さまざまなものに使われている小麦ですが、お菓子にもスパゲティにもパンにも、身の回りの食べ物には小麦が材料に書かれているのですが、もの凄く安い食べ物にも小麦は入っていますし、とっても高いお菓子にも小麦がはいっています。
流通というのか、生産側ではおそらく、いろいろなグレードの原材料がありそれを商社から小売りへと動いているのだと思いますが、質のいいものと質の下がるものは、主にどういうところでグレードを分けているのでしょうか。
産地で、国産、外国産、国産ならどこどこ産というところで変わるのか、それとも、何々製法のものはいいというものなのか、それとも、どこどこが作っているものはグレードが高いのか、教えて下さい。
日本では小麦粉の自由な流通は許されていません。商社が買い付けた小麦を政府が買い上げて、高い値段で主要な製粉会社に販売します。
結果として、小麦粉の価格を高くして日本の農家を保護し、既得権のある製粉会社の利益を保証し、政府の権限と官僚の利益を守っています。
消費者の観点では、安全な小麦粉を安定して供給される安心感がある一方で、価格が高くて種類が限定されるという残念な状況になっています。
まず、国産小麦について。
http://www.syokuryo.maff.go.jp/notice/konngo-no-mugi1803.pdf
p17 で、等級とランクで、分類されていることが分かります。
P8 で、政府無制限買入制度から民間流通に変わった際(移行は、平成12年度産から)に、政府から「麦作安定資金」というものが支給されるようです。
その単価が、等級とランクで違ってきていて(p15)、市場価格を反映したものだろうと、予想できます。
それぞれの詳しい内容は、こちらで分かります。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/syoryu/kensa/mugi/pdf/kikakumg.pdf
http://www.zenkokubeibaku.or.jp/mugi/syoureikin/syoureikin_2.pdf
また、規格の内容は、随時見直されているようです。
http://www.maff.go.jp/j/study/kensa_kikaku/01/pdf/data5.pdf
輸入小麦については、ほとんどが政府の輸入によるもので、p11 で、平成16年当時の銘柄ごとの標準売渡価格が分かります。
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/0412/pdf/deta4.pdf
先の資料にもありますが、銘柄によって政府売渡価格が、細かく改定されています。
最近のだと、こんなところ。
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/boeki/120222.html
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/boeki/120822_2.html
後、参考になるページをいくつか。
http://www.seifun.or.jp/seisan_kakou/ryuutuu.html
流通経路が分かります。
http://www.syokuryo.maff.go.jp/archives/index.htm#class3
農林水産省の米麦の輸入に関する情報。
ほとんどの小麦生産国では取引に便利なように「銘柄」と「等級」を定めています。
一定の地域で生産され,品質的な特徴がある範囲に入る品種の小麦に付ける商品名が銘柄です。例えば,「カナダ・ウエスタン・レッド・スプリング小麦」という銘柄は,カナダ西部地区産で品質が一定レベル以上のいくつかの赤色春小麦品種が混ざったものです。
それをさらに小麦粒の物理的性状,被害の程度,小麦以外のものの混入量などによっていくつかの等級に分けるか,一定品質基準以上か以下かに仕分けします。
等級 | 1等粉 | 2等粉 | 3等粉 | 末粉 |
---|---|---|---|---|
灰分量 | 0.3~0.4% | 0.5%前後 | 1.0%前後 | 2~3% |
強力粉 | パン(11.5~12.5) | パン(12.0~13.0) | グルテンおよびデンプン | |
準強力粉 | パン(11.0~12.0),中華めん(10.5~11.5) | パン(11.5~12.5) | グルテンおよびデンプン | 合板,飼料 |
中力粉 | ゆでめん・乾めん(8.0~9.0 | 菓子(7.5~8.5) | オールパーパス(9.5~10.5) | 菓子(9.0~10.0 |
薄力粉 | 菓 | 子(6.5~8.0) | 菓子 | オールパーパス(8.0~9.0) |
小麦は善し悪しというより、産地によって味がちがいますね。具体的にはパンとかケーキ、ビールなのですが、これらは使っている小麦の産地によって味が大幅にちがいます。西洋のパンは西洋の小麦を使っているので、西洋の味がします。ビールもしかり。みんなが思っているより味がちがうんです。だから、日本で西洋風のパンを作ると豪語している店は必ず小麦から輸入します。日本や中国の小麦では西洋のパンの味はでない。ビールも同じ。ところが、日本人すべてが西洋の小麦でできたパンやビールを好むわけではないのが問題ですね。たとえば過去にキリンが満を持してチェコ産の麦芽を使った、ほんとにドイツ風のビールを出したんですが、あんまり売れませんでした。
http://www.seifun.or.jp/kisochishiki/syouhinchioshiki.html
2012/10/13 15:08:21ここから表を引っ張ってきたようですが、引用の仕方をまちがってて、正しい情報になってません。
末粉(すえこ)の用途に書かれている「合板」ですが、板を貼り合わせるときの接着剤として使われるそうです。
http://www.seifun.or.jp/wadai/basket/basuketuto-04_03.html