稲刈りは、二期作が出来る沖縄では一期目の刈り取りが6月から始まるそうですが、その他のほとんどの地域では9月の声を聞いてからがスタートです。品種によっても異なりますが、だいたい例年、関東では千葉から始まって、次いで茨木、そのあと埼玉、栃木と刈り取りが進んで行くようです。そして10月の声が聞こえ始める頃に、東京や神奈川の稲刈りが本格化します。どこに見に行くかは休みの都合次第になりますが、毎年どこかに行って稲を刈る様子を眺めさせてもらう。これが私の秋の風物詩です。
この稲刈りが本当に見ていて飽きないのです。今の稲刈りは機械化されていて、たいていコンバインで刈り取り、コンバインの中で脱穀まで済ませてしまうことが多いですが、それでも本当に見ていて飽きません。
稲作地帯はだいたいが周囲の自然に恵まれていますから、スズメやカラスがたくさんいます。そういう鳥たちも私と一緒に、稲刈りの様子を遠巻きに眺めています。コンバインが動いている時は眺めているだけですが、休憩でコンバインが止まったり、貯まった籾を軽トラに移す作業をするためにコンバインが畦の方に寄っていったりすると、一斉にサーッと田んぼ目がけて飛んでいき、落ちた米粒をついばみ始めるのです。作業している人も、落ちた粒までは拾いませんから、我関せず。人と鳥たちの楽しい共存風景が見られます。
また、首都圏の田んぼではほとんど見られなくなっているようですが、米の自然乾燥法である稲架掛け(はさかけ・またの名を稲木干し)をやっている田んぼに出会えると、さらに刈り取った稲を束ねる作業まで見られます。
稲架掛けには、稲を束ねる作業が必要です。もしかしたら束ねる機械もあるのかもしれませんが、私は手作業しか見たことがありません。これが素晴らしい名人芸なのです。刈り取られた稲をわしっと掴み、根元際に稲藁を数本絡めてクルクルっと回すと、もうほどけない、しっかりとした稲束が出来上がっています。その手際たるや、まるで魔法か手品みたい。あの技は、私がもし大臣ならば、重要無形文化財に指定したいほどの素晴らしさです。私もお願いして教えてもらいましたが、満足に束ねることが出来るようになる前に、手が腱鞘炎になるかと思うほど疲労してしまいました。
機械と火力に頼らず、卓越した技術による手作業と自然のお日様と風によって乾燥される稲架掛け米は、少々値段が高くても、食べる価値があります。機械乾燥の方が仕上がりが均一で品質が高いという声もあるようですが、本当の稲作農民は、昔ながらの技術と知恵で、最高の仕上がりに乾燥させられる腕を持っています。ですから、私は稲架掛け米に軍配を上げたいと思います。
最後に、稲刈りを見に行きたい人のためのマナーについて。車については、農道には乗り入れない方がいいと思います。農道は一般道と違って農耕車が優先の道路ですし、道幅が狭い場合は、不用意に車を乗り入れると、大変な邪魔になってしまうことがあります。また、見慣れない車が長時間同じ所に車を止めてあると、地元の方に不審者かと思われかねません。車で行く場合は農地から離れた所に駐車できる場所を探し、そこから徒歩で向かいましょう。
見学の態度も、作業している人に失礼の無いようにしたいものです。いちいち見学したいのですがいいですかと声を掛けるのもかえって作業の邪魔になってしまいますが、目が合ったら頭を下げるくらいの気持ちは必要だと思います。
また、写真は無闇に撮らないこと。ブログに載せたいなどの気持ちはあるかもしれませんが、人には肖像権というものがありますから、許可無くカメラを向けてはいけません。
そういったことに気を付けて失礼の無いように見学できるならば、家族連れで田んぼを訪れてみるのもいいですね。特にお子さんには、得難い経験と、心に残る思い出になることでしょう。稲作地帯には、秋をたっぷり感じさせてくれる景色がいっぱいです。皆さんも一度、稲作の現場を見に行ってみてください。後日食べる新米の美味しさもひとしおです。
