仮に洗濯物に放射性物質が付着していたとして・・・

放射線というものは、常に放出されています。「家の中で」だろうと何だろうと「放出し続ける」のです。放出し続けるからだんだん放射するものがなくなっていきます。出すモノを出してしまうということは、放射性物質そのものが放射性でない物質に変化するということです。だんだん放射性物質が別のモノになっていきます。そうして、もとの量の半分になるまで、たとえばヨウ素131という物質の場合は約8日かかります。これが半減期です。

なので、もしK E I ☆ C H A Nさんの家の服が放射線防護服で一切の放射線を外に漏らさない特殊な繊維でできているというのではない限り、当然ながら家の中でも放射線は放出され続けます。

ただし、放射線の影響は距離の2乗に反比例しますから、たとえば1ミリの距離で密着しているときと1メートル離れたところにあるときを比べると、その威力は100万分の1となります。放射線を浴びることを「被曝」といいますが、たとえばタンスの中の洗濯物からの放射線を3メートル離れた食卓で浴びても900万分の1の影響しかありません。洗濯物を畳むにも数分のことでしょうから、時間が短ければまた気にする必要はありません。

これらの体外からの被曝というのは外部被曝といいます。一方、体内に取り込んでしまうと内部被曝ということになりますが、これは体内に接触するわけで、ちょっと影響が大きいです。わたしはあまり気にしていないですが、こちらは気にする人も多いですね。

どのくらい潜伏し続けるかということですが、それは半減期によります。先ほどのヨウ素131の場合でしたら8日で最初の半分、16日で1/4、24日で1/8、32日（約1か月）で1/16、64日（約2か月）で1/256、88日（約3か月）で1/2048になります。ですから潜伏はしていますが急激に力が弱まります。

これがストロンチウム90だと半減期28.8年になります。ただ、原発から遠ければ遠いほど、これらの重量のある放射性物質は飛んで来にくくなりますので、あんまり心配しすぎるのもどうかと思います。

いずれにしても、原発があろうとなかろうと宇宙にはたくさんの放射線が飛び交っています。これまでにもわたしたちは多くの放射線を浴びてきました（自然被曝というやつです）。ただ、原発事故以降、それが少々増えたということです。もちろん見過ごせない問題ですが、それで不安になってパニックになることの危険性の方が高いと思われます。

わたしも今日の日中に、緑のカーテン用にと思って栽培しているゴーヤの水やりをしましたが、たぶんいくらかの放射線は浴びていると思います。ただ、天気がよかったのでそれよりも紫外線の影響の方がはるかに大きかっただろうと思います。