1334894424 湯川秀樹は『目に見えないもの』(講談社学術文庫、1976年)のP81で、中間子を思いついたときのことを書いています。


それによれば、布団の中で考えごとをしていて、思いついたことを枕元のノートに書く習慣をもっていて、それを繰り返しているうちに「この新しい場には、電子の約200倍の質量をもち、ボーズ統計に従う新しい粒子(中間子)を伴うべきことを結論した」とあります。

え? そんな思いつきで生まれた理論でノーベル賞がもらえたの? ちょっとびっくりしました。

彼がノーベル賞をもらったのは、本当にこんな思いつきによるのでしょうか。湯川秀樹博士の他の文献に、別の説明などありませんか。あったら教えてください。

あまりにあっけないので、にわかには信じがたいので、比較参考にする資料を探しています。

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回答2件)

id:adlib No.1

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ポイント50pt

 
 理系論文 ~ ひとこと言うために数十枚の証明を要する ~
 
── 「大分、不眠症が昂じていた」と湯川は回想する。「いろいろの
考えが次から次へと頭に浮ぶ。忘れてしまうといけないので、まくらも
とにノートが置いてある。一つのアイデアを思いつくごとに、電灯をつ
けてノートに書きこむ。こんなことが、また何日かつづいた。(1934年)
十月初めのある晩、私はふと思いあたった。核力は非常に短い到達距離
しか持っていない。この到達距離と、核力に付随する新粒子の質量とは、
たがいに逆比例するだろう。」その質量を当たってみたのは翌朝である。
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/02/020/page3.htm
── 湯川 秀樹《旅人 ~ ある物理学者の回想 ~ 1957 朝日新聞 19600115 角川文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4041238013
 
1.アルキメデスや益川教授は、風呂場で着想を得たと伝えられる。
 
── 『CP対称性の破れ』を起こすメカニズムは、クォークが4つだ
けでは難しかった。素直に考えていけば6つが自然。(略)風呂から上
がったときに6つまで拡張すればできると思いついた。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081007
 浴槽の着想 ~ ヘウレーカ・フロフェッサー ~
 
2.文系論文も、わずか一行の記述を裏づけなければならない。
 
── 平家物語に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とあれば、
われわれ経済学者は、これを理論的に分析しなくてはならない。
(京都大学経済学部50周年の記念講演より)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20061018 経営三原則 ~ わたしの経営免許論 ~
 
3.日本文学の代表作も、簡略な一句によって長編小説が始まっている。
 
── つぎの書き出しは、日本文学三大名文の例(年代順)です。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4603015.html (No.3)
 現代文の条件 ~ 翻訳ソフトでも通じる三段論法で ~
 
4.ベートーヴェン《第九交響曲》の主旋律は、十年かけて温存された。
 
── 創造の主力がむけられはじめたのは一八二二年であり、完成は一
八二四年であるが、最初のひらめきは一八一二年にさかのぼる。(P101)
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/400335012X
── 小松 雄一郎・訳編《ベートーヴェン音楽ノート 19571205-19951116 岩波文庫》
 

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id:ShinRai

疑惑という言い方は失礼しました。

どうして中間子という思いつきが、まるで証明されたかのようになっていくのかのプロセスというのでしょうか。それがわかりません。

2012/04/22 04:16:30
id:adlib

 
…… 研究している仕事が行き詰まってしまってどうにもならないよう
な時に、前記の意味でのコーヒーを飲む。コーヒー茶わんの縁がまさに
くちびると相触れようとする瞬間にぱっと頭の中に一道の光が流れ込む
ような気がすると同時に、やすやすと解決の手掛かりを思いつくことが
しばしばあるようである。(P67/124)
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B009AJGMIG
── 寺田 寅彦《コーヒー哲学序説 19330200 経済往来 19480515 岩波文庫》
 

