司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んでいます。

作戦・戦略・戦術の緻密な分析・描写に引き込まれました。

いろいろな作戦家・指揮官の考えや行動、精神力の強さ、弱さによって左右される
勝利や悲劇のドラマに、いろいろ考えさせられます。

このように単なる戦闘ではなくて、作戦・戦略・戦術の巧みさを交えた人間ドラマを
描いた小説が他にあったら紹介してください。
舞台は古今東西を問いませんが、フィクションではなく史実に基づいたものに限ります。

よろしくお願いします。

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  • 終了:2009/07/16 01:03:43
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ベストアンサー

id:goldwell No.5

回答回数502ベストアンサー獲得回数61

ポイント25pt

史実をできるかぎりなぞった歴史小説でかつ読んで面白いというと、まず思い浮かんだのが塩野七生の地中海戦記三部作。『ローマ人の物語』が未読ならばまずはこちらから1冊ずつ入っても良いかと。

いずれも中世に行われたキリスト教世界とイスラム世界の戦いを元にしています。もっともそれぞれの世界も一枚岩となって戦いに取り組んだわけではなく、キリスト教世界ではカトリックと正教の違い、経済的な摩擦など各国の思惑が書かれ、イスラム側でも権力が集中している中での主導権争いなど、単純な宗教戦争だけでなく周辺国の動きも細かく書かれて実にダイナミックです。それでいて戦闘は片方に偏ることなく公平に書かれていると思いますね。

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

レパントの海戦 (新潮文庫)

レパントの海戦 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

こちらにも紹介がありますのでご参考までに。

http://merinopanda.blog34.fc2.com/blog-entry-19.html


もう一つヨーロッパものでは佐藤賢一の『英仏百年戦争』。小説ではなく解説書と銘打ってありますが、歴史小説のノリで読みやすくかつ英仏関係の歴史が理解できるので紹介します。

英仏百年戦争 (集英社新書)

英仏百年戦争 (集英社新書)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 新書

かつて百年戦争と言えば、英仏がだらだらと戦争と講和を繰り返していたというイメージを持っていましたが、見事にぶち壊してくれました。

私のレビューがありますので良かったらそちらも合わせてご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20080418/1208524764


その後にフランスの将軍ベルトラン・デュ・ゲクランを主人公にエドワード黒太子らとの熾烈な英仏間の戦争(シャルル5世の戦略も含めて)を描く『双頭の鷲』を読んでみるのもいいでしょうね。

双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫)

双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫


戦乱時代の各国の戦略や人間ドラマを読むならば中国の春秋戦国時代も見所ありますね。ということで宮城谷昌光。

名著はいくつもありますが、もし初挑戦であれば、私の読んだ中では『青雲はるかに』あたりが長さとしてもちょうどいいしお薦めですね。主人公は范雎(はんしょ)。のちに戦国を統一する秦に仕え宰相となって「遠交近攻の策」を授ける人です。そこにいくまで紆余曲折があるわけですが。

青雲はるかに〈上〉 (新潮文庫)

青雲はるかに〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮城谷 昌光
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

紹介ページ↓

http://www1.ocn.ne.jp/~matsuo3/books/seiun.htm

もう少し時代を遡って、北の晋と南の楚の大国の争い、それに振り回される小国などを描いた春秋後期であれば『沙中の回廊』や『子産』、『晏子』あたりですね。

http://www1.ocn.ne.jp/~matsuo3/books/sachu.htm

id:uta_at_home

いろいろ紹介ありがとうございます。

他の人にも紹介してもらった、塩野七生さんはやっぱりお勧めなんですね。

地中海戦記三部作は、テーマ的に非常に興味深いです。

2009/07/11 14:59:52

その他の回答7件)

id:australiagc No.1

回答回数467ベストアンサー獲得回数90

ポイント25pt

司馬遼太郎さんの文体が好きなのであれば、戦国物で、「関ヶ原」(石田三成・徳川家康)、「国盗り物語」(斉藤道三・織田信長)なんてどうでしょう。

特に関ヶ原は細かく戦況を描写しているので面白かったです。国取り物語は戦略より政略ですかね。

明治以後の作品だと坂の上の雲以外に目立ったものは無かったような・・・。司馬遼太郎さんの作品は戦国〜幕末が多いですからね。

ただ、司馬遼太郎さんの作品は史実に基づいてはいるものの、多分に「小説」ですので注意して下さい。創作が非常に多いので。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

司馬遼太郎は大好きなのですが、幕末から明治にかけての作品しか読んだことありませんでした。

「関ヶ原」と「国盗り物語」、読んでみます。

> ただ、司馬遼太郎さんの作品は史実に基づいてはいるものの、

> 多分に「小説」ですので注意して下さい。創作が非常に多いので。

ですね。

うっかりすると、安易に史実と思いこんでしまいそうになります。。。

2009/07/10 23:55:43
id:kseikaku0801 No.2

回答回数18ベストアンサー獲得回数2

ポイント25pt

今更感はあるかもしれませんが、塩野七生さんの「ローマ人の物語」は史実に基づいたものですが、作戦・戦術・人生と様々なことに感動して読み進めることができます。(といっても、長いものなので、私はまだユリウス・カエサルの巻ですが)

