現在のコンピュータやIT、ネットワーク社会について鋭い視点で論じていて 面白い書籍および論評はありますでしょうか。「この人の論は面白い」という識者を探しています。

本屋では数え切れないくらい専門家がかいたという書籍が並んでいますが、実際どの著作が一読に値するのか・・わからなくてお聞きしました。
最近「Stive Jobs」は読みました。読んでいて凄く楽しかったです。

回答の条件
  • 1人5回まで
  • 13歳以上
  • 登録:2011/11/09 15:31:34
  • 終了:2011/11/14 06:20:06

回答(12件)

id:ShinRai No.1

ShinRai回答回数488ベストアンサー獲得回数212011/11/09 16:59:20

ポイント180pt

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4022576855.html

生命進化8つの謎 / ジョン・メイナード・スミス, エオルシュ・サトマーリ著 ; 長野敬訳

The Origins of Life: From the Birth of Life to the Origin of Language


なんで? 生命進化の本? といぶかしく思われるかもしれませんが、この本の最後に、人類は、言語を獲得して進化しはじめ、文字を獲得して加速度をつけた。そして、現代のコンピュータ・ネットワークは、第三の革命であり、おそらく人類の進化にとって実に大きな意味をもつだろう。まだ誰も気づいていないが。

ということが書かれていました。(英語版で読んで、内容については記憶に頼っているので、正確な表現ではありませんが)

私がコンピュータ・ネットワークについての考えを大きく改めるきっかけとなりました。

id:ShinRai No.2

ShinRai回答回数488ベストアンサー獲得回数212011/11/09 17:11:35

ポイント83pt

利根川進先生の、先生のそのまた先生であった、免疫学者ニールス・イエルネの「免疫システムのネットワーク理論に向けて」という論文が所収されている本です。

ニューロンは有線ネットワークで、免疫細胞は、モバイル・アドホック・ネットワークであるという説明が、1974年に行なわれていたということに驚きを感じます。

http://www.neutrino.co.jp/publication/9789810226145

VII 免疫システムと神経システム

 主として自動的な抑制作用によって支配されているものの, 外部の刺激に対して解放されている免疫システムは, 神経システムと驚くほどに似ている. これら2 つのシステムは, 我々の身体のすべての器官のうち, 非常に多くの種類の刺激に対して満足のいく反応をする能力という点で突出している.

 どちらのシステムも二分法と二元論を示す.両方のシステムの細胞は,信号を受け取ることができるとともに送り出すことができる.どちらのシステムにおいても, 信号は興奮性か抑制性かのどちらかである.この2 つのシステムは,ともに他の多くの身体組織の中に侵入するが, それぞれはいわゆる「血液と脳のバリア」によって分けられているようにみえる.

 神経システムはニューロンのネットワークであり,それは1 細胞の軸索と樹状突起が他の神経細胞群とシナプス結合を築いてできている. 人間の体内にはおよそ100 億個の神経細胞があるが,リンパ球はおよそ1兆個存在している. リンパ球はつまり, 神経細胞よりも100 倍, 数が多いのである.

 リンパ球はネットワークを構成するために繊維による結びつきを必要としない. リンパ球は自由に動き回るので, 直接的な接触か, あるいは彼らが放出する抗体分子によって相互に作用する.ネットワークは,これらの要素が認識するのと同様に認識される能力の内部に存在しているのである. 神経システムにとってと同様に, 外部からの信号によるネットワークの変調は, 外部世界への適応を表わしている. 早い段階で受けた刻印は深い痕跡を残す.

 どちらのシステムも経験に学び強化されることによって持続するとともに, 絶え間ないネットワークの組み換えの中に保存される記憶を作り上げるが, それは子孫には伝達されない. 免疫システムと神経システムの間にあるこれらの表現型における驚くべき相似性は, それらの表現と調節を支配する遺伝子セットが似ていることの結果であるかもしれない.(試訳)

Jerne,N.K. Toward a Network Theory of Immune System, Ann Immunol(Paris)1974;125C(1-2):373-89

他4件のコメントを見る
id:ShinRai

図書館として蔵書しているのは、東大の柏です。市民であれば平日の9-17時に閲覧できるはずです。

2011/11/14 17:13:24
id:noriori3

柏ですか 有難うございます。

2011/11/16 13:20:00
id:kodairabase No.3

kodairabase回答回数661ベストアンサー獲得回数802011/11/09 19:32:11

ポイント70pt
グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)


著者は、早稲田大学政経学部を卒業してMBAを取得した俊才であることに加え、iモードで大成功をおさめ、いまはドワンゴ取締役の夏野剛氏。

「もう一度言う。技術は、ビジネスを生まない。ウェプは単なるツールであり、進化するのは技術だけである。」と言い切る。

ネット社会に対する毒のある内容です。ぜひご一読を。

id:pornograffitti1031 No.4

pornograffitti1031回答回数129ベストアンサー獲得回数22011/11/09 20:24:14

ポイント83pt

このような本はどうですか?

