男が嫌いな人は腐女子なんですか？

漫画やアニメのキャラクターに志向が向かう人というのは、虚構に身を置く彼らにこそ実現できる、そうあるべき理想の姿を見出していると同時に、現実の人間に対して一種の諦めを抱いているという場合が多そうです。ですから、女性なら男性の、男性なら女性の、最もそうあってほしい姿を、漫画やアニメなどの作品に見出そうとするわけです。今時の女性であれば、それが乙女系とかBLといったジャンルに特に当てはまるですね。私は男性ですが、これは男性にとっても言えることで、ヒロインにやたら女子高生という設定が多かったり（『もしドラ』なんて元々そうですね）、古来からも女性に「処女性」とか「たをやめぶり」が求められてきたわけです。

しかしだからといって、現実の男性が嫌いであればすなわち腐女子、という十分条件は成り立たないと思われます。ある人は自分の「王子様」たるべき人を少女漫画の中に、さらには現実に追い求めるかもしれませんし、逆に結婚してしまうことで専業主婦となり、職場などでの男性との関わりを断つ、などといったことも考えられます。時代を遡ってもこの理想を追い求めようとする志向はむしろ顕著で、古代ギリシア時代の彫刻家は、その理想の姿、男性について言えば裸体の筋骨隆々たる姿を「神」として表現したりしました。（ちなみに古代ギリシアでは「少年愛」、今で言うBLのようなものが流行っていた時期があったそうです。）

それからこれはあくまで私の自論ですが、腐女子と呼ばれる方々は、「現実の」男性を嫌悪しているだけではなく、女性である自身にも辟易しているのではないかと思うのです。それゆえ、作中の美男に対して一種の変身願望を抱き、それらの作品を読むことで代理的な機制が働いているのではと考えています。

ちなみに私は女の嫌いなロリコンです。