司馬さんの文体もいいと思いますが、塩野さんの緻密でかつ冷静な筆致もなかなかいいと思います。

あまり学校で世界史をちゃんと勉強しなかったせいかもしれませんが、2000年以上前の人間のドラマがこんなに面白いと思うのは意外でした。(今読んでいるカエサルの苦悩など現代に通じるものがあるのですが、これと同時期の日本人については、何一つ記録がのこっていないことを考えると長いと言われる日本の歴史の短さを痛感させられます)

いわゆる戦争の描写も、地図や戦闘時の両軍の配置図などを使ってとてもエキサイティングだと思います。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

「ローマ人の物語」はノーマークでした。

ググってみたら、34巻もあるんですね。

手を出すのは勇気がいりますが、興味をそそられたので、いつか読んでみたいと思います。

2009/07/11 01:07:16
id:nekomanbo56 No.3

回答回数1138ベストアンサー獲得回数34

ポイント25pt

項羽と劉邦 司馬遼太郎

はどうでしょうか?

三国志よりは、史実に基づいてると感じましたが。

何しろ歴史小説ですので、記録のない期間の描写やある程度推察による進められ方はどの小説でもしていると思います。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

項羽と劉邦は遠い遠い昔に読んだことがあるのですが、戦略的なおもしろさは感じなかったような気がします。

むしろ読んだことのない三国志の方に期待していたところがあるのですが。。。

2009/07/11 02:54:21
id:tue1972 No.4

回答回数77ベストアンサー獲得回数1

ポイント25pt

作戦戦略戦術と、

人間ドラマ、

なおかつ史実を元にした創作。

蝦夷地別件〈上〉 (新潮文庫)

蝦夷地別件〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 船戸 与一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

これが浮かびました。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

これはおもしろそうですね。

すごく興味がひかれます。

2009/07/11 14:56:25
id:goldwell No.5

回答回数502ベストアンサー獲得回数61ここでベストアンサー

ポイント25pt

史実をできるかぎりなぞった歴史小説でかつ読んで面白いというと、まず思い浮かんだのが塩野七生の地中海戦記三部作。『ローマ人の物語』が未読ならばまずはこちらから1冊ずつ入っても良いかと。

いずれも中世に行われたキリスト教世界とイスラム世界の戦いを元にしています。もっともそれぞれの世界も一枚岩となって戦いに取り組んだわけではなく、キリスト教世界ではカトリックと正教の違い、経済的な摩擦など各国の思惑が書かれ、イスラム側でも権力が集中している中での主導権争いなど、単純な宗教戦争だけでなく周辺国の動きも細かく書かれて実にダイナミックです。それでいて戦闘は片方に偏ることなく公平に書かれていると思いますね。

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

レパントの海戦 (新潮文庫)

レパントの海戦 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

こちらにも紹介がありますのでご参考までに。

http://merinopanda.blog34.fc2.com/blog-entry-19.html


もう一つヨーロッパものでは佐藤賢一の『英仏百年戦争』。小説ではなく解説書と銘打ってありますが、歴史小説のノリで読みやすくかつ英仏関係の歴史が理解できるので紹介します。

英仏百年戦争 (集英社新書)

英仏百年戦争 (集英社新書)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 新書

かつて百年戦争と言えば、英仏がだらだらと戦争と講和を繰り返していたというイメージを持っていましたが、見事にぶち壊してくれました。

私のレビューがありますので良かったらそちらも合わせてご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20080418/1208524764


その後にフランスの将軍ベルトラン・デュ・ゲクランを主人公にエドワード黒太子らとの熾烈な英仏間の戦争(シャルル5世の戦略も含めて)を描く『双頭の鷲』を読んでみるのもいいでしょうね。

双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫)

双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫


戦乱時代の各国の戦略や人間ドラマを読むならば中国の春秋戦国時代も見所ありますね。ということで宮城谷昌光。

名著はいくつもありますが、もし初挑戦であれば、私の読んだ中では『青雲はるかに』あたりが長さとしてもちょうどいいしお薦めですね。主人公は范雎(はんしょ)。のちに戦国を統一する秦に仕え宰相となって「遠交近攻の策」を授ける人です。そこにいくまで紆余曲折があるわけですが。

青雲はるかに〈上〉 (新潮文庫)

青雲はるかに〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮城谷 昌光
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