情報ネットワーク社会論

情報ネットワーク社会論

情報社会は脱工業社会、脱資本主義社会なのか? 情報社会=情報ネットワーク社会の実態の最新局面を仔細にかつ多角的に検討して、その可能性と限界、社会経済的位置、実態と行方を明らかにする。

現代のネットワーク社会について語られています

id:noriori3

本屋でちょっとめくってみたんですが、買わなかったんです。もしかして面白いのかもしれませんね、有難うございます。

2011/11/10 13:27:59
id:yk1997kobba No.5

こっば回答回数2400ベストアンサー獲得回数2122011/11/09 23:40:41

ポイント83pt

ネットワーク現象としての社会。「小さな世界」「弱い紐帯」から社会関係資本論までの必読論文を1冊に収録。


ネットワークという概念を単なる比喩的概念ではなく分析道具として使用し、その分野における理論の転換と前進をもたらした7本の研究論文を収録。「小さな世界」「弱い紐帯」から社会関係資本論までの必読論文を集めた一冊。

発売日は少し古いですが、「ネットワーク」という世界、社会のことを深く述べています。

id:noriori3

有難うございます!

2011/11/11 13:26:39
id:ShinRai No.6

ShinRai回答回数488ベストアンサー獲得回数212011/11/10 10:14:24

ポイント160pt

3度目の書き込みですみません。

以前、ウェブ情報の信頼性についていくつかの本を参考にしましたが、割と批判的な本が多かったです。

・大谷卓史 アウト・オブ・コントロール,岩波書店2008

http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/0220390.html


・森健 インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? アスペクト,2005

http://books.google.com/books/about/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AF_%E5%83%95%E3%82%89_%E3%82%92%E5%B9%B8.html?id=uXoUPQAACAAJ


・山本達也 アラブ諸国の情報統制,慶應義塾大学出版会2008

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4766415159.html


・星野芳郎 インターネットの虚像,技術と人間1997

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E8%99%9A%E5%83%8F-%E6%98%9F%E9%87%8E-%E8%8A%B3%E9%83%8E/dp/4764501147

 技術評論家の星野芳郎による「コンピュータによる情報の加工にあっては,いい加減な,さらには嘘の情報をつくることはきわめて容易」であり,「数千万人の人々に対して,一挙に嘘の情報をばらまくことができる」と批判していますが、ネットから得られる情報の最大の問題は、それが本当であるのか、嘘が交じっているのかを、確かめる手段がないことにあるでしょう。

 たとえば、図書館のOPACのように、向こう側に専門家である司書がいる場合は、その人の責任と能力によって、信頼できる情報を得ることができますが、OPAC情報だけだと、蔵書しているはずの本がなかったりすることもあります。

他1件のコメントを見る
id:ShinRai

昨年来、エジプトやチュニジアやそしてもしかしたらリビアでも、ツイッターによる市民革命が起きたような報道がありますが、同時に、某超大国の工作員がたくさんそこに紛れ込んでいたという話もありました。何が本当かわかりませんが、煽動するのはとても簡単です。日本でも、ネットでしか名前の出てこない評論家というのがいて、煽る煽る煽る、ここまでよくも煽るものだという文章を書いていますが、実在するのかどうかもわかりません。なんのためにこんなことやっているのかと不思議ですが、たぶんネット初心者を騙すためではないかと思います。



http://onoderakouichi-truth.cocolog-nifty.com/blog/

http://onoderakouichi-truth.cocolog-nifty.com/about.html

2011/11/11 10:08:48
id:noriori3

本当に。原点に返り、今の状況を考察しなおすことが必要ですよね。
ハードウェアの発展がもたらした文化についても、何かご推薦があれば是非お聞かせください。

2011/11/11 13:20:30
id:Hyperion64 No.7

Hyperion64回答回数791ベストアンサー獲得回数842011/11/10 22:13:06

ポイント160pt

 ジェフ・ハウの『クラウドソーシング』は斬新でした。同じ「クラウド」でもcrowd=多数の人という意味です。

 人々のパワーを使うビジネスや社会の動かし力がネットのなかで生まれている。うまく組織化すれば集団知性が生まれ、社会に貢献することができます。
 wikiやオープンソースなどが例として取り上げられています。確かに、ITをうまく使えば人々に希望と力を与えられるという好例でしょうね。
 SNSやtwitterなどのソーシャルメディアの潜在力を一歩踏み込んで論じたところがこの本の持ち味だと思います。

