今回のhazamaさんのサプリ例では「アオサ御膳」の一環として「アオサとシラスの混ぜ御飯」が紹介されていますが、私も海苔の炊き込みご飯をご紹介してみたいと思います。
その前に、海苔の味の秘密は何なのか、なぜ日本のご飯にこんなに合うのかを考えてみたいと思います。過去、味は酸味・甘味・塩味・苦味の四基本味に分類出来ると考えられていました。しかしここにもう一つ、和食のダシの味に代表される「うま味」という基本味があることが日本人科学者の研究によって提唱され(1908年、東京帝大・池田菊苗教授によるうま味物質グルタミン酸の発見)、2000年になって舌の味蕾の感覚細胞にグルタミン酸受容体が発見されたことで、今ではこれを含めた「五基本味」が認知されるに至っています。日本独特の繊細な食文化が、科学の発展にまで大きな影響を与えたわけです。
和食のうま味の代表は、昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、シイタケのグアニル酸といった物質が担っていますが、海苔には、この各うま味成分がバランス良く含まれています。つまり、自然という板前が腕によりをかけて最高のダシで仕上げた天然の和食。それが海苔という食べ物なんですね。だから、炊きたてのご飯に海苔をプラスするだけで、日本人はそれを「うまい!」と感じるのです。
それでは、このすばらしい天然のうま味成分が乾燥によってさらにギュッと濃縮されている焼き海苔を使って、簡単おいしい炊き込みご飯を作っていきましょう。
材料は米1合あたりの分量で記すと、
・焼き海苔 全形で1枚~1.5枚
・醤油 小さじ1.5
・みりん 小さじ0.5
・酒 小さじ0.5
・切りごま お好みの量
という感じになります。4合炊くとすれば、海苔4~6枚、醤油小さじ6、みりん・酒各小さじ2の分量になりますね。炊き込みご飯の定番であるダシは海苔のうま味が担いますから不要です。そのほかお好みで季節の素材などを加えてもいいですね。
米は普通にといで、しばらく浸水させておきます。炊飯器に移し、米の量に対応する水の量より若干控えめな水と、醤油・みりん・酒を加え、さらに水を足して最適な水加減に調整。
海苔は香りよくサッと焙って(焼くことで海苔の細胞壁がもろくなり、さらにうま味成分が広がりやすくなります)、適当な大きさにちぎりながら浮かべます。炊く前に海苔とお米は混ぜないこと。
あとは普通に炊いてしばらく蒸らし、蓋を開けてよく切り混ぜ、茶碗によそって切りごまをふりかければ、磯の香りの簡単炊き込みご飯の出来上がりです。
これをおにぎりにしてもおいしいです。普通のおにぎりはご飯の周りに海苔ですが、ご飯とともに炊き込まれた海苔の風味もまた格別。また、少量を土鍋などで炊いて、お夜食にするのにも適しています。お茶碗に白飯をよそって海苔で食べるのとほとんど変わらない材料ですが、炊き込みの一手間を加えるだけでご馳走に早変わり。吸い物には、海苔適宜、とろろ昆布適宜を椀に入れ、お好みで昆布茶の粉を少々、熱い湯を注いで醤油で軽く味付けでどうでしょう。さらに梅干し1個を入れるとおいしいですよ。これにタクアンでも添えれば、勉強や仕事の疲れをホッと癒してくれる「海苔夜食御膳」になります。
海苔は奈良時代に編纂された常陸国風土記や出雲国風土記にも登場する、日本古来からの食べ物です。こんなに古くから海苔を食べ続けてきたのは、おそらく世界でも日本だけではないかと思います。海苔とお米の切っても切れない関係がさらに深まる炊き込みご飯をお試しください。
今回のhazamaさんのサプリ例では「アオサ御膳」の一環として「アオサとシラスの混ぜ御飯」が紹介されていますが、私も海苔の炊き込みご飯をご紹介してみたいと思います。
その前に、海苔の味の秘密は何なのか、なぜ日本のご飯にこんなに合うのかを考えてみたいと思います。過去、味は酸味・甘味・塩味・苦味の四基本味に分類出来ると考えられていました。しかしここにもう一つ、和食のダシの味に代表される「うま味」という基本味があることが日本人科学者の研究によって提唱され(1908年、東京帝大・池田菊苗教授によるうま味物質グルタミン酸の発見)、2000年になって舌の味蕾の感覚細胞にグルタミン酸受容体が発見されたことで、今ではこれを含めた「五基本味」が認知されるに至っています。日本独特の繊細な食文化が、科学の発展にまで大きな影響を与えたわけです。
和食のうま味の代表は、昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、シイタケのグアニル酸といった物質が担っていますが、海苔には、この各うま味成分がバランス良く含まれています。つまり、自然という板前が腕によりをかけて最高のダシで仕上げた天然の和食。それが海苔という食べ物なんですね。だから、炊きたてのご飯に海苔をプラスするだけで、日本人はそれを「うまい!」と感じるのです。
それでは、このすばらしい天然のうま味成分が乾燥によってさらにギュッと濃縮されている焼き海苔を使って、簡単おいしい炊き込みご飯を作っていきましょう。
材料は米1合あたりの分量で記すと、
・焼き海苔 全形で1枚~1.5枚
・醤油 小さじ1.5
・みりん 小さじ0.5
・酒 小さじ0.5
・切りごま お好みの量
という感じになります。4合炊くとすれば、海苔4~6枚、醤油小さじ6、みりん・酒各小さじ2の分量になりますね。炊き込みご飯の定番であるダシは海苔のうま味が担いますから不要です。そのほかお好みで季節の素材などを加えてもいいですね。
米は普通にといで、しばらく浸水させておきます。炊飯器に移し、米の量に対応する水の量より若干控えめな水と、醤油・みりん・酒を加え、さらに水を足して最適な水加減に調整。
海苔は香りよくサッと焙って(焼くことで海苔の細胞壁がもろくなり、さらにうま味成分が広がりやすくなります)、適当な大きさにちぎりながら浮かべます。炊く前に海苔とお米は混ぜないこと。
あとは普通に炊いてしばらく蒸らし、蓋を開けてよく切り混ぜ、茶碗によそって切りごまをふりかければ、磯の香りの簡単炊き込みご飯の出来上がりです。
これをおにぎりにしてもおいしいです。普通のおにぎりはご飯の周りに海苔ですが、ご飯とともに炊き込まれた海苔の風味もまた格別。また、少量を土鍋などで炊いて、お夜食にするのにも適しています。お茶碗に白飯をよそって海苔で食べるのとほとんど変わらない材料ですが、炊き込みの一手間を加えるだけでご馳走に早変わり。吸い物には、海苔適宜、とろろ昆布適宜を椀に入れ、お好みで昆布茶の粉を少々、熱い湯を注いで醤油で軽く味付けでどうでしょう。さらに梅干し1個を入れるとおいしいですよ。これにタクアンでも添えれば、勉強や仕事の疲れをホッと癒してくれる「海苔夜食御膳」になります。
海苔は奈良時代に編纂された常陸国風土記や出雲国風土記にも登場する、日本古来からの食べ物です。こんなに古くから海苔を食べ続けてきたのは、おそらく世界でも日本だけではないかと思います。海苔とお米の切っても切れない関係がさらに深まる炊き込みご飯をお試しください。