紹介ページ↓

http://www1.ocn.ne.jp/~matsuo3/books/seiun.htm

もう少し時代を遡って、北の晋と南の楚の大国の争い、それに振り回される小国などを描いた春秋後期であれば『沙中の回廊』や『子産』、『晏子』あたりですね。

http://www1.ocn.ne.jp/~matsuo3/books/sachu.htm

id:uta_at_home

いろいろ紹介ありがとうございます。

他の人にも紹介してもらった、塩野七生さんはやっぱりお勧めなんですね。

地中海戦記三部作は、テーマ的に非常に興味深いです。

2009/07/11 14:59:52
id:guffignited No.6

回答回数361ベストアンサー獲得回数14

ポイント25pt

史実だったら『隋唐演義』

悲劇だったら『岳飛伝』

物語性だったら『奔流』

短編だったら『黒龍譚異聞』の中の『黒道凶日の女』

全部田中芳樹さんです。

銀河英雄伝説だけではありません。特に『隋唐演義』は訳書ですから史実に近いと思います。

id:uta_at_home

田中芳樹さんがそんな作品を書いておられたとは知りませんでした。

友だちが昔銀河英雄伝説にむちゃくちゃはまってたので興味はあったのですが、

今まで読む機会がありませんでした。

歴史ものから入るのもいいかもしれませんね。

2009/07/11 15:02:18
id:harunopa No.7

回答回数23ベストアンサー獲得回数0

ポイント25pt

http://www.amazon.co.jp/%E8%83%8C%E6%95%99%E8%80%85%E3%83%A6%E3%...

背教者ユリアヌス  辻邦生

は如何ですか。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

タイトルだけではどんな物語かわからないなーと思いましたが、

アマゾンのレビューを見るとかなり評価の高い作品なのですね。

2009/07/11 22:55:06
id:kyokusen No.8

回答回数824ベストアンサー獲得回数86

ポイント25pt

 吉村昭先生の著作はいかがでしょう?

 『海の史劇』(日露戦争・日本海海戦)を特にお勧めしたいと思います。『空白の戦記』や『殉国』も面白いのですが、戦術等はこれが一番出てるかなぁ、と。

 小説でなくても言いという事であれば、『失敗の本質』などが面白い本ではあるのですが……。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

坂の上の雲で、日露戦争の日本海海戦に魅了されているので、

別の作家による名作があればぜひ読んでみたいと思っていました。

空白の戦記、殉国も読んでみたいと思います。

2009/07/11 23:26:40
  • id:paluko
    「史実に基づくフィクション」はどうなんでしょう…という
    ことで、コメントです。残念ながら現在新刊では手に入らない
    ようですが、『炎の門―小説テルモピュライの戦い』
    (スティーヴン プレスフィールド著,文春文庫)

    紀元前480年の「テルモピュライ(テルモピレー)の戦い」を
    ヘロドトス、テュキディデス他の史書に基づき克明に再現した
    小説です。

    約300名のスパルタ軍がどのようにして200万とも伝え
    られるペルシア軍を3日間にわたって食い止めたか…だけに
    とどまらず、現在の「スパルタ式」の語源ともなった軍事国家
    スパルタの青少年育成とは具体的にどのようなものであったのか、
    詳細に語られている点でも読み応えがあります。
  • id:goldwell
    >読んだことのない三国志の方に期待していたところがあるのですが。。。
    回答を投稿した後で気づいたのでコメントで失礼します。

    日本で有名な三国志の小説と言えば多くが史実を脚色し違う時代の説話や著者による創作もい含まれた三国志演義を元にしています。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97
    正史を元にした小説は寡聞にして知らないのですが、漫画ならば曹操を主人公にした『蒼天航路』が演義よりも正史に近いようです。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%BC%E5%A4%A9%E8%88%AA%E8%B7%AF

    あと、小説ではありませんが、『三国志 きらめく群像』が正史への入門書としてちょうどいいと思います。
    http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97-%E3%81%8D%E3%82%89%E3%82%81%E3%81%8F%E7%BE%A4%E5%83%8F-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AB%98%E5%B3%B6-%E4%BF%8A%E7%94%B7/dp/4480036032/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1247279446&sr=1-1
    逆に言うと三国志演義を元に作られた作品に思い入れが強すぎるとギャップが大きいかもしれない内容だったりします。
  • id:uta_at_home
    palukoさん、コメントありがとうございます。
    300人で200万人を食い止める・・・驚きですね。
    文春文庫なら図書館で手に入りそうなので、一度探してみます。
  • id:uta_at_home
    goldwellさん、回答に加えてコメントでも詳しい情報ありがとうございます。
    三国志と正史の関係がよくわかりました。
    ネットカフェにいって、蒼天航路から入ってみようかな?
  • id:sdkfz
    作家の手で調理された物語もいいけれど、機密日露戦史とか極秘明治三十七八年海戦史とか本物の記録もおいしいよ
  • id:uta_at_home
    sdkfzさん、コメントありがとうございます。

    うわぁー、こんな資料あるんですね。
    興味あるけど、戦争もの初心者の私についていけるかなー?

    Amazonとかでは売ってないみたいなので、図書館で探してみます。

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