自伝の時点 ~ 過去から現在、現在から過去、永遠の現在 ~
彼は「人はみな平等である」とともに「人はそれぞれ独立した存在だ」
という二つの視点を示したため、その矛盾が同時代の人々に非難され、
後世の読者に期待する“近代哲学”の宿命となったのでしょう。
♀Rousseau,(時計職人の妻)16‥‥‥ Swiss 17120628 ? /産褥死/牧師の娘
Rousseau, Jean-Jacques 17120628 France 17780702 66 /哲学
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070509 産褥 ~ 死せる母のパヴァーヌ ~
>ルソーの本が民衆をフランス革命に導いた<
── フランス革命の時期には、多くの公教育論や国民教育論がおおや
けにされますが、いずれの場合にもルソーの影響は強く働いています。
(略)フランスとオランダでほぼ同時に刊行された『エミール』の反響
は大きく、フランスではすぐに発禁となったため、オランダ版が各地に
流布した。イギリスでは翌年に翻訳がでたり、また隣国のドイツでも賞
賛や批判がいりみだれたが、カンペ(1746-1818)編集の『教育総点検』
に収められた全訳とそれに付された註は、ドイツ汎愛派のルソー受容と
して、注目されている。
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/exhibition/kindai-kyoiku-genryu/...
筑波大学開学25周年記念 19980907-1016 教育学系・附属図書館共催特別展
>ルソー本人の晩年の本では認めてくれない世間への恨み言ばかり<
── スイスの時計職人の子として生まれ、幼少の頃を放浪生活のうち
に送った彼は、当時の主流派の宮廷貴族の社会には受け人れられていな
い。フランスの力トりック教徒にも受け入れられていない。ジュネーブ
の新教徒にも受け人れられていない。他方また、この時代の進歩派、無
神論的唯物論者たちにも受け人れられていない。彼にはそういう自覚が
あります。そしてそれと同時に、自分は彼らすべてと違う。自分こそは
神によって救われるべき、汚れなき魂だ、という強烈な自己主張があり
ます。(P173-174)自己の根拠の確立
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B000J8IXIY
── 中川 久定《自伝の文学 ~ ルソーとスタンダール 19790122 岩波新書》
ルソーの晩年は、書物の内容が問題となっての亡命・偽名生活であり、そういう個人的環境が窮屈であることが、自分の思想の社会的影響に対する客観的評価をなし得なかったのではないでしょうか
また、本人が性格上ひがみっぽく、怒りやすい人でしたから・・・・病的な被害妄想だという人もいます。
ポールジョンソンの本「インテレクチュアルズ」を孫引きします
http://ore.to/~gekka/2005/07/20050701_054750.php
たとえば、ルソーの例。
親密につき合った人とは事実上誰とでも、それも特に友達として助けてくれた人と猛烈に、しかも一生つづくけんかをした。うんざりするような、何度もくり返されるけんかの話を読むと、精神的に病気だったのだという結論を引き出さないわけにはいかない。(p28)
この敵というのはいつも、元友人、あるいは元保護者で、ルソーがけんか別れをした後で述べたところによると、友好を装って彼を利用し、破滅させようとしたのだった。(p29)
大陸に戻ると玄関にポスターを張り出した。それは、聖職者、当世の知識人、一般大衆、女性、スイス人など、彼に反対する、社会のあらゆる階層の人を列挙して不平を並べたてたものだった。フランスの外務大臣、ショワルズ候が国際的陰謀の責任者で、ルソーの生活を不幸にすることを任務とする人たちの広大な網の目組織を作っている、と彼は信じるにいたった。
病的な被害妄想はその通りだと思います。「告白」や「孤独な散歩者・・」は読むのも辛かったです。環境でそうなっていったのかなと思います。キリスト教を刺激するというのは(今も?)大変なことなのですね。
ルソー以外も「漱石日記」や「モーツアルトの日記」でも後半はかなり病んでますね。
ありがとうございます。私もそんな感じがしてました。
社会契約論自体もマキャベリ君主論にあこがれ似たものを書いた感じで、まあ無理やり民衆の権利の話を引っ張れないこともないけど・・という感じですね。
ありがとうございます。時代に大きくヒビをいれたというわけですね。同時代からしいたげられ、未来から認められる。