THEME:「この夏、あなたが計画・体験した暮らしの工作・実験・自由研究」を教えて下さい
〈イエはてな〉の夏休みスペシャル企画! 「楽しいアイデアと創意で暮らしをつくろう!」を合言葉に、「暮らしの工作・実験・自由研究」をプラン・体験して頂き、そのルポを聞かせて下さい。作るもの、実験や研究のテーマは、暮らしにまつわるものなら何でもOK!暮らしに新しい発見や楽しさ、コミュニケーションが生まれますように!
*回答条件*
親ツリーのみ300文字以上を条件とさせて頂きます。
参考にされた数値などがありましたら、参考サイトのURLを明記して下さい。
下記のページをご覧になってご投稿下さいね!
テーマ詳細とルポ例、ご投稿要項、プレゼントについて
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20090821
※〈イエはてな〉では、はてなスターを「おすすめメッセージ」として活用しています。ご回答頂く時にもご参考下さい。また投稿期間中はできるだけはてなスターのご利用を控えて頂けますようお願いいたします。
お父様の子供の頃の夏休み工作を、息子が引き継いで完成させる。なんと素晴らしく微笑ましい工作でしょう。
スイッチを入れると目が光ってガーと声を立てる怪獣の人形。これは当時としては画期的な最先端の工作として、きっと先生方も目を見張ったことと思います。しかしお父様はさらに、スイッチではなく光で鳴き声を立てるバージョンアップを夢見ていたんですね。
それを大人になったmomokuri3さんが、今ならその夢を引き継げるぞと乗り出した。それも、もしお父様が当時実現していたらこうなったはずという、その時代の回路とパーツで。このコンセプトが素晴らしいです。
時空を超えて結実した親子の夏休み。なんだか本当に昔にタイムスリップして、子供時代の父と、同じく小学生に戻った私とで遊んだことがあるような錯覚をおぼえました。よくおぼえていませんが、その夜、そんな夢を見た気がするんです。もしかしたら怪獣も一緒に遊びの輪に加わっていたかもしれません。
このくだりに、とても感動させられました。親子でありながら親友。そんな稀有の体験をした今年の夏。きっと怪獣も喜んでくれていることでしょう。
momokuri3さんもイエはてなでは機械工作のツリーを良く立ててくださるので、興味深く読ませていただいています。
今回のルポを読んで、momokuri3さんのお父様も子供の頃から機械いじりがお好きだったとのこと。親子で共通の特技・趣味があると、話題も盛り上がるんじゃないでしょうか。読んでいて、そんな楽しそうな親子の情景が浮かんできました。
光線銃を当てる場所をどこにするか・・・結果がデベソ怪獣(笑)。お父様の当時の作品ですから、多少は古みを帯びてらっしゃるのでしょ。プラモデルで言ったら、汚しをつける作業があるそうですが、年月を帯びて、お父様の怪獣も味わい深い色に染まっているのでは?
そして「ガー!」と鳴く怪獣により進化した姿。お二人の合作怪獣、想像しているのですが、とっても微笑ましい怪獣が頭に浮かんでいます。
今年は久し振りに、家族揃って父の実家に行くことが出来ました。そこで、とても貴重な物を見せてもらいました。父の子供時代の夏休み工作です。それは怪獣のソフビ人形
例:http://no190.exblog.jp/5099174/
をベースに、中に電池とモーターを仕込み、スイッチを入れるとモーターの軸に付けた歯車がブリキ片を擦って「ガーー」と鳴き声を立てるというものでした。目にも当時「麦球」と呼ばれていたという、麦粒くらいの極小の豆電球が仕込まれていました。父はそれを見て照れくさそうに、しかし懐かしそうにしながら、こんな話をしてくれました。
「本当はスイッチではなく、光線銃で撃つとガーと鳴くようにしたかったんだ、でもその方法が分からなくて断念した」
そこで私は、子供のころの父がやろうとして出来なかったことを、その当時のパーツで実現してみようと思い立ちました。父の子供時代にタイムスリップしての、親子二代の合作です。
光線銃で撃つとガーと鳴く。これを実現するためには、何らかの光に反応する素子が必要です。これには何種類かの素子が考えられますが、父の子供時代なら、おそらくCDSと呼ばれる物が一番ポピュラーで、なおかつ安価だったと思われます。
CDSとは、クレジット・デフォルト・スワップのことではもちろんなく(笑)、硫化カドミウムを主成分とした光導電素子のことです。小型で、可視光線(0.4~0.8μm)に対して感度が高く、そして安価なので、カメラの露出計などに盛んに使われました。
CDSは光が当たると電気抵抗が下がるという動作をしますから、その変化をトランジスタに与え、トランジスタにリレーという電磁石で機械的スイッチを入れたり切ったりするパーツを制御させる。これがおそらく父の子供時代の典型的な回路構成だろうと思います。
帰ってからさっそくパーツの買い出しに出かけました。回路は大ざっぱに、CDSと感度を調節するボリューム、それを受ける小信号用トランジスタとリレー駆動用の少し大きなトランジスタ、そしてリレー、といった構成だけを頭に入れて、あとは入手できたパーツによって細かいことを考えることにしました。特に今回は、どんなCDSとリレーが手に入るかがキーポイントで、それが確定しないことには、回路構成は決められても、各種の定数が決められません。
あちこち回って、まずCDSは昔のカメラに使われていたと思われる、小さな筒の中に仕込まれた物が入手できました。これなら正面からの光しか受け付けませんから、今回の用途にはピッタリです。こういうCDSなら、明るい室内でも正面から当たる「光線銃」の光にだけ選択的に反応してくれそうです。
リレーも小型のいい物が手に入りました。電磁石に流す電流が少なくて済むので、比較的小さなトランジスタで制御できます。リレーに流す電流と加える電圧が決まれば、使うトランジスタに要求されるスペックが決まります。あとは、それを満足させるトランジスタの中から、父の子供時代に存在した物を選ぶだけです。トランジスタには「2S△○○○」などの型番が付いていますが、「○○○」部分は登録順に付けられる番号ですから、この数字が小さい物ほど昔からあった物、ということになります。これで父の子供時代から存在していたトランジスタを探すことが可能になります。
と、こんな感じで主要パーツの買い出しを済ませ、家に帰って最終的な回路を決定。ソフビ人形の中に内蔵するので、電子回路部分は極力小さく組み立てました。
CDS取り付け位置、つまり怪獣が光を受ける位置をどこにするかは、父に決めてもらうことにしました。決まった場所は「お臍」です。怪獣のお臍のあたりに穴を開けて、そこにCDSの筒を裏側から差し込みました。デベソ怪獣になりましたw
私が組み立てた回路を、父が昔に組み込んだ音を出すモーターや目を光らせる麦球と接続し、これで親子二代の合作が完成しました。
「光線銃」は現代風に、高輝度の発光ダイオードで作りました。光を当てると、怪獣の目が光って、ガーと音を立てます。父に見せると、
「これだよ、こういうのを作りたかったんだよ、長い時を隔ててこの怪獣は進化したな」
と本当に嬉しそうにしてくれました。時空を超えて結実した親子の夏休み。なんだか本当に昔にタイムスリップして、子供時代の父と、同じく小学生に戻った私とで遊んだことがあるような錯覚をおぼえました。よくおぼえていませんが、その夜、そんな夢を見た気がするんです。もしかしたら怪獣も一緒に遊びの輪に加わっていたかもしれません。