1345585039 【人力検索かきつばた杯】#30

http://urx.nu/1bOm
人力かきつばた杯のイメージキャラを使ったショートストーリーをテーマにします。ストーリーや場面設定はかきつばた杯に関連していなくても構いません。
自分が考えたキャラでも前回の質問(http://q.hatena.ne.jp/1344979725)でいいなと思ったキャラ設定を使っても構いません。ただし、キャラ設定はかきつばた杯に関連し、イメージキャラが登場した時に軽く説明を入れてもらうと初めて読んだ人にもこのキャラが何なのか分かると思います。
どうしてもお題に制限がないと困るという人のために考えました。
とっつきにくいようであれば設定の一部を変更してもいいです。
http://q.hatena.ne.jp/1344979725

回答の条件
  • 1人3回まで
  • 登録:
  • 終了:2012/08/29 05:02:08
※ 有料アンケート・ポイント付き質問機能は2023年2月28日に終了しました。

ベストアンサー

id:takejin No.4

回答回数1543ベストアンサー獲得回数203スマートフォンから投稿

ポイント90pt

『変心』


ある朝、俺こと水野晴夫が、なにかかきつばたな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一人の女の子に変わっているのを発見した。俺は艶やかな長い髪を背中の下にして、あおむけに横たわっていた。頭をすこし持ちあげると、アーチのようにふくらんだ夏掛けが見える。夏掛けは胸のところで高くなっていて、その向こうの腹の部分はくぼんでいる。腹のくぼんでいるところにかかっている夏掛けは、いまにもずり落ちそうになっていた。細くてかもしかのような白い足が、頼りなげに投げ出されていた。腿の太さにくらべて、足首がとても細かった。
俺は混乱した。
俺はベッドから床に降り立ち、鏡に向かった。歩きながら見ている限り、着ている服はセーラー服だ。紺色の襟とえんじのリボンが付いている、半袖の 白い夏服。しわを伸ばしながら覗き込んだ鏡の、向こう側に立っているのは美少女だった。
俺は思った。何かおかしい。
「水野さーん」望月君だ。いつものことだが、この姿にどう反応するのか興味がわき、俺はそのまま望月君を部屋へ通した。
「あれ、どうしたのその服。そんなの持ってたの?」いや、服ではないだろう。
「いつもの服、洗濯しちゃったからね。」
「たまにはそんなのもいいかもね。」そうじゃなくて。お前の眼は節穴か。
「たまには?」
「そう。で、脚本書けました?もう、二週間ないんですけど。読み合わせまで。」
「そ、そうだったっけ。」
「あ、また、かきつばたでしょう。ダメですよ、脚本優先ですからね。」それどころじゃないんだけど。
そう。それどころじゃないんだ。なにか、頭の中で声がする。
「頭の中で、声がするんだ。」
「あ、水野さん。そんなこと言って脚本書けないなんて言うんでしょう。ダメダメ。騙されませんよ。」
ほんとに、俺の頭の中で、誰かが叫んでいる。なんて言っているんだ?
「ホントなんだって。それに、このカッコ。変だろう?」
「いつもに比べれば、少し変ですけど。それもありでしょう。それより脚本です。今日はできるまで待ってますから」
パソコンの前に座り込んで、ゲームをやり始める望月君は、いつもと変わらない。何だ?なぜ、この容姿に突っ込まないんだ?
ノックの音がした。ドアが開き、中年の女性が入ってきた。
「あら、扶亜ちゃん。今日は学校に行くことにしたの?無理しなくていいわよ。でも、制服姿もたまにはいいわねぇ。ねぇ望月君。学校行く気になった みたいだから、学校まで送ってくださらない?ほら、扶亜ちゃん支度して。ね」
フワ?だれだそれ?
「いや、おかあさん、きゃくほ…  そうですね、送りましょう。ム・ト・ウさん、僕の車へ。」
女性と望月君は部屋を出ようとしている。俺はつぶやく。
「声が聞こえる。声が聞こえるんだ」
振り向く二人の向こうから、叫び声が、俺に向かってぶつかってきた。

『戦え!』

他4件のコメントを見る
id:takejin

フランツでわからなければ、変身で検索。

2012/08/31 21:02:10
id:maya70828

わかりました。ありがとうございます。

2012/08/31 21:11:44

その他の回答6件)

id:grankoyama No.1

回答回数560ベストアンサー獲得回数170

ポイント3pt

『微笑みは追憶の果てに』


「なあ、お前、その装備でこれから山を登るのか?」

 ここは三重県のとある山のふもと。隣接する奈良県とひっくるめて霊験あらたかな山々が多数存在するが、そんな由緒正しい山とは趣を別とする名もなき山。
 登山道などという高尚かつ、本来必須とも言うべき要件は満たしていないが、単に駅から近かったというそれだけで、伝統あるはてな文芸部の合宿地に選ばれ続けてはや数年目。
 今年も、総勢たった4名での、通称『山籠もり』、正式名称『はてな文芸部恒例行事 夏期サマーキャンプ合宿~微笑みは追憶の果てに~』が催されることとなった。

 参加者は部長の牙流院力と副部長の盛田健作、伝説のOBの司馬さん、それに新米部員のなりりんである。

 なりりん以外はそれなりにキャンプとして、そう、山で暮らすにあたって必要最大限の準備をしてきた。
 なにせ、水道もトイレも無い山である。2時間ほど登ったところにある若干開けたわずかばかりの平地が彼ら、彼女らの今晩の野営地となる。