id:noriori3

こちらは前向きですね、有難うございます。
逆に、社会学でなくIT技術発展そのものについて書いているものもあれば
ご推挙お願いいたします。

2011/11/11 13:24:57
id:a-kuma3 No.8

a-kuma3回答回数4443ベストアンサー獲得回数18252011/11/11 01:32:25

ポイント83pt

逆説的なご紹介。
会社帰りに立ち寄った本屋でパラパラっと見た中で、なんとなくタイトルを覚えているものです。

Facebookマーケティング戦略

Facebookマーケティング戦略

フェイスブックインパクト つながりが変える企業戦略

フェイスブックインパクト つながりが変える企業戦略

Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本

Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本



従来のメディア論や、企業コンサルの方たちが、「Facebook 使ったぜー」みたいなノリで書いたと思われる本です。
どれを読んでも、笑えますよ。
ただ、こういう類の本が、ある程度売れている、という事実は、今の時代を表しているのではないか、とも思ったり。

間違っても、全部なんて買わないように。お金の無駄です。

id:noriori3

有難うございます^^! ブラウズ、ですね。

2011/11/11 13:31:12
id:nawatobi_penguin No.9

nawatobi_penguin回答回数696ベストアンサー獲得回数992011/11/13 14:51:54

ポイント160pt

TCP/IPの勉強をし始めてまずは以下を読み始めました。

マスタリングTCP/IP 入門編 第4版

マスタリングTCP/IP 入門編 第4版

(入手して読んでいるのはアマゾンで見つかったのよりひとつ前の版ですが)
すると、「基本的に性善説・無償でなりたっているけどだれがどうして運営しているのか?どこでお金が発生するのだろう?」という疑問がおこりました。
勉強し始めた当時、以下の本は出版されていなかったのですがあのときこれがあったらもっと腑に落ちたなぁと思いました。
読み物の体裁ではありますが、付録が豊富で技術的にも楽しめる本です。

インターネットのカタチ―もろさが織り成す粘り強い世界―

インターネットのカタチ―もろさが織り成す粘り強い世界―





#補足
日本ではブログやSNS、掲示板も匿名(Anonymous)が主流ですが、匿名というより無名(名無しさん)という意識で名乗らない文化なのではという論評を読んだ記憶がありますがどの本かは思いだせないので、思いだしたら追記いたします。

id:noriori3

技術面からもみれる著書の紹介、ありがとうございます。

2011/11/14 06:16:18
id:onigiri0611 No.10

水社守回答回数281ベストアンサー獲得回数492011/11/13 23:03:55

ポイント110pt

IT社会における情報社会論はどうでしょうか。

情報化の概念が日本に誕生してから40年以上が経過したことをふまえて、歴史的視点から情報化の事象を再検討する。
脱工業化からネットワーク化にいたる情報化の課程を、理論、技術、社会文化、産業、政策といった多角的局面から分析・検討し、複雑かつ重層的な構造と変動の関係を解明。それらの知見を踏まえた上で、論理的に今後の産業先導による情報化の視点を予測した。

id:noriori3

なるほど、幅広く学べそうな内容ですね
ありがとうございます。

2011/11/14 06:03:39
id:fmht7 No.11

fmht7回答回数642ベストアンサー獲得回数642011/11/14 03:33:02

ポイント160pt

最近読んだ本で良かったものを紹介します。
昨今のネットやソーシャルメディアについて

id:fmht7 No.12

fmht7回答回数642ベストアンサー獲得回数642011/11/14 03:36:47

ポイント80pt
  • 人は何故ソーシャルゲームのアイテム課金に手を出してしまうのか。
  • ゲームに夢中になる仕組みを論理的に説明し、マーケティングに活用する。

といった観点で興味深かったです。

人はなぜ形のないものを買うのか

人はなぜ形のないものを買うのか

id:noriori3

ソーシャルゲーム。まだ通信料従量制の頃、手を出してすごい金額の請求がきた経験からここ10年ほど手を出さないようにしていました。読んでみます。仮想社会の話もおもしろそうですね ありがとうございます

