ジャンルは問いません。気楽にお答えください。
一冊なら
残像に口紅を
「ねえ、この中で一番面白い本ってどれ、読む本無くて」
出がけに娘に声をかけられた。
廊下には、妻が邪魔だと言って、本棚から締め出された私の蔵書が段ボール箱に入って積みあがっている。
「今急いでるから、あとでLINEする。お前ももう出勤じゃないのか?」
「ん」
食パンを口にくわえながら返事をしたためか、「ん」としか聞こえないが、たぶん肯定だろう。私は玄関を出てエレベータのボタンを押した。
エレベータの中から、LINEで質問をしておく。
私『小説か?そのたもろもろか?』
20代半ばで独身なんだから、本読むチャンスは広いだろうに。
下に着くまでに返事が来た。
娘『小説。楽に読めるの。ちょっと金欠だから貸して』
これに、こう答えておく。
私『自由に取っていっていいんだが。
これまでで面白いと思った本を挙げておいて』
スマホをポケットに突っ込んで、スリーウェイバッグを背負い、クロスバイクに乗り込む。
駅までは、ほぼ下りだ。何回かポケットから音が聞こえてくるが、クロスバイクを降りるまで見られない。
駅前の自転車駐輪場のエレベータに自転車を入れる。扉の中に自転車が消えるのを見て、スマホを取り出し、改札へ向かう。
LINEの画面がにぎやかだ。
歩きながらは見られないから、ホームの列に並んでから画面を見る。
最近画面を遠ざけないと文字が読めなくなっているのを実感しながら、スマホを顔に近づけたり遠ざけたりする。
あれ、娘と違うアイコンが混じっている。
娘『ハリーポッター、お嬢様の目は節穴ですかっての、重力ピエロ、武士道セブンティーン』
娘『筒井康隆抜きで』
息子『新参者、白夜行、レイクサイド、緋色の研究、ひかりの剣』
娘『阪急電車も』
息子『ジェノサイド、ラプラスの魔女』
妻『船に乗れ!』
息子『司馬遼太郎抜きで』
妻『SF抜きで』
娘『空飛ぶ広報室、竜は眠る、まほろ』
娘『アンナチュラルみたいなのないの?』
なんだこれ。娘に頼まれたんだけど。邪魔だって言ってた妻からも、なんか来てるし。
息子は偏ってるなぁ、東野圭吾ばっかりじゃないか。
娘の傾向は、ファンタジーありミステリーあり、青春物あり、超能力もか。あ、映画原作か。映像化と人気の作品ね。
幅があるな。共通点は、読みやすさか。
筒井抜きだもんなぁ。筒井筒井言い過ぎだったか。家族八景、時をかける少女読め読めってうるさかったか。
電車が来た。いつもより空いてる。席に座ってちょっと考える。
有川浩・三浦しおん読んでるのか。「舟を編む」とか、読んでそうだな。
宮部みゆきもか。あえて「竜は眠る」ってことは、「ドリームバスター」と「誰か」とかは読んでないのかな。時代物もないな。
怖いファンタジーがないな。じゃあキングは読んでないのか。
アンナチュラル?あのドラマか。論理構成とセリフかぁ。
じゃあ答えよう。
私『名もなき毒、おそろし → 宮部みゆき』
読んでなければ、これだな。
私『ゴールデンスランバー、陽気なギャングが地球を回す → 伊坂幸太郎』
伊坂読んでそうだなぁ
私『博士の愛した数式、真夜中のピクニック、舟を編む』
映画原作シリーズ
私『空飛ぶ馬 → 北村薫』
で、どうだ。
私『ファイアスターター、ペットセメタリー → S.キング これ、昇平も読めば?』
お、
娘『ゴールデンスランバー読んだ。面白かった』
good!のスタンプ付きだ。伊坂読んでたか。
私『伊坂はたいてい面白い』
息子『キングって翻訳でしょ』
私『ジェノサイド読めたなら大丈夫。おんなじ感じ。日本人作家なら、ジョーカーゲーム、鹿の王、迷宮』
妻『私も暇』
”チラッ”スタンプ付きかよ。
私『南の島に雪が降る、野火→結子』
息子『ジョーカーゲームってあの映画の?』
私『映画気にしない。小説は別物。傑作』
妻『え、これ戦争もの』