2017/01/07 17:11:43
id:MEI-ZA-YU No.2

回答回数4756ベストアンサー獲得回数767

ポイント50pt

「湯川秀樹日記」に経緯が載っているようです。
http://planck.exblog.jp/10557261

しかし、この発見は一夜の思索でもたらされたものではなかった。量子力学の発見に遅れてきた湯川は、大学を卒業する1929年までに研究テーマを「相対論的な量子論」と「原子核の理解」の2つに定めている。そして、1932年にチャドウィックが中性
子を発見し、また加速器による原子核の人工的破壊が可能になると、原子核の研究が一気に勢いづく。この後の2年間、湯川は核力の本質の解明に全力を注ぐことになる。
・・・・・
この日記は中間子論発見の経緯に光を当てる第一級の科学史資料である。



http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/02/020/page2.htm

湯川は核子間の距離が10の-15乗mを越えると核力が急激に弱くなるという実験結果から、U粒子の質量を電子の質量の約200倍と推定することができた。

id:ShinRai

最近まで日記は公開されていなかったのですね。

読んでもわからないけど、何が秘密(これまで公開しなかった)だったのだろうと思いました

2012/04/20 23:45:54
  • id:takejin
    陽子、電子、中性子以外の、見たことも聞いたこともない中間子なんてものをつくりだしちゃったことが最大級の貢献でしょう。
  • id:ShinRai
    しかし、それって、なんかあやしくないですか? 見たことも聞いたこともないものを、実験の結果見つけたならわかるけど、布団の中の思いつきであったなんて、、、、

    ちょっとびっくりしませんか
  • id:TAK_TAK
    もちろん、
    それまでの他の物理学者の研究が礎なのですが...

    全部一人で組み立てたわけではないですよ。
  • id:takejin
    小林益川理論だって、二人の議論の結果で、実験ではないし、自発的対称性の破れも超ひも理論も、実験よりも理論先行でしょう?
    理論を思いつくのが布団の中なんて、研究者の鑑ではないですか。
  • id:ShinRai
    そうですか。

    そう言われたらそういう気もするけど、科学ってもっと経験主義的、帰納的なものではないですか。


    布団の中の思いつきでノーベル賞だなんて、物理学って、まるで新興宗教みたいじゃないですか。

    超ひも理論なんて、まさに新興宗教っぽくありませんか。
  • id:ShinRai
    だいたい超ひも理論の49回消えて、今は50回目の世界(でしたっけ?)などというのは、実験のしようもないのでは?

  • id:takejin
    科学って、ひらめき(仮説)と検証だと思います。
    相対性理論って、アインシュタインの頭の中で構築されたもの。その理論に合致する実験事実は、理論が「予測した」ものを検証したことで、相対性理論の正しさが実証されたんですよね。(太陽による光の屈曲の測定)それまでは、新興宗教みたいなもので。
    湯川理論も、布団の中で考えたところまでは、「こう設定するとうまくいく」という説明の一つでしかなかったでしょう。しかし、数式化、周辺理論とのすり合わせ、他の研究者の検証、予測された現象の観測という経緯を経ているわけです。
    思いつきが「正しかった」ことと、検証の結果がゆるぎないこと、説明するのに非常に便利だったこと。そして、それまで考えられなかった相互作用という概念が論理的に説明できたこと。
    ただの思いつきにノーベル賞が与えられたわけではないことと、思いついた場所で差別をする理由がないこと、そして常時そのことを考え続けないと答えに至らないという良い実例であると思います。「ユーレカ!」だってお風呂ですし。

  • id:ShinRai
    ユーレカはいいですよ。お風呂に体が入って、そこであふれた水の量を計るわけで、これは論理的です。

    アインシュタインの相対性理論って、どう検証されたのですか。あなたは検証できますか。


    岩波文庫「相対性理論」をもっていますが、そんな簡単に検証できそうじゃないと感じたのですが。
  • id:ShinRai
    シュレディンガーが「生物体は負のエントロピーを食べて生きている」と述べたのは、完全に間違っているでしょ。

    そもそもS/Nというように、無秩序(Log N)は逆数にして使うもので、それは信号内部の使用可能帯域を雑音によって食いつぶすわけで、負にすれば栄養になるなんて、大きな大間違いですよね。