2011/11/14 06:14:20
  • id:ShinRai
    これは本ではないです。
    言語の起源をデジタル・ネットワークとして説明しています。

    新しい発想かもしれません。


    デジタル・ネットワーク・オートマトンという思考枠組みとその有効性について - 細胞レベルの記憶・論理から複雑性へ

    得丸公明

    http://latent-dynamics.net/02/08_Tokumaru.pdf

    http://latent-dynamics.net/02/08_Tokumaru.ppt.pdf
  • id:ShinRai
    ウェブ情報知識化における注意事項
    -ビット情報と言語情報の混在ならびに知識の身体性について-

    得丸公明

    http://library.naist.jp/mylimedio/search/magazine.do?target=local&bibid=144

    http://library.naist.jp/mylimedio/search/link-result.do;jsessionid=8b49a301cff0d7ffffffff9af0297373ce44d?nqid=2&mode=simp&database=local&searchTarget=MG&queryid=1&position=&detailCategory=magazine&bibid=144&ret=/mylimedio/search/magazine.do^mode!simp~database!local~searchTarget!MG~queryid!1~detailCategory!magazine~bibid!144&ld=l&lc=PA&lk=ARTICLEID&lid=101014614&lsk=label.ct&

    ウェブ情報は信用できない!?

    2.1. ウェブ情報の信頼性

     さて,ウェブは「行動選択の判断材料に用いる言語表現」(インテリジェンス)をもたらすだろうか.残念ながら,ウェブ上の言語情報は玉石混交で,基本的に信頼してはいけない部類に属する.

     先行研究においても,ウェブインテリジェンスは,低次元の情報として扱っているものばかりで,高度な信頼性を要求する使い方の研究はあまり行なわれていない.ウェブ情報の信頼性,それを信頼できるかどうかも論じられていない.信頼するとは,情報を自分の五官で体験したのと同様とみなせるかということであり,その言葉通りに行動することである.
    なぜウェブ上の言語表現は信頼できないか.韻律(プロソディー)情報をはく奪された純粋な表現だから,表現だけ見ても本当か嘘か判断できないからだ.

    ・ウェブ上の表現には韻律がないため,表現した人間の顔色や声質や気配が感じられない.書き手の本心からの嘘のない言葉であるかどうかを確かめにくい.仮に書き手は誠実であったとしても,第三者の編集や改ざんが行なわれた可能性がある.

    ・その表現を誰が言語化したか,誰が書いたかがわからない.匿名である場合もあれば,仮に名前を名乗っていたとしてもその人が実在しているのか,なりすましではないか,確かめるすべがない.

    ・あえて意図的に世論操作・世論誘導するためにウェブ上で公開される表現もある.
    ・図書館の司書のように,そこに置かれてある表現の取捨選択や管理を行なう人がいない.責任者がいない.

    2.2. ウェブ情報の身体性

     信頼性とも関連するが,ウェブ上で得られる言語表現には身体性を感じない.ウェブ情報は,図書館蔵書やブログやホームページなどの情報が,コンピュータ・ネットワークによって,結びついたものである.インターネット接続さえできればアクセス可能な情報がテラやペタを単位にしてもかなりの量存在する.しかも,世界のどこにいてもそれにアクセスできる.

    各所で提供されるビット情報を,アプリケーション層の画面や印刷機や音響装置によってアナログな状態に復元して利用する.ビット情報が図書館OPAC (Online Public Access Catalog)のように情報源で生身の人間によってきちんと管理されている場合,情報は生きている.このような例はめずらしい.

     コンピュータにとってビットは情報であるが,ヒトにとってそれは単なるデータにすぎず,情報として活用するためには,他にさまざまな要求事項を満足しなければならない.

     図書館の蔵書は図書館に出むかなければ利用できないし,ネットショップの商品は決済と配送の手段がなければ手元に届かない.情報はそれを意味へと翻訳するメカニズムを必要とする.

    ・ウェブ記事は,いつまでアクセス可能かの保証がない.保護してくれる人がいない.プロキシサーバーやキーワードを使った検閲の対象になりやすく,第三者の攻撃によって消される可能性がある.

    ・ハイパーリンク先は,まったく別のサイトであることが多い.元の頁との関係が読めない.

    ・言語表現以外の視聴覚刺激が示されることがあるが,それらはいつどこで撮影録音されたものかわからない.