私『戦争いやなら、5分後の世界。村上龍好きでしょ』
娘『空飛ぶ馬借りる。文庫本だし。サンキュー』
息子『ジョーカーゲーム借りる』
私『続編あるから。たぶん今日帰ったら読みたくなるはず。ジョーカーゲームの隣に入ってるだろ』
妻『SFじゃん』
私『孤宿の人』
妻『時代物?』
私『ツァラトゥストラかく語りき』
息子『合宿だから、全部持ってく』
妻『そんな本無い』
私『ツァラトゥストラはこう言った、だよ』
妻『え、哲学書』
哲学でも学べっての。船に乗れ!に出てきただろ。
いけね、乗り過ごすところだった。降ります、降りますってば。
── ロマン・ローラン/新庄 嘉章・訳《ジャン・クリストフ(一)
1952‥‥ 新潮社》現代世界文学全集 第2~4巻
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JB4E20
|
── 豊島 与志雄・訳《第二巻 朝 19860616 改版第1刷 岩波文庫》
http://www.aozora.gr.jp/cards/001093/files/42591_29597.html
読まない者とは語れない、読んだ者とは争えない。
…… 《ジャン・クリストフ》を読破した者は語らない(要旨)。
── 紀田 順一郎《世界の書物 19890320 朝日文庫》
http://q.hatena.ne.jp/1179472586#a718623(No.6 20070518 17:47:02)
|
音楽をたしなむ人をふくめ、この本を通読した人に出会わなかった。
http://q.hatena.ne.jp/1176044570#a703819(No.11 20070409 16:56:36)
生涯の三冊 ~ 自他・自立・自己 ~
回答ありがとうございます。参考になります。
個人的に最近面白かったのはこれ。
『カササギ殺人事件』
カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫) - はてなキーワード
ぶっちゃけトリックはたいしたことないんですけど(酷)、隋所に散りばめられた要素が、昔ながらのミステリファンの心をくすぐります。
回答ありがとうございます。ミステリーも面白そうですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%81%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%81%AE%E6%A0%84%E5%85%89
>第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した。
回答ありがとうございます。賞を取ってるのは、確かに当たりが多いですね。
新装版 チーム・バチスタの栄光 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
ショートショートで軽いホラーなんですが、去年書いた中では一番おすすめです。
https://monogatary.com/episode/9261
(凄く趣旨を間違えているかもしれないが気にしない←)
【追記】
ジャンル問わずでの質問なら、自分でジャンルを作ればいいんだよ!
(それにしてもはまぞう動かない)
・SF
星を継ぐもの
https://www.amazon.co.jp/dp/B00PGNZFD8/
わくわく感がたまらない。ここで質問して紹介していただいて読んで凄かった。
・ミステリ
いろいろありすぎて選べないというのが正直なところ(SFも、他もそうだけど)
あえてのチョイス。
葉桜の季節に君を想うということ
https://www.amazon.co.jp/dp/B0785DML94/
あるジャンルでのかなりの作品。
・ライトノベル
ハルヒとか?
