戦国期の日本刀の反りの実態について

雑兵物語の絵をみると刀は直刀のように見えます。本文にも、歩兵にとっては腰に差す刀は反りがない棒のようなのがイイと書いてあるようです。
日本刀は平安期後半以降に彎刀がメインになって直刀は廃れたとの説明が多いのですが、実態として、仮に、1万の戦国期製造刀があったとして、反りのあるものの比率はどのくらい二なるのでしょう。
戦国期といっても、騎馬兵は多くないでしょうし、戦いに行くときには経済的事情が許せば4,5本を持っていくということもあったと思うのですが、そのような場合でも、反りのある刀ばかりを持って行ったというようなことがあったのでしょうか。

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  • 終了:2018/02/15 13:25:05

回答2件)

id:sennchou No.1

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雑兵物語の絵はデフォルメされているのでは?
ただ反りのある刀は馬上や古いものが多いのでこの物語に出てくる雑兵は反りの少ない短い刀を装備してたのかもしれませんね

id:a-kuma3 No.2

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絵を描いた人の技量というか画風だと思います。

質問で言われているのは、国立公文書館で公開されている、資料請求番号:189-0248だと思うのですが、言われる通り、はっきりと反りが認められるのは No.1 の PDF の P14 で、槍と打刀、脇差がまとめられている絵くらいです。

ですが、資料請求番号:189-0247を見てみると、体の後ろに書かれている打ち刀でも、ほんのりと上にカーブするように描かれている絵が多いです(刃を上にして差してた)。
f:id:a-kuma3:20180208171227p:image f:id:a-kuma3:20180208171437p:image

他の資料請求番号については、189-0244は、189-0247と同じもので刷りが違うだけで、189-0238と、189-0246には挿絵がありませんね。

雑兵物語 - 国立公文書館デジタルアーカイブ
資料請求番号:189-0248
資料請求番号:189-0247

id:hathi

ありがとうございます。
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?BID=F1000000000000033378&ID=&LANG=default&GID=&NO=1&TYPE=PDF&DL_TYPE=pdf&CN=1
ただ、p6/31,8/31,13/31,17/31,25/31,28/31などは直刀に見えます。
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?BID=F1000000000000033381&ID=&LANG=default&GID=&NO=1&TYPE=PDF&DL_TYPE=pdf&CN=1
このp31/39は反りがあると思います。
p14/31の右側の雑兵が手にする2振は曲刀ですが、2兵とも腰に差す刀の反りは先端部のようです。柄と鞘の途中までは直線に近そうです(いわゆる先反り)。茎と刀身がほぼ直線というのは反りの少ないものに思えます。
平安・鎌倉時代の太刀の反りは深く、南北朝時代からやや反りは浅くなり、江戸時代の新刀、新々刀の反りは浅いと言われているようですが、
http://www.shouzando.com/history%20-sword1.html
実際のところ、実用に多く使われた刀は直刀に近い形状や反りの小さなもので、反りの大きな現代的に優美に見えるのは太刀とか限られた人が持っていたということはないのでしょうか。

2018/02/08 19:05:46
id:a-kuma3

反りは10度くらいが一番切れ味が増すそうです。

後者にある以下の記載も重要。

古い刀が平造りの直刀であったのが、次第に鎬造りの彎刀に移行したのは、武装が次第に発達したので、所謂防御に対する攻撃の改良進歩とみるべきであろう。


他の工程を全く一緒にして、反りを入れるか入れないかだけだと、手間はさして変わらず切れ味が劣るということになります。
手間が変わらないということは、安く作れるわけでもなく、切れ味が劣る刀をわざわざ作る理由がありません。


挿絵で見て、反りが無い刀がほとんどであるから(という本があるから)、その当時の刀には、相当数の直刀があっただろうと考えるには、根拠としては弱いです。
回答で、資料請求番号:189-0248に対比させて、資料請求番号:189-0247を持ち出したのは、同じ本につけられた挿絵であっても書く人によって随分と違う。写真であれば、まだしも、という感じですが。

2018/02/09 08:18:25
id:hathi

質問者から

hathi2018/02/14 03:11:32

「挿絵で見て、反りが無い刀がほとんどであるから(という本があるから)、その当時の刀には、相当数の直刀があっただろうと考えるには、根拠としては弱いです」との意見を頂きました。確かに写真ではないし、挿絵だけでいうのはおかしいとも思います。

ただ16世紀の戦闘戦役がなくなった時期に雑兵の訓練や教育用としてそれなりの知識や立場を持つものが作成し利用してきたという点は、考慮すべきだと思います。

また雑兵物語の本文には例えば、上巻 草履取  喜六兵衛のところでは、「日本の国中がながいあいだ平和で、刀の刃を下向きに差してぬきやすくすることもなくなった近頃は、鉄鍋の柄のようにそりかえった刀はおかしい、そりが強いと歩く時かかとにあたるからと、おえらがたのおさむらい衆もご家来衆も棒のようにまっすぐな刀を差される。」とあります。誇張的表現とかもあるとは思いますが、「おれたちのようなまっすぐな刀をよろいの上から差したら、二尺ほどの刃わたりの刀もぬくことができないもんだ。おれがぶっ差したように差せば、五、六尺の刀でも楽にぬけべいぞ。まずよろいの着かたを、おれが見せべいぞ。よろいを着る前に刀脇差しを帯に差し、そのあとで、羽織を着るようによろいをかぶって着るもんだ。」というからには、雑兵達の多くは、反りがないか、小反りの刀を差していたのでしょう。

桃山とかのものでも、1分に満たない小反りの刀がそこそこあるようです。おそらく先反りの刀が多いと思うのですが、それでも、片手で振り回す脇差しではなく、両手で柄をもって(相手も刀を持ってこちらを攻撃しようとしている)切りつけるのは、踏み込んでという訳にはいかないし、相手の手や腕などにあたる刀身部分の角度は数度以上水平よりは傾いたものになります。刀の通常の反りを刃の元を基準にして先の方の角度で見てせいぜい4,5度です。腕と手と柄と反りを合計すれば水平から10度に近い状態になるかもしれませんが、雑兵同士の白兵戦や混戦で反りがある方が良いとはいえない気がします。

http://www.kurayahashimoto.com/katana/trivia.html

むしろ、戦役が広がり、食い詰めの男らを雑兵にして軍を編成するようになるにつれて、反りはどんどんと小さくなってきたという事実はあるので、その実際はなにが主たる理由なのか、戦国時代に各地で戦役があったときの刀の製造やその実態を知れるとうれしいと思います。

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