 テントや、バーベキューコンロなどの物品は、司馬さんが準備、運搬する。これらは部室の備品でもあるので、夜勤あけで仕事帰りの司馬さんは、GパンにTシャツという仕事帰りの恰好のまま、部室に立ち寄って、ここまで背負い、運んできた。
 部長と副部長は主に消耗品と食糧担当。炭や米、大量の水を昨日から買い出しに精を出して取り揃え、それはそれは、それなりの大荷物になっている。
 さらには、司馬さんが持ちきれなかったこまごまとした、トングやら割り箸やら紙皿やらゴミ袋やらといった小物も引き受けているため、おおきなリュックを背負いながらも、さらに両手がふさがっている。

 大荷物なのである。

 そして、なりりんの担当はというとレクリエーション&文芸部としての部活動としての、文芸部員としての合宿を意味のあるものとすべく必要な物品。
 具体的に言うと、執筆用のノートパソコン(これも文芸部の備品でかなり旧式)に、おやつ。
 それに個人的な持ち物として愛用のスマートフォンを首からぶら下げているだけだ。
 ノートパソコンは、どっかの伊勢丹かどっかの紙袋に適当に入れ、替えのバッテリーも用意しないという逆周到ぶりを発揮し、そのくせ自分のスマホ用の補助充電器は多数取り揃え、電池も万全。
 おやつはスーパーで買い出しにいったそのままに、電池やバッテリーとともにビニール袋に入れられている。

 つまりは、片手に紙袋、片手にビニール袋、首からスマートフォン、以上。
 という出で立ち。

 それで、副部長たる、盛田から、突っ込みを受けているのである。

 それもそのはずで、それぞれ共有の荷物の他に、着替えやら洗面用具やら何やら、いろいろと個人の荷物も持ってきている。
 当然である。

 ところが、なりりんにはそれが見当たらない。紙袋の中身もビニール袋の中身もそれには該当しない。
 それで、副部長の盛田から更なる突っ込みを受けるのである。

「飯はこっちが持ってきてるからいいとして、着替えとかどうすんの?」

「お着替えですか~? 二泊三日なんでこのままでいいかなぁって」
 のんきなものである。ちなみになりりんは学校指定のジャージ姿。確かに寝るにも動くにも最適の恰好ではある。
 が、それを三日も着続けるというのはどうしたものか?



「まあいい、死にやしないんだし。それよりさっさと行くぞ!」
 そう急かしたのは、OBの司馬さんだ。涼しい顔をして立っているが、実は暑い。それもそのはずで、ぎらぎらとした太陽の照りつけるなか、大きな荷物を背負っているのだ。
 3人に背を向けてさっさと山に登りだしてしまった。

 部長と副部長も慌ててそれを追いかける。彼らも、もう3年生になる。この山での合宿は3度目になりさすがに道を覚えたかというと実はそうでもない。
 去年の合宿で、はてな文芸部が上り下りして以来、下手をするとこんな辺鄙な山に足を踏み入れたものはいないだろう。
 獣道すら存在せず、木々がひしめき合っている。そんな場所を、目印の無い目標めがけて登るのだ。
 すべては、OBの司馬さんの野生のカンが便りである。

 そもそも、この合宿は司馬さんが現役で部長を務めていた時に始まった。それ以来、司馬さんは卒業後も欠かさず合宿に参加している。
 司馬さんありきの合宿とも言える。すべての合宿で、司馬さんが先頭を歩き、道なき道を切り開き、やっとこさテントを張れる程度の場所へたどり着く。
 司馬さんなしには語れない『はてな文芸部恒例行事 夏期サマーキャンプ合宿~微笑みは追憶の果てに~』なのだ。

 でもって、なりりんもそのあとを追おうとしたときに、例のあれが襲ってきた。
 そう、末期的な活字中毒である。
 彼女の、その症状は典型的で、活字を読むか書くかしていないと、手がしびれだし、震えだし、果てには奇声をあげて暴れまわるのだ。
 その暴力的な姿は、暴走する巨神兵とも、生きるバルスとも言われている。

「ぶ、ぶんげ~~~~い!! そ、それは……!!!!!!!! こ・こ・ろ・い」
 なりりんの雄叫びが終わらないうちに、気配を察して即座に引き返してきた司馬さんが、軽く当身を当てて、なりりんの暴走を止めた。
 崩れ落ちるなりりんを、部長の我流院? が支える。

 惨劇は免れた。

 暴走したなりりんの戦闘能力は、通常の文芸部員の15~20人分に相当する。
 それは、他校の文芸部員50人との勝負にたったひとりで、しかも瞬殺で勝利したと噂される、司馬さんと類するものではないが、戦うすべを持たない部長を副部長を護りながら、しかも大きな荷物をしょったままの戦いであれば軽装のなりりんに後れを取る可能性もある。
 少なくとも、部長か副部長のどちらかは、なりりんの攻撃にさらされる危険性が高い。
 そうなれば致命傷である。合宿どころではなくなる。
 さすがは、伝説、生ける伝説のOB、史上最強の部長と謳われるだけのことはある。

