白菜の旨味だけでいただく、純植物性スープをご紹介してみます。作り方も極めて簡単。ただし時間だけはかけます。じっくりと時間をかけることで白菜の旨味を引き出します。
材料は4人分。
◆白菜 400g
一般に外葉付きで出回っている白菜は1箱6玉15kgというのが標準ですので、だいたい1個あたり2.5kg。このスープのためだけに丸ごと買うのはちょっと多すぎますが、でも今回は栄養価の関係からできれば外の青くなっている葉も使いたいので、できれば外葉も付いた丸のままを用意してください。白菜の鮮度は外葉で守られていますし、外葉の新鮮さで品物の善し悪しもわかりますから、その意味でもむいて売られている物より外葉付きの物がお勧めです。
◆塩 小さじ1(味を見ながら適量)
◆醤油 小さじ1(味を見ながら適量)
◆ゴマ油 小さじ2
◆水 適量
まず白菜の外の青くなっている葉を細い千切りにします。白菜はほとんどが水分の野菜ですが、青くなっている部分にはカロテンなどの栄養素が含まれていますから、ここを無駄にしないようにしましょう。
中の白い葉も、同じく細い千切りにします。
中華鍋などにゴマ油を入れ、外葉を炒めます。ジュウと音がしてきたら火を弱めにして、ゆっくりと炒めてください。固い葉が十分柔らかくなってきたら白い葉の部分も入れ、全体をよく混ぜ合わせて蓋をします。蓋は耐熱ガラス製のような重い物が適します(※文末の安全に関するご注意もお読みください)。
白菜は全体の90%以上が水分ですから、しばらくするとかなり湯気が立ってくると思います。そのまま弱火で15分くらい、白菜の水分だけで蒸し煮にしてください。これが白菜の甘味を引き出すポイントです。
十分蒸し煮にしたらあとは適量の水を加えて煮立てれば完成ですが、加える水は必要最低限にしたいので、どの程度の水を加えるかをここで実測します。
使う器を人数分(ここでは4個)用意して、鍋の中身を等分して仮に盛り付け、そこに出来上がり量の水を注いでみます。これで必要な水の量がわかりました。器の中身を全て鍋(できればシチュー鍋のような別の鍋を使いましょう)に移して再び火にかけます。煮立ってきたら弱火で10分ほど煮て、仕上げにちょっと差し水をして蒸発した分を補い、味を見ながら塩と醤油を加えて一煮立ちさせて完成です。
このスープの特徴は、調理中に必要な全ての水分を、白菜が元々持っている物だけでまかなうことにあります。また細胞の中からじっくり温めていくことを重視する意味で、浸透圧がかからないよう、最終段階まで調味料は全く加えません。こうして作ると白菜の旨味だけで十分うまい、全くダシ要らずのスープが作れます。ベジタリアンもそうで無い人も納得のうまさだと思います。
なお、白菜はアブラナ科ですから、甘い野菜のくせに、ちゃんと大根など他のアブラナ科の野菜と同じ辛味成分であるイソチオシアネートを含んでいます。
フェニチルイソチオシアネートやスルフォラファンなどのイソチオシアネートは発癌や腫瘍化を防ぎ、化学的な抗がん剤となる。これらは様々なレベルで働き、特にシトクロームP450の働きを阻害して発癌を防ぐ作用が知られている。またフェニチルイソチオシアネートはがん細胞にアポトーシスを起こさせることが示されている。例えば、アポトーシス阻害タンパク質BCl-2を生産する薬剤抵抗性の白血病細胞などにアポトーシスを起こさせることにも成功している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%81%E3%82%A...