  • id:takejin
    検証はその分野の専門家に任せます。
  • id:adlib
     
    >思いつきでノーベル賞だなんて<
     
     思いつきが受賞したのではなくて、証明論文に賞が与えられるのです。
    (鼻歌のメロディに著作権はなく、楽譜・演奏・録音に存在するのです)
     近年は、研究者グループ全員の日付入り署名ノートが主流だそうです。
     
    ── 自分が真白な論文しか書けないというのではなく、所謂有名な論
    文にしてもそれが一朝一夕に生れたものでなく、またその人の能力のみ
    によって生れたものでなく、実に数多くの真白な論文の積み重なりの上
    に生れるべくして生れものであるという事実を彼がはっきり認識して、
    自分が今後学問的活動に入ってゆく際の決心を披瀝したものなのである。
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19570318 真白な論文 ~ 恩師の条件 ~
     
  • id:taddy_frog
    ぼく自身は、テレビで
    戦車が戦闘機を撃ち落とす場面を見ていて、
    戦車を観測者、弾を光、戦闘機を天体に置き換えて、
    光行差という、
    遠い天体は、昔の姿が見える現象を発見しました。
    ・・・と思ったら、すでに先人が、何百年も前に発見していました。


    ビデオで逆再生などしてなかったのに、
    こんな事を思いついたのは謎ですが。
  • id:taddy_frog
    ベンゼンの分子模型は、
    ヘビが輪になって回る夢か元で発見されました。

    炭素を六個含んでいるのに安定するのはあり得ないと問題になってたけど、
    夢の中のヘビみたいに、輪の形にしたら、
    安定する分子が出来上がるので、
    化学的性質を説明できるようになりました。
  • id:rsc96074
    口で言うのは簡単だけど実際にやるのは難しいのと同様に、
    頭の中で閃くだけなら簡単だけど、それを具現化したり実証するのが難しい。(^_^;
  • id:takejin
    何が問題なのか全然わからない。黒板の前で思いついたならいいのだろうか。
    実験データを前にうならないと科学が進展しないのであれば、ビッグバンとかを「考える」ことも不可なのだろうか。
    帰納的ではなく、演繹的ではいけないのだろうか。
  • id:takejin
    へんてこりんな絵を描いただけでノーベル賞とっちゃったファインマンはどうすればいいのだろう。
  • id:miharaseihyou
     まあ、コロンブスの卵・・ということで納得していただくべきかと。
  • id:ShinRai
    何が問題かといえば、

    >検証はその分野の専門家に任せます。

    で、結局、専門外の人は、信じるだけ。

    これでは新興宗教と同じじゃないですか?
  • id:takejin
    要点を聞けばいいんじゃない?
    解説書とか。数冊読めば「だいたいのところ」はわかる。
    細かい重箱の隅をつつくような検証が必要ですけど、重箱持ってない我々にはつつけない。
    つついた結果、重箱こんなにきれいでしたよって解説してくれればOK。信じる信じないはその人の勝手。
    だって、科学は仮説の上に成り立っていて、定まった解というのは存在しないのですから。
  • id:takejin
    新興宗教って「悪」なんだろうか。現行の宗教だって、起こったときは新興宗教だっただろうに。
  • id:TAK_TAK
    もちろん、信じていない人は、
    「そんなの間違ってる」と
    批判して...反証する(しようとする)のです。

  • id:Mad-Tanuki
    にわかには信じられないことができるから、ノーベル賞にも手が届くのでしょう
    ノーベル賞受賞者が凡人の常識から外れない人物だったらむしろ幻滅です
  • id:ShinRai
    たけじんさん、

