「有罪が確定した場合、公職の選挙権・被選挙権が停止される」という状況の場合、
在職期間中、不逮捕特権を行使しつづけるということはできるのでしょうか?
また、そのような場合に、不逮捕特権を一時停止・剥奪するような手続きはあるのでしょうか?
>在職期間中、不逮捕特権を行使しつづけるということはできるのでしょうか?
本人が望む限り可能です。
しかし後述するように、逮捕の理由が正当であると国会が判断した場合、不逮捕特権は消滅します。
>また、そのような場合に、不逮捕特権を一時停止・剥奪するような手続きはあるのでしょうか?
国会法第33条の規定により、明らかな現行犯の場合は不逮捕特権が生じません。
また同条に基づき、院の許諾があれば逮捕されます。逮捕に正当な理由があり、会期終了まで逮捕を待てない場合は、院は許諾を与えなければならないとされています。
解釈の仕方に違いがあるためです。
http://sky715.web.fc2.com/sonota/kenpou/3kokkai3.html
●不逮捕特権
第50条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
規定の趣旨は、少数派や反対勢力が逮捕等によりむやみに抑圧されないため。
* 「逮捕」は、刑事訴訟法上のものに限られず、広く公権力による身体の拘束をさす。
* 「会期中」のみ認められ、会期の終了とともに特権はなくなり、逮捕を免れない。
⇒国会閉会中の委員会の継続審議は、会期にあたらない。
⇒参議院の緊急集会は、原則として不逮捕特権が認められる(国会100条1項)。
* 例外(会期中であっても逮捕される場合)
①院外の現行犯(国会33条)
⇒犯罪事実が明瞭であり、こういった場合に特権を認めることは、国会の信用の失墜にも繋がる。
②院の許諾がある場合(国会33条)
◆逮捕の請求に対して院が許諾を与えるかどうかの基準とは
A説;身体の拘束について正当な理由があり、会期終了まで逮捕を待てない場合は、院は許諾を与えなければならない。
B説;正当の理由があっても、議員の活動の重要性を理由に、院は逮捕について許諾を与えなくてもよい。
◆議員の許諾に期限や条件をつけることが認められるか
上記A説から; 逮捕の許諾は、逮捕の正当性を承諾したということであり、条件や期限をつけることは認められない。
判例;「逮捕を許諾しながらその期間を制限するが如きは逮捕許諾権の本質を無視した不法な措置」である(東京地S29.3.6)
上記B説から; 国会での活動の必要性に対応して、条件や期限をつけることが認められる。
なるほど、ちなみに、リンク先を少し読ませていただいたのですが、
"逮捕に正当な理由があり、会期終了まで逮捕を待てない場合は、院は許諾を与えなければならないとされています。"の部分に関しては、慣例などか何かで、明文化されていないものでしょうか?