NEXT FUNDS各種、上場インデックスファンド海外新興国株式、海株式指数・上証50連動型上場投資信託など、複数の海外株式指数に連動したETFが上場されていますが、指数との連動性はどの程度あるのでしょうか?
例えば、上証50連動のETFだった場合で、上証50の指数に変動は無かった(値が一定だった)と仮定します。
しかし、日本に上場されている上証50連動のETFが、何らかの理由で大量に売られた場合、このETFの価格はどうなりますか?
普通に考えると、上証50に連動しているのだから、大量に売られても一時的には乖離があるかもしれないが、早々に上証50の指数に戻ると考えていますが、間違っていますか?
また、大量の売りが一時的ではなく、連日大量に売られ続けた場合には、どうなるかについても教えていただければと思います。
なお、為替の変動については無視して考えてください。
よろしくお願いいたします。
疑問は確かにごもっともだと思います。
結論を先に書きますと、市場では大量売買が起こらない様な仕組みが予め用意されているので、少数の投資家が大量売買する事は普通できませんし、多数の投資家が少しずつ売買したものが結果的に大量売買につながったとしても一時的なものとして納める様になっています。ですから、まず普通の状態では連日大量売買という現象は起こらない様になっています。
では、こんなページをご覧ください。
http://www.nikkoam.com/products/etf/about/j-relation
需給による市場価格のずれ
ETFは、ETFの需給に応じて、発行済み口数が増減する特徴を持っています。その口数が増減することによって需給調整が行なわれます。
ETFを市場で買いたい投資家が増える(=需要が増える)と、ETFの市場価格はETFの基準価額(純資産価値の取引単位当たりの価値)に対して高くなります。その場合、指定参加者は、株式を市場で調達し、その株式でETFの設定申し込みを行ない、ETFを市場で売却します。ETFは売られ(価格が下がる)、株式は買われる(価格が上がる)こととなり、両者の価格は均衡する方向に力が働きます。
逆にETFの需要が少ないときには、ETFの市場価格はETFの基準価額(純資産価値の取引単位当たりの価値)に対して安くなります。その場合、指定参加者は、ETFを買い付け、そのETFの中の株式を取り出し、その株式を市場で売却します。ETFは買われ(価格が上がる)、株式は売られる(価格が下がる)こととなり、両者の価格は均衡する方向に力が働きます。
次にETFの大量売買が発生しない様な仕組みについて書かれたページを見て下さい。
http://experiment.blog.so-net.ne.jp/2008-08-12-2
ETFファンドは市場価格が基準価額とあまり離れないよう工夫されています。それは、超大口投資家には、市場を通さずに投信会社が直接、解約に応じるのです。ただし解約といってもキャッシュで解約代金を支払うのではなく、ファンドに組入れている株式を現物で返却するのです。投資家はキャッシュが欲しければ、返却された株式を市場で売却すればよいわけです。(中略)もし、市場価格が基準価額より低ければ、市場でETFを買いそれを投信会社で基準価額で解約すれば利益を得ることができます。つまり「裁定取引」がはたらくことになり、二つの価格差は解消の方向に向かいます。
基準価格との乖離を小さくするための手段として、大口投資家には市場を通さず窓口で株式を直接渡すことで解約します。このように、誰でもいつでも解約できるようになっているため、裁定取引、基準価格との差を利用して基準価格を上回る場合にはETFを空売りし、現物を買うことでどちらに転がっても儲かるようにする仕組み、が働くようにしています。
東証のETFについての解説のページは、まだ見てなければ確認の為に見ておくと良いと思います。
http://www.tse.or.jp/rules/etf/etfinfo.html
かい離律について解説したページも確認がてらの程度で良いので念の為に見ておいて下さいね。
http://rich-navi.com/kairiritsu.html
乖離率の実際の動きはこんなページで見る事ができます。
ありがとうございます。
大変よく分かりました。
指定参加者による調整、裁定取引という点が、乖離を抑える仕組みとして働いているわけですね。
海外の株式指数に連動するETFの値動きを眺めていると、日本株が下がった時には合わせてETFも下がる。上がったときは上がる。
結局、日本の投資家の需給関係に左右されているだけじゃないの?
と疑問に思ったので質問しました。
疑問は解決されたのですが、追加の補足もいただけるかもしれませんので、もう少し質問を続けたいと思います。