    >新興宗教って「悪」なんだろうか。現行の宗教だって、起こったときは新興宗教だっただろうに。

    新興宗教の定義ですが、私は「身体を鍛えない」宗教を新興宗教として受け止めています。つまり言葉だけ。

    現実、経験の裏づけがない。

    そういう点で、物理学は新興宗教みたいだと思ったのです。

    検証しようもない説を唱えるのは何のため? 
    それがわからない。

  • id:taddy_frog
    割れても飛び散らないガラスは、
    怠け者の助手がいたお蔭で発明されました。

    ビーカーで、溶液を作った後、
    洗わないで片付けたら、
    後日、そのビーカーを落とした時に、
    ヒビが入っただけで、飛び散りませんでした。
    実験の指示をしていた人は、
    洗わないで片付けた事を怒る前に、
    破片が飛び散らないなら安全じゃないかと思いついて、
    特許を取りました。
    フィルムを塗った、安全ガラスとして、
    車などに使われるようになりました。




    生理食塩水も、
    怠け者の助手のお蔭で発明されました。
    蒸留水に塩を混ぜて、体液と同じ濃度にして使ってたんですが、
    ある時、カエルの心臓が、長い時間動き続けていたので、
    助手に聞いたら、
    水を蒸留しないでそのまま使った事が分かりました。
    その結果、食塩以外にも、色んなミネラルを入れて、
    より体液に近づけたらいいという事が分かりました。
  • id:miharaseihyou
    アインシュタインの相対性理論でさえ厳密に証明されたものではなくて仮説の一つに過ぎません。
    物理学には現象に当てはまる理論を構築するという帰納法的なアプローチがある。
    実験物理と理論物理ってやつですね。
    この場合、実験結果を説明する理論の展開の中で中性子の存在が必要だと結論したような意味合いがあります。
    http://www1.odn.ne.jp/~cew99250/index.html
    その辺の事情はこのサイトなんか詳しい。
  • id:ShinRai
    中間子説は、証明されたのですか。
  • id:takejin
    証明という定義が、学会認知と違うようですね。
    π中間子に限らず、様々な中間子が飛び交う現在では、素粒子はエネルギーを検知することで実在しているとみなされています。(素粒子の数が多すぎるから、クォークをひねり出したんですよね)
    湯川博士の予測したπ中間子は観測されています。宇宙線による崩壊現象で、特定の質量とエネルギーを持った粒子が飛び出てきたことを検出して、その値が湯川博士の予言した質量とエネルギーであったことから、存在が証明されたことになっているはずです。
    「量子力学の歴史」的な一般啓蒙書には、結構その辺のことがさらっと書かれていますが、そのくらいの記述では納得できないのでしょうか。それ以上の検証を、ご自分で望まれるのであれば、理論物理学の講座に参加して、自ら実験と検証をするしかない気がします。
  • id:takejin
    検証しようもない説を唱えるのは、納得したいから、ですよ。
    世界を説明して、予測できること。これって、いろいろな学問が目指していること。
    そのなかでも、理論物理学は、世界の根幹・成り立ち・行く末を研究する学問。見えないもの、測れないものだからやらないってわけじゃない。見えないものに理屈をつけて、見えるものに反映させる。それには、理屈(数式)がないと、予測(計算)できないから。検証できる値を導き出すのに、検証できない部分の仮説が必要なんです。
  • id:takejin
    体を鍛えないという定義もわからないですが。
    新興宗教って、既存の宗教ではない新しい宗教でしょう?
    宗教って、なにか実証主義なんでしょうか。
    聖書の予言も、コーランの記述も、ラーマーヤナも、「天上天下唯我独尊」も事実をそのまま書いているとは思えません。
  • id:miharaseihyou
    確かに厳密な意味で、例えば数学の定理を証明するような形で証明されたわけではありません。
    しかし、それでも核化学反応による発電は実用化され、様々な社会的な問題を惹起しつつも理論に外れた現象は観測されていない。
    福島の廃墟や世界各地の使用済み核燃料最終処分場では、今でも理論通りに核燃料から発熱が続いています。
    地球のマントル内の核物質も熱核崩壊しているようで、温泉からは熱湯が迸ります。
    核爆弾用のプルトニウムを製造する核炉も存在しますし、世界中の核物質は熱崩壊を続けています。
    これらの現象を説明するのに中性子無しだと理論が破綻してしまうのです。
    現象や実験結果に対する信仰に近い理論なのかもしれませんが、有用であることに異論はないでしょう。

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