「本気だから、フェアトレードのにしてみたよ」。そう言われて渡されたチョコレート。私はもったいなくて、一ヶ月も食べることが出来ませんでした。本当に現実の世界で、この私と一緒に歩いていきたいと思ってくれている。だから現実の世界と向き合ったチョコを選んでくれた。その心の重みが、ずしんと伝わってくるチョコだったからです。
ILO(国際労働機関)駐日事務所のサイトには、世界のカカオ栽培について、次のようなことが書かれています。
カカオの木の高さは7.5mにも至り、その実は長さ30cm、厚さ10cmにもなる固い殻に覆われたサヤに包まれていること。収穫も、サヤからの実の取り出しも、さらに発酵、乾燥、出荷のための袋詰めまでが手作業で行われていること。
1998年から2001年にかけて世界のカカオ価格指数は半減したため、生産者はコストの安い児童労働の導入を余儀なくされたであろうこと。
西アフリカでは、子どもを労働力として使うための人身売買や強制労働が行われてきたこと。
国際熱帯農業研究所がカメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア(Fuel注:世界の供給量の70%はこの4か国の小規模農家によって生産されています)の約1500の農場を調査した結果、何十万人もの子どもたちがカカオ農場で危険な仕事に携わっていることが判明したこと。
◆284,000人の子どもがマシェティを使って畑を切り開いている。
◆153,000人の子どもが防護用具なしで殺虫剤を使用している。
◆他の子どもはカカオのさやを摘み、豆を取り出すため切り開く。
◆カカオ農場の64%の子どもは14歳以下で40%は女子である。
(Fuel注:マシェティとは刃渡りが長い刀状のナタのことで、武器としても用いられる危険性の高い刃物です。カカオ農園では豆をサヤから取り出す作業にもこの大型刃物が使われます)
児童労働者の多くはブルキナファソ、マリ、トーゴのような貧しい国の出身であること。コートジボワールには国内に親族がいない子供が約12,000人いて、奴隷として売られてきたことを示唆していること。
子どもは朝6時から12時間以上働かされ、常に疲労していること。
労働させられている子どもの就学率は低く、移民カカオ農家の子ども(Fuel注:家族とともに移住してきたと思われる子供)ですら1/3しか就学していないこと。さらにあらゆるケースで女子の就学率は男子に比べて低いこと。
カカオ生産における健康や安全上の問題として、次のようなことがあげられること。
◆力の必要な反復作業や重く扱いにくい荷物をもち運びことによる筋骨格の損傷
◆熱中症
◆皮膚がん、熱中症に至る可能性のある高レベルの太陽露出
◆刃物による傷(擦り傷や小さな傷から重症にいたるまで)
◆皮膚の擦り傷
◆殺虫剤の使用と汚染による中毒、長期健康障害
◆落ちてくるさやとの衝突
◆蛇咬症、虫刺され
◆長時間労働
◆ストレス
そして、このページには、次のように書かれています。
このような児童労働者の多くはチョコレートを見ることも味わうこともない。
これが国連専門機関の公式なサイトに書かれている言葉なのです。詳しい全文は次のページをご覧ください。
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/...