このほか消化をよくする効果、血栓を予防する効果もあると言われています。
このイソチオシアネートは植物の中では配糖体の状態で存在していて、刃物で切るなどして細胞が壊れると、酸素の働きでイソチオシアネートに変わります。この物質はいわゆる精油で揮発性がありますから、白菜の生理活性を最もよく生かす食べ方は、
・細かく千切りにして生で食べる
ことに尽きると言えるでしょう。
白菜にはビタミンCも含まれますが、これも加熱に弱いので、私は白菜を1個買ったら半分は生で食べることにしています。
朝はシャキッと白菜サラダ、そして夜はこの白菜スープで、白菜の栄養とおいしさをたっぷり味わっていただきたいと思います。
※注:
http://q.hatena.ne.jp/1266382218/252137/#i252137
こちらの書き込みに、片手鍋の危険性が書かれていました。
最後にちょっと蛇足ですが、最近うちのご近所で、片手鍋をコンロに乗せて煮込んでいたら、取っ手をひっかけて鍋を落としてしまい、ヤケドしてしまったという人がいました。
上で書いたフライパンにヒタヒタのお湯を注いで煮込むところにも、同じ危険があるかもしれませんね。
片手の鍋から手を離す時は必ず取っ手を手前以外の位置に回しておくことが大切かと思います。
冬はミルクパンなどを使うことも多い季節だと思います。十分お気を付けくださいね。
この白菜のスープでも中華鍋で蒸し煮にする場面がありますが、片手の物を使う場合は十分お気を付けください。両手の中華鍋や、炒める使い方もできる別タイプの両手鍋などを使った方がいいかもしれません。
白菜の旨味だけでいただく、純植物性スープをご紹介してみます。作り方も極めて簡単。ただし時間だけはかけます。じっくりと時間をかけることで白菜の旨味を引き出します。
材料は4人分。
◆白菜 400g
一般に外葉付きで出回っている白菜は1箱6玉15kgというのが標準ですので、だいたい1個あたり2.5kg。このスープのためだけに丸ごと買うのはちょっと多すぎますが、でも今回は栄養価の関係からできれば外の青くなっている葉も使いたいので、できれば外葉も付いた丸のままを用意してください。白菜の鮮度は外葉で守られていますし、外葉の新鮮さで品物の善し悪しもわかりますから、その意味でもむいて売られている物より外葉付きの物がお勧めです。
◆塩 小さじ1(味を見ながら適量)
◆醤油 小さじ1(味を見ながら適量)
◆ゴマ油 小さじ2
◆水 適量
まず白菜の外の青くなっている葉を細い千切りにします。白菜はほとんどが水分の野菜ですが、青くなっている部分にはカロテンなどの栄養素が含まれていますから、ここを無駄にしないようにしましょう。
中の白い葉も、同じく細い千切りにします。
中華鍋などにゴマ油を入れ、外葉を炒めます。ジュウと音がしてきたら火を弱めにして、ゆっくりと炒めてください。固い葉が十分柔らかくなってきたら白い葉の部分も入れ、全体をよく混ぜ合わせて蓋をします。蓋は耐熱ガラス製のような重い物が適します(※文末の安全に関するご注意もお読みください)。
白菜は全体の90%以上が水分ですから、しばらくするとかなり湯気が立ってくると思います。そのまま弱火で15分くらい、白菜の水分だけで蒸し煮にしてください。これが白菜の甘味を引き出すポイントです。
十分蒸し煮にしたらあとは適量の水を加えて煮立てれば完成ですが、加える水は必要最低限にしたいので、どの程度の水を加えるかをここで実測します。
使う器を人数分(ここでは4個)用意して、鍋の中身を等分して仮に盛り付け、そこに出来上がり量の水を注いでみます。これで必要な水の量がわかりました。器の中身を全て鍋(できればシチュー鍋のような別の鍋を使いましょう)に移して再び火にかけます。煮立ってきたら弱火で10分ほど煮て、仕上げにちょっと差し水をして蒸発した分を補い、味を見ながら塩と醤油を加えて一煮立ちさせて完成です。
このスープの特徴は、調理中に必要な全ての水分を、白菜が元々持っている物だけでまかなうことにあります。また細胞の中からじっくり温めていくことを重視する意味で、浸透圧がかからないよう、最終段階まで調味料は全く加えません。こうして作ると白菜の旨味だけで十分うまい、全くダシ要らずのスープが作れます。ベジタリアンもそうで無い人も納得のうまさだと思います。
なお、白菜はアブラナ科ですから、甘い野菜のくせに、ちゃんと大根など他のアブラナ科の野菜と同じ辛味成分であるイソチオシアネートを含んでいます。
このほか消化をよくする効果、血栓を予防する効果もあると言われています。
このイソチオシアネートは植物の中では配糖体の状態で存在していて、刃物で切るなどして細胞が壊れると、酸素の働きでイソチオシアネートに変わります。この物質はいわゆる精油で揮発性がありますから、白菜の生理活性を最もよく生かす食べ方は、
・細かく千切りにして生で食べる
ことに尽きると言えるでしょう。
白菜にはビタミンCも含まれますが、これも加熱に弱いので、私は白菜を1個買ったら半分は生で食べることにしています。
朝はシャキッと白菜サラダ、そして夜はこの白菜スープで、白菜の栄養とおいしさをたっぷり味わっていただきたいと思います。
※注:
http://q.hatena.ne.jp/1266382218/252137/#i252137
こちらの書き込みに、片手鍋の危険性が書かれていました。
この白菜のスープでも中華鍋で蒸し煮にする場面がありますが、片手の物を使う場合は十分お気を付けください。両手の中華鍋や、炒める使い方もできる別タイプの両手鍋などを使った方がいいかもしれません。