稲刈りは、二期作が出来る沖縄では一期目の刈り取りが6月から始まるそうですが、その他のほとんどの地域では9月の声を聞いてからがスタートです。品種によっても異なりますが、だいたい例年、関東では千葉から始まって、次いで茨木、そのあと埼玉、栃木と刈り取りが進んで行くようです。そして10月の声が聞こえ始める頃に、東京や神奈川の稲刈りが本格化します。どこに見に行くかは休みの都合次第になりますが、毎年どこかに行って稲を刈る様子を眺めさせてもらう。これが私の秋の風物詩です。
この稲刈りが本当に見ていて飽きないのです。今の稲刈りは機械化されていて、たいていコンバインで刈り取り、コンバインの中で脱穀まで済ませてしまうことが多いですが、それでも本当に見ていて飽きません。
稲作地帯はだいたいが周囲の自然に恵まれていますから、スズメやカラスがたくさんいます。そういう鳥たちも私と一緒に、稲刈りの様子を遠巻きに眺めています。コンバインが動いている時は眺めているだけですが、休憩でコンバインが止まったり、貯まった籾を軽トラに移す作業をするためにコンバインが畦の方に寄っていったりすると、一斉にサーッと田んぼ目がけて飛んでいき、落ちた米粒をついばみ始めるのです。作業している人も、落ちた粒までは拾いませんから、我関せず。人と鳥たちの楽しい共存風景が見られます。
また、首都圏の田んぼではほとんど見られなくなっているようですが、米の自然乾燥法である稲架掛け(はさかけ・またの名を稲木干し)をやっている田んぼに出会えると、さらに刈り取った稲を束ねる作業まで見られます。
稲架掛けには、稲を束ねる作業が必要です。もしかしたら束ねる機械もあるのかもしれませんが、私は手作業しか見たことがありません。これが素晴らしい名人芸なのです。刈り取られた稲をわしっと掴み、根元際に稲藁を数本絡めてクルクルっと回すと、もうほどけない、しっかりとした稲束が出来上がっています。その手際たるや、まるで魔法か手品みたい。あの技は、私がもし大臣ならば、重要無形文化財に指定したいほどの素晴らしさです。私もお願いして教えてもらいましたが、満足に束ねることが出来るようになる前に、手が腱鞘炎になるかと思うほど疲労してしまいました。
機械と火力に頼らず、卓越した技術による手作業と自然のお日様と風によって乾燥される稲架掛け米は、少々値段が高くても、食べる価値があります。機械乾燥の方が仕上がりが均一で品質が高いという声もあるようですが、本当の稲作農民は、昔ながらの技術と知恵で、最高の仕上がりに乾燥させられる腕を持っています。ですから、私は稲架掛け米に軍配を上げたいと思います。
最後に、稲刈りを見に行きたい人のためのマナーについて。車については、農道には乗り入れない方がいいと思います。農道は一般道と違って農耕車が優先の道路ですし、道幅が狭い場合は、不用意に車を乗り入れると、大変な邪魔になってしまうことがあります。また、見慣れない車が長時間同じ所に車を止めてあると、地元の方に不審者かと思われかねません。車で行く場合は農地から離れた所に駐車できる場所を探し、そこから徒歩で向かいましょう。
見学の態度も、作業している人に失礼の無いようにしたいものです。いちいち見学したいのですがいいですかと声を掛けるのもかえって作業の邪魔になってしまいますが、目が合ったら頭を下げるくらいの気持ちは必要だと思います。
また、写真は無闇に撮らないこと。ブログに載せたいなどの気持ちはあるかもしれませんが、人には肖像権というものがありますから、許可無くカメラを向けてはいけません。
そういったことに気を付けて失礼の無いように見学できるならば、家族連れで田んぼを訪れてみるのもいいですね。特にお子さんには、得難い経験と、心に残る思い出になることでしょう。稲作地帯には、秋をたっぷり感じさせてくれる景色がいっぱいです。皆さんも一度、稲作の現場を見に行ってみてください。後日食べる新米の美味しさもひとしおです。