はたしてこのような悲惨な児童労働が、今も続いているのでしょうか。21世紀初頭、カカオ産業界は西アフリカでの最悪な形態の児童労働と強制労働を撤廃する共同声明に署名したとされています。21世紀も1/10を過ぎた今、もう子供の奴隷労働なんて過去の話だよ、と言える世界ならいいのですが…。
しかし依然として世界の貧富の差は激しく、今でも貧しいという理由だけで命を失っていく子供が絶えない状態です。また「子どもの権利条約」では全ての子供に教育を受ける権利があることを明記していますが、いまだ世界では7700万人もの子どもが、初等教育すら受けられていないと言われています。
(参考:http://www.ftcj.com/aboutchildren/education.html)
未来を担う子供たちが教育を受けられないということは、その国や地域が未来に渡って発展出来ないことを意味します。逆に、子供たちが学校に通えるだけのささやかな豊かさに手が届けば、その国や地域はすぐに自立発展していけるようになるでしょう。そうした豊かさを世界の隅々にまでもたらそうとする企業取引や私たちの消費行動。それがフェアトレードということなんだろうと思います。
バレンタインの贈り物にフェアトレードのチョコを選ぶとき、きっとそこには、世界の真実を見つめるのと同じ視線の、真剣な心が込められていると思います。それは、フィクションの世界の魔法より強い力で、思いを相手に届けてくれるのではないでしょうか。恋が実るかどうかには相手の事情も関わってきますが、少なくとも真剣な心は伝わっていくと思います。私もそういう本気のチョコを応援したいと思います。
「本気だから、フェアトレードのにしてみたよ」。そう言われて渡されたチョコレート。私はもったいなくて、一ヶ月も食べることが出来ませんでした。本当に現実の世界で、この私と一緒に歩いていきたいと思ってくれている。だから現実の世界と向き合ったチョコを選んでくれた。その心の重みが、ずしんと伝わってくるチョコだったからです。
ILO(国際労働機関)駐日事務所のサイトには、世界のカカオ栽培について、次のようなことが書かれています。
カカオの木の高さは7.5mにも至り、その実は長さ30cm、厚さ10cmにもなる固い殻に覆われたサヤに包まれていること。収穫も、サヤからの実の取り出しも、さらに発酵、乾燥、出荷のための袋詰めまでが手作業で行われていること。
1998年から2001年にかけて世界のカカオ価格指数は半減したため、生産者はコストの安い児童労働の導入を余儀なくされたであろうこと。
西アフリカでは、子どもを労働力として使うための人身売買や強制労働が行われてきたこと。
国際熱帯農業研究所がカメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア(Fuel注:世界の供給量の70%はこの4か国の小規模農家によって生産されています)の約1500の農場を調査した結果、何十万人もの子どもたちがカカオ農場で危険な仕事に携わっていることが判明したこと。
(Fuel注:マシェティとは刃渡りが長い刀状のナタのことで、武器としても用いられる危険性の高い刃物です。カカオ農園では豆をサヤから取り出す作業にもこの大型刃物が使われます)
児童労働者の多くはブルキナファソ、マリ、トーゴのような貧しい国の出身であること。コートジボワールには国内に親族がいない子供が約12,000人いて、奴隷として売られてきたことを示唆していること。
子どもは朝6時から12時間以上働かされ、常に疲労していること。
労働させられている子どもの就学率は低く、移民カカオ農家の子ども(Fuel注:家族とともに移住してきたと思われる子供)ですら1/3しか就学していないこと。さらにあらゆるケースで女子の就学率は男子に比べて低いこと。
カカオ生産における健康や安全上の問題として、次のようなことがあげられること。
そして、このページには、次のように書かれています。
これが国連専門機関の公式なサイトに書かれている言葉なのです。詳しい全文は次のページをご覧ください。
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/...
はたしてこのような悲惨な児童労働が、今も続いているのでしょうか。21世紀初頭、カカオ産業界は西アフリカでの最悪な形態の児童労働と強制労働を撤廃する共同声明に署名したとされています。21世紀も1/10を過ぎた今、もう子供の奴隷労働なんて過去の話だよ、と言える世界ならいいのですが…。
しかし依然として世界の貧富の差は激しく、今でも貧しいという理由だけで命を失っていく子供が絶えない状態です。また「子どもの権利条約」では全ての子供に教育を受ける権利があることを明記していますが、いまだ世界では7700万人もの子どもが、初等教育すら受けられていないと言われています。
(参考:http://www.ftcj.com/aboutchildren/education.html)
未来を担う子供たちが教育を受けられないということは、その国や地域が未来に渡って発展出来ないことを意味します。逆に、子供たちが学校に通えるだけのささやかな豊かさに手が届けば、その国や地域はすぐに自立発展していけるようになるでしょう。そうした豊かさを世界の隅々にまでもたらそうとする企業取引や私たちの消費行動。それがフェアトレードということなんだろうと思います。
バレンタインの贈り物にフェアトレードのチョコを選ぶとき、きっとそこには、世界の真実を見つめるのと同じ視線の、真剣な心が込められていると思います。それは、フィクションの世界の魔法より強い力で、思いを相手に届けてくれるのではないでしょうか。恋が実るかどうかには相手の事情も関わってきますが、少なくとも真剣な心は伝わっていくと思います。私もそういう本気のチョコを応援したいと思います。