    ・画面をみている人の身体は静止していて,目と指先と耳だけが動き,ウェブ情報は身体に語りかけない.

    ・言葉は実体をもたない表現型にすぎず,意味に変換されないと何の意味もない.

    2.3. 蚤の市のにぎわい:早い,広い,多い

     たった一度の裏切りも許さないとすれば,ウェブ情報は信頼してはならない,信頼できない情報と言わざるをえない.しかしながら,国際学術誌であろうと有名出版社から発行された書籍であろうと有名大学の教授の意見であろうと,間違えることはある.ウェブ情報も信頼できないからと全否定する必要もない.

     ウェブ情報は蚤の市のようなものかもしれない.広い駐車場にたくさんの個人が手作りの作品や不用品を並べて販売するガレージセールや,ガラクタや偽物も売っている蚤の市であっても,目利きが探せばいいものを見つけることもある.
    ウェブは,広く世界中とつながっていて,一瞬にして大量のデータを処理することができる.自分がどのような情報を求めているかがわかっていれば,検索エンジンに投入する単語(複数)や文節や文次第で,思ってもみなかった情報に出会うことができる.現代社会の問題は,それぞれの科学が専門化・細分化して深くなっているところにあり,概観図を得るために,広く浅い情報をえることの重要性はこれまで以上にある.

     たとえばWikipediaは,誰が書いたかわからないし,偏向していることもあるが,取り扱っている事象が多く,きわめて大雑把な言語表現を得るのには有用である.参考文献の紹介もあり,重要文献をPDFファイルをダウンロードできることもある.したがって,そこから深みへと入っていくための入り口だと割り切って考えればよい.

    2.4. ウェブ情報の知識化の例:図書館OPAC

     おおづかみな情報を得ると,検索エンジンを使って,より専門性の高い,その分野の研究者の業績を探すことができる.投入する言葉に適切なものを選ぶと,それが呪文のように機能して,情報源の的確かつ効果的な絞込みが行なえる.その呪文もはじめから知っておく必要はなく,入門記事や概略紹介をきちんと読むと,ヒントとなる言葉が見つかることが往々にしてある.たとえば南アフリカの旧石器遺跡について調べているときに出会ったHowiesons Poortという7万年前の細石器文化は,そのような魔法の言葉であった.

     昨今は多くの学術論文がウェブ上で無料ダウンロードできる.無料でなくても,一定の金額を払えばアクセスできる.これらは学術専門雑誌の査読を受けているので,質的に保証されている.つまり読者はウェブによって学術雑誌とP2Pで結びつけられる.ウェブは通信経路の役目しか果たしていないが,それ自体が画期的なことである.

     さらに,図書館のOPACが充実してきて,家にいても全国の図書館の蔵書状況がわかるようになった.大学図書館は,古くからの専門雑誌や専門書を,一定の基準にもとづいて受け入れ,丁寧に合本・製本などの手入れをして,司書によるきちんとした管理のもとに保存している.

     どこの図書館にどの文献があるかわかるだけでも,ものすごい時間の節約である.学術雑誌や書籍で研究の最前線がどこにあるかを把握できれば,研究する意義があり,かつ誰も手をつけていない分野がどこであるかがわかり,研究者がユニークで意味のある研究を特定するのに役立つであろう.

     大学の図書館を使い込むと,OPAC情報から,雑誌や本の置かれている書架の位置が想像できるようになり,その近くにどんなコピー機があるか(コピーカードか現金か)といったことまでわかり,論文をコピーするのに必要な時間まで予測できるようになる.これは情報の身体化といえる.ウェブ情報であるOPACが,図書館蔵書と検索者を一つの有機体のように結びつける.

     重要なのは,検索者が実際に体を動かして図書館(学部・学科を異にする複数の図書館)の中を歩き回り,自分で書棚の本にアクセスし,合本して製本された重たい雑誌を抱えてコピー機まで往復することである.図書館の書棚の配置と,資料の大きさや重さの記憶,コピー機の使い方といったさまざまな記憶が,検索者の神経細胞内で記憶され,それがOPACの情報と結びついて呼び覚まされ,検索者の意識の中で統合される.

この質問への反応(ブックマークコメント)

「あの人に答えてほしい」「この質問はあの人が答えられそう」というときに、回答リクエストを送ってみてましょう。

これ以上回答リクエストを送信することはできません。制限について

絞り込み :
はてなココの「ともだち」を表示します。
回答リクエストを送信したユーザーはいません