パブリックドメインとなった書籍を校訂し注釈を付けた上、電子化して少額で販売することを考えております。
作者・翻訳者の著作権は50年で切れますが、同一性保持権は永続することは知っております。
そこで質問なのですが、著作権が切れた書籍を現代向けに校訂し、ひらがな、旧漢字等を現代語に置き換え、注釈を付ける等した上で販売することは同一性保持権の侵害となるのでしょうか。
また、許されるのであればどこまで許されるのでしょうか(「ゐ」を「い」に、「さういふ」を「そういう」にすることは可能なのか、「寝床」を「ベッド」にすることは可能か、文章まで平易な表現に書き変えてしまっても良いのか、等など)
また、坪内逍遥訳のシェイクスピア作品や与謝野晶子訳の源氏物語等の翻訳物についても同様なのかご教示ください。
パブリックドメインの作品を有料で販売する根拠として現代人にも分かりやすいように校訂を加えてあるという点がありますので、法律上許されないのでしたら諦めようと思っています。
コメント(3件)
>>
第五節 著作者人格権の一身専属性等
(著作者人格権の一身専属性)
第五十九条 著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。
(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護)
第六十条 著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。
<<
この解釈としては、旧かなや旧漢字を現代語に治すくらいなら認められると考えられると思えますが、それ以上についてはやや曖昧な点が残りますね。
意訳に関しては著作権の相続者の有無が問題になると思います。
源氏物語やシェークスピアの著作の様に著作権の相続者が不在であれば、第三者が意訳を公開しても著作権法第59条の適用を受けないと思われますが(著作権法第59条違反で告発する権利のある人が居ない)、相続人が居る場合は同条で告発される可能性があります。
(罰則は著作権法第159条2項1)