銀河英雄伝説とかアルスラーンとか。
実はラノベラノベしいラノベで度ハマリした作品はあんまりないです。
・ライトノベル(なろう系)
VRMMOをカネの力で無双する
https://ncode.syosetu.com/n0553bs/
これは凄い。無料で読めるのも凄い。是非読んで! チープっぽいSFだけどこの時代だからこその作品。(紹介記事:http://granko.hateblo.jp/entry/2017/11/20/122935)
・転生サッカー
やり直してもサッカー小僧
https://ncode.syosetu.com/n9987bi/
珍しいサッカー小説で、しかも転生系。これも書籍も出てますが無料で読めるので。
区切りのよいところで終わっちゃいますが、是非ともプロ編とかまで読みたかったなあ。
メジャーみたいに世代交代しても続けられるくらいの名作です。
・ガンダム
機動戦士ガンダム0083
好き嫌いありますが、伝説となったTVシリーズとかは抜きにして大好きな作品。
これと、SEEDは小説として抜群に面白い。あと08小隊。
いやΖとかも悪くないんですよ。文体が今の時代にそぐってないとかそういうの抜きにしたら。
・パトレイバー
機動警察パトレイバー―風速40メートル (富士見ファンタジア文庫)
↑
最高! 最the高
・マクロス
マクロスフロンティア
・インディーズ本
隙間社全集1
https://www.amazon.co.jp/dp/B078758LMD/
↑
わたしもお題提供してる作品もある。アラカルト。
凄くポップな『2億回忌おめでとう!』はわたしの創作にも凄く影響与えました。
↑
これです!
ファウスト 中学2年生の時に読みました 内容を理解もせず
ジャン・クリストフ 高校2年生の時に読みました
レ・ミゼラブル 社会人になってから読みました
モンテ・クリスト伯 社会人になってから読みました
ロビンソン・クルーソー 社会人になってから読みました
以上 岩波文庫です
マリア様がみてる 全巻 社会人になってから読みました コバルト文庫
すべて真夜中の恋人たち 川上未映子
こんなに美しい文章がこの世に存在するのか、と思いました。有名な本ですみません。
回答ありがとうございます。いえいえ、大丈夫です。
最近、新聞の連載で読み通した「盲剣楼綺譚」が面白かったんだけど、出版はまだまだ先になりそうです。
https://ameblo.jp/shizenkaikisen/entry-12357940076.html
回答ありがとうございます。早く出版されるといいですね。
では気楽に、ラノベで最近のおすすめを。
6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。 (角川スニーカー文庫)
これ以降はなろう系です。
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)
始まりの魔法使い 1 名前の時代 (富士見ファンタジア文庫)
この内で20代女性にお勧めするならば、「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」「JKハルは異世界で娼婦になった」「紅霞後宮物語」です。
コメントありがとうございます。
一冊なら
残像に口紅を
「ねえ、この中で一番面白い本ってどれ、読む本無くて」
出がけに娘に声をかけられた。
廊下には、妻が邪魔だと言って、本棚から締め出された私の蔵書が段ボール箱に入って積みあがっている。
「今急いでるから、あとでLINEする。お前ももう出勤じゃないのか?」
「ん」
食パンを口にくわえながら返事をしたためか、「ん」としか聞こえないが、たぶん肯定だろう。私は玄関を出てエレベータのボタンを押した。
エレベータの中から、LINEで質問をしておく。
私『小説か?そのたもろもろか?』
20代半ばで独身なんだから、本読むチャンスは広いだろうに。
下に着くまでに返事が来た。
娘『小説。楽に読めるの。ちょっと金欠だから貸して』
これに、こう答えておく。
私『自由に取っていっていいんだが。
これまでで面白いと思った本を挙げておいて』
