まず、「おられます」から尊敬の助動詞「れる」をとった形「おります」について考えてみましょう。
「おります」は「いる」+丁寧の助動詞「ます」の「いる」が「おる」になったものです。では、「おります」はどのような場面で用いられるのでしょう。「おります」が用いられる典型的な場面は、次の例のように敬意をはらうべき相手に対して、自分の存在を知らせる場合でしょう。
「鈴木さんはいらっしゃいますか?」「ここにおります」
ところで、ここで問題となるのは、この場合の「おります」が丁寧語であるか、謙譲語であるかということです。「おります」が丁寧語であれば、「安田さんはいますか?」と言う場面で、同じように「安田さんはおりますか?」と言えるはずですが、これは許容できないように思われます。したがって、「おります」は謙譲語であるとの判断が妥当でしょう。
このように考えますと、「おられますか」という表現は、謙譲語である「おります」に尊敬の助動詞「れる」をつけた形式であり、矛盾をはらむおかしな言い方であると言えましょう。
ただし、この問題には方言差も関与しているように思われます。実際私の方言では「いる」の代わりに常に「おる」が用いられるため、「おられます」は尊敬語としてなんら矛盾のない自然な表現として用いられています。
有り難う御座いました。日常生活では使用しても問題ありませんが礼儀正しくしなくてはならない場所では使用を控えるべきということですね。感謝致します。
2014/01/04 11:27:33