 横たわる枯れ木を枕に寝かされたなりりん。
 その周囲で、なりりんを見下ろす三人。

 文芸部の今年度の合宿はまだ始まったばかりだ。

 いや、ひょっとすると未だ始まってすらいないのかもしれない。

 to be (not?) continued...

id:maya70828

なりりんがいつ活躍するのか楽しみでした♪

2012/08/25 19:10:05
id:gm91 No.2

回答回数1091ベストアンサー獲得回数94

ポイント35pt

『永遠の1/16』

 夏休み。
 扶亜は、ミーちゃんを差し置いて、単身博多へのバカンスを満喫していた。
 全てを溶かしそうな炎天下、まったく気にも留めずに浮かれている扶亜であった。

♪は~るばる来たぜ天神へ~♪
 「天神の夏……それは豚骨の夏!」
 舌なめずりが止まらない扶亜の前に数人の若い男たちが立ち塞がる。

 「お!ねーちゃん、どこいくとね?」
 「バリかわいかぁ~」
 「よかとこしっとるけん」
 「ラーメンはバリカタ?やわ?」

 速攻で絡まれる扶亜であったが、微動だにしないのは貫禄のなせる業。
 (さて、今日もカモGET!ってとこかしら?)
 その時、背後から一人の男が割り込んできた。

 「待て!」

 その男は何故か全身緑色。
 「お前らハカタンオードモンだな?婦女子に狼藉など許せん!」
 「なんか?お前はぁ?」「くらすっぞ!」「のぼすんな!」
 あっさり返り討ちにされてしまう緑男。
 そのまま袋叩きにされてしまう。

 「やめなさい!
  一人によってたかって、それでも男ですか?この軟弱者!」
 「なんて?キサンもくらすっぞ!」
 矛先を扶亜に向けた男たちであったが、扶亜に敵う者は居なかった。
 「ご、め、ん、あ、そ、ば、せ~」
 12秒で瞬殺される男たち。
 
 「おぼえとけ!」
 「正直、いやだ」

 男たちが逃げ去った後、緑男がヨロヨロと立ち上がった。口元に血がにじんでいる。
 「大丈夫?ほらハンカチ」
 「おお、かたじけない。……キミの腕を見込んで頼みがある」
 「何?」

 「スイーツ、やってみないか?」


 + + + + +

 「私は、スイーツ16#07、コードネーム:サンクロレラ」
 「スイーツ16?」
 「我々、スイーツ16は、秘密結社ナガサキンフーケモンから皆を護る良い子の味方だ」
 「さっきの連中?」
 「いや、恐らく奴らは、ハカタンオードモン。また別の少数勢力だが武闘派揃いの厄介な連中だ」
 「……そう、かな?」
 「とにかく、今我々は強力なメンバーを欲している。例えばキミのような」

 サンクロレラは、少しの間沈黙した後、言いにくそうに口を開いた。
 「ちなみに定員16名に対して現在欠員8名。#01と#10~が空いている」
 「じゃあ1番!」
 「うむ。ではこれを」

 渡されたのは、Sの字が入ったリストバンド。

 「好きなキャラを登録すれば、なりたい物に変身できる」
 「キャラって?」
 「Sで始まる何か、だ。自由に設定していい」
 「Sの他にあるの?」
 「番号違いでよければ、WとかEとかEとかTとかSとか」
 「(……何か重複多くね?)面倒だからSでいいや!」

 + + + + +

 「S、S、S……サディスト!」
 『……過去に登録済みです』
 「シュールレアリスム!」
 『……えっとそれ無理』
 「サンデーサイレンス!」
 『規格外です』
 「スーパーガール!」
 『版権上の問題があります』
 「スーパーライダー!」
 『セーフ』

 『特長について説明を聞きますか? Y/N』
 ――N
 『聞きますか?』
 ――N
 『聞きますよね?』
 ――N
 『聞いてってば!』
 ――Y

 『変身と叫んでジャンプするとライダースーツを装着できます』
 「ふむふむ」
 『特長……
  耐熱性に優れている。15%UP(当社比)
  植物由来の材料で地球になまやさしい
  ミクロジンクピリチオン配合!
  プリン体0、糖……』

 プツッ。

 「……まあいいや、得物ないの?」
 サンクロレラを糺す扶亜。
 「得物……って?」
 「ほら、ライトセイバーとかサイコガンとかビームライフルとか光子魚雷とか!」
 「ありません。己の拳でよろしくどうぞ」
 「じゃ、アシないの?」
 「良い質問だ! カモン! バトルホッピー!」
 爆音を響かせ自走でやって来た1台の改造バイク。全てが茶褐色だ。
 「彼がキミの相棒となる、褐色のニクい奴『バトルホッピー』だ!」
 ヘッドライトがハクダミになっており、ハンドルがまるで奈良公園に棲まう神獣の角の如く突き刺さっている。
 (ぶっちゃけ……悪趣味じゃね?)

 「隅にSUZUKIって書いてあるけど……?」
 「キニシナイ」
 「まあ、よろしく、バトルホッピー」
 扶亜が颯爽と跨ると、バトルホッピーはそれに応えるかのようにツインアイを点滅させアゴをカタカタと鳴らした。そのまま、徐にスロットルをあける扶亜。

 ウォン、ウォンウォン!