スマホをポケットに突っ込んで、スリーウェイバッグを背負い、クロスバイクに乗り込む。
駅までは、ほぼ下りだ。何回かポケットから音が聞こえてくるが、クロスバイクを降りるまで見られない。
駅前の自転車駐輪場のエレベータに自転車を入れる。扉の中に自転車が消えるのを見て、スマホを取り出し、改札へ向かう。
LINEの画面がにぎやかだ。
歩きながらは見られないから、ホームの列に並んでから画面を見る。
最近画面を遠ざけないと文字が読めなくなっているのを実感しながら、スマホを顔に近づけたり遠ざけたりする。
あれ、娘と違うアイコンが混じっている。
娘『ハリーポッター、お嬢様の目は節穴ですかっての、重力ピエロ、武士道セブンティーン』
娘『筒井康隆抜きで』
息子『新参者、白夜行、レイクサイド、緋色の研究、ひかりの剣』
娘『阪急電車も』
息子『ジェノサイド、ラプラスの魔女』
妻『船に乗れ!』
息子『司馬遼太郎抜きで』
妻『SF抜きで』
娘『空飛ぶ広報室、竜は眠る、まほろ』
娘『アンナチュラルみたいなのないの?』
なんだこれ。娘に頼まれたんだけど。邪魔だって言ってた妻からも、なんか来てるし。
息子は偏ってるなぁ、東野圭吾ばっかりじゃないか。
娘の傾向は、ファンタジーありミステリーあり、青春物あり、超能力もか。あ、映画原作か。映像化と人気の作品ね。
幅があるな。共通点は、読みやすさか。
筒井抜きだもんなぁ。筒井筒井言い過ぎだったか。家族八景、時をかける少女読め読めってうるさかったか。
電車が来た。いつもより空いてる。席に座ってちょっと考える。
有川浩・三浦しおん読んでるのか。「舟を編む」とか、読んでそうだな。
宮部みゆきもか。あえて「竜は眠る」ってことは、「ドリームバスター」と「誰か」とかは読んでないのかな。時代物もないな。
怖いファンタジーがないな。じゃあキングは読んでないのか。
アンナチュラル?あのドラマか。論理構成とセリフかぁ。
じゃあ答えよう。
私『名もなき毒、おそろし → 宮部みゆき』
読んでなければ、これだな。
私『ゴールデンスランバー、陽気なギャングが地球を回す → 伊坂幸太郎』
伊坂読んでそうだなぁ
私『博士の愛した数式、真夜中のピクニック、舟を編む』
映画原作シリーズ
私『空飛ぶ馬 → 北村薫』
で、どうだ。
私『ファイアスターター、ペットセメタリー → S.キング これ、昇平も読めば?』
お、
娘『ゴールデンスランバー読んだ。面白かった』
good!のスタンプ付きだ。伊坂読んでたか。
私『伊坂はたいてい面白い』
息子『キングって翻訳でしょ』
私『ジェノサイド読めたなら大丈夫。おんなじ感じ。日本人作家なら、ジョーカーゲーム、鹿の王、迷宮』
妻『私も暇』
”チラッ”スタンプ付きかよ。
私『南の島に雪が降る、野火→結子』
息子『ジョーカーゲームってあの映画の?』
私『映画気にしない。小説は別物。傑作』
妻『え、これ戦争もの』
私『戦争いやなら、5分後の世界。村上龍好きでしょ』
娘『空飛ぶ馬借りる。文庫本だし。サンキュー』
息子『ジョーカーゲーム借りる』
私『続編あるから。たぶん今日帰ったら読みたくなるはず。ジョーカーゲームの隣に入ってるだろ』
妻『SFじゃん』
私『孤宿の人』
妻『時代物?』
私『ツァラトゥストラかく語りき』
息子『合宿だから、全部持ってく』
妻『そんな本無い』
私『ツァラトゥストラはこう言った、だよ』
妻『え、哲学書』
哲学でも学べっての。船に乗れ!に出てきただろ。
いけね、乗り過ごすところだった。降ります、降りますってば。
BAどうもです。
お役に立てたのでしょうか?
はい、ありがとうございました。
再度、オススメさせて頂きます
活字を読まなかった息子が、数年前に読んだ本です
自分の登場人物の年齢が近いので、共感したのかも知れません
私もたまに読み返します
・ぼくは明日、昨日の君とデートする
七月隆文-作
・僕等がいた
高橋ゆのか-作
・忘れ物が届きます
大崎梢-作
・レインツリーの国
手元に無いので、作者は検索して下さい
回答ありがとうございます。参考になります。
BAどうもです。
2019/02/07 23:26:46お役に立てたのでしょうか?
はい、ありがとうございました。
2019/02/08 00:14:14