだいぶ前に一度議論して「絵は規制しない」と見送ってます。
絵を対象にするという案は一番最初の案の段階の話です。
与党案では、付則でアニメや漫画も規制することになっている。
いわゆる「アニメの殿堂」に収容される作品以外は流通させてはいけないことになる。
たしか適用されるのは写真のみですよね?
そうじゃないと漫画やアニメも適用されることになってしまいますが・・・
字義通り解釈したら、古代ギリシアの彫像やルネサンス期の絵画も没収、廃棄だろ。
宗教政党とインポ政治家がつくった法律だからどうにもならん。
さながら中世の修道僧だな。
与党案に対する議論であることを前提とすると、論点は以下の通りとなります。
まず論点1について。
論点1は、さらにふたつの論点に分岐します。
論点Aについては、結論としては、今回の法改正では絵画は規制対象となりませんが、次回の法改正で児童ポルノとして単純所持罪の処罰対象となります。
との指摘がありますが、次回の法改正で絵画規制を創設することを"前提"に今回の与党改正案が提案されているわけですから、今回の与党改正案を通してしまうことは絵画規制を将来創設することとほぼ同義と考えて間違いありません。
「絵画規制は直ちには規制しないが次回改正で規制する旨を法律案に明記した」が正しい認識です。
結局、与党当初案と最終与党案の違いは、絵画規制をすぐに実施するか、次回改正に持ち越すかという違いだけです。
論点Bについては、個別具体的な判断になりますので、個別の絵画に対して医師免許を持つ小児科医もしくは小児科学の研究者による解剖学的鑑定によって判断されることになりますが、まあ常識的に考えて「18歳未満とおぼしき容姿を呈するものもあるのではないか」との推測は合理的推測と思われます。
論点2については、学芸員の見解を待つまでも無く、『春画』に文化的価値があることは政府自身が認めるところです。
たとえば、京都市に「国際日本文化研究センター」(日文研)という文部省所管大学共同利用機関法人人間文化研究機構の研究組織がありますが、その「国際日本文化研究センター」に「艶本資料データベース」というものがあり、400以上の資料が国家予算により収蔵されています。この事実は『春画』に文化的価値があることの一端を示しています。(ちなみにこのデータベースは日本文化の研究者は登録すればインターネット上で無料で利用できます) また同団体の研究部では、春画についての研究も熱心に行われているようです。
その一方で「春画とかポルノというのは法的に保護に値しない」という立場が政府、特に治安当局内にあることも事実です。
しかし、警察庁においては「春画を取り締まるべきだ」という意見はあっても「春画に文化的価値が無い」とまで断定する意見はほぼ皆無であり、取り締まり必要性と文化的価値の保護という二つの異なる価値を調整には、高度な政治的判断が必要とされるというのが現状です。
そして、現在はその政治的判断が存在しません。
したがって、『春画』の文化的価値は現状で否定されておらず、したがって文化財として規制対象から除外する必要がある、と言えます。
論点3については、まさに前述の「高度な政治的判断」に係る事柄であると思われますが、論点3は「子供への性的虐待に反対する世界会議」で議論された「性表現絵画は児童の商業的性的搾取(CSEC)といえるか?」という議論に置き換えることが可能と思われます。
2001年12月17~20日の4日間、日本国政府も参加した「子供への性的虐待に反対する世界会議」が横浜で開催されたとき、「“児童ポルノ”に“絵”や“マンガ”を含むべきか否か」という問題が討論されました。
その際、エクパットジャパン関西ユースというNGOにより「マンガはCSECではない」というワークショップが開催され、次の点について合意形成がなされたと承知しています。
児童の人権を擁護する立場の人たちの中においてさえ絵画表現による児童の商業的性的搾取に懐疑的な立場の人がいるという事実は、性表現絵画は児童の商業的性的搾取ではないことを強く示唆する事実と言えるでしょう。
したがって、『春画』の文化的利益と児童ポルノ規制の法益を比較考量した場合、どちらの利益を優先させるべきかという論点については、児童ポルノの法益そのものに疑問が存在する以上、政治的にそのような議論をする状況にないと思われます。