(1)これを裏付ける研究成果があれば教えてください。
(2)それ以外に、詳細な言語記憶を脳内で記憶する具体的方法があれば、教えてください。
(参考)
http://q.hatena.ne.jp/1287472506
「脳内で個別の音素がペプチドあるいはタンパク質と結びついて長期保存されている」
この命題が正しい可能性は限りなくゼロに近い。従って、それを裏付けるまともな研究論文は見付けられないでしょう。
この命題が正しければ、記憶できる音素の数はペプチドやタンパク質の数に限定されることにあり、事実上それはあまりに少なすぎることが証明されるでしょう。記憶はあくまでシナプス結合による脳神経の電気的回路で保存されるが故に、事実上無限の可能性を秘め、実際に無限とも言える「音素」やその結合体としての音節、単語、メロディーラインなどの記憶が可能となっているわけです。
記憶は、
「おばあさん細胞」
が単独に形成されるのではなく、
ネットワークのコード(組み合わせ)で表現される、と考えられているのが主流です。
二進数でも、8個の桁で8個の数を表現するのではなく、01の組み合わせで、256個の数を表現します。
これと同じように、細胞の組み合わせで表現すると考えられていて、その組み合わせを記憶するのが、シナプスの結合係数です。
結合係数は、シナプスでの化学物質の授受のしやすさで決まります。係数を強くするときに、特定のシナプスで、たんぱく質による結合強化が図られることがあります。
記憶は、この様々な記憶を組み込んだシナプスの結合のマトリクスで、時々刻々変化しています。ただ、あるトリガが引かれると、シナプスの組み合わせが再現され、記憶が再生されます。長期記憶は、シナプスの組み合わせの再現が繰り返された結果、シナプスの組み合わせの表現の結合係数が非常に強く残ったものです。この組み合わせは、トリガが引かれると、「必ず」表現されるように、シナプスの結合がたんぱく質の補助等により強化されているのです。
http://physiology.jp/exec/page/stopics65/
このように、特定のたんぱく質を配置することで、シナプス結合のパターンを確保していくことが、長期記憶ということになります。
ズバリの頁をご紹介いただきありがとうございます。
「長期記憶はシナプスでの既存分子の変化だけはなく、神経細胞の遺伝子発現が変化してできる新規蛋白質群の機能」
新たな蛋白質が形成されるという記述もありますね
それとシナプス結合のパターンということでしょうか。
だとすると、記憶そのものは、シナプスよりも蛋白質にある?
そういうことになりますか?
繰り返しで申し訳ありませんが、個々の「記憶」は、個々の「シナプス」や「タンパク質」や「分子」と対応しているのではありません。個々の「シナプス回路」と対応していると考えるべきです。「シナプス」は神経細胞同士の結合部位、あるいは結合そのものを指す言葉であり、「シナプス回路」は通常複数の神経細胞で出来上がる、電気生理学的な回路を指します。記憶の「形成」とか「長期化」のプロセス上は、分子、タンパク質という「物質」そのものが関与する訳ですが、それはあくまで「シナプス回路」の流れを強固にしていくための作用であって、どの記憶に関するシナプスであっても、およそ共通の分子やタンパク質が関与していると考えられます。個々の「記憶」と関連する訳では全くありません。
例えば、色々な「家」が建てられるときに、どの家の建築でも共通、あるいは似通った材料、柱とか釘とかガラスとかを使うようなものです。家の個別性とその材料に関係がないように、「記憶」の個別性と分子やタンパク質は直接は関係がありません。
何度でも書きますが、「記憶」そのものは特定の物質にあるのではなく、「回路」にあるのです。
ではそのシナプス・タグが音素を記憶するのでしょうか。
結合した回路が、安定的に音素を識別するメカニズムはどうなっているのでしょう
ご回答ありがとうございます。
なるほど
しかし、シナプスだって分子からできているのではないですか。
シナプスのどこに記憶のメカニズムが内包されているのですか。
シナプスというのは、何でできているのでしょうか。
塚原仲晃先生は、光が波動であり電磁波であるように、記憶はシナプスであり分子であるというようにいっておられたように記憶するのですが。(岩波現代文庫「脳の可塑性と記憶」)
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/6002370/top.html
それに、シナプスが言葉の記憶を長期保存するときってのは、いったいどのように保存するのか、わかりますか