内閣府原子力委員会専門委員で中部大学教授の武田邦彦さんは下記のように説明しています。
福島原発の中には発電用のウランが入っていますから原爆とまったく同じ爆発が起こるということはありません。しかし、ウラン235の濃度の低いもの臨界に達しますと高熱になり圧力が上がり、強い放射能を持った溶液が大量に発生します。
かつて東海村で起こったウランの臨界事故はこのタイプ(溶液の爆発)です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8...
一番有名で、一番分かりやすいのがチェルノブイリ原子力発電所の事故例でしょう。
爆発、炎上、放射性物質の飛散、大量の被爆者と死傷者の発生。
翌日にはスウェーデンで核戦争の発生と勘違いされるほどの高濃度の放射性物質が検知されています。
直接の影響範囲は半径30kmですが、実情はそれどころではない。
爆発の規模にもよりますが、もし福島で同じ事がおきたら、最悪の場合首都の移転が必要になるでしょう。
少なくとも福島県の半分以上は遺棄されるしかなくなる。
現在の所、そういう事故は起きていないというのが正直な所かと思いますが、制御棒が入らなかった場合、冷却出来ずに原子炉が稼働し続けますので『メルトダウン』が発生、圧力容器が溶解・水蒸気爆発が発生し格納容器・原子炉建屋が吹き飛んで広範囲に放射性物質が撒き散らされるという事象が発生します。
似たような状況といえば1986年に発生したチェルノブイリ原発事故のような状況となるでしょう。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/Henc.html
http://www.nuketext.org/threemile.html
http://criepi.denken.or.jp/jp/ldrc/study/topics/20060904.html
現在、福島第一原発1・2・3号機は緊急炉心冷却装置が働かず、津波を受け外部電源(原子炉は外部から電源を取りプラントを稼働させます)が喪失、非常用ディーゼル発電機も使用できず、冷却ができなかったという事で、現在様々な手段を講じて冷却を続けている訳です。ですので、まだ止まりきっていない状況。核分裂反応は『臨界』状態ではないが続いている為に熱が発生しているという事になります。
関係者・自衛隊の皆様の検討とご無事を祈るばかりです。
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