といっても親戚ですが、縁起をたどるとかなり由緒正しき神社の神主様です。失礼があってはならないということで、大慌てで季節外れの大掃除が始まりました。屋敷は常に清浄であるべきというのが神道のしきたりですから、そういうイエでお迎えしないと失礼です。せっせと床を磨いたり、窓を拭いたり。神社でもお寺でも、掃除というと、とにかく磨きますね。磨くということが魂を磨くことにつながると考えられているようです。
庭も掃きます。神社の庭のように、きれいにきれいに掃き清めます。こうして土曜日を一日費やしてお掃除。でも、掃除の意識として、きれいにするというのと、磨き清めるというのでは微妙に違いますね。ふぅ、お掃除終わり。とても清々しい気分でした。
しかし、ご苦労様とお茶を飲んでいるうちに気が付きました。「トイレ、忘れてたよね」。トイレ磨きは私が引き受けました。トイレは磨くべき個所が多いので、やり甲斐がありました(笑)。
こうして清浄の気漂う屋敷に脱皮したわが家に、いよいよ神主様がやってきました。私は特に信仰は持っていませんし、両親も同じですが、神主様というとやはり緊張します。親戚と言っても本家筋の方で、父も若い頃にお会いしただけという方ですから、さらに緊張してしまいました。
しかし、ドアを開けると、なんと優しい笑顔のおじいちゃん。挨拶もそこそこに庭を見回し、あぁこれこれ、この木に会いに来たのですよと1本の庭木に歩み寄って、とてもうれしそうにしていました。なんでもその庭木は神社のご神木の隣りに自然に生えてきた実生の木で、縁起がいいからと、わが家の新築祝いに贈ってくれたものなのだそうです。それを思い出して、わが家に立ち寄ってくださったのでした。神主様はしばらく木と何かを語り合っていたようでした。
イエに上がっていただき、お茶で接待の後は何か店屋物でも取っておもてなししようと相談していたのですが、神主様は、いつもわが家で食べている普通の食事がいただけたらとおっしゃいます。もう5日もホテルの食事と外食ばかりなので、家庭的な味がほしいとのことでした。
そこで、焼き魚や煮物などの本当にごく普通の家庭の食事。神主様も気さくな会話で、家族の団らんそのままの会食となりました。由緒正しき神社の神主様とのことで緊張しまくっていたのがうそみたいでした。会話が弾んで、時がたつのも忘れてしまうくらいでした。
帰りがけに神主様は、私にそっと耳打ちをしてくれました。「君はあの木をとても熱心に世話してくれているそうですね。木がお礼を言っていますよ」と。そして、あの庭木は縁結びの御神木のゆかりの木であること、木は大地を通してたくさんの木とつながっているので色々な情報を持っていることを話してくれました。
「あの木が言うには、君のことを好いているお嬢さんがいるそうです。良縁になりそうかいと聞いたら間違い無しと言っていましたから、きっと近いうちに福が舞い込むことでしょう、楽しみですねぇ」
と、すごいことを話してくれました。そしたら本当に、生まれて初めて彼女が出来ました(笑)。
ちょっととりとめのない話になってしまいましたが、緊張したり楽しかったり、ちょっと不思議な体験までしてしまった「わが家の来客の思い出」でした。
といっても親戚ですが、縁起をたどるとかなり由緒正しき神社の神主様です。失礼があってはならないということで、大慌てで季節外れの大掃除が始まりました。屋敷は常に清浄であるべきというのが神道のしきたりですから、そういうイエでお迎えしないと失礼です。せっせと床を磨いたり、窓を拭いたり。神社でもお寺でも、掃除というと、とにかく磨きますね。磨くということが魂を磨くことにつながると考えられているようです。
庭も掃きます。神社の庭のように、きれいにきれいに掃き清めます。こうして土曜日を一日費やしてお掃除。でも、掃除の意識として、きれいにするというのと、磨き清めるというのでは微妙に違いますね。ふぅ、お掃除終わり。とても清々しい気分でした。
しかし、ご苦労様とお茶を飲んでいるうちに気が付きました。「トイレ、忘れてたよね」。トイレ磨きは私が引き受けました。トイレは磨くべき個所が多いので、やり甲斐がありました(笑)。
こうして清浄の気漂う屋敷に脱皮したわが家に、いよいよ神主様がやってきました。私は特に信仰は持っていませんし、両親も同じですが、神主様というとやはり緊張します。親戚と言っても本家筋の方で、父も若い頃にお会いしただけという方ですから、さらに緊張してしまいました。
しかし、ドアを開けると、なんと優しい笑顔のおじいちゃん。挨拶もそこそこに庭を見回し、あぁこれこれ、この木に会いに来たのですよと1本の庭木に歩み寄って、とてもうれしそうにしていました。なんでもその庭木は神社のご神木の隣りに自然に生えてきた実生の木で、縁起がいいからと、わが家の新築祝いに贈ってくれたものなのだそうです。それを思い出して、わが家に立ち寄ってくださったのでした。神主様はしばらく木と何かを語り合っていたようでした。
イエに上がっていただき、お茶で接待の後は何か店屋物でも取っておもてなししようと相談していたのですが、神主様は、いつもわが家で食べている普通の食事がいただけたらとおっしゃいます。もう5日もホテルの食事と外食ばかりなので、家庭的な味がほしいとのことでした。
そこで、焼き魚や煮物などの本当にごく普通の家庭の食事。神主様も気さくな会話で、家族の団らんそのままの会食となりました。由緒正しき神社の神主様とのことで緊張しまくっていたのがうそみたいでした。会話が弾んで、時がたつのも忘れてしまうくらいでした。
帰りがけに神主様は、私にそっと耳打ちをしてくれました。「君はあの木をとても熱心に世話してくれているそうですね。木がお礼を言っていますよ」と。そして、あの庭木は縁結びの御神木のゆかりの木であること、木は大地を通してたくさんの木とつながっているので色々な情報を持っていることを話してくれました。
「あの木が言うには、君のことを好いているお嬢さんがいるそうです。良縁になりそうかいと聞いたら間違い無しと言っていましたから、きっと近いうちに福が舞い込むことでしょう、楽しみですねぇ」
と、すごいことを話してくれました。そしたら本当に、生まれて初めて彼女が出来ました(笑)。
ちょっととりとめのない話になってしまいましたが、緊張したり楽しかったり、ちょっと不思議な体験までしてしまった「わが家の来客の思い出」でした。