 「……いいね。いい」
 エキゾーストノートとカストロールの焼ける甘い香りに恍惚とする扶亜。
 その時、扶亜とバトルホッピーの周りを、光る宇宙が包んだ……。

《なぜなの?なぜ今頃になってアナタは現れたの?》
《カタカタ(遅すぎた?僕が?)」

 「あのー?ちょっと」

《わたしにとってアナタは遅すぎて》
《カタカタカタ(僕にとってアナタは突然過ぎた)》

 「おーい、戯言はやめろ」
 恍惚とした表情の扶亜をウツツに呼び戻そうとするサンクロレラ

 「コイツの燃料はホッピーなんだけど」
 ブォン!ブォン!
 「よっしゃあ!いっちょやったるかぁ!」
 ブォン!ブォン!ブォン!
 「こっちじゃあんまり売ってないから気を・・・」
 キュルルル、ブォン!ブォォォォォォォォ…………
 「あ~行っちゃったよ……まあいいか」


 ……こうして、スイーツ1/16としての扶亜の戦いが幕を開けた。

(続く!)

id:maya70828

2つの回答全体的にみておおまかに変身する前までの文の描写をもう少し丁寧にして変身からバイクに乗って戦闘になるまでの描写を冒頭の描写より荒っぽく書いて戦闘で一気に勢いよく書けば良かったと個人的には思います。
少なくとも冒頭から最後まで同じ調子で書くのでなく、メリハリをつけて書くと勢いのある戦闘描写が生きてくると思います。
細かい所を言うといろいろあるのですが、おおまかにはそんな所です。

2012/08/25 17:38:09
id:gm91

ありがとうございます。

2012/08/25 18:53:34
id:gm91 No.3

回答回数1091ベストアンサー獲得回数94

ポイント35pt

『永遠の1/16』 #02

 街の遊撃手となり、天神を駆け抜ける扶亜。
 ♪あたしゃ、みたさ、あいがー、まーっかにもえーるのをー♪
『ご機嫌ですね?ライダー』
 音声に合わせ、メーターのLEDインジケータが左右にピコピコと点滅する。
「え、あんた、喋れるんだ?」
『私はS.I.T.T、ただのナビです。
 ちなみに今日のランチは親不孝通りの逸翁軒のチャーシュー麺がオススメです』
「いいね!……でもゴメンまた今度。ところで奴らのアジト知らね?」
『奴らとはハカタンオードモンの事ですか?』
「Yes!」
『検索しています……確認しました。ココから東へ約50km。香春岳付近です』
「早っ!」
『つい先ほど、ラーメン山小屋から出前を頼んだのを傍受できました。案内を開始しますか?』
「Yes!」
『了解しました。10km以上道なりです』

 + + + + +

『目的地付近です。案内を終了します』
 ズザザザザー、テールスライドをキメながらバトルホッピーを停める扶亜。
「あれがアジトか……どれどれ」
 入口のドアを叩き壊して潜入すると、中は集会場になっており、数十名の戦闘員に囲まれた首領らしき怪人が居た。首領らしき怪人はロン毛をかき上げながら壇上でアジっている。
「ハカタンモンナ!」『おーどーもん!』
「青竹割ってぇ」『へこにかく!』
「ばってん!」『ラーメン!』
 ジャリッ、ズザ、ズザ
「誰ね!」
 扶亜の侵入に気が付いた戦闘員が叫んだ。
「……攻撃準備中のご主人に聞いてみました。『攻撃されたくないのはどんな時?』『今』
――ということで観念しやがれ!」
「出たな!スケバン刑事!」
「違う!」
「じゃ、少女コマンドーIZUMI?」
「それも違うッ!! 変、身、とうっ!」
 扶亜が後方かかえ込み3回宙返りをキメると同時に、リストバンドから発した閃光が扶亜の体を包む。
「うあ~目が~目がぁ~」
 視界を失いバタバタと倒れる戦闘員たち。
 ライダーへの変身を遂げ、ひしめく戦闘員を一跳びに越え、首領へ迫る扶亜。
「ボス!」「キンパッチ様!」
「もらったぁ!」
 しかしそのキックは空しく空を切る。
「幻?ちがう!」
 あまりの顔のでかさに距離感を誤ったのだった。

「フハハハ!バカん見~る~ブタのケ~ツ~」
「なっ!?」
 隙を見て脱兎の如く逃げ去るキンパッチ。
『ライダー、応答せよ』
 リストバンドから、サンクロレラの声。
「なによ?今忙しいの!」
『奴らが裏口から逃げるぞ、追えるか?』
「追うさ!」
 扶亜の気合に反応したバトルホッピーが、残りの戦闘員を蹴散らしながら躍り出た。
「いくぞ!バトルホッピー!」
「カタカタ(了解)」

~~~~~CM~~~~~~~~~~~
♪ハイ!ここでお知らせです、BGMは
 Ride a firstway / RIDER CHIPS 
音源は、――アナタ負担です!♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~

 裏口を抜けると採石場であった。靴の底が白くなった。

「まくるぞ~」
 ギャリギャリギャリ、ズギャギャギャギャ
 小石を跳ね飛ばしながら、えわわkm/hでかっ飛ばすバトルホッピー。
 突如襲い掛かる砲撃!
 チュドン!ドン!パン!
「撃て!撃て!」 
 小山の上から戦闘員達が扶亜目掛けて撃ちまくる。
「なによ!よってたかって!」
 ガレ場を疾走しながら右へ左へと巧みにかわすバトルホッピー。しかし!
「三つの敵が……やられる!?」
 火線が集中し、爆煙に包まれるバトルホッピー。
「やったか?」
 爆煙から現れたバトルホッピー、しかし扶亜の姿はそこには無い。
「!?」
 その時!
「とうっ」
 立ち込める爆煙からハイジャンプした扶亜!
「ライダーキーーーーック!!」
 着地と同時に地面へ衝撃が走る。地面ごとなぎ倒される戦闘員たち。

「観念しろ!えっとキン……」
「キンパッチ!人の名前くらい覚えんね!」
 思いっきり失礼な扶亜に激昂したキンパッチは、両手に握ったハンガーを振りかざして扶亜へと迫る! 
「ハイヤー!ハイハイハイハイ!」
(は、疾い!)
 手数に圧倒される扶亜、かわすのが精一杯だ。思わず後ろへ跳び退ける。
「シェカラシカッ!」
 気合と共に跳び蹴りで迫るキンパッチ。
 大地を蹴り同じく跳び蹴りで迎え討つ扶亜。
 ドカッ
 空中で交錯する二人……圧倒的なリーチの差はいかんともし難く、吹き飛ぶキンパッチ。
 ズドォォォォォォン!
 ガレ場に叩き付けられめり込んでしまう。

「フ、他愛もない。……バカな!?」
 平然と立ち上がるキンパッチ。
「クククク、オイの秘密ば教えてやるったい『ウタレヅヨイ』」
「な、なんてこと?」
「ボクハ、シニマシェーーーーン!!」
「きゃああああーーー!」
 扶亜、絶体絶命のピンチ!

 ブオオオオオオン!
 ズガッ
「くそっ!ジャマったい!このボロバイク!」
「バトルホッピー!私をかばって?」
「カタカ……タ(ライダー、アリガトウ)」
 プスン。
 鼓動を失うバトルホッピー。
 キン……キン……と音を立ててエンジンブロックが熱を喪ってゆく。

「バカなバイクたい、安心せんね、じきにキサンも地獄に送ってやるったい」
「……おーのーれぇー!」
「くらえ、秘奥義、ナンデン……カンデン……」
 拳を握り締める扶亜。
 (この拳に、オラの全てを賭ける!)
「ヨカヨカ!」
「破ッ!!」
 交錯する拳と拳!閃光が世界を包む。

「あんたが……大将……」ガクッ
 崩れ落ちたのはキンパッチ。
「バトルホッピー……仇は討ったよ。安らかに眠れ」

 ……扶亜はまだ知らない。これから自分を待ち受ける運命のことを。
 そして、バトルホッピーがただのガス欠だということを……。


(続く……かもね)

id:takejin No.4

回答回数1543ベストアンサー獲得回数203スマートフォンから投稿ここでベストアンサー

ポイント90pt

『変心』


ある朝、俺こと水野晴夫が、なにかかきつばたな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一人の女の子に変わっているのを発見した。俺は艶やかな長い髪を背中の下にして、あおむけに横たわっていた。頭をすこし持ちあげると、アーチのようにふくらんだ夏掛けが見える。夏掛けは胸のところで高くなっていて、その向こうの腹の部分はくぼんでいる。腹のくぼんでいるところにかかっている夏掛けは、いまにもずり落ちそうになっていた。細くてかもしかのような白い足が、頼りなげに投げ出されていた。腿の太さにくらべて、足首がとても細かった。
俺は混乱した。
俺はベッドから床に降り立ち、鏡に向かった。歩きながら見ている限り、着ている服はセーラー服だ。紺色の襟とえんじのリボンが付いている、半袖の 白い夏服。しわを伸ばしながら覗き込んだ鏡の、向こう側に立っているのは美少女だった。
俺は思った。何かおかしい。
「水野さーん」望月君だ。いつものことだが、この姿にどう反応するのか興味がわき、俺はそのまま望月君を部屋へ通した。
「あれ、どうしたのその服。そんなの持ってたの?」いや、服ではないだろう。
「いつもの服、洗濯しちゃったからね。」
「たまにはそんなのもいいかもね。」そうじゃなくて。お前の眼は節穴か。
「たまには?」
「そう。で、脚本書けました?もう、二週間ないんですけど。読み合わせまで。」
「そ、そうだったっけ。」
「あ、また、かきつばたでしょう。ダメですよ、脚本優先ですからね。」それどころじゃないんだけど。
そう。それどころじゃないんだ。なにか、頭の中で声がする。
「頭の中で、声がするんだ。」
「あ、水野さん。そんなこと言って脚本書けないなんて言うんでしょう。ダメダメ。騙されませんよ。」
ほんとに、俺の頭の中で、誰かが叫んでいる。なんて言っているんだ?
「ホントなんだって。それに、このカッコ。変だろう?」
「いつもに比べれば、少し変ですけど。それもありでしょう。それより脚本です。今日はできるまで待ってますから」
パソコンの前に座り込んで、ゲームをやり始める望月君は、いつもと変わらない。何だ?なぜ、この容姿に突っ込まないんだ?
ノックの音がした。ドアが開き、中年の女性が入ってきた。
「あら、扶亜ちゃん。今日は学校に行くことにしたの?無理しなくていいわよ。でも、制服姿もたまにはいいわねぇ。ねぇ望月君。学校行く気になった みたいだから、学校まで送ってくださらない?ほら、扶亜ちゃん支度して。ね」
フワ?だれだそれ?
「いや、おかあさん、きゃくほ…  そうですね、送りましょう。ム・ト・ウさん、僕の車へ。」
女性と望月君は部屋を出ようとしている。俺はつぶやく。
「声が聞こえる。声が聞こえるんだ」
振り向く二人の向こうから、叫び声が、俺に向かってぶつかってきた。

『戦え!』

他4件のコメントを見る
id:takejin

フランツでわからなければ、変身で検索。

2012/08/31 21:02:10
id:maya70828

わかりました。ありがとうございます。

2012/08/31 21:11:44
id:grankoyama No.5

回答回数560ベストアンサー獲得回数170

ポイント7pt

『叶えろ! 武藤さん』

 俺が小説なんて書くことになるとは……
 思ってもみなかった。だけど、今こうして書いている。
 そう、あれはほんの数日前……
  ・
  ・
  ・
 夏休みを利用して俺は田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に泊まり込んでいた。
 家に居たって特にすることなんてない。これといって友達もいない。だから毎年、夏になるとおじいちゃんの家で、だらだらとした日々を過ごすのが恒例になっていた。

 物置がわりに使っている古めかしい蔵の整理を頼まれた俺は、そこで古びた壺を見つけた。

「なんだ? これ? こんなとこに置いといたら危ないじゃないか」
 元からそこにあったのか、なにかの拍子に落ちてきたのか、足元に転がっているその壺を持ち上げた時、爆音とともに、周囲が煙のようなもので満たされた。

「我を眠りから覚ましたのは……どいつじゃぁ!」
 壺の転がっていた場所、煙幕の中心で赤い双眸がきらめく。

「ひぃ!!!!」
 俺は驚き腰を抜かしてしまった。

「ごめ~ん、驚かせちゃった?」
 徐々に薄れゆく煙の中から姿を現したのは、セーラー服に身を包んだ少女だ。

「もうっ、そんなに驚かないでよ。冗談よ、冗談、ふふっ」
 少女は屈託のない笑みを浮かべながら俺を見つめる。

「あ、あの……君は?」
「初めまして、ご主人様。キュートでチャームな執筆天使、かきつばた杯のアイドル、武藤フアで~す。
 字数の関係上、ちゃっちゃと説明すると、私はあなたの家系のいわば護り神。守護神。精霊みたいなものね。
 で、期間限定大サービスで、あなたの望みをどんなものでも叶えて差し上げましょう。ただし、というか条件はひとつだけ!
 あなたの夢を物語にして書き綴ってちょうだい。それが、とあるコンテストで入賞すれば、おめでとう! その夢は現実のものになります」

「てか、どっから入ってきたんだ?」
 あまりに出来事と、少女の美しさに目を奪われて、ほぼ放心状態にあった俺は、少女の説明をなんら聞いていなかった。

「こら! ちゃんと聞け! わたしは壺から出てきたの、でもってあなたの願いを叶えてあげるのよ。古くは古事記の時代から、人々の願いを叶えてるんだから!」

「こ、古事記? ってことは君の歳は……」
 バコンッ!
 頭を叩かれた。
「れでぃーに歳を訪ねるなんて失礼ね。大丈夫、壺の中に入っている間はカウントされない決まりだから、まだ17歳よ。
 ちょうどあなたと同い歳」
「なんで、俺の歳を知ってる?」
「言ったでしょう? 精霊なんだから、なんでもオミトオシって設定でよろしく!
 でもって、さっさと願い事を決めちゃって!」

「願い事?」
「だから~、あなたの願いを小説、今回は大サービスで人力検索かきつばた杯、たったの2000文字程度でいいわ。書いて、そこに投稿するの!
 見事ベストアンサーを射止めれば、あなたのその書いた物語は現実のものとなる。どんな無茶ブリでもOKよ。
 ライバルは多いけど、まあ素人の寄せ集めだから、あなたにもチャンスはあるわ! 十分にねっ。
 (とはいえ、一筋縄ではいかないツワモノぞろいでもあるんだけど……)」
「かきつばた?」
「そう。パソコンもってきてるでしょ? テキストファイルでもワードでもなんでもいいから、さっさと書いて、アップしなさい。
 メールアドレスだけあればユーザ登録できるから!
 さあ、善は急げよ。 急がば回り道なんでしてらんない。パソコンのとこまで案内して!」

 そんなこんなで、少女と俺との二人三脚での執筆の日々が始まった。
 少女の姿や言動は俺にしか見えず、聞こえないらしく、俺は傍から見ていると宿題などに精を出しているように映らなかっただろう。
 日がな一日パソコンに向かっているのは不健康という自覚もあったので、メモ代わりのノートにつらつらと思いをぶちまける。
 最後に清書というか、パソコンに入力すればいい。
 だが、そこでは、記述しがたき、悶絶の日々が巻き起こされていた。

 バコンっ!
「なんでそうなるの? 視点が一人称なんだから、客観描写なんていれちゃだめでしょ!」

 バコバコン!
「何回言ったらわかるの? ウェブ媒体のショートストーリなんだから、適度に空行を入れて!
 読みやすく!
 さらには、そこで、読者にそれまでの文脈を飲み込ませる間を与えて!」

 バコン! バコン! バコン!
「だ~か~ら~~~~~、カギかっこの使い方おかしいでしょ!? なんで会話じゃないものまで入る?
 センス無さすぎ!」

「いちいち頭をはたくのやめてくれない?」
「何言ってるの? 時間がないのよ、締め切りはすぐそこよ! いいの? あなたの夢が叶わなくても?
 ううん、そんなこと関係ない、書くのよ! そのために私がついているんだから!
 私のために書きなさい!!」

 なんてことを繰り返しながら――毎回頭をしばきあげられるのはともかく――、それなりに楽しく俺は執筆を続けた。
 少女に淡い恋心なんかも抱きながら……
  ・
  ・
  ・
 そして、俺は、その小説をまさに今、書き上げようとしている。出来上がったこの作品を投稿するつもりだ。
 ユーザ登録も済ませた。
 願い事が叶えられるための条件はたったひとつ。この作品が評価されることだ。
 
 はて? 願い事ってなんだっけ?
 そもそも、なんで小説なんて書き始めたんだ? なんでかきつばた杯なんてものに参加しようと考えたんだ?
 記憶に靄がかかったように、思い出すべきことが思い出せない。
 だが、うっすら浮かぶ少女の顔。忘れようとしても忘れられない。
 思い出そうとしても、思い出せない。

 クラスメイトでもない。塾にもいなかった。古い記憶を呼び覚ましても出てこない。
 見たこともないセーラー服に身を包んだ少女。
 たしか、蔵の奥で……。
 蔵? 蔵になんか入ったか?
 どこだ? どうなってるんだ?

 わからない。何が……どうなっているのか……

 わからない。俺は誰に会ったのか……

 誰だか、思い出せないがもう一度会いたい。

 どうしようもなく会いたい。

 あの少女に会いたい。

 会って同じ時を過ごしたい。

 その気持ちを胸に抱きながら、俺は書いていた小説、『叶えろ! 武藤さん』を締めくくった。

『どうか、俺の願いが叶えられますように』と。

~fin~

id:maya70828

主人公=グラ娘さんで武藤さんに淡い気持ちがあるのかなと勝手に想像してしまいました☆

2012/08/25 19:20:20
id:gm91

作者のかきつばたを盛上げたい気持ちが感じられて良いですね。
(錯覚だったらどうしよう?)

2012/08/27 00:19:41
id:maya70828

他人の作品をどうこう言うほど文章に技量はありませんが、講評希望の方はします。特に希望がなければ感想にします。

id:a-kuma3 No.6

回答回数4971ベストアンサー獲得回数2153

ポイント23pt

『ウロボロスの暑い夏』


「かー、あちぃ」

 東京の夏は、2021年も相変わらず暑い。
 地球温暖化がどうとかいうのは、私が子供のころは、なんだかんだと言われていたようだが、ここ数年は、とんと聞かない。シンボルキャラクターまで準備した、関東の某都市の最高気温合戦は、順調に記録を更新し、最高気温が 50℃を超すというわけもなく、クールな政策を免罪符にした、おじさんたちのだらしない恰好(失礼)が、季節の風物詩となってしまった今でも、夏は毎年やってきて、ひとしきり暑さをばらまいてゆく。

 そんなことはどうでもいい。まずは、水分を補給しないと。

 控室の扉をなんとか通り抜け、ドスンと音を立ててパイプ椅子に座る。
 はずだった。

 ぶにゅん

 盛大に粘着系の音をたて、椅子を巻き込みながら後ろに転がる。

 痛い。いや、全く痛くない。さすが、技術大国日本。無駄に性能が良いのは、ある意味、伝統だと言っても良いだろう。
 違う、そうじゃない。
 こいつが、こんなんだから、私は熱中症の寸前になるわけだし、控室の広さを体感する破目になってしまうんじゃないか。つい、乙女らしからぬ言葉が口から出てしまう。

「くそったれ」


 私は、もしかしたらしなくても良かったかもしれない人生経験をちょっと積んだ後に、晴れて大学生の身分となった。自由が満喫できる最初の夏休みは、当然、アルバイトをするっきゃない。

 というわけで、私は今、キャンペーンガールのアルバイトをしている。
 いや、正確に言うと、キャンペーンのアルバイトをしているガールが私だ。
 もっと適切に言うと、アルバイトでキャンペーンキャラクターを演じているガールが私なのだ。

 父さんに聞いた話では、昔は、それなりに鳴らしたIT企業だったんだそうだ。私も、子供のころ、ニンテンドーのゲーム機で使ってたこともある。紆余曲折はあったらしいが、その会社は今でも立派に続いている。今年が創業二十周年ということで、記念キャンペーンを行っているのだ。


 重い着ぐるみを脱ぎ捨て、小さな冷蔵庫から、そこそこ冷えた缶を取り出し、プルトップを開ける。

 募集時の仕事内容の説明の最中に舟をこいでいたのは、私が悪い。
 多少、仕事の内容が厳しいことについては、文句は言うまい。
 東京の夏が暑いのも、誰のせいでもない(と、思う)。
 被り物で、自慢の美貌を、皆様にお見せできないのも、ある意味仕方ないとしよう。

 せめて、人型にしてくれよ。


 ノンアルだと思って開けた缶が、実は発泡酒だったということに気が付いてしまったせいなのか、今は私の隣に鎮座している、やつの微笑みが能天気過ぎるせいなのか、音だけ大きくて、ちっとも効かないクーラーが癇に障るせいなのか、だんだんと腹が立ってきた。

 タブレットのロックを外して、はてラボからはてなタイムスリップを起動する。
 もう、何が「かくつばたよ~」よ。こっちは、汗をかくつばたよ。


f:id:grankoyama:20120817174556j:image:right:w130

『ウロボロスの暑い夏』


「かー、あちぃ」

東京の夏は、2021年も相変わらず暑い。
温暖化がどうとかいうのは、私が子供のころは、なんだかんだと言われていたようだが、ここ数年は、とんと聞かない。
……

 
 
 
 

他8件のコメントを見る
id:maya70828

>a-kuma3さん
だいたいこういう感じで、当時視聴者の間で賛否両論があった作品です。
http://www.youtube.com/watch?v=HoPYShZ9WJE

2012/08/28 20:30:47
id:a-kuma3

ぼくも、ちょっと調べてみました。
エンドレスエイトとは (エンドレスエイトとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
エンドレスエイトが、8話放送されるという、ダジャレなんですね。
1クール放送のうち、2/3 を実験してしまうなんて、やりますね。
# 本放送を見てないから言えるのかも :-)

2012/08/28 21:24:49
id:grankoyama No.7

回答回数560ベストアンサー獲得回数170

ポイント7pt

hakatahe mutousan

 武藤フアは、博多駅へ降り立った。改札を抜けるや否や、刺客がフアに襲い掛かる。
「だから~、しつこい! わたしは、あんたたちに狙われる筋合いないわよ!」
 返す刀で、刺客を退けたフアであったが、着いた早々、これでは先が思いやられる。


「ほんっとに、人使いが荒いんだから……」
 今回は特別な強行日程だ。
 伊勢の山奥で、伝説のOBとの死闘を繰り広げ、一度は不覚を取ったものの、結局、打ち負かし、文芸部の合宿を台無しにしたと思いきや、一路博多へ。
 博多でとある悪の組織との壮絶なる争いに巻き込まれ、出会って間もない相棒のバイクを失ったかと思ったら、実はそうではなく、さらに、どっかで、おじさんの精神に体を奪われては、中途半端に話が終わり、戦いから、距離を置いたと思えば、気ぐるみの中で延々と夏を繰り返すなどという稀有な目に会い、これで、出番が終わりかと思えば、また博多へと借り出された。

「次はわたしに何をさせようっていうの?」
 フアは天に向かって語りかけた。
 返答は無い。
「もう、うんざりよ」
 返答は無い。
「ほんとは、わたし、普通に暮らしたいの。知ってる? ミーちゃんなんて、彼氏が出来たのよ?」
 返答は無い。
「あ~~~~~~~! もう、何とか言ったらどうなのよ!」
 返答は無い。
「もうたくさん。可変航空機の設計やったり、入社面接受けさせられたり、変な武闘大会に出場させられたり、はてな界での闘いも、分裂する猫も、SWEET16も、つばーんの気ぐるみも、はてな文芸部の合宿も、何から何まで! 普通に暮らしたいのに!」
(普通?)
「そうよ、ごくごく平均的なおんなのことして、変なイベントに巻き込まれないで、ありきたりの人生を歩みたいのよ! なのに、どうして? なんで?
誰も、わたしを放っておいてくれない。
今日だって、かきつばたのイメージキャラの座を狙って、どんどんわけのわかんないキャラクターが押し寄せてくるし……。ひとり相手するだけでも数百文字。それにかきつばた杯の回答枠そんなに無いじゃない!?
どうして、回答に書かれて無い部分でまで苦労しないといけないの?」
(そういう裏設定や背景の出来事って重要なんだよ。それに、それって非常に名誉なことじゃないか?)
「違うの……。そんなんじゃないの…………。壷に閉じ込められたり、バトルしたり……、そんなんじゃないの」
(君は何を望む?)
「ふつうのこと……」
(わかった、君の願いを叶えてあげる。僕からできるせめてもの恩返しだから)
「えっ?」

次回予告
『ノーマれ 武藤さん!』
 何気ない日常。朝起きて、朝食を食べ、学校に行く。
 授業を受けたり、クラスメイトと無駄話をしつつ、部活やったり、ときめいたり、
 ごく普通の日々を送る武藤フア。
 そんなフアに、更なる脅威の普通が襲い掛かる。
 ノーマルなイベントにノーマルなフラグが立ち、決してノーマルの境界を越えない
 熱くもない、盛り上らない出来事たち。
 なんの変哲も無い日常に果して、フアの運命は?

 乞うご期待!



(どう?)
「……なんか違う」
 もはや、悟りの域に達するしかないかと達観するフアであった。

id:maya70828

特に今までの文章を読んでいる人に楽しめるように書いていますね。

2012/08/29 04:49:41

この質問への反応(ブックマークコメント)

トラックバック

「あの人に答えてほしい」「この質問はあの人が答えられそう」というときに、回答リクエストを送ってみてましょう。

これ以上回答リクエストを送信することはできません。制限について

回答リクエストを